東方妖々夢 〜 Perfect Cherry Blossom.

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東方妖々夢 〜 Perfect Cherry Blossom.
ジャンル 弾幕系シューティングゲーム
対応機種 PC
開発元 上海アリス幻樂団
発売元 同上
人数 1人
メディア CD-ROM
発売日 体験版plus:2002年12月30日
製品版:2003年8月17日
必要環境 OS: Windows 98/SE/ME/2000/XP
CPU: Pentium 以降or互換500MHz以上推奨
GPU: GeForce/RADEON
DirectX8.0以上、VRAM 16MB 以上のビデオカード
その他 同人ゲーム
テンプレートを表示

東方妖々夢 〜 Perfect Cherry Blossom.』(とうほうようようむ 〜 パーフェクト・チェリー・ブロッサム)は、同人サークル上海アリス幻樂団によって製作された弾幕系シューティングゲームであり、東方Project第7弾にあたる作品である。

本項では、以降は『妖々夢』と称することとする。その他の本項で使用されている東方Project関連の略称については、東方Project#凡例を参照。

概要

東方Project通算7作目、Windows版2作目。コミックマーケット63(2002年12月30日)にて体験版plus[※ 1](ver0.01)が頒布され、2003年1月26日に体験版をWEB公開(公開時点のバージョンはver0.05)、コミックマーケット64(2003年8月17日)にて頒布され、9月7日に同人ショップでも委託販売が開始された。

前作『東方紅魔郷 〜 the Embodiment of Scarlet Devil.』の流れを引き継ぎ、クオリティ面での強化が施された。自機は、『紅魔郷』でも自機であった「博麗霊夢」と「霧雨魔理沙」の2名に、『紅魔郷』の5面ボスキャラクターだった「十六夜咲夜」が自機として加わり、3名になった。各登場人物に2種類のタイプ(装備)があり、人物選択時にどちらか片方を選択する。この作品から全モードに6ステージが用意され、難易度Easyでもグッドエンディングが見られる様になったため、初心者やシューティングゲームが苦手な人にもより遊びやすい仕様となった。前作と同様にノーコンティニュークリアすればExtraステージが追加される(前述の仕様変更により難易度EasyでもExtraステージは出現する)が、それをクリアし、かつ別の条件を満たすとさらに難度の高いPhantasmステージが追加される。ExtraステージはPhantasmステージのEasy版という位置付けになっている[1]。同じ人物でも選んだ武器によってエンディングが異なるのは前作と同じである。

あらすじ

暖かい季節は終わり、幻想郷に冬が訪れた。人々は長い冬におとなしくなったが、幻想郷は冬の妖怪たちのため相変わらず騒がしかった。次第に雪が溶け、暖かい季節になるはずであったが、5月になってもまだ幻想郷に春は来ない。

  1. 博麗神社の巫女、博麗霊夢は寒いのが苦手だった。神社は吹きっさらしで家にいてもいなくても寒さは同じだったので、霊夢はいつもどおりに勘を頼りに出発した。
  2. 普通の魔法使い、霧雨魔理沙は寒いのも普通に嫌い、普通に楽しんでいた。ある日、吹雪にの花びらが混じっているのを見た魔理沙は、桜の花びらを辿って春を目指して出発した。
  3. 紅魔館のメイド、十六夜咲夜は暖かい部屋で紅茶を飲んでいた。冬に入る前に用意した燃料が尽きそうになったため、咲夜は燃料が尽きる前に冬を終わらせようと、お嬢様(レミリア)に許可をもらって出発した。

その後、霊夢たちは、幻想郷に春が訪れないのは冥界に住む亡霊姫・西行寺幽々子が原因だと知る。幽々子は、冥界にある封印された桜「西行妖」の封印を解くために春を集めていたのだった。幽々子との戦闘の中で西行妖は花を開くが、完全に封印が解けるには至らず、その後、幻想郷にはいつも通りの春が訪れたのだった。

システム

自機選択 有り
武器選択 有り
低速移動 有り
低速移動時のショット変化 有り(ボムも変化する)
ボム形式 ボムゲージ消費
エクステンド形式 「得点アイテム」の収集数
コンティニュー形式 その場で復活

基本的なシステムは前作と共通しているため、本項では『妖々夢』固有のシステムを紹介する。『妖々夢』から追加されたシステムは東方Project#その他のシステムを参照のこと。

桜点 (Cherry Point)

『妖々夢』では、画面左下に桜点桜点+桜点の最大値が表示される。また森羅結界霊撃というシステムが存在する。

桜点と桜点の最大値

桜点 (Cherry Point) とは、点アイテム入手時の基本点数である。桜点は次の条件で増減する。

増加する条件
  • 桜アイテムを取得する
  • ☆アイテムを取得する
  • ボスにショットを撃ち込む or 高速移動でザコ敵にショットを撃ち込む(低速移動でザコ敵にショットを撃ち込んでも増加しない)
減少する条件
  • ミスをする
  • ボムを使う

桜点には最大値が設定されており、桜点がそれ以上増加する事はない。しかし、後述の森羅結界が発動中に敵弾に「かする」事で最大値を上げる事が出来る。

桜点+と森羅結界

桜点+(プラス) (Cherry Point+) は、桜点と同じ条件で増加するが減少はしない。50000点に達すると森羅結界 (Supernatural Border) が発動し、桜点+の減少が始まる。桜点+が0点になると森羅結界が終了するが、桜点の最大値が10000増加、および桜点を10倍にした値のボーナス点 (Border Bonus) が加算される。

森羅結界の発動中は、自機のパワー・位置に関わらず、アイテム自動蒐集が行なわれる。

霊撃

森羅結界中に被弾、もしくはボムを使うと霊撃 (Spiritual Short Bomb) が発動する。霊撃には「画面内の敵弾を全て小桜アイテムに変換して自機に吸収する」効果があり、発動してもボムや残機が減ることはない。ただし、霊撃が発動すると森羅結界は終了する。この場合、桜点の最大値増加とボーナス点の加算は行われない。

固有アイテム

  • 桜アイテム:マニュアル記載の名称は「桜の花びら」。桜点を上昇させる。フルパワーモード中は、Pアイテムが桜アイテムに変化する。スペルカードを1枚取得するたびにアイテム1個ごとの桜点上昇値が100点増加する。
  • 小桜アイテム:マニュアル記載の名称は「小桜」。霊撃で敵弾が変化したもの。桜点を少し上昇させる。

