ナイト・レンジャー

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ナイト・レンジャー
Night Ranger
アメリカ・タンパ公演 (2009年10月)
基本情報
別名 Ranger
Moon Ranger
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州サンフランシスコ
ジャンル ハードロック[1]
グラム・メタル[1]
ヘヴィメタル[1]〚バラードロック〛
活動期間 1982年 - 1989年
1991年 - 1996年 (ムーン・レンジャー名義)
1996年 - 現在
レーベル Boardwalk Records
MCAレコード
Drive Entertainment
コロムビア・レコード
CMC International
フロンティアーズ・レコード
公式サイト www.nightranger.com
メンバー ジャック・ブレイズ (Vo/B)
ケリー・ケイギー (Vo/Ds)
ブラッド・ギルス (G)
ケリ・ケリー (G)
エリック・リーヴィー (Key)
旧メンバー ジェフ・ワトソン (G)
アラン・フィッツジェラルド (Key)
ほか 別記参照

ナイト・レンジャー (Night Ranger) は、アメリカ合衆国出身のロックバンド

ヴァン・ヘイレン」らをはじめとした、米西海岸を代表するアメリカン・ハードロック・バンドの一つ。ブラッド・ギルスジェフ・ワトソンというギターヒーローを輩出するなど、結成から30年以上を経た現在も活動中[2]。最初の5枚のスタジオ・アルバムの売り上げは1000万枚を超え、[3]トータルセールスは1700万枚を記録している[4]。ツインギターによる演奏スタイルが特徴である。

来歴

結成まで (1977年 - 1982年)

1977年サンフランシスコ・ベイエリアファンク・ロック・バンド「ルビコン」が結成され、ジャック・ブレイズブラッド・ギルスが参加、後にツアー・メンバーとしてケリー・ケイギーも加わる。

ルビコン解散後に3人は、よりロック色を濃くした「ステレオ」を結成する。その後、更なるサウンド強化を目指し、サミー・ヘイガーのバンドや「モントローズ」のメンバーだったアラン・フィッツジェラルド、その友人だったジェフ・ワトソンを加え「レンジャー」を結成。しかし同名のカントリー・バンドがいたため、「ナイト・レンジャー」と改名。

1982年、ブラッド・ギルスが事故で急死したランディ・ローズの代役として、オジー・オズボーン・バンドに参加のため一時離脱 (来日公演も果たしている)。

1982年、レコード契約を結んだのを機にブラッドが復帰し、1stアルバム『ドーン・パトロール』でデビュー。

頂点から解散へ (1982年 - 1989年)

デビュー・アルバム『ドーン・パトロール』や、2ndアルバム『ミッドナイト・マッドネス』(1983年)の軽快でキャッチーなハードロック・ナンバーが、当時のLAメタルグラム・メタル)ムーブメントにもマッチし、多くの支持を得る。1983年には初来日公演を開催。

母国では、シングルカットした「シスター・クリスチャン」(1983年)や「センチメンタル・ストリート」(1985年)といったバラード曲の大ヒットを飛ばすが、逆に「バラード・バンド」という認識が強まり過ぎてジレンマに陥ってしまう。

ジャック・ブレイズは1987年のインタビューで、レコード会社によるバラード主体のシングル・リリースに不満を表明し「世間一般のファンが僕達のことをソフトなバラード・バンドと思い込んでいるけど、それはとんでもない誤解だ」と語っている[5]。予見した通り4thアルバム『ビッグ・ライフ』の頃からセールスが伸び悩む。

1988年、5thアルバム『マン・イン・モーション』をリリースするが、発表前にアラン・フィッツジェラルドが脱退。翌年にもジャック・ブレイズが脱退したことを受け、バンドも追い込まれるように活動停止に至った。

ムーン・レンジャー時代 (1991年 - 1996年)

1991年、ブラッド・ギルスはバンドの復活を企図し、ケリー・ケイギーとゲイリー・ムーンを誘った3人の変則メンバーで活動を始める。このときブラッドはジャック・ブレイズにも声を掛けているが、「不完全な形での再結成は如何なものか」と難色を示され、「ダム・ヤンキース」で活動中の事情もあり断られている。

後にデビッド・ザイーチェクが加入してツインギター編成を復活させ、アルバム『フィーディング・オフ・ザ・モジョ』(1995年)をリリースするなど、当初はナイト・レンジャー名義の活動としていたが、本来の姿ではなかったことから後年になり「ムーン・レンジャー」の呼称で区別している。

オリジナルメンバー再始動 - 現在 (1996年 - )

1996年、突如としてオリジナル・ラインナップでの来日公演が実現。日本のレーベル「ゼロ・コーポレーション」と契約し、翌1997年に9年ぶりの6thアルバム『ネヴァーランド』を発表。さらに1998年、再結成後2枚目の7thアルバム『セヴン』をリリースし、健在を印象づける。

しかしゼロ・コーポレーションの事業撤退を受ける形で、バンド活動も沈静化。2003年に来日公演を開催したが、アラン・フィッツジェラルドの姿はなく、「グレイト・ホワイト」のマイケル・ローディーが参加していた。

キューバ・グアンタナモ湾公演 (2008年1月)

2007年、9年ぶりの8thアルバム『ホール・イン・ザ・サン』をリリース。しかしレコーディング終了後にジェフ・ワトソンの脱退が発表され、代役に「ウィンガー」のレブ・ビーチを迎え、同年来日公演を敢行。翌2008年も、「ファイアーハウス」とのジョイントで来日公演が決定。マイケルはグレイト・ホワイトへの活動復帰で離脱し、後任にジョエル・ホークストラ、クリスチャン・カレンが加入した。

