星のカービィ (さくま良子の漫画)

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星のカービィ』(ほしのカービィ)は、テレビゲーム星のカービィ』を初めて題材にした、さくま良子ギャグ漫画である。他の漫画と区別するため、「さくまカービィ」と呼ばれることがある。 小学一 - 三年生各誌にて連載。

概要

小学館発行の学年誌『小学二年生』1992年9月号にて連載開始。

当時ゲームボーイで人気を博していた『星のカービィ』及びそれ以降の星のカービィのゲームソフトを題材とし、やんちゃな食いしん坊カービィプププランドで繰り広げる一話完結のドタバタギャグ漫画となっている。

一応ゲームボーイの『星のカービィ』の取扱説明書には『はるかぜとともに現れたゆうかんな若者』とあるが、連載当初は作品に関する原作者側からの明確な設定資料も乏しく、また低学年誌での連載という都合上、作者と編集者の意向で主人公のカービィは『幼稚園児みたいな性格』となり、その設定は今も大して変わっていない(ちなみにその後HAL研究所から届いた設定資料には、カービィの知能指数は3歳程度と書かれており、実は幼稚園児よりもさらに幼かったようである)。そのため同出版社の『月刊コロコロコミック』に連載されていた「星のカービィ デデデでプププなものがたり」や、現在『月刊コロコロコミック』で連載中の「星のカービィ! も〜れつプププアワー!」に比べると対象年齢層は低く、少年漫画というより幼年漫画に分類される。

カービィをはじめほとんどのキャラクターが明るい性格として描かれていたり、デデデ大王のキャラクターが原作とは違っていたり、作者のオリジナリティが随所に盛り込まれた作品ではあるものの、ゲームを原作にしているだけあって、登場キャラ等に若干制約はあると作者本人が語っている。

1992年に連載を開始し、2009年まで続き、『星のカービィ』の漫画の中では一番息の長い作品であり、長期連載作といえる。2012年現在の時点で、てんとう虫コミックススペシャルの単行本が第12巻まで発売。しかし1巻~7巻までの1話の完結の枚数がかつては10枚に対し現在は4枚とやや減少している。この他に、前半に収録されたエピソードをカラー作品でまとめた『星のカービィ カラーデラックス』、コミックス未収録作品をまとめた『星のカービィ ぷぷぷスペシャルコレクション』が発売。

主な登場キャラクター

学習雑誌連載初期はカービィ、デデデ大王、ポピーブラザーズジュニア、ワドルディの4人でいろんなことをやるという内容で、後にGBソフト『星のカービィ2』やSFCソフト『星のカービィ3』が発売されると同時に、カービィの仲間キャラクターであるリックやナゴ等も登場しメインキャラクターとなった。しかし、単行本第2巻及び第8巻以降では、カービィの仲間キャラはその他大勢扱いになっていることがほとんどで表紙にも出ておらず、初期の4人が中心となる話が多い。また、本作品におけるプププランドの住民は全員デデデ大王の部下という設定。

