宗田理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Mercurius (会話 | 投稿記録) による 2016年3月3日 (木) 12:58個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎作品リスト)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

宗田 理
誕生 (1928-05-08) 1928年5月8日(95歳)
日本の旗 日本東京都世田谷区
職業 小説家
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 日本大学藝術学部映画学科
ジャンル 小説
代表作ぼくらの七日間戦争
公式サイト ボクラ・コム
テンプレートを表示

宗田 理(そうだ おさむ、1928年5月8日 - )は、日本作家小説家

東京都世田谷区生まれ、愛知県西尾市一色町出身。愛知県名古屋市東区在住。日本大学藝術学部映画学科卒。子供老人などの視点から社会矛盾を鋭く指摘するといった作品を多く発表し、若い世代を中心に人気を博している。

また、ライトノベルと呼ばれる小説群を手掛ける作家とは世代的に異なるものの、過去にはライトノベルのレーベルから作品を発表しており、広義の意味でライトノベル作家の範疇に含める場合がある。

経歴

東京都世田谷区代田橋生まれ。父親は医院を経営する医者だったが、理が小学生の頃に亡くなり、それを機に母親の実家のあった愛知県一色町へと移る[1]

戦後間もなく友人と出したガリ版による同人誌にて『涅槃』という最初の作品を書く。当時のペンネームは漠蕪愚(ばくぶぐ)。アメリカ映画に衝撃を受け、やがて映像の時代が来るとの思いから日本大学藝術学部映画学科に入学し、実習の創作としてシナリオを書く。その時に書いた『雲の果て』(1991年に刊行された『雲の涯』の基となる)という作品が、講師として来ていた松竹映画専属のシナリオライター八木沢武孝の目に留まり『江古田文学』に掲載するよう推薦されたが、その頃の文芸学科の学生たちには「シナリオは文学ではない」という風潮が強く掲載を拒否された。しかし『江古田文学』には映画学科からも製作実習費が出ていたことから映画学科の学生たちが抗議し、映画学科からは宗田の作品だけが何とか掲載された。その後、八木沢の依頼で助手をするようになり、やがて摂津茂和原作の映画台風息子』(東映)の脚色の下書きなどを書くようになる。当時はまだ無名だったため、八木沢武孝のクレジット配給されている。

その後八木沢の仕事が減ってきたこともあり、大学時代に教授から勧められて参加を約束していた、森脇将光出版事業「森脇文庫」の編集業に加わる。まず森脇の手記を出版するように言われたものの、それまで一度も本を作ったことがなく編集について何も知らなかったため、印刷屋から組み付けの手ほどきを受ける。その後、森脇から週刊誌を出すように言われ創刊した週刊誌週刊スリラー』の編集長を務める。高利貸の帝王として名を馳せていた森脇に集まる裏社会の人間を見てきたことが、後の作品作りに役立つことになる。この頃、柴田錬三郎水上勉高木彬光松本清張などの作家と出会い、良い作品を書いてもらおうと取材資料集めなどで協力する。政界の裏側を調査した機関の実務者でもあり、造船疑獄の発端となった「森脇メモ」は、宗田の手で記されたとされている[1]。森脇が森脇文庫を突然やめると、宗田は数人と共に企業のPR会社を興し、主に自動車会社PR誌などを作るようになる。自動車に詳しくなり、梶山季之清水一行に資料の提供や取材などで協力するようになる。

1970年後半にカズノコが高騰し、その原因を調べるうちに水産業界の裏の実態を知り、これをテーマにした『未知海域』を発表。この作品が情報小説として高く評価され、1979年直木賞候補となり、これをきっかけに小説家として活動するようになる。

新聞東京タイムズ)で連載した『少年みなごろし団』がトクマ・ノベルズから刊行されると、大人向けに書いたものであるにもかかわらず子供に受け、そのうちの一人である当時小学生だった角川書店編集者からの推薦がきっかけで声が掛かり、後に人気シリーズとなる『ぼくらの七日間戦争』を書くに至る。

当時の宗田自身は、シリーズ2作目である『ぼくらの天使ゲーム』は『ぼくらの七日間戦争』の続編という位置付けでありシリーズ化は考えていなかったが、『ぼくらのデスマッチ』の頃からシリーズとしての意識で書き続けていくことになる。中学生たちが主人公であるこのシリーズは当初、1学期に1冊のペースで3年間書けば終わるだろうと考えていたが、シリーズが続くにつれ評判が高まり、多くの読者からの要望によりシリーズ最終作と思われた『ぼくらの最終戦争』以降もシリーズは継続されることになる。ぼくらシリーズは2001年までに累計発行部数が1500万部を数える。

『ぼくらの七日間戦争』、『ぼくらの秘島探検隊』、『仮面学園殺人事件』、『ほたるの星』は映画化されている。

作品リスト

ぼくらシリーズ

2年A組探偵局シリーズ

  • 1991年10月 ラッキー・マウスの謎
  • 1992年3月 魔女狩り学園
  • 1993年8月  奥の細道失踪事件
  • 1994年10月 みな殺し学園
  • 1995年11月 遺書の秘密
  • 1997年4月 殺しの交換日記
  • 1998年2月 衛生ボーロ殺人事件
  • 1998年9月 答案用紙の秘密
  • 1999年2月 呪われた少年
  • 1999年8月  仮面学園殺人事件
  • 2000年7月 仮面学園2
  • 2001年3月 魂の姉妹
  • 2001年12月 ランドセル探偵団
  • 2003年4月 修学旅行殺人事件
  • 2013年6月 ラッキーマウスと3つの事件(角川つばさ文庫版)
  • 2013年12月 ぼくらの魔女狩り事件(角川つばさ文庫版)
  • 2014年8月  ぼくらの仮面学園事件(角川つばさ文庫版)