2011年、4年振りに9thアルバム『サムホエア・イン・カリフォルニア』をリリース[6]

2014年、区切りの10thアルバム『ハイ・ロード』をリリース[7]。8月にジョエルが「ホワイトスネイク」に移籍し[8]、後任に数々のバンドに参加実績のある実力派ギタリスト ケリ・ケリーが加入[9]

2017年、11thアルバム『ドント・レット・アップ』を発表[10]

2021年、12thアルバム『ATBPO ~アンド・ザ・バンド・プレイド・オン~』をリリース。

音楽的特徴

ブラッド・ギルス(G) 2009年
ジェフ・ワトソン(G) 1993年

2人のギター・ヒーロー

ブラッド・ギルスジェフ・ワトソンという対照的な2人のリード・ギタリストの存在が同バンドの大きな特徴である。

ブラッド・ギルス

  • ステージポジションは上手(かみて・観客から見て舞台の右側)
  • 赤いストラトキャスターを弾く
  • アームを使用する
  • 必要以上にタッピング奏法は使用はしない
  • 速弾きは多用しない

ジェフ・ワトソン

  • ステージポジションは下手(しもて・観客から見て舞台の左側)
  • ゴールドトップのレスポールを弾く
  • アームを使用しない
  • エイトフィンガー奏法(タッピング奏法の一種)を使用する
  • 速弾きを多用する

2人のリード・ボーカリスト

ギター同様、ジャック・ブレイズ、ケリー・ケイギーの2人のリード・ボーカリストがいることも、このバンドの特徴となっている。ハードな曲はジャック・ブレイズ、レイドバックした曲はケリー・ケイギーが担当することが多い。初期は1人のリード・ボーカルが1曲を通して歌うことが多かったが、5人で再結成した以降は、1曲の中で2人が分担したり、ハーモニを奏でることが多くなっている。

メンバー

現ラインナップ

旧メンバー

  • ジェフ・ワトソン (Jeff Watson) - ギター (1982年-1989年、1996年-2007年)
  • アラン・フィッツジェラルド (Alan "Fitz" Fitzgerald) - キーボード (1982年-1988年、1996年-2003年)
  • ジェシー・ブラッドマン (Jesse Bradman) - キーボード (1988年-1989年)
  • ゲイリー・ムーン (Gary Moon) - ボーカル、ベース (1991年-1996年) ※ムーン・レンジャー時代
  • デビッド・ザイーチェク (David Zajicek) - ギター (1993年-1996年) ※ムーン・レンジャー時代
  • マイケル・ローディー (Michael Lardie) - キーボード (2003年-2007年)
  • レブ・ビーチ (Reb Beach) - ギター (2007年-2008年)
  • クリスチャン・カレン (Christian Matthew Cullen) - キーボード (2007年-2011年)
  • ジョエル・ホークストラ (Joel Hoekstra) - ギター (2008年-2014年)

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

ライブ・アルバム

  • 『ライヴ・イン・ジャパン』 - Live in Japan (1990年)
  • 『ロック・イン・ジャパン 1997』 - Rock in Japan '97 (1997年)
  • Rock Breakout Years: 1984 (2005年)
  • The Best of Night Ranger Live (2006年)
  • Night Ranger Live (2007年)
  • Extended Versions (2007年)
  • 『ロッキン・シブヤ 2007』 - Rockin' Shibuya 2007 (2008年)
  • 『24ストリングス&ア・ドラマー〜ライヴ&アコースティック!!』 - 24 Strings & a Drummer (Live & Acoustic) (2012年)
  • 35 Years and a Night in Chicago (2016年)

コンピレーション・アルバム

  • 『グレイテスト・ヒッツ』 - Greatest Hits (1989年)
  • Rock Masterpiece Collection (1998年)
  • 『キープ・ロッキン (ベスト・セレクション97-98)』 - Keep Rockin': Best Selection '97–'98 (1998年)
  • 20th Century Masters: The Millennium Collection – The Best of Night Ranger (2000年)
  • Hits, Acoustic & Rarities (2005年)
  • 『ナイト・レンジャー・ボックス』 - Night Ranger Box (2007年)
  • Icon (2015年)

シングル

  • 「炎の彼方」 - "Don't Tell Me You Love Me" (1983年)
  • 「シング・ミー・アウェイ」 - "Sing Me Away" (1983年)
  • 「ロック・イン・アメリカ」 - "(You Can Still) Rock in America" (1983年)
  • 「シスター・クリスチャン」 - "Sister Christian" (1984年)
  • 「ホエン・ユー・クローズ・ユア・アイズ」 - "When You Close Your Eyes" (1984年)
  • 「センチメンタル・ストリート」 - "Sentimental Street" (1985年)
  • 「フォー・イン・ザ・モーニング」 - "Four in the Morning (I Can't Take Any More)" (1985年)
  • 「グッドバイ」 - "Goodbye" (1985年)
  • 「シークレット・オブ・マイ・サクセス」 - "The Secret of My Success" (1987年)
  • 「ハーツ・アウェイ」 - "Hearts Away" (1987年)
  • "Color of Your Smile" (1987年)
  • 「フォー・ラヴ」 - "I Did It for Love" (1988年)
  • "Restless Kind" (1988年)
  • 「ドント・スタート・シンキング」 - "Don't Start Thinking (I'm Alone Tonight)" (1989年)
  • "Reason to Be" (1989年)
  • "Forever All Over Again" (1997年)
  • 「ニューヨーク・タイム」 - "New York Time" (1997年) ※EP

日本公演

関連項目

脚注

外部リンク