カットラス (潜水艦)

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艦歴
発注:
起工: 1944年7月10日
進水: 1944年11月5日
就役: 1945年3月17日
退役: 1971年12月15日
その後: 1973年4月15日台湾に売却
除籍: 1971年12月15日
性能諸元
排水量: 1,570トン
全長: 311.8 ft
全幅: 27.4 ft
吃水: 15.3 ft
機関: フェアバンクス=モース
ディーゼルエンジン
エリオット・モーター発電機4基
最大速: 20ノット(水上)
9ノット(水中)
航続距離: 11,000カイリ(10ノット時)
(19 km/h 時に 20,000 km)
試験深度: 400ft (120m)
乗員: 士官、兵員76名
兵装: 5インチ砲1基、40ミリ機関砲、20ミリ機銃[1]
21インチ魚雷発射管10門

カットラス (USS Cutlass, SS-478) は、アメリカ海軍潜水艦テンチ級潜水艦の一隻。艦名はアメリカおよび西インド諸島に生息するタチウオの一種に因む。

艦歴

カットラスは1944年7月10日にメイン州キタリーポーツマス海軍造船所で起工した。11月5日にR・E・キントナー夫人によって命名され、1945年3月17日に艦長ハーバート・L・ジュークス中佐(アナポリス1932年組)の指揮下就役する。4月25日にニューハンプシャー州ポーツマスを出航したカットラスは、7月15日に真珠湾に到着した。

7月17日、カットラスは最初の哨戒で千島列島方面に向かった。8月10日、カットラスは日本が講和を求めているというニュースを受信[2]。カットラスは8月16日に担当海域に到着したが、これは日本降伏の翌日であった。同海域での監視を8月24日まで継続し、8月27日にミッドウェー島に寄港[3]。8月31日、カットラスは22日間の行動を終えて真珠湾に帰投した[3]

戦後

カットラスは9月2日にニューヨークに向けて出航し、9月24日に到着。海軍記念日には見学者を受け入れた。その後東海岸を巡航し、1946年1月8日にパナマ運河地帯に向けて出航する。デラウェア湾での3ヶ月間の作戦活動を除いて、カットラスはパナマ運河地帯のクリストバルを拠点としてカリブ海で活動した。1947年8月23日から10月2日まで南米の沿岸を南下し、ホーン岬を回ってチリバルパライソを訪問し、その後マゼラン海峡を通って南米の東海岸に帰還した。

カットラスは1948年1月6日にパナマ運河地帯を出航し、フロリダ州キーウェストでの作戦活動に従事する。その後3月にフィラデルフィア海軍造船所に入渠し、オーバーホールと近代化が行われた。1949年2月7日にキーウェストに到着し、カットラスは長時間潜航が可能となった潜水艦内の居住適性を改善するための艦内の色彩設計を評価する「レインボー作戦」のテストベッドとして作戦に参加した。その後も1952年までキーウェストを拠点して活動し、その年の夏に母港がバージニア州ノーフォークへ変更された。

1953年、カットラスは地中海の巡航を行い、フランスギリシアトルコ北アフリカジブラルタルマルタおよびスペインを訪問した。その後キューバ海域へ向かい、駆逐艦および航空機による対潜水艦戦訓練での標的艦として訓練に参加した。1956年9月まで沿岸での作戦活動、カリブ海での艦隊演習および対潜水艦戦訓練に従事し、続いて地中海へ展開、第6艦隊の1艦としてNATO軍との共同演習に参加した。カットラスはイタリア、ギリシア、クレタマヨルカ島ポルトガルおよびイギリスを訪問し、12月にノーフォークに帰還した。1958年には北ヨーロッパに赴き、スコットランドロサイスデンマークコペンハーゲンおよびコアセルを訪問し、キール運河を通過した。

1959年の前半には「アルファ」任務部隊に参加しバージニア岬での対潜水艦戦研究開発の支援を行う。9月には地中海に展開した。11月、スエズ運河を通過しカラチの沖合でパキスタン海軍との合同演習を行った。12月にノーフォークに帰還し、その後も「アルファ」任務部隊との活動を継続した。1960年2月にフィラデルフィア海軍造船所に入渠し、オーバーホール作業は8月まで行われた。

カットラスは1971年12月15日に退役し、同日除籍された。

台湾海軍で

カットラスは1973年12月4日に台湾に売却され、台湾海軍では海獅 (ROCS Hai Shih, SS-791) の艦名で就役した。2012年4月の時点で海獅は就役中である。

脚注

  1. ^ 「SS-478, USS CUTLASS」p.7
  2. ^ 「SS-478, USS CUTLASS」p.8 。終戦の日も参照
  3. ^ a b 「SS-478, USS CUTLASS」p.11

参考文献

外部リンク