その他

  • 1970年8月 教育のマン・マシンシステム
  • 1979年5月 未知海域
  • 1980年8月 小説・日米自動車戦争
  • 1981年7月 欲望の靴
  • 1982年1月 誘拐ツアー
  • 1982年2月 プロジェクト910
  • 1982年12月 破壊家族
  • 1983年8月 少年みなごろし団
  • 1984年3月 船絵馬殺人事件
  • 1984年6月 ペテン師ファミリー
  • 1984年11月 三河湾殺人望郷歌
  • 1985年3月 春休み少年探偵団
  • 1985年11月 怪盗サンクスの冒険
  • 1985年11月 殺人コンテスト
  • 1986年5月 大熱血!!落ちこぼれ探偵団
  • 1986年10月 人牛殺人伝説
  • 1986年11月 皆殺しツアーにご招待
  • 1987年12月 北斗七星殺人伝説
  • 1988年4月 秘文字で書かれた殺人調書
  • 1988年5月 殺しツアーにご招待
  • 1988年5月 復讐クラブは大にぎわい
  • 1988年6月 ぼくの泥棒日記
  • 1988年7月 世は人情殺人の故郷
  • 1988年7月 武田信玄怨霊ツアー
  • 1988年7月 誘拐ツアー
  • 1988年9月 怪傑 TVジャッカーズ
  • 1988年11月 地下鉄殺人ゲーム
  • 1989年7月 自殺同盟
  • 1990年2月 おかしな訪問者
  • 1990年8月 ぼくんちの戦争ごっこ
  • 1990年9月 ゴットマザーと子ども軍団
  • 1991年2月 黒真珠を追え
  • 1991年5月 ゴットマザーと笑う死体
  • 1991年8月 雲の涯
  • 1992年2月 ぼくたちの桃太郎作戦
  • 1992年5月 株式会社∞無限大
  • 1992年5月 ゴットマザーの双子チーム
  • 1992年6月 ぼくらの作文コンクール
  • 1992年7月 立て真田十勇士
  • 1992年9月 ぼくのおもちゃ戦争
  • 1992年11月 隠れ商売繁盛記
  • 1993年3月 行け真田十勇士
  • 1993年5月 あたしのノラ猫日記
  • 1993年7月 ぼくの社長ゲーム
  • 1993年7月 ぼくたちの秘宝伝説
  • 1994年2月 雨林
  • 1994年2月 ゴットマザーと特別教室
  • 1994年7月 どうくつのミイラ
  • 1994年7月 恐怖の校内感染
  • 1994年8月 壇ノ浦バトル
  • 1994年10月 えッ恐竜料理店
  • 1995年2月 家なきパパ
  • 1995年4月 小樽デスマッチ
  • 1995年4月 先生を改造する66の方法
  • 1995年6月 なぞなぞベイビー
  • 1995年7月 ぼくらは隠れ悪がき隊
  • 1995年9月 ぼくらは天才悪がき隊
  • 1995年11月 ぼくらはウルトラ悪がき隊
  • 1996年4月 ぼくは超いじめられっ子
  • 1996年5月 遠野ワンダーランド
  • 1996年10月 誘拐ゲーム
  • 1996年11月 悩み買います
  • 1997年2月 ぼくのTV支配マニュアル
  • 1997年7月 ニセ被害者同盟
  • 1997年8月 救急ゴロゴロファイブ
  • 1997年11月 ぼくらのメモリアル 走れ、安永
  • 1997年11月 復讐家族
  • 1997年12月 冒険家族
  • 1997年12月 探偵家族
  • 1998年1月 ぼくらのメモリアル 純子の冒険
  • 1998年2月 逆転家族
  • 1998年3月 学校壊滅計画
  • 1998年3月 宝島
  • 1998年3月 悪ママ改造計画
  • 1998年7月 高天原戦争
  • 1998年8月 一攫千金大作戦
  • 1998年10月 明日も必ず晴れますように
  • 1999年4月 アイラブマネー旋風
  • 1999年8月 消えた五百億円
  • 1999年9月 祝ベンチャー学園開校!
  • 2000年8月 13歳の黙示録
  • 2001年3月 親らしいこと14条
  • 2002年1月 奇跡売ります
  • 2002年5月 ぼくらはどう生きるか
  • 2002年8月 子どもたちの戦友
  • 2003年4月 一攫千金大作戦
  • 2003年9月 マミーよ永遠に
  • 2004年1月 ほたるの星
  • 2004年4月 天路
  • 2004年4月 子育てママ ええじゃないか
  • 2005年7月 ええじゃないか 17歳のチャレンジ
  • 2006年5月 早咲きの花 子どもたちの戦友
  • 2006年6月 サギ師バスターズ
  • 2008年7月 ぼくらの奇跡の七日間
  • 2008年8月 問題児は救世主!?
  • 2008年9月 スーパーマウスJの冒険
  • 2009年4月 ぼくらのモンスターハント
  • 2009年4月 東京キャッツタウン おばけアパートの秘密
  • 2009年12月 東京キャッツタウン 白いプリンスとタイガー
  • 2010年6月 ぼくらとスーパーマウスJの冒険
  • 2010年6月 ぼくらのアラビアン・ナイト アリ・ババと四十人の盗賊 シンドバッドの冒険
  • 2010年7月 東京キャッツタウン おばけカラス大戦争
  • 2013年3月 悪ガキ7 いたずらtwinsと仲間たち
  • 2013年10月 悪ガキ7 モンスター・デスマッチ!

関連項目

外部リンク

  1. ^ a b 「宗田文書」アスキー刊、「ぼくら」研究会著