パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
パイレーツ・オブ・カリビアン/ 呪われた海賊たち | |
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Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl | |
監督 | ゴア・ヴァービンスキー |
脚本 |
テッド・エリオット テリー・ロッシオ ジェイ・ウォルパート |
製作 | ジェリー・ブラッカイマー |
製作総指揮 |
ポール・ディーソン チャド・オマン マイク・ステンソン |
出演者 |
ジョニー・デップ オーランド・ブルーム キーラ・ナイトレイ ジェフリー・ラッシュ |
音楽 |
クラウス・バデルト ハンス・ジマー |
撮影 | ダリウス・ウォルスキー |
編集 |
アーサー・シュミット スティーヴン・E・リフキン クレイグ・ウッド |
製作会社 | ジェリー・ブラッカイマー・フィルムズ |
配給 | ブエナビスタ |
公開 |
2003年7月9日 2003年8月2日 |
上映時間 | 143分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | 1億4000万ドル[1] |
興行収入 |
約3億500万ドル[1] 68億円[2] 約6億5400万ドル[1] |
次作 | パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト |
『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』( - のろわれたかいぞくたち、Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl)は、2003年のアメリカ映画。冒険映画。
概要
世界各国のディズニーパークにある人気アトラクションのひとつ「カリブの海賊」をモチーフにした作品。以降『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』へと続く『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの第1作目である。
興行収入は全米で約3億500万ドルの大ヒットとなったが、レニー・ハーリン監督の『カットスロート・アイランド』(1995年)などの例もあり、それまでは「海賊映画は絶対に当たらない」とされていた。俳優からも演技力の問われない子供向け海賊映画は敬遠されていたが、主演のジョニー・デップは自分の子供から「出てみれば」と勧められたことからオファーを受けた。エキセントリックだがユーモア溢れるジャック・スパロウを演じたことでデップはアカデミー主演男優賞にノミネートされた。
ストーリー
時代は18世紀。カリブ海の港町ポートロイヤル。総督の美しい娘エリザベスは、子供の頃に、海の漂流から救助された少年ウィル・ターナーが身につけていた黄金のメダルを今でも大切に持っていた。その少年ウィルは、スワン総督の屋敷に鍛冶屋として出入りしていた。ウィルと総督令嬢エリザベスとはお互いに恋心を抱いていたが、身分の違いから恋心を抑えていた。
ある夜、町が海賊船ブラックパール号のバルボッサ船長率いる海賊たちに襲われ、エリザベスが捕まってしまう。バルボッサ船長の目当てはエリザベスの黄金のメダル<アステカの金貨>にあった。エリザベスはバルボッサに取引を申し出る。彼女は身の安全のために、咄嗟に召使のエリザベス・ターナーだと名乗るのだった…。
ウィルは、牢獄に入れられていた海賊ジャックの力を借りて、命がけでエリザベスの救出に向かった。ジャックはバルボッサの過去を知る数少ない人間のひとりであり、恐るべき真実をウィルに告げる。バルボッサとその手下たちはアステカの金貨を盗んだことで呪いをかけられ、月の光の下でその忌まわしい姿をさらすというのだ。永遠に死ぬことを許されない、生ける屍の姿を。バルボッサ船長率いる海賊たちは、その呪いのために、心臓を剣で貫かれても甦り、決して死ぬことも許されない不死の状態であった。そして、その呪いを解く鍵は、エリザベスの黄金のメダルが握っていた。
