マヨルカ島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
マヨルカ島
現地名: Mallorca
マヨルカ島の旗
マヨルカ島の位置(スペイン内)
マヨルカ島
スペイン内での位置
Localització de Mallorca respecte les Illes Balears.svg
バレアレス諸島内の位置
地理
場所 地中海
座標 座標: 北緯39度37分 東経2度59分 / 北緯39.617度 東経2.983度 / 39.617; 2.983
所属群島 バレアレス諸島
面積 3,640.11 km2 (1,405.454 sq mi)
最高標高 1,445 m (4,741 ft)
最高峰 プッジ・マジョー山
バレアレス諸島
最大都市 パルマ (人口 404,681人)
住民
人口 869,067人 (2010年1月1日現在)
人口密度 238.75 /km2 (618.36 /sq mi)
マヨルカ島の衛星写真

マヨルカ島(マヨルカとう、Mallorca)は西地中海に浮かぶスペインバレアレス諸島自治州の中心となる島で、州都パルマ・デ・マヨルカの所在する島のことである。日本語ではマジョルカ島、あるいはマリョルカ島とも表記される。

2004年12月-2006年6月、サッカー日本代表大久保嘉人がパルマ・デ・マヨルカに本拠地を置くRCDマヨルカにレンタル移籍したことで日本人にも知られるようになった。この年の全仏オープンテニス男子シングルス優勝者、ラファエル・ナダルはマヨルカ島東部の町、マナコルの出身者である。

歴史[編集]

1229年にアラゴン王国領となる。その後アラゴン王国がカトリック両王の下カスティーリャ王国と合併してスペイン領になった。

地理[編集]

ソレル港

島の北西沿岸には世界文化遺産にも指定されているトラムンタナ山地が連なり、バレアレス諸島最高標高(1445m)のen:Puig Major山もこの山地に存在する。トラムンタナ山地以外の場所は、東部の一部地域を除けば、およそなだらかな丘陵や平野が広がっている。

バレアレス諸島の中では面積、人口共に最も大きい島である。また、夏の観光シーズンの間は観光客や国内外からの長期滞在者など含めると人口は倍以上に膨れ上がる。

州都であり最大の人口を擁するパルマ・デマヨルカと、二番目に人口が多い都市であるカルビアは、島の西側の湾に面した場所に隣接して立地している。

気候[編集]

マヨルカ島の気候は地中海性気候であり、ケッペンの気候区分ではCsaに分類される。6月から9月の最高気温は25℃-30℃、最低気温は18℃-22℃。10月から5月は各々18℃~22℃、8℃-16℃である。年間降水量は約400mmで、6月-8月はとくに少ない。

パルマ・デ・マヨルカ(Satellite view)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C (°F) 15.2
(59.4)
15.7
(60.3)
17.1
(62.8)
18.7
(65.7)
22.1
(71.8)
25.9
(78.6)
29.9
(85.8)
30.5
(86.9)
28.1
(82.6)
23.4
(74.1)
19.2
(66.6)
16.5
(61.7)
21.6
(70.9)
日平均気温 °C (°F) 11.7
(53.1)
12.1
(53.8)
13.3
(55.9)
15.0
(59)
18.4
(65.1)
22.1
(71.8)
25.1
(77.2)
25.9
(78.6)
23.4
(74.1)
19.7
(67.5)
15.7
(60.3)
13.0
(55.4)
17.9
(64.2)
平均最低気温 °C (°F) 8.3
(46.9)
8.5
(47.3)
9.5
(49.1)
11.3
(52.3)
14.7
(58.5)
18.4
(65.1)
21.3
(70.3)
22.2
(72)
19.8
(67.6)
16.1
(61)
12.1
(53.8)
9.7
(49.5)
14.3
(57.7)
降水量 mm (inch) 43
(1.69)
34
(1.34)
26
(1.02)
43
(1.69)
30
(1.18)
11
(0.43)
5
(0.2)
17
(0.67)
39
(1.54)
68
(2.68)
58
(2.28)
45
(1.77)
427
(16.81)
平均降水日数 (≥ 1 mm) 5 5 4 6 4 2 1 1 4 7 6 6 52
平均月間日照時間 165 168 204 231 280 307 342 313 228 204 165 154 2,763
出典: Agencia Estatal de Meteorología[1]

ショパンとマヨルカ島[編集]

アンドラッチ城

マヨルカとかかわりの深い文化人といえばフレデリック・ショパンである。ショパンは恋人であるジョルジュ・サンドと共に1838年に結核療養の目的でマヨルカ島に滞在した。この期間マヨルカで作られた代表的な作品が「雨だれのプレリュード」である。結局病状が良くならず、半年ほどでマヨルカを後にし、ショパンはパリへと帰る。

マヨルカ島にはショパンの記念館があり、この時使用したピアノ等が展示されている。

なお恋人のサンドも後年「Un hiver à Majorque」(「マヨルカの冬」1842年)を著している。

観光[編集]