その他

  • 自機が3人となった。性能の異なる3人のうち1人を選択。その後、前作同様2種類ある武器タイプのうち片方を選択する。人物が同じでもタイプが異なればエンディングも異なる点も前作同様。
  • 本作にはExtraステージの他に、Extraの強化版であるPhantasmステージが存在する。Extraステージをクリアし、更にもう1つ別の条件を満たせば出現する。
  • 本作は5回(難易度Easyは3回)までコンティニューが可能。
  • 高速移動時と低速移動時で、ショットのほか、発動するスペルカード(ボム)も異なる。

自機解説

博麗霊夢
特徴:あたり判定が小さい。喰らいボム有効時間が長い。
霊符 追尾タイプ
  • ショット(高速時):ホーミングアミュレット
  • ボム(高速時):夢想封印 散
  • ショット(低速時):博麗アミュレット
  • ボム(低速時):夢想封印 集
夢符 速射タイプ
  • ショット(高速時):パスウェイジョンニードル
  • ボム(高速時):封魔陣
  • ショット(低速時):エクスターミネーション
  • ボム(低速時):二重結界
霧雨魔理沙
特徴:アイテム取得有効範囲が大きい。アイテム最高得点の位置が低い[※ 2]。初期ボム数が少ない。
魔符 威力重視タイプ
  • ショット(高速時):マジックミサイル
  • ボム(高速時):スターダストレヴァリエ
  • ショット(低速時):マジックナパーム
  • ボム(低速時):ミルキーウェイ
恋符 貫通タイプ
  • ショット(高速時):ストリームレーザー
  • ボム(高速時):ノンディレクショナル
  • ショット(低速時):イリュージョンレーザー
  • ボム(低速時):マスタースパーク
十六夜咲夜
特徴:かすり有効範囲が広い。ミス時のチェリー(桜点)減少が少ない。初期ボム数が多い。
幻符 攻撃範囲重視タイプ
  • ショット(高速時):ジャック・ザ・ルドビレ
  • ボム(高速時):インディスクリミネイト
  • ショット(低速時):ジャック・ザ・リッパー
  • ボム(低速時):殺人ドール
時符 特殊タイプ
  • ショット(高速時):ミスディレクション
  • ボム(高速時):パーフェクトスクウェア
  • ショット(低速時):パワーディレクション
  • ボム(低速時):プライベートスクウェア

登場人物

レティ・ホワイトロック

名前

レティ・ホワイトロック

英字

Letty Whiterock

種族

妖怪

能力

寒気を操る程度の能力

テーマ曲

クリスタライズシルバー

二つ名

  • 冬の忘れ物:『妖』
  • 冬の妖怪:『求聞史紀』

出演作品

  • 『妖』1面ボス
  • 『文(ゲ)』LEVEL 2

冬の間だけ現れる妖怪。『求聞史紀』には雪女の一種とも記されている。

身長は「やや高」[2][※ 3]

彼女は寒気を操る能力を持つ。『求聞史紀』によれば、これは冬の大自然を操る能力に等しいため、環境によっては絶大な力を持つが、冬以外の季節ではほぼ無力。『文花帖(書籍)』ではレティ本人が、冬以外は日の当たらないところに隠れていると発言している。

『妖々夢』では、霊夢たちが冬という幸せを打ち破ろうとしていたため、攻撃を仕掛けた。ただし、彼女にとって春は憂鬱な季節だが、季節が移り変わること自体は当然のこととして受け取っているため、本気で攻撃を仕掛けたわけではない。『文花帖(書籍)』では、チルノのことを「自然の中の小さな歪み」と呼び「一緒にされても困る」と述べる一方、自身を「自然に生きる妖怪様」と称している。

名前

読み/英字

ちぇん / Chen

種族

妖獣(化け猫に憑く式神)

能力

  • 妖術を扱う程度の能力:『妖』式神憑依時
  • 人を驚かす程度の能力:『妖』化け猫時

テーマ曲

ティアオイエツォン(withered leaf)

二つ名

  • 凶兆の黒猫:『妖』2面・『求聞史紀』
  • すきま妖怪の式の式:『妖』Extra

出演作品

  • 『妖』2面ボス・Extra中ボス・八雲藍のスペルカード
  • 『永』エンディング
  • 『萃』『緋』八雲紫のスペルカード
  • 『文(ゲ)』LEVEL 6

尻尾が2本ある、化け猫の妖怪。八雲藍式神(式)でもあるが、藍自身も八雲紫の式であり、紫から見て橙は「式の式」にあたる。

身長は「低」[2][※ 3]

橙は化け猫に鬼神を憑かせたものであるが、式神の藍が打った式神であるため能力はやや低い。その式は水に濡れると外れてしまい、また猫としても水が苦手であるため、とにかく水に弱い。

普段は妖怪の山に住んでいる。『文花帖(書籍)』では猫の里を造りそのトップに立とうとしていたが、経過は芳しくない。

アリス・マーガトロイド

名前

アリス・マーガトロイド

英字

Alice Margatroid

種族

魔法使い

能力

  • 魔法を扱う程度の能力:『妖』『萃』『永』
  • 人形を扱う程度の能力:『求聞史紀』
  • 人形を操る程度の能力:『地』

テーマ曲

人形裁判 〜 人の形弄びし少女

二つ名

  • 七色の人形使い:『妖』
  • 七色の人形遣い:『萃』『永』『緋』『地』『非』『求聞史紀』
  • 雹の人形遣い:『緋』

出演作品

  • 『妖』3面ボス
  • 『永』『萃』『緋』自機
  • 『文(ゲ)』LEVEL 3
  • 『地』魔理沙支援妖怪
  • 『非』ボス、自機としても使用可[※ 4]
  • 『三月精 第2部』第5-6話など
  • 『儚月抄 4コマ版』

備考

PC-98版の東方Projectにも登場する[※ 5]東方Projectの登場人物#東方怪綺談を参照。

魔法の森に住む魔法使い[※ 6]

容姿は金髪で肌の色は薄く、一見すると人形のような姿をしている[3]。身長は「やや高」[2][※ 3]。瞳の色は登場作品によって異なっている。

属性の得手不得手は無い万能型の魔法使い。他人に無関心な性格で、魔法に執着し、普段は強気だが臆病な一面もある[4]