アステカの金貨を元の石棺に戻し、エリザベスの血を掛ける事によって呪いが解けると思われたが…実は金貨を盗んだ最後の1人-すなわち海賊ビル・ターナーの血を受け継ぐウィルの血が必要であったのだ。
一方、昔、ブラックパール号の船長をしていた海賊ジャックだったが、一等航海士だったバルボッサに船を乗っ取られ、孤島に置き去りにされた過去があった。彼はバルボッサに復讐するために10年間密かにチャンスを窺っていた。そしてウィルが助けを求めに来たとき、チャンスが巡って来たと悟り協力していたのだった。ジャックはバルボッサの隙を突いて剣を抜き、激しく戦う。そして10年間、持ち続けた最後の1発の銃弾を、海賊バルボッサに打ち込む。その瞬間、ウィルは自分で手のひらをナイフで切りつけ、自身の血と黄金のメダルを元の石棺へと納めることで、海賊バルボッサらの呪いを解いた。バルボッサは絶命し、手下たちは海軍に捕らえられたのだった。
その後、海賊ジャックは絞首刑にされかけるが、ウィルらの機転で無事に助け出され、ブラックパール号の舵を取って大海原へと旅立っていった。
キャスト
※括弧内は日本語吹き替え
- ジャック・スパロウ - ジョニー・デップ(平田広明)
- ウィル・ターナー - オーランド・ブルーム(平川大輔、少年時:内山昂輝)
- エリザベス・スワン - キーラ・ナイトレイ(弓場沙織、小女時:最上莉奈)
- ウェザビー・スワン - ジョナサン・プライス(村松康雄)
- ジェームズ・ノリントン - ジャック・ダヴェンポート(森田順平)
- ヘクター・バルボッサ - ジェフリー・ラッシュ(壤晴彦)
- ジョシャミー・ギブス - ケヴィン・マクナリー(青森伸)
- ピンテル - リー・アレンバーグ(佐々木梅治)
- ラゲッティ - マッケンジー・クルック(高宮俊介)
- アナマリア - ゾーイ・サルダナ(湯屋敦子)
スタッフ
オリジナルスタッフ
- 監督:ゴア・ヴァービンスキー
- 製作:ジェリー・ブラッカイマー
- 脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ、ジェイ・ウォルパート、スチュアート・ビーティー
- 音楽:クラウス・バデルト
- 衣裳デザイン:ペニー・ローズ
日本語版スタッフ
- 翻訳:原口真由美
- 演出:中野洋志
- 調整:亀田亮治
- 制作:ACクリエイト
- 制作監修:山本千絵子
制作
映画に登場するその他の拳銃はすべてレプリカだが、1発しか弾のないジャックの拳銃は、18世紀に製作された本物の拳銃が使われている。
メイン・キャストの中のアメリカ人はジョニー・デップとピンテルを演じるリー・アレンバーグのふたりのみ。オーストラリア出身のジェフリー・ラッシュがバルボッサ役で出演しているが、あとはすべてイギリス人の俳優が占めている。
設定
- エルナン・コルテス - 作中で登場する呪いの金貨は、コルテスがアステカ人を虐殺して手に入れたものという設定。
- ポート・ロイヤル - 物語の始まる場所でウィルとエリザベスが住む町。
- トルトゥーガ - エスパニョーラ島北西沖にある島でジャックとギブスが再会した場所。
- パイレーツ・オブ・カリビアンの艦船
続編
続編の『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』が全世界で2006年夏に公開。日本では2006年7月22日より拡大全国公開。またシリーズ完結編『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』は、2007年5月25日に全世界同時公開。
3作目では、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズがジャックの父親マダガスカルの海賊キャプテン・ティーグとして出演した。当初は「ミッキーを作った会社の映画なんて出るもんか」という態度をとっていたが、ジョニー・デップに熱望され出演が決まった。この時ジョニー・デップは「私のギャラを削ってでもキースと共演したい」と言っていたという。他のメンバーも終盤一緒にキースの海賊仲間としてカメオ出演する予定だったが、台本の都合で出演できなかった[3]。
それに合わせ、カリフォルニア州アナハイムのディズニーランドでは2006年6月、アトラクション「カリブの海賊」内にジャック・スパロウのオーディオアニマトロニクスが設置された。プレミア上映会でディズニーランドを訪れたジョニー・デップは、取材時その人形のそっくり具合に驚いていた。