カービィ
主人公。やんちゃで食いしん坊でわがまま。それでいて子供のような純真さも持つ、まさに幼稚園児のような性格である。星の形をした花から誕生し、この頃はリンゴよりも小さい体だったため、リンゴを半分しか食べられなかった上、吸い込みは出来なかった。毛虫が苦手で、理由は見た目ではなく口の中でモジャモジャするからだとか。座右の銘は「あしたはあしたのかぜがふく」。自宅の暖炉の上には自分のぬいぐるみを飾っている(後にリックなど仲間達のぬいぐるみも追加された)。
デデデ大王の城を損壊させたり、たびたびプププランドで問題を起こしているが、本人は気にかけている様子はなく、何故怒られているのか理解出来ていない事も多い。特に食べ物を目にすると所構わず吸い込んでは騒ぎを起こしている。自分の行為を自覚したり、叱られて反省する事もあるが、結局やる事成す事騒動に繋がる。
また、世のため人のための行為を続けると、その行為をしなくてもいいと分かると反動で悪戯をしでかす。キレると怖く、医者やサンタのフリをして自分を騙したデデデ大王をボコり倒したことも。
デデデ大王
プププランドの(自称)国王。普段は信頼されているものの、モテる為に筋骨隆々の身体になったり、女装も躊躇わないなど、時折気持ち悪い美意識を見せて子分達に敬遠されることもある。特に女装はノリノリで、何度気持ち悪がられてもやめる気配は無い。常にカービィにジャマをされる役回りである。一度毒キノコを食べた際、何をされても怒らず、手助けを進んで行う優しい性格になったことがあり、カービィから「こんな変な大王嫌い」と嫌がられた。
(自称)大王のくせに自分の部下の名前を全員記憶しておらず、カービィと王者対決をした際にはそれが原因で敗北してしまった。
お化けが大の苦手で、そのくせ自分が怖がりであることを頑なに認めようとしない。水面に顔をつけることが出来ないほど泳ぐことも苦手で、ポピーの特訓を受けても克服することが出来なかった。しかし絵画はなかなかの腕前で、将来は漫画家になること。その他にも意外な才能を発揮するシーンがある。また、カービィを極度の食いしん坊にしてしまった張本人でもある。ダークマターをはじめとするラスボスたちからは「カービィに負けた上、手下にされた情けないボス」と馬鹿にされている。一人称は「オレ様」。
ポピーブラザーズジュニア
デデデ大王の一番の子分にして実際は世話役。話し言葉は関西弁でデデデ大王に対してもタメ口。周囲を冷静にまとめるしっかり者だが、怒ると爆弾を投げてくる。デデデ大王がカービィに過剰な意地悪を仕掛ける時は「やりすぎだ」と咎めたりするなど、ワドルディと共にカービィに味方することも多々ある。また、(事情を知らなかったとはいえ)デデデ大王の悪事をカービィにうっかりバラしたことも。
ゲームでリンゴに乗っていることもあってか、自転車の乗りこなしもバイクトライアル選手顔負けの腕前(池に浮かんだ石を使ってジャンプしたり、ウィリーしながらターンするなど)。
ワドルディ
デデデ大王の子分。デデデ大王にはとても忠実だが、カービィとはとても仲がよく、カービィが病気になった時は心配したり、遠くへ旅立つ(実際は温泉旅行に出かける)と聞くと泣いて止めようとしていた。言葉は話せない。
過去に「バイバイ」(『おしゃべりCDコミック』収録話)等の文字が書かれた吹き出しが付いた事があるが、実際に喋っていたのかどうかは不明。また、可愛らしさから人気が高く、第6巻の「プププランド人気者ランキング」では2位を獲得している。
リック
カービィの仲間で、すばしっこくて力もちのハムスター。一人称は「オイラ」。ナゴとは犬猿の仲である。
クー
カービィの仲間で、おしゃれでクールな性格のフクロウ。仲間の中では一番賢い。
カイン
カービィの仲間で、のんびり屋のマンボウ。知らない間に結婚していた。
チュチュ
カービィの仲間で、気が強くておしゃまなメンダコの女の子でカービィたちの姉的存在。
ナゴ
カービィの仲間で、リックに対抗心を燃やしているネコ。常に落ち着いた感じで大人っぽいが、時々鋭い事を言う(結果として悪口になることも)。
ピッチ
カービィの仲間。クーに憧れを抱いている未熟な小鳥
グーイ
カービィの食べられないものまで食べてしまう食いしん坊で、のんびり屋。体色は紺色でおにぎりのような形をしており、いつも長い舌を出している。
ある日カービィの家のポストに入っていた。カービィを親のように慕っており、居候している。
コックカワサキ
プププランドの料理人。登場当時は鹿児島弁を使っていたが、話が進むにつれ普通の口調になった。人気は高く、第6巻の「プププランド人気者ランキング」で1位を獲得している。初登場時での一人称は「おいどん」。
ケケ
猫耳の魔女。ゲーム本編ではザコキャラだが、この漫画では女性キャラを登場させる場面ではアドレーヌやチュチュよりもケケが登場する事が多い。しかし毎度のように酷い目に遭う。TVレポーターや店員、従業員など、立場はその都度変わる。
メタナイト
仮面の戦士。アニメ版や他のカービィ漫画ほど目立った登場はしていないが、第10巻では「かめん王子」と名乗りプププランド王子様選挙に立候補したり、第12巻では大量のラブレターをもらいそれを羨ましがったデデデがメタナイトの真似をするという、人気ぶりをアピールするエピソードがあった。
ダークマター
宇宙から来た剣士。デデデ大王を倒し、自らがプププランドの大王となろうと企む。カービィのコピー能力も一切効かなかったが、カービィによって悲惨な目に遭うデデデを見て「大王って大変なんだな」と納得し、諦めて帰っていった。
第3巻の登場人物紹介(実際にはこの時点では未登場)ではゴーグルの中央に支柱があり、あたかも目が2つに見えるようになっていたが、後に本編に登場した際には原作通り単眼となった。
アドレーヌ
プププランドに住む絵描きの少女。描いた絵を実体化させる力を持つ。彼女が描き出した大量のカービィが大暴れし、みんなに迷惑をかけてしまったことがあったが、責任を取ろうとせずこそこそ逃げ出してしまった(『カラーデラックス』収録話より)。それ以外の話では他のカービィの仲間キャラ同様、その他大勢扱いでいることが多い。
リボン
リップルスターから来た妖精。
とんがり隊
プププランドで大人気のアイドルグループで、メンバーはチップ・チック・フォーリーの3人。カービィやデデデ大王も彼女達の大ファンで、コンサートで一番前の客席を取ろうと争っていた。単行本では第10巻から登場し、表紙と裏表紙にも出ていた。
ドロッチェ団
宇宙を渡り歩く盗賊団。メンバーは団長のドロッチェ、スピード自慢のスピン、力持ちのストロン、発明家のドク、戦闘員のチューリンがいる。しばしばデデデ大王から宝を盗もうとしてはカービィの起こす騒動に巻き込まれる。
尚、『ぷぷぷスペシャルコレクション』収録のおまけ漫画では、原作のラスボスであるダークゼロを差し置いてドロッチェがラスボス達の一員として登場している。
フラッフ
毛糸の国に住む王子様。

