タクラマカン砂漠

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衛星からの写真

タクラマカン砂漠(塔克拉瑪干沙漠)とは中央アジア中国新疆ウイグル自治区にある砂漠である。語源は、ウイグル語の「タッキリ(死)」「マカン(無限)」の合成語と言われ、「死の場所」「死の世界」といったニュアンスとされる。「生きては戻れぬ死の砂漠」という意味がある。

サハラ砂漠に次ぐ世界2位の面積を持つ砂漠であり、タリム盆地の270,000km²をしめる。北に天山山脈、南に崑崙山脈と6000~7000m級の大山脈に挟まれているため非常に乾燥しており、降水量は年に数ミリ程度。過去は海または湖だったとみられ、標高は非常に低く標高がマイナスの地域もあり、最低海抜はマイナス130メートル。天山南路はタクラマカン砂漠を南北に迂回するように分岐し、北が西域北道、南が西域南道と呼ばれた。

周辺にはタリム河ホータン河などの河川があるが、いずれも内陸河川である。なお、ホータン河は崑崙山脈の雪解け水が増える夏季のみタクラマカン砂漠を縦断し、タリム川と合流する季節河川として知られる。

周縁の主な都市

開発の歴史

20世紀初頭、スウェーデンの探検家スウェン・ヘディンが「中央アジア探検記」でタクラマカン砂漠で九死に一生を得た経験を記し、「死の砂漠」として世界に知られるようになった。

その後長らく開発とは無縁だったが、1980年代後半に後のタリム油田の探査が本格化すると中国政府一体となって西部大開発西気東輸プロジェクトなどにより開発に乗り出すようになった。一説にはタリム盆地全体の石油の埋蔵量は1200億バレルにのぼるとされ、これは世界最大の産油国サウジアラビアの確認埋蔵量の半分にあたる。

1995年、南北に縦断する道路が開通すると開発は加速し、鉄道も1999年、タクラマカン砂漠北縁を東西に結ぶ南疆鉄道カシュガルまで開通した。現在では日本をはじめとする外国資本の誘致が進んでおり、北部の都市コルラを中心に開発ラッシュを迎えている。

関連項目