ジャストシステム

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株式会社ジャストシステム
JustSystems Corporation
ジャストシステム 本社社屋
種類 株式会社
市場情報
本社所在地 日本の旗 日本
771-0189
徳島県徳島市川内町平石若松108番地4
設立 1981年6月2日
業種 情報・通信業
法人番号 7480001000861 ウィキデータを編集
事業内容 ソフトウェアの研究・開発・販売
代表者 代表取締役社長 福良伴昭
資本金 101億4651万5500円
(2012年3月31日現在)
発行済株式総数 64,224,800株(2012年3月期)[1]
売上高 単体166億34百万円
連結169億36百万円
(2014年3月期)[1]
営業利益 単体42億45百万円
連結43億11百万円
(2014年3月期)[1]
純利益 単体29億87百万円
連結28億20百万円
(2014年3月期)[1]
純資産 単体251億49百万円
連結254億42百万円
(2014年3月31日現在)[1]
総資産 単体313億95百万円
連結305億81百万円
(2014年3月31日現在)[1]
従業員数 連結388人(2014年3月末)[2]
決算期 3月31日
主要株主 大株主の項を参照
主要子会社 子会社の項を参照
外部リンク http://www.justsystems.com/jp/
特記事項:創業は1979年7月7日
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株式会社ジャストシステム英語: JustSystems Corporation)は、徳島県徳島市川内町平石若松108番地4に本社を置くソフトウェア開発会社。通称「ジャスト」。

概要・沿革

浮川和宣・初子夫妻が1979年昭和54年)に創業した。株式会社化は1981年

1983年(昭和58年) PC-100対応日本語ワープロソフト「JS-WORD」を開発したことを契機に日本語ワープロソフトの開発・販売に進出し、1985年(昭和60年)には同社の看板製品となる「一太郎」を発売。以後、バージョンアップを重ねるごとに人気を高め、一太郎はDOS版日本語ワープロの代名詞的存在となった。

コンピュータ上の日本語処理について熱心に研究しており、同社のかな漢字変換ソフトウェア「ATOK」は高い変換精度を有する。XML関連技術の研究開発にも積極的でGoogleマイクロソフトアップルIBMサン・マイクロシステムズヒューレット・パッカードらとUnicodeコンソーシアムに参加していた日本で唯一の企業である。

浮川和宣は「アプリケーションソフトウェアメーカーはウィンドウシステムを持つべき」との持論を展開した。それによりジャストウィンドウが開発された。ジャストウィンドウは米Windowsが広まる以前に日本でほぼ唯一かつ最も使われたウインドウシステムとなった。MS-DOS用に作られた既存のアプリケーションソフトウェアもジャストウィンドウ専用のものに改められ、さらに他のアプリケーションソフト群も開発し、ジャストウィンドウの拡充を行った。

1995年、ジャストシステム基礎研究所を設立。初代研究所長は日本人として初の計算言語学の博士号を取得した苫米地英人(2015年現在、公益社団法人自由報道協会会長就任)。

2003年平成15年)5月には、Linux向けの一太郎・ATOKを皮切りにデスクトップ製品、サーバ製品を展開することを発表した。2005年平成17年)1月には「一太郎 for Linux」「ATOK for Linux」を発売している。

2005年 アメリカ西海岸、カリフォルニア州パロアルトへ xfy関連技術を扱う「Justsystem U.S. Office」を設立。

2006年平成18年)6月、英文社名をJustsystem CorporationからJustSystems Corporationに変更。同年9月、新コーポレートシンボル「JUSTSYSTEMS.」を導入する。

2006年(平成18年)10月3日、同年11月17日に総合セキュリティソフトの「Kaspersky Internet Security 6.0」とアンチウイルスソフトKaspersky Anti-Virus 6.0」を発売しセキュリティソフト市場に参入すると発表。

2009年平成21年)4月3日、株式会社キーエンスとの資本・業務提携を発表。同年4月20日、キーエンスはジャスト発行済み株式の約44%を保有する筆頭株主になった[3][4]。またそれに伴い、同年6月には創業者の浮川和宣が会長に、浮川初子が副会長にそれぞれ退き、常務の福良伴昭が社長に昇格する人事を発表した[5]