『求聞史紀』によるとアリスは元々は人間で、修行を積んで魔法使いになったとされている。魔法使いになってから日が浅く、そのため本来必要ではない食事や睡眠といった人間の習慣を続けているらしい。実際に『永夜抄』「禁呪の詠唱チーム」ルートのバッドエンディングでは睡眠を取っている。

人形作りが得意で、また大量の人形を魔法で同時に操ることができる。その器用さは幻想郷でも随一である[4]。人間に可能な動作のほとんどを人形にさせることができるほか、複数の人形にそれぞれ別の動きをさせて、ときには連携を取らせたり完全に非同期で動かしたりでき、周りから見ればとても操作しているとは思えないらしい。人形に人形を操らせることすらできるというが、人形を作ることだけは全て自分で行なっているらしい[3]。『三月精 第2部』第5話ではアリスは人形に口頭で指示を出していたが、このとき彼女は屋内に居ながら、屋根の上では10体以上の人形が雪かきを行い、室内では炊事係も働いていた。

『文花帖(書籍)』によれば、アリスは自分の意思を持ち自分の意志で動く、完全な自立人形を作るのが目標である。現在はアリスが人形に命令すれば自立しているかのように動かせるが、定期的に命令し直さなければならず、それ以上に達するにはまだ修行が足らないらしい。

魔法の森に居を構えている。『求聞史紀』によれば、元人間であるためか妖怪でありながら人間に対する理解度と友好度は高く危険性は低いとされ、もし森に迷って彼女の家を訪れても快く泊めてくれるという。ただし、アリスの家は人形だらけであり、しかも彼女はあまり会話をしたがらないため、不気味ですぐに逃げ出したくなるらしい[3][4]。『三月精 第2部』第5-6話では光の三妖精が偶然にアリスの家を訪れ、アリスは三妖精をもてなしている。

『求聞史紀』によれば、普通の人間を襲うことはないが、意外と好戦的であり勝負を挑まれれば嬉々として応じるという。戦闘用の人形を多数操る戦術によって1対多による戦闘を強いられ、苦戦は必至だが、アリス本人は人形の操作で手一杯であり、そこが弱点だとされる。

圧倒的な力で戦いに勝つことはアリスにとっては楽しいことではないため、常に相手より少し上の力で戦おうとする。また、全力を出して負けると後がないため、本気で戦うことがなく、この性格は博麗霊夢に似ているという。

『永夜抄』付属の「キャラ設定.txt」にはインドア派であり一人でいることが多いと記載されているが、『求聞史紀』では活動範囲は幻想郷の「如何なる場所でも」とされているほか、祭のときには人々の前に現れて人形芸を披露しているという。『永夜抄』各エンディングや『萃夢想』では、博麗神社の宴会に参加している。紅魔館の図書館にしばしば訪れていることをほのめかす発言もある[5]

『妖々夢』Music Room内のZUNのコメントによると、アリスは東方シリーズ的に少し特別な登場人物であり、そのためテーマ曲「人形裁判 〜 人の形弄びし少女」は気合を入れて作曲されているという。

『妖々夢』では霊夢たちと戦うのに特に理由はなく、たまたまそこに居たから魔法の相手になっただけである。

リリーホワイト

名前

リリーホワイト

英字

Lily White[綴り 1]

種族

妖精

能力

春が来たことを伝える程度の能力

二つ名

春を運ぶ妖精

出演作品

  • 『妖』4面中ボス
  • 『花』特殊妖精
  • 『三月精 第2部』第7-8話(第7話は名前のみ)

春が来ると、そのことを告げようと湧いて出てくる妖精。

『求聞史紀』によれば、春以外の季節では滅多に姿を現さず、そのため「春告精」(はるつげせい)とも呼ばれ、春の季語になっている。『三月精 第2部』第7話では「春告精」に「リリーホワイト」とルビが振られている。同作第8話には彼女が通った所が一瞬で春になるシーンがある。

作中では台詞やスペルカードの類は一切無いが、言葉を発することができないというわけではない[2]

好戦的な性格ではないが、春になると力を増し、興奮して攻撃してくることがある[3]。『三月精 第2部』第8話では、サニーミルクは「(春のリリーホワイトには)絶対に適わない」と発言している。

通常は白い衣装を着ているが、『花映塚』の「無縁塚」ステージでは、同ステージに登場する他の妖精たちと同様に、黒い衣装を着て登場する。この黒い衣装は、妖精たちが四季映姫・ヤマザナドゥコスプレをしたもの[6]

『儚月抄 漫画版』第9話では、リリーホワイトらしき妖精とは別に、黒い衣装を着たリリーホワイトと同じ衣装の妖精が同じコマに描かれている(リリーホワイトと髪の色と髪型は異なる)。『妖精大戦争』では、白い衣装を着たリリーホワイトらしき妖精が「魔法の森」ステージ(1面または2面)中ボスとして、黒い衣装を着たリリーホワイトらしき妖精が「春の小径」ステージ(1面または2面)中ボスとして登場する。同作Extraステージでは、白い衣装を着たリリーホワイトらしき妖精が大妖精と一緒に中ボスとして登場する。

プリズムリバー三姉妹

名前

プリズムリバー三姉妹

英字

Sister Prismriver[※ 7]

種族

騒霊(ポルターガイスト)[※ 8]

テーマ曲

幽霊楽団 〜 Phantom Ensemble[※ 9]

二つ名

騒霊三姉妹[7]

出演作品

  • 『妖』4面ボス
  • 『花』自機[※ 10]

名前

ルナサ・プリズムリバー

英字

Lunasa Prismriver

能力

  • 手足を使わずに楽器を演奏する程度の能力:『妖』『求聞史紀』
  • 鬱の音を演奏する程度の能力:『花』

二つ名

騒霊ヴァイオリニスト[※ 11]

名前

メルラン・プリズムリバー

英字

Merlin Prismriver[綴り 2]