2009年9月11日、カリフォルニア州アナハイムで開かれたD23エキスポでジャック・スパロウに扮したジョニー・デップが登場し、シリーズ第4作目となる『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』の製作が発表された。18世紀に実在した「黒ひげ」ことエドワード・ティーチが登場し、2011年5月20日に公開された。
2009年9月、ジョニー・デップの信頼するディズニー・スタジオ会長ディック・クックが辞任したことで、一時はジョニー降板の可能性も伝えられたが、2009年11月15日、5550万ドルという高額のギャラと引き換えに、4作目への出演が決定したとも言われている。監督はロブ・マーシャル、製作はジェリー・ブラッカイマー。過去3作に出演したキーラ・ナイトレイとオーランド・ブルームは降板を表明している[4]。代わりにペネロペ・クルスが出演することが決まっている。
日本語版翻訳
訳者は戸田奈津子である。下記は日本語版翻訳にまつわるエピソード。
- ノリントンの呼称を大尉と誤訳する場面が存在する。エリザベス・スワンがノリントンの昇任式典への参加を促される場面において、「Captain Norrington」を「ノリントン大尉」とする字幕が流れるが、これは当時のイギリス海軍における慣習から言って「艦長(Captain)」と陸軍大尉たるCaptainを混同したものか、海軍大佐たるCaptainと二重に誤訳、或いはノリントンが海尉(Lieutenant)として登場した過去の場面と混同したものと考えられる。またのちにノリントンが「Commodore」となるが、これについては「提督」とするのが良いか「代将」或いは海軍准将かについては一般的な日本語の理解と実際の運用とに乖離があり訳語にブレがみられることがある。これはアメリカ海軍とイギリス海軍の階級運用の差や時代背景の違いによる。
- 無人島でスパロウとエリザベスが海賊の歌を歌うシーンに登場する「bad egg」という言葉は「くず、不良」といった意味のスラングだが、字幕では「腐った卵」と直訳されている。ちなみに、第3作『ワールド・エンド』でも同じ翻訳がされている。
本作の与えた影響
- 東京ディズニーランドアトラクション「カリブの海賊」
- キングダム ハーツIIにゲーム中に本作の舞台や登場人物たちが登場する。
- 長洲未来SPのプログラム曲に採用。
備考
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
- 本作品は一部でグロテスクな表現があるため、ディズニー映画で初めて全米映画協会にPG-13指定された。
- 音響はドルビーデジタル・サラウンドEXで制作されているが、続編2作は通常のドルビーデジタルとなっている。
- 本作には脱獄しようとする海賊が鍵をくわえている犬に骨を与えようとするという、アトラクションの名シーンを踏襲するシーンがある。また、アトラクション内の、骸骨の海賊、町を砲撃する海賊船、財宝の山、豚の隣で横たわる海賊も同様である。
- バルボッサ率いる海賊たちがポート・ロイヤルを襲撃しているシーンで、最後に放たれる大砲の煙が、月の前でミッキー・マウス型のシルエット(隠れミッキー)を残している(DVDの35分54秒あたり)。
- 地上波放送では時間及び編成の都合上一部シーンをカットして放送されている(WOWOWなどの映画専門チャンネルやディズニー・チャンネルではノーカットで放送)。
脚注
- ^ a b c “Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl (2003)”. Box Office Mojo. 2009年11月20日閲覧。
- ^ “日本映画産業統計 過去興行収入上位作品 (興収10億円以上番組) 2003年(1月~12月)”. 社団法人日本映画製作者連盟. 2010年11月16日閲覧。
- ^ “『パイレーツ・オヴ・カリビアン』ストーンズの出演はなし”. BARKS. 2009年11月20日閲覧。
- ^ “ジョニー・デップ、超高額ギャラで『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ続投か?”. cinemacafe.net. カフェグルーヴ. 2009年12月6日閲覧。