水晶島
水晶島 | |
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所在地 |
ロシア(実効支配) 日本(領有権主張) |
所在海域 | 太平洋(北海道) |
所属諸島 | 歯舞群島 |
座標 | 北緯43度26分19.1秒 東経145度55分3秒 / 北緯43.438639度 東経145.91750度 |
面積 | 21 km² |
海岸線長 | 32.2 km |
最高標高 | 15 m |
プロジェクト 地形 |
水晶島(すいしょうじま)は、歯舞群島の島の一つ。ロシア名タンフィーリエフ島(Остров Танфильева)。
島名の由来は、アイヌ語の「シ・ショウ(大きい・裸岩)」が「シイショウ」に変化したことから。ロシア語名はオデッサ出身の地理学者ガブリイル・イヴァーノヴィチ・タンフィーリエフ(Гавриил Иванович Танфильев)にちなむ。
地理
全体的に平坦な小島であり、納沙布岬から珸瑤瑁水道を隔てて僅か7キロメートルの距離にあり、貝殻島(3.7キロメートル)に次いで2番目に北海道本島に近い。面積は21平方キロメートルで歯舞群島の中では志発島につぐ面積を有する。
歴史
江戸時代の当初は無人島であった。
- 1945年、ソ連軍の侵攻を受け、占領される。1947年9月中旬に島民は一旦志発島に送られ、引揚船で樺太を経由して北海道へ送られた[2]。
- 1959年、日本側は根室市の一部に編入する。
- 1991年、ソ連崩壊後に成立したロシア連邦が実効支配を継承。
- 2000年以降、ロシア当局によりロシア正教の教会や聖人像が建てられている[3]。
現在もロシア連邦が占領・実効支配している。日本側は北海道の一部として領有権を主張している。
納沙布側の岬にロシア国境警備隊の施設があり、船も停泊できる。また、島内各所にレーダー基地などの軍事施設があり、ロシア側にとっては国境最前線の島としての機能を果たしている。
当該地域の領有権に関する詳細は千島列島及び北方領土の項目を、現状に関してはサハリン州の項目を参照。
住民
ロシア国境軍や水産加工会社社員が交代で常駐しているのみである。現在、水晶島における定住民は存在しないとされている。
2010年12月31日には、常駐していた複数の水産加工会社社員が年越しパーティーを行っている最中に、23人がメチルアルコールを飲み、中毒を起こして4人が死亡する事件が発生した[4]。
2011年2月5日には、水晶島から立ち上る原因不明の黒煙が確認された[5]。
参考文献
- 『北方領土地名考』 北方領土問題対策協会編、1978年
- 『北方領土関係資料総覧』 行政資料調査会北方領土返還促進部、1977年11月4日
脚註
- ^ 『場所境調書』
- ^ “元島民が語る「北方領土」 舛潟 喜一郎 歯舞群島(水晶島)出身”. 独立行政法人北方領土問題対策協会. 2020年11月7日閲覧。
- ^ “水晶島に3メートルの聖人像/ロシア、「自国領」誇示”. 四国新聞社. 2020年11月7日閲覧。
- ^ “北方領土・水晶島でメチル酒盛り、露の4人死亡” (日本語). 読売新聞. (2011年1月5日) 2011年1月5日閲覧。
- ^ “歯舞・水晶島から黒煙「高さ20メートル以上」”. 読売新聞. (2011年2月5日) 2011年2月5日閲覧。