能力

  • 手足を使わずに楽器を演奏する程度の能力:『妖』『求聞史紀』
  • 躁の音を演奏する程度の能力:『花』

二つ名

騒霊トランペッター

名前

リリカ・プリズムリバー

英字

Lyrica Prismriver

能力

  • 手足を使わずに楽器を演奏する程度の能力:『妖』『求聞史紀』
  • 幻想の音を演奏する程度の能力:『花』

二つ名

騒霊キーボーディスト

人間の貴族の娘である、プリズムリバー家の四女「レイラ・プリズムリバー」が、生き別れになった姉たちの姿を模して生み出した騒霊ポルターガイスト)の三姉妹。長女ルナサ、次女メルラン、三女リリカの3人からなる。

この騒霊は、生み出された当初は単なる幻影や幻聴に過ぎなかったが、次第に実体を持ち、いつしかレイラの本当の家族のような存在となっていった。レイラが亡くなったときに消滅するはずだったが、なぜかレイラの死後も消えず、やがて音楽を覚え、幻想郷で音楽活動(チンドン屋)を始めるようになった[2]。『花映塚』の四季映姫の話によると、三姉妹の存在の拠り所は「彼女たちを生んで今はもう居ない人間」であり、そのため三姉妹は存在が不安定で曖昧であるという。

三姉妹は「プリズムリバー楽団」として音楽活動を行っている[3][8]。ルナサやメルランはソロで活動することもあるが、リリカはソロ活動をしていないらしい[9]。普段は霧の湖の近くにあるとされる廃洋館に住んでいる[10]。白玉楼には演奏のためにたびたび招集されていて、冥界の結界が薄れる以前から結界の上を飛び越えて行き来しており[11]、『妖々夢』で博麗霊夢らと鉢合わせたときは冥界にある白玉楼へ出向く途中だった[12]。選んだ自機によって三姉妹の誰と最初に戦うかが変わる。

ルナサ・プリズムリバー

騒霊三姉妹の長女。身長は「やや低」[2][※ 3]。優等生タイプで曲がったことが大嫌い。やることはやるが少々暗く、素直で騙されやすい。プリズムリバー楽団のリーダーである[8]が、性格や雰囲気のせいもあってメルランがリーダーだと勘違いしている人もいるらしい[13]

弦楽器(特にヴァイオリン)を得意とする。「鬱」の音を担当しているらしく[14]、この演奏を聞いた者は次第に気分が沈み、最終的には鬱病のようになってしまうという[3]

メルラン・プリズムリバー

騒霊三姉妹の次女。身長は「やや低」[2][※ 3]。魔法の力は三姉妹で一番強い。三姉妹の中では髪の色が明るくて一番背が高く、ライブでは中央にいることが多いため、彼女が楽団のリーダーだと勘違いする人もいるらしい[3]。基本的に明るい性格だが、やや躁病のようでもある。

管楽器(特にトランペットを愛用)を得意とする。「躁」の音を担当しているらしく[14]、彼女の演奏を聞く者は次第に気分が高揚してしまうという[3]

リリカ・プリズムリバー

騒霊三姉妹の三女。身長は「低」[2][※ 3]。3人の中では一番背が小さく、コンサートでは周りの楽器に隠れてしまい、よく見えないらしい[3]。お調子者で狡猾。普段は姉たちをけしかけ自分は戦おうとせず、最小限の力で最大限の利益を得ることしか考えていない。その態度や行動は三枚先まで計算されているという。

どんな楽器も得意だが、普段は鍵盤楽器パーカッションを演奏する。楽団では「幻想」の音を担当する[14]。「幻想」の音とは、この世からは失われた音であり[8]、ルナサの「欝」の音とメルランの「躁」の音をまとめ上げて聴きやすいものにする効果がある[14]。姉たちとは違い、リリカの音楽は人間の精神を乱すようなことはないらしい[3]。『The Grimoire of Marisa』では霧雨魔理沙が、彼女の演奏を「技術は高いが心に響くものが無く、つまらない」と評している。

魂魄 妖夢

名前

魂魄 妖夢

読み

こんぱく ようむ

種族

人間と幽霊のハーフ

能力

剣術を扱う程度の能力

テーマ曲

  • 広有射怪鳥事 〜 Till When?:『妖』
  • 東方妖々夢 〜 Ancient Temple:『花』[※ 12]

二つ名

  • 幽人の庭師:『妖』
  • 半分幻の庭師:『妖』『萃』『緋』
  • 半人半霊:『永』
  • 生命の二刀流:『萃』
  • 半人半霊の半人前:『花』
  • 半人半霊の庭師:『求聞史紀』『神』
  • 蒼天の庭師:『緋』
  • 死欲の半霊:『神』

出演作品

  • 『妖』5面ボス・6面中ボス
  • 『永』『萃』『花』『緋』『神』自機
  • 『文(ゲ)』LEVEL 6
  • 『香霖堂』単行本第13話など
  • 『三月精 第2部』第2話など
  • 『紫香花』
  • 『儚月抄』

西行寺家の専属庭師兼西行寺幽々子の警護役で、二刀流の剣士。

一刀で幽霊十匹分の殺傷力を持つ「楼観剣」を左肩から右腰に背負い、人の迷いを断つ「白楼剣」を左腰に備える。この二振りの刀を操る。長いほうの刀が「楼観剣」で、妖怪が鍛えた剣だと伝えられている[15]。短いほうの刀が「白楼剣」で、魂魄家の家宝らしい[3]

西行寺家における前述の役職は彼女で2代目であり、先代は魂魄妖忌。妖忌は妖夢の剣術の師匠でもある。妖夢は幽々子の剣の指南役でもあるが、基本的には庭師として扱われている[16]

身長は「やや低」[2][※ 3]。瞳の色が『妖々夢』と『永夜抄』以降で異なる。人間と幽霊ハーフであり、半人半妖という存在で、彼女にいつもついている巨大な幽霊(半幽霊[16]、半霊[17])が彼女の幽霊側の半身[18]。『求聞史紀』では、稗田阿求は妖夢(少女の姿の方)を「半人半霊」、幽霊を「幽霊」として扱っており、この幽霊は妖夢(半人半霊)の意思で動くとされている。妖夢は通常の人間と比べると体温が低い一方、この幽霊は通常の幽霊に比べると体温が高いらしい。『永夜抄』付属のマニュアルでは「体も人間と幽霊の二つを持つ」と書かれており、妖夢を「人間」、幽霊を「幽霊」と表現している。