2009年平成21年)10月29日、浮川和宣・初子夫妻がそれぞれ同社の代表取締役会長及び取締役副会長を辞任(その後「株式会社MetaMoJi」を設立。)[6][7]。後述する教育事業の好調などで、2012年以降4期連続最高益を更新するなど、業績が急回復している。

2013年平成25年)8月8日より、本社機能を東京に移転。登記上の本店所在地は引き続き徳島[8]

2014年平成26年)2月27日より、株式の上場市場をJASDAQから東証1部へ上場した[9]

2016年平成28年)2月8日 取締役事業企画部長の関灘恭太郎が、同年3月1日に代表取締役社長に就任する人事を発表。現社長の福良伴昭社長は取締役として残る。[10]

教育事業

ジャストシステムは、創業当初から現在にいたるまで教育施設や官公庁に強みを持つ。(「一太郎」という製品も浮川氏が学生時代に家庭教師をしていたときの生徒の名前にちなんでいる。)

2001年からは教育事業に参入し注力しており、数多くの教育、学習支援ソフトを開発してきた。その販路とノウハウを生かし、2012年11月より小学生向けタブレット通信教育システム「スマイルゼミ」を発表し、通信教育業界に参入[11]。タブレットを使用した学習システムという斬新さや時代の先見性などにより、会員数は順調に増加。後にベネッセ、学研などの同業他社が追随している。2013年11月には中学生向け講座も発表し[12]、12月に受講開始した。

主要な製品とサービス

ATOK(エイトック) - かな漢字変換ソフトウェア(日本語入力システム)
2007年(平成19年)にグッドデザイン賞を受賞。「ATOK 2016 for Windows」、「ATOK 2016 for Mac」、「ATOK for iOS」、「ATOK for Android」など。
スマイルゼミ - タブレットで学ぶ幼稚園生~中学生向け通信教育
「みまもるネット」という機能で我が子の学習状況やその他の連絡事も可能。「イード・アワード2015 子ども英語教材」で小学生部門の最優秀賞を獲得。
JUST Office - オフィススイート
最新版は JUST Office 3。
「JUST Calc 3」 - 表計算ソフト(マクロ機能カバー率99.2%)。
「JUST Note 3」 - ワープロソフト。
「JUST Focus 3」 - プレゼンテーションソフト。「JUST Slide」の後継。

など。

ホームページ・ビルダー - Webページ作成ソフト
最新版はホームページ・ビルダー20(2015年10月2日発売)
楽々はがき - はがき作成ソフト
最新版は「楽々はがき2016」

かつてインターネットサービスプロバイダ「JustNet」を運営しており2001年(平成13年)9月にソニーコミュニケーションネットワーク株式会社(現・ソネットエンタテインメント、So-net)へ売却し撤退した。また、東京支社には出版部がある。ユーザー向け情報誌「ジャストモアイ」を1989年から12年間[13]発行していたほか、自社製ソフトやコンピュータ関連の解説書、ビジネス書やSF小説などの各種一般書の発行を行っている。

他社からOEM供給を受けている製品

  • Kaspersky Anti-Virus / Kaspersky Internet Security - ロシアZAO Kaspersky Lab製アンチウイルスソフト/インターネットセキュリティスイート、バージョン6以降はジャストシステムが日本国内での販売・サポートを行う(Windows版Anti-Virusは2010年版で一度販売を終了したが、2011年版から販売を再開した)
  • Agree - 韓国Haansoft製プレゼンテーションソフト「Haansoft Slide」を、一太郎のインターフェイスに変更するなどの日本語ローカライズを施した製品(JUST Suiteにもこの製品が含まれている)
  • ホームページ・ビルダー - V14までは日本IBM製、V11からV14まで日本IBMとの共業販売
  • JUST PDF - PDF作成・編集・データ変換ソフト(機能ごとに開発元が異なる。これまでにもJustsystem PDF Suite(イギリスGlobal Graphics製)が存在した)
[作成・高度編集]・[作成・編集]・[作成] - ニュアンスコミュニケーションズジャパン製(JUST Suiteにも[作成・編集]の製品が含まれている)
[データ変換] - クロスランゲージ
[作成・データ変換] - 作成機能(ニュアンスコミュニケーションズジャパン製)とデータ変換機能(クロスランゲージ製)のセット