星のカービィ おしゃべりCDコミック

1994年発売。過去に小学二年生に掲載された星のカービィが収録されており、漫画に連動した8cmCDが付属している。各トラックでは、本に収録されている漫画、或いはオマケに関するカービィのおしゃべりを聞く事が出来る。カービィの声は川田妙子が務める。例えばサッカーの回なら、サッカーに関する話。かき氷の回ならかき氷に関する話をカービィがしゃべり出す。一話目は書き下ろしであり、作中のカービィの台詞がそのまま喋られている。但し、カービィ以外の台詞(最後のデデデのツッコミなど)には声は充てられていない。

BGMには『星のカービィ 夢の泉の物語』の曲が使用されており、バタービルディングの曲をアレンジした「カクテルをつくろう!」と言う曲も収録されている。この曲は本来は同作のサウンドトラックに収録されていた曲で、宮田まこが歌っていた。本誌に歌詞と楽譜が載っている。CD内ではカービィが伴奏に合わせて歌詞に相当する文章を読み上げるのみで、実際の歌は収録されていない。また、文章も歌詞とは微妙に異なる。

また、バリエーションに富んだおまけや、ページの端にはコピー占い、ゲームブックパラパラ漫画も付属されているなど、ページ数は多くはないものの豪華な内容となっている。

その他

その他にも任天堂からの攻略本に漫画が掲載されることもあった。また、デデデの一人称が「ワシ」、ポピーが関西弁で喋らない、ワドルディに台詞があるなど一部本編のキャラクターの設定が異なる。

関連項目

外部リンク