「人間と幽霊のハーフ」は寿命の長い種族[3][19]だが、妖夢は『紫香花』の時点で生まれてから60年未満であり、そのため『花映塚』での「60年周期で起きる花の異変」について詳しく知らなかった[20]

ストレートで真面目な性格なため、周りの者(特に幽々子)に振り回されることが多い[21]。そのため任務に失敗することも多いが、実力が無いわけではなく、瞬発力と集中力に優れている。[22]スペルカードによっては、幻想郷で最速の射命丸文に「瞬間的にですが……私も目が追えない程の速度で移動していた気がします」と言われている[23]。『萃夢想』では師匠の「真実は斬って知る」という言葉を文字通り実践し辻斬りのような行動を行うが、伊吹萃香からは師匠の教えを理解しているとは思えないと指摘されている。

感受性が強く、『永夜抄』のグッドエンディングでは月の狂気に当てられて狂気の眼になった。怪談や肝試しや暗闇などが苦手であるが、自分の半分が幽霊なので幽霊そのものは平気[24]。『神霊廟』では行く先々で仙人と間違われた結果、一時的に自分が仙人だと思い込んでしまった[17]

『妖々夢』では、幽々子の指示により幻想郷中の春を集めており、これが幻想郷で冬が終わらない原因になっていた。『文花帖(書籍)』や『香霖堂』単行本第13話では、冥界の結界が薄くなったせいで幻想郷へ行ってしまった幽霊を、集めて連れ帰る仕事を負っている。

西行寺 幽々子

名前

西行寺 幽々子

読み

さいぎょうじ ゆゆこ

種族

亡霊

能力

死を操る程度の能力

テーマ曲

  • 幽雅に咲かせ、墨染の桜 〜 Border of Life:『妖』
  • ボーダーオブライフ:『妖』[※ 13]
  • ゴーストリード:『神』

二つ名

  • 幽冥楼閣の亡霊少女:『妖』
  • 華胥の亡霊:『永』『求聞史紀』
  • 天衣無縫の亡霊:『萃』『緋』
  • 雪の亡霊:『緋』
  • 彷徨わない亡霊:『神』

出演作品

  • 『妖』6面(最終面)ボス
  • 『永』『緋』自機
  • 『萃』ボス、自機としても使用可
  • 『文(ゲ)』LEVEL 8
  • 『花』エンディング
  • 『神』1面ボス
  • 『紫香花』
  • 『儚月抄』

伝統ある西行寺家のお嬢様で、白玉楼の主の亡霊姫。

亡霊だが足はある[19]。身長は「やや高」[2][※ 3]。1000年以上亡霊をやっているらしく、幽霊を統率できるため、閻魔[※ 14]から冥界に住む幽霊たちの管理を任されている[3]春雪異変を起こした張本人で、魂魄妖夢に春を集めさせて「西行妖」という妖怪桜の封印を解き、その下に眠る人物を蘇らせようとした。

一見何も考えていない脳天気な性格に見え掴み所がなく、本人もそのことを否定しない[25]

生前はある「歌聖」の娘であったという[3]。この歌聖の名は明らかにされていないが、『妖々夢』の作中に登場する和歌は西行法師のものであり、また幽々子の名字は「西行寺」である。西行妖について書かれた西行寺家にある古い文献では「富士見の娘」とあるが、この娘とは幽々子のことである。しかし当人はそのことを忘れており、西行妖の封印が自分の亡骸であることに最後まで気付かなかった。

元々「死霊を操る程度の能力」を持っていたが後に「死に誘う程度の能力」となり、人を簡単に死に誘える自身の能力を疎んで、西行妖が満開のときに自害した。転生して再び苦しむことがないよう幽々子の死体は西行妖を封印する結界とされ、幽々子は亡霊になった。亡霊となった後は生前のことを忘れて、死に誘うことも楽しむようになっている。

自分の能力が効かない、蓬莱の薬を服用して不老不死になった者(蓬莱人)を恐れている[26]。仙人として蘇った死者の話を妖夢から聞いたときは、幽々子は自分も仙人として蘇ろうと考えたが、しばらく経たないうちに飽きてしまい止めている[27]

八雲紫とは旧知の仲である[28]

八雲 藍

名前

八雲 藍

読み

やくも らん

種族

妖獣(九尾の狐に憑く式神)

能力

式神を使う程度の能力

テーマ曲

少女幻葬 〜 Necro-Fantasy

二つ名

  • すきま妖怪の式:『妖』
  • 策士の九尾:『求聞史紀』

出演作品

  • 『妖』Extraボス・Phantasm中ボス・八雲紫のスペルカード
  • 『永』八雲紫のショット・エンディング
  • 『萃』『緋』八雲紫のスペルカード
  • 『文(ゲ)』LEVEL 8
  • 『儚月抄』

八雲紫の式神で、化け狐。『求聞史紀』では九尾の狐と記されている。

「八雲藍」という名前は紫が付けたものらしく、本名は不明とされる[3]。身長は「やや高」[2][※ 3]。式神だが強大な霊力を身につけており、自身も橙という式神を使役する。紫と同じ家に住んでいるとされ[3]、紫が寝ている間は彼女が代わりに活動する。主な活動は、幻想郷に異常が無いか調べることである[3]

式神は数式によって形作られるものとされ、そのため自らが式神でなおかつ式神使いでもある藍は数学が得意である。『文花帖(書籍)』では、暇潰しに三途の川の長さを求める方程式を算出したりもしているが、難解であるため検証できる者が居ない。

『妖々夢』Extraステージでは、自分の式神の橙が霊夢らに敗れた(苛められた)ことの報復として戦いを挑む。『文花帖(書籍)』では、『妖々夢』Extraステージで紫の許可を得ず勝手に霊夢たちに挑んだことで、紫からお仕置きを受けている。

八雲 紫

名前

八雲 紫

読み

やくも ゆかり

種族

妖怪

能力

境界を操る程度の能力

テーマ曲

  • ネクロファンタジア:『妖』
  • 夜が降りてくる 〜 Evening Star:『萃』

二つ名

  • 神隠しの主犯:『妖』
  • 割と困ったちゃん:『妖』特殊[※ 15]
  • 幻想の境界:『萃』『緋』
  • 境目に潜む妖怪:『永』
  • 境界の妖怪:『永』『求聞史紀』『地』
  • 幻想の狐の嫁入り:『緋』