会社の現況

2014年3月31日現在[14]

子会社

会社名 資本金 議決権比率 (%) 事業内容
Justsystem Canada Inc. 10百万カナダドル 100.0 「XMetaL」製品等の開発・販売及びそれに付随する各種サービス提供

株式等の状況

  • 発行済株式総数 - 6,422万4,800株

大株主

株主名 株数(千株) 議決権比率 (%)
株式会社キーエンス 28,234 43.96
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 1,814 2.82
浮川初子 1,587 2.47
浮川和宣 1,269 1.97
福良伴昭 1,100 1.71
バンクオブニューヨーク メロン エスエー エヌブイ フォー ビーエヌワイ
ジーシーエム クライアント アカウント イー エルエス シービー(常任代理人三井住友銀行
804 1.25
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 708 1.10
資産管理サービス信託銀行(年金信託口) 675 1.05
ビーエヌワイエム エスエーエヌブイ ビーエヌワイエム クライアント アカウント
エムピーシーエス ジヤパン(常任代理人三菱東京UFJ銀行
600 0.93
BNP-PARIBAS SECURITIES SERVICES FRANKFURT
BRANCH/JASDEC/GERMAN RESIDENTS-AIFM(常任代理人香港上海銀行東京支店)
600 0.93

脚注

  1. ^ a b c d e f 平成24年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)』2012年5月18日http://www.justsystems.com/jp/just/pdf/j201203.pdf 
  2. ^ 有価証券報告書 事業年度(第33期)http://www.justsystems.com/jp/just/pdf/j201403yuho_bzx.pdf 
  3. ^ ジャストシステム、キーエンス傘下に 資本・業務提携”. ITmedia (2009年4月3日). 2009年4月3日閲覧。
  4. ^ 第三者割当増資の払込完了並びに主要株主である筆頭株主及び「その他の関係会社」の異動に関するお知らせ”. 株式会社ジャストシステム (2009年4月20日). 2009年4月23日閲覧。
  5. ^ 代表者及び代表取締役の異動に関するお知らせ”. 株式会社ジャストシステム (2009年6月18日). 2009年9月18日閲覧。
  6. ^ ジャストシステム、創業者の浮川夫妻が辞任”. ITmedia エンタープライズ (2009年10月29日). 2009年10月31日閲覧。
  7. ^ 代表取締役及び取締役の辞任に関するお知らせ”. 株式会社ジャストシステム (2009年10月29日). 2009年10月31日閲覧。
  8. ^ 本社機能移転に関するお知らせ
  9. ^ “ジャストシステム、東証1部へ上場”. 日本経済新聞. (2014年2月20日). http://www.nikkei.com/article/DGXNZO67150280Q4A220C1DT0000/ 2014年7月13日閲覧。 
  10. ^ |publisher=IT Pro |date=2016-03-01 |url=http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/020800400/ |accessdate=2016-02-8}}
  11. ^ 日経コンピュータ (2012年11月21日). “ジャストシステム、タブレットを利用した小学生向けの通信教育”. ITpro. http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20121121/438821/ 2014年7月13日閲覧。 
  12. ^ 日経コンピュータ (2013年11月22日). “ジャストシステム、タブレットを利用した中学生向け通信教育”. ITpro. http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20131122/519845/?ST=ittrend&P=1 2014年7月13日閲覧。 
  13. ^ オトナのPC Life:ギャラリー一覧 - Just MyShop - 参照(2008年10月18日閲覧)。
  14. ^ 株式会社ジャストシステム 有価証券報告書 ‐ 第33期

関連項目

外部リンク