出演作品

  • 『妖』Phantasmボス
  • 『萃』6面ボス、自機としても使用可
  • 『永』『緋』自機
  • 『文(ゲ)』LEVEL Ex
  • 『地』霊夢支援妖怪
  • 『紫香花』
  • 『香霖堂』単行本第11話など
  • 『三月精 第1部』単行本収録の小説「月の妖精」
  • 『三月精 第2部』第23-25話など
  • 『求聞史紀』「記憶する幻想郷」
  • 『儚月抄』

様々な物事の境界を操る力を有する妖怪。

身長は「高」[2][※ 3]。瞳の色が『妖々夢』と『永夜抄』以降で異なる。作品によって服装が大きく変わっており、初出の『妖々夢』とそれ以降の多くの作品では肩口の開いた洋風の服を着ているが、『永夜抄』『萃夢想』などでは六十四卦の「」が描かれた服を着ている。

胡散臭い風貌で、信用できない、誰から見ても心が読めない性格。話したがりで、様々なことを出会い頭に一方的に話すこともよくあるが、どれも確認を取れないような話が多いらしい[3]。しかし『緋想天』では、博麗神社を乗っ取ろうとした比那名居天子に、普段の飄々とした態度を取ることもなく怒りを露わにした。

彼女の「境界を操る程度の能力」は結界などの物理的境界を操るだけに留まらず、夢と現実・物語の中と外といった概念的な境界や、物体が個として存在するための「自分とそれ以外を分ける境界」にまで及び、万物の創造と破壊を司る、神にも匹敵する能力と評されている[3]。「妖怪拡張計画」により幻想郷に「幻と実体の境界」を張った張本人であり、また幻想郷を隔離した「博麗大結界」の提案と創造にも関わっているらしい[3]。幻想郷を誰よりも愛している[4]

幻想郷の外の世界を知っている。神隠しと呼ばれる現象は、主に彼女が境界に揺らぎを起こすために起こるといわれている。境界を操る能力によって空間の裂け目に出入りしてどこにでも移動できるため、神出鬼没。この裂け目の中にはたくさんの目や手が見えるが、これは幻想郷から外の世界を見たイメージ[29]

幻想郷の境に住んでいる[4][16][19][※ 16]が、その屋敷を他人が実際に確認したという話がないため、実は屋敷は外の世界にあるのではないかなど様々に噂されているという[3]。普段は余り動かず1日に12時間の睡眠を取り、冬眠までする。寝ている間のことは全て式神の八雲藍に任せきり[30]

彼女は「すきま妖怪」と呼ばれるが、そのような妖怪種族があるわけではなく、いわゆる「一人一種族」の妖怪である[8]。『妖々夢』付属の「おまけ.txt」などでは「妖怪少女」とも言われている。

1200年以上前に稗田阿一(初代の御阿礼の子)が記した「幻想郷縁起」にも紫と思われる妖怪が登場するような幻想郷の最古参の妖怪の一人で、時代毎にその時代に合った姿で現れるという[3]。西行寺幽々子の生前を知っている。

長く生きているだけあり交友関係も広く、幽々子とは旧知の仲。伊吹萃香とも友人である[3]。稗田阿求とは阿求の転生前から知り合いらしく、「幻想郷縁起」をチェックするためにその完成前に稗田家を訪れたこともある。この際、阿求からは「妖怪の賢者」と呼ばれている[31]。『紫香花』では、閻魔の四季映姫らしき "あの方" なる人物を苦手としている描写がある。「あの方には逆らえない」らしく "あの方" の気配を感じると幽々子と共にその場から去っている。

『求聞史紀』によれば、かつて幻想郷の妖怪を集め、月面戦争を引き起こしたが、返り討ちにあったという。『儚月抄』では博麗霊夢に稽古をつけて彼女を動かし、第二次月面戦争を目論んでいた。

数学や計算能力に秀でているらしく(『求聞史紀』では「数字に強い」と表現されている)、『文花帖(書籍)』での八雲藍の発言によれば無間の底の深さや北斗七星北極星を食べるまでの時間ですら一瞬で求めてしまえるらしい。『香霖堂』単行本第22話では、妖怪向けの渾天儀に著作者として名前が記されていた。

『妖々夢』では幽々子から薄くなった冥界と現世との結界を修復するように依頼されたが行なわず、そのため『妖々夢』以降は幻想郷で幽霊が頻繁に見られるようになった。

その他の登場人物

以下に挙げるレイラ・プリズムリバーと魂魄妖忌は、『妖々夢』の設定上に存在するものの、作中に実際の登場は無い。

レイラ・プリズムリバー
プリズムリバー三姉妹(騒霊三姉妹)を生み出した人間の少女。人間の四姉妹「プリズムリバー姉妹」の四女で、貴族であるプリズムリバー伯爵の娘。
外の世界で3人の姉とともに生活していたが、プリズムリバー伯爵が幻想郷のマジックアイテムを偶然入手し、それはプリズムリバー一家の離散を引き起こした。3人の姉はそれぞれ別の家庭に引き取られ、その後の消息は不明になったが、レイラは家族の思い出がある屋敷から離れられず、そこに住み続けた。やがてレイラは姉たちの姿を模した騒霊(ポルターガイスト)を生み出し、その後プリズムリバー邸はレイラたちごと幻想郷へ消えた。レイラは騒霊たちと暮らし、幻想郷で天寿を全うした。
騒霊三姉妹は、実際のレイラの姉たちとは全く関係ない別の個体である。騒霊三姉妹は人間の「プリズムリバー姉妹」を模して生まれたが、「プリズムリバー姉妹」は特に音楽に精通しているようなことはなかった。また、騒霊三姉妹が音楽を覚えたのはレイラの没後である[2]
魂魄 妖忌(こんぱく ようき)
西行寺家の先代専属庭師。
西行妖の満開を見たことがあり、西行寺幽々子と西行妖の関係を知っている。300年ほど庭師を務めたある日突如悟りを開き、幼い魂魄妖夢に後を継がせて行方をくらませた。その後の行方は妖夢も知らない。半分人間[※ 17]であり、ゆっくり年を取る。
妖夢の爺であり、剣術の師匠でもあった。いわゆる頑固爺で、剣術に関しても手取り足取り教えるのではなく、技を盗ませるスタイルだった[32]
アリスの人形
アリス・マーガトロイドは多種多様の人形を所持している。戦闘時に使用する物や家事を行う物がある。
『妖々夢』では、アリスがスペルカードを使用する際に、彼女の攻撃オプションのように現れる。『地霊殿』では人形には火薬が仕込んであると言われている。『萃夢想』や『緋想天』には人形を手榴弾のように投げつけて爆発させる攻撃も存在する。
アリスが用いるスペルカードには "(○○の)××人形" という名前のものがいくつかあるが、これが人形の名前なのか単なるスペルカード名であるのかは不明である。『永夜抄』では自機時の使い魔として「上海人形」が登場する[16]
『香霖堂』単行本第16話の森近霖之助の説明によると、人形は、命令を与えれば勝手に動く式神とは異なり、紐や魔法などの力で操る必要がある存在とのことである。

既存の登場人物

ここでは、『妖々夢』が初出ではない登場人物を解説する。

博麗霊夢
博麗神社の巫女。寒いのが苦手であったため、冬を終わらせるためにいつもの通り勘を頼りに神社を飛び出した。
霧雨魔理沙
普通の魔法使い。家の前に桜の花びらを発見し、それを辿って春を目指して出発した。
十六夜咲夜
紅魔館のメイド。燃料が尽きそうになったため、燃料が尽きる前に冬を終わらせようと出発した。
チルノ
寒いところが好きな氷の妖怪[※ 18]。霊夢たちを攻撃するが、特に目的があったわけではなく、そこにいたから攻撃しただけである。

ステージ

ステージ ステージタイトル 中ボス ボス
Stage 1 白銀の春 チルノ レティ・ホワイトロック
Stage 2 マヨヒガの黒猫
Stage 3 人形租界の夜 アリス・マーガトロイド
Stage 4 雲の上の桜花結界 リリーホワイト プリズムリバー三姉妹
Stage 5 白玉楼階段の幻闘 魂魄 妖夢
Perfect Cherry Blossom 彼の世に嬢の亡骸 魂魄 妖夢 西行寺 幽々子
Extra Stage 妖怪の式の式 八雲 藍
Phantasm 人妖の境界 八雲 藍 八雲 紫

曲目リスト

  1. 妖々夢 〜 Snow or Cherry Petal - タイトル
  2. 無何有の郷 〜 Deep Mountain - 1面のテーマ
  3. クリスタライズシルバー - レティ・ホワイトロックのテーマ
  4. 遠野幻想物語 - 2面のテーマ
  5. ティアオイエツォン (withered leaf) - 橙のテーマ
  6. ブクレシュティの人形師 - 3面のテーマ
  7. 人形裁判 〜 人の形弄びし少女 - アリス・マーガトロイドのテーマ
  8. 天空の花の都 - 4面のテーマ
  9. 幽霊楽団 〜 Phantom Ensemble - プリズムリバー三姉妹のテーマ
  10. 東方妖々夢 〜 Ancient Temple - 5面のテーマ
  11. 広有射怪鳥事 〜 Till When? - 魂魄妖夢のテーマ
  12. アルティメットトゥルース - 6面のテーマ
  13. 幽雅に咲かせ、墨染の桜 〜 Border of Life - 西行寺幽々子のテーマ1
  14. ボーダーオブライフ - ???のテーマ
  15. 春風の夢 - エンディング
  16. さくらさくら 〜 Japanize Dream... - スタッフロールテーマ
  17. 妖々跋扈 - Extraステージのテーマ
  18. 少女幻葬 〜 Necro-Fantasy - 八雲藍のテーマ
  19. 妖々跋扈 〜 Who done it! - Phantasmステージのテーマ
  20. ネクロファンタジア - 八雲紫のテーマ

上海アリス幻樂団の音楽CD『蓮台野夜行 〜 Ghostly Field Club』(2003年12月頒布)に収録されている「過去の花 〜 Fairy of Flower」は、『妖々夢』の未使用曲である。『妖々夢』には収録されておらず、具体的にどの場面で使われる予定だったのかは明らかにされていない[33]

「博麗神社例大祭」スコアアタック仕様

2004年4月18日に開催された同人イベント博麗神社例大祭」では、『妖々夢』のPhantasmステージを用いたスコアアタックが催された。ゲームは通常の内容ではなく、ZUNによってスコアアタック用にステージの一部を省くなど様々な変更が加えられ、会話内容なども変更されたものが使用された。

この際に用いられた曲は、sound sepher 1st Album『Cradle - 東方幻樂祀典』に収録されている。

脚注

注釈

  1. ^ 「体験版plus」と「体験版」の違いは、BGMが前者はWAVで後者はMIDIになっていることである(バージョン違いによるゲーム内容の違いは除く)。
  2. ^ 他の自機に比べ、あまり画面上部に行くことなく高得点が得やすいことを意味する。
  3. ^ a b c d e f g h i j ZUNによれば、「game_1522.lzh」で説明されている登場人物に関して「身長は大体成長期の10代前半の少女達となります」とのことである。「高」は人間でいえば「10代後半以降程度の身長」、「低」は「10代前半の人間だとしたらかなり低い部類」となる。
  4. ^ 自機としてのストーリーモードは存在せず、チルノ、美鈴の各ストーリーモードでボスキャラクターとして登場する。
  5. ^ 「マーガトロイド」姓は無く、Windows版とは容姿などが異なっている。ZUNは「幻想掲示板」2003年1月-5月の発言で『妖々夢』のアリスに関して「東方怪綺談でも3面ボス」「霊夢達と3戦目」「(『怪綺談』のアリスと)一応、同一人物」「(『怪綺談』と『妖々夢』のアリスは)ストーリー的には一切関係ありません」「一応、紅魔郷から全体の設定を一掃した」と発言している。一連の発言内容は『幻想掲示板』2003年1月-6月のZUNの返答(「まよひがねっと」によるアーカイヴ) - ウェイバックマシン(2005年9月9日アーカイブ分) を参照。
  6. ^ 広義には「妖怪」に分類される、「魔法使い」という "種族" である。種族としての詳細は、幻想郷#妖怪を参照。
  7. ^ Prismriver sisters ではなく Sister Prismriver なのは原文ママ。
  8. ^ 資料によっては「騒霊」か「ポルターガイスト」の片方のみ記されている。
  9. ^ 『花映塚』でのテーマ曲は、ZUNによるリメイク版。
  10. ^ 『花映塚』では3人とも自機だが、ストーリーモードで使用できるのはリリカのみ。ルナサとメルランは条件を満たせばマッチモードでのみ使用可能となる。
  11. ^ 『妖々夢』では「騒霊ヴァイオリスト」。
  12. ^ 『妖々夢』では5面道中曲だが、『花映塚』では『蓮台野夜行』収録のリメイク版が妖夢のテーマ曲となっている。
  13. ^ 『妖々夢』Music Room内のZUNのコメントでは「???のテーマ」と記されているが、同時に「幽々子のテーマの別バージョン」とも書いてあるため、当記事では幽々子のテーマ曲とした。
  14. ^ 映姫のことを指すのかは不明。面識はあるようで、『花映塚』妖夢ルートのエンディングでは、幽々子は自分のもとを訪れてきた映姫に彼女が妖夢を説教したことを聞かされ、更に自分も説教されたと語っている。
  15. ^ 『妖々夢』「博麗神社例大祭」スコアアタック仕様
  16. ^ 所在地については幻想郷#その他の場所を参照。
  17. ^ もう半分が何であるのかは明言されていない。妖夢は「人間と幽霊のハーフ」であり、『求聞史紀』p.22には「魂魄家は人間と幽霊のハーフの家系」とある。
  18. ^ 『文花帖(書籍)』以降の作品では、チルノの種族は「妖精」とされている。

英字表記のぶれ

  1. ^ 『求聞史紀』では Lilywhite と表記。
  2. ^ 「東方書譜」2004年1月4日のZUNの投稿 - ウェイバックマシン(2004年4月4日アーカイブ分)。『求聞史紀』でも同様の表記だが、『花映塚』では Marlin Prismriver とされている。

出典

  1. ^ 「幻想掲示板」2003年11月3日のZUNの投稿(「まよひがねっと」によるアーカイブ) - ウェイバックマシン(2005年4月8日アーカイブ分)
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m ファンの質問メールに対するZUNの返信。ZUNによる返答だとされている。このメールは質問者によって公開されており、ファンサイト「Coolier」の「旧うpろだ観測」にある「game_1522.lzh」から確認できる。ファイルの日付は2004年3月2日になっている。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 『求聞史紀』における当該人物のページ。
  4. ^ a b c d e 『萃夢想』付属の「上海アリス通信.txt」。
  5. ^ 『萃夢想』マッチモードの、アリス対パチュリー戦でのアリスの勝利セリフ。
  6. ^ インターネットラジオ「枯れラジ」(2010年8月21日放送)でのZUNの発言。
  7. ^ 『妖々夢』付属の「キャラ設定.txt」。
  8. ^ a b c d 『文花帖(書籍)』における当該人物のページ。
  9. ^ ルナサに関しては『妖々夢』付属の「キャラ設定.txt」。メルランに関しては『文花帖(書籍)』pp.34-35、『求聞史紀』p.27。リリカに関しては『求聞史紀』pp.29-30。
  10. ^ 『妖々夢』付属の「キャラ設定.txt」、『求聞史紀』p.25。
  11. ^ 『妖々夢』魔理沙ルートの4面。
  12. ^ 『妖々夢』霊夢ルートの4面。
  13. ^ 『求聞史紀』p.28。
  14. ^ a b c d 『文花帖(書籍)』p.34。
  15. ^ 『妖々夢』5面、『萃夢想』付属の「上海アリス通信.txt」、『求聞史紀』pp.22-24。
  16. ^ a b c d 『永夜抄』付属のマニュアル。
  17. ^ a b 『神霊廟』妖夢ルートのパラレルエンディング。
  18. ^ 「第2回東方シリーズ人気投票」(2003年9月開催)キャラ部門・魂魄妖夢 におけるZUNの投稿。「ZUN」という署名のコメントはZUN本人のものであるとされている。少なくとも第3回人気投票(2004年10月開催)については、講演会「東方の夜明け」(2004年10月30日開催)においてZUNは投票したと発言している(「東方の夜明け」アフターレポートの4ページ目)。
  19. ^ a b c 『永夜抄』付属の「キャラ設定.txt」。
  20. ^ 『紫香花』収録の小説「六十年ぶりに紫に香る花」。ただし、妖夢自身の発言による。
  21. ^ 『永夜抄』付属のマニュアル、『萃夢想』付属の「上海アリス通信.txt」。
  22. ^ 『三月精 第2部』「上海アリス通信 三精版 第6号」(『月刊コンプエース』vol.8 p.174。実質的には「第7号」なのだが誤植で「第6号」になっている。単行本未収録)
  23. ^ 『文花帖(ゲーム)』LEVEL6 SCENE2、人智剣「天女返し」。
  24. ^ 『永夜抄』付属の「おまけ.txt」、『三月精 第2部』第2話、『三月精 第3部』第3-4話、『儚月抄 小説版』第7話。
  25. ^ 『永夜抄』付属の「キャラ設定.txt」やマニュアル、『萃夢想』付属の「上海アリス通信.txt」。
  26. ^ 『永夜抄』「幽冥の住人チーム」ルートのグッドエンディング、同・Extraステージ。
  27. ^ 『神霊廟』妖夢ルートのエンディング。
  28. ^ 『妖々夢』付属の「キャラ設定.txt」の「八雲紫」の欄。
  29. ^ 「幻想掲示板」2003年10月1日のZUNの返答(「まよひがねっと」によるアーカイヴ) - ウェイバックマシン(2005年4月8日アーカイブ分)。これは「上海アリス幻樂団」ウェブサイトの100万ヒット記念絵への質問に対する返答である。
  30. ^ 『妖々夢』付属の「キャラ設定.txt」の「八雲藍」の欄。
  31. ^ Comic REX』2006年12月号掲載漫画『東方求聞史紀 〜記憶する幻想郷〜』。
  32. ^ ファンから寄せられた「妖忌に関する質問」へのZUNからの返答(「東方幻想局」掲載) - ウェイバックマシン(2004年8月16日アーカイブ分)
  33. ^ 上海音楽室。2011年10月25日閲覧。

外部リンク