現在のマヨルカ島の主要産業は観光である。数多くの美しい砂浜やビーチ・リゾートが島内に点在している。特にバカンスの季節になると海水浴を楽しむ観光客でビーチはごった返す。英国ドイツからの観光客がとりわけ多く、島内の観光地では英語ドイツ語が広く通用する。ドイツ人にとってのマヨルカ島は、日本人にとってのハワイのような立場である。ビーチ以外にも北部には海へと切り立つ断崖絶壁やその間に点在する村々の絶景、また東部のポルト・クリストにはドラック洞窟など多数の巨大な鍾乳洞があり、観光客の目を楽しませている。

ビーチ以外にも画家ミロが晩年を過ごしたマヨルカ島にはFondaciò Pilar i Joan Mirò a Mallorca(Saridakis,29 07015 Palma-Illes Balears)があり、沢山の絵画や彫刻の他、今でもミロが制作中のようなアトリエも見られる。市内にはミロを始めモディリアーニカルダーマン・レイピカソなどの作品が展示されるesBALUARD現代美術館(Placa Porta Santa Ctalina,10 07012 Palma)もある。海を見渡せる美術館には気持ちの良いカフェもある。アートが生活の中に入り込んでいるマヨルカ島には市街にも沢山のギャラリーが点在する。

言語[編集]

マヨルカ島を含むバレアレス諸島自治州の公用語にはカタルーニャ語カスティーリャ語の二言語が定められており[3]、バレアレス諸島州自治憲章でカタルーニャ語は「私たちの言語」(llengua propia)とされている[3]。島民によって話されるカタルーニャ語マヨルカ方言はマヨルキ(Mallorqui)とも呼ばれ、多くの集落で微妙に異なった発音となる。マヨルカ島の学生はカタルーニャ語とカスティーリャ語のバイリンガルになることが義務付けられており、英語に精通した学生もいる。かなりの数の観光客は英語のネイティブであり、観光客の多くはイギリスとアイルランドから、またアメリカ合衆国とカナダから来る。また、ドイツ語のネイティブである観光客も多く、「マヨルカ島はドイツの17番目の連邦州である」というジョークもある。[要出典]2012年、政権党は学校でカタルーニャ語を優先的に扱うことを終了し、公用語二言語を同格に扱う意思を発表した。この発表でかなり近い将来に「マヨルカ系カタルーニャ人」は消滅するだろうとされている[4]

食文化[編集]

エンサイマダ

マヨルカ島を象徴する食材としてオリーブアーモンドがある。伝統的な食後の軽食としてゼリーやジャムを塗ったブレッドスティックがあり、ゼリーとジャムの輸入量が多い。マヨルカ島には400万本ものアーモンドとオリーブの木がある。マヨルカ料理には豚肉のソーセージであるソブラサーダ英語版チョリソの一種)、アロス・ブルット(鶏肉・豚肉・野菜を加えたサフランライス)、エンサイマダ(甘いパン)などがある。

交通[編集]

マヨルカ島にはパルマ・デ・マヨルカ空港がある。パルマ・デ・マヨルカ空港はマドリード・バラハス空港バルセロナ=エル・プラット空港に次いでスペインで3番目に旅客数の多い空港であり、夏季の数か月間はヨーロッパでもっとも混雑する空港のひとつである。マヨルカ島初の民間飛行場はソン・ボネー飛行場であり、1927年に初の商業飛行が行われた。1960年にパルマ・デ・マヨルカ空港が拡張して開港し、主要空港の座がソン・ボネー飛行場から移った。

マヨルカ島ではマヨルカ鉄道が郊外路線3系統とメトロ(地下鉄)2系統を運行している。郊外路線のL1はパルマ・デ・マヨルカとインカを結ぶ系統である。インカからはL2が北部のサ・ポブラに、L3が西部の都市マナコルに分岐している。2007年にはパルマ・デ・マヨルカでメトロのパルマ・メトロM1線が開業し、市内中心部のスペイン広場駅とバレアレス諸島大学(UIB)最寄りのUIB駅を結んだ。2013年にはM2線が開業し、スペイン広場駅と市街地北東部のマラッチ駅を結んだ。

世界遺産[編集]

世界遺産 トラムンタナ山脈の文化的景観
スペイン
雪に覆われたトラモンターナ山地
雪に覆われたトラモンターナ山地
英名 Cultural Landscape of the Serra de Tramuntana
仏名 Paysage culturel de la Serra de Tramuntana
登録区分 文化遺産
登録基準 (2) (4) (5)
登録年 2011
公式サイト ユネスコ本部(英語)
使用方法表示

上述の通り、北西沿岸に連なるトラムンタナ山地は、「トラムンタナ山脈の文化的景観」という呼称で2011年に世界文化遺産として登録された。

登録基準[編集]

この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。

  • (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  • (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
  • (5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。

出典[編集]

  1. ^ Valores Climatológicos Normales. Palma de Mallorca”. 2010年9月15日閲覧。
  2. ^ Valores Climatológicos Normales. Palma de Mallorca / Aeropuerto”. 2010年9月15日閲覧。
  3. ^ a b Article 4 of the Statute of Autonomy of the Balearic Islands, 2007: "Catalan language, Balearic Islands' own language, will have, together with the Spanish language, the character of official language." [1]
  4. ^ El PP recorta el peso oficial del catalán en Baleares | Política | EL PAÍS”. Politica.elpais.com (2012年7月17日). 2013年3月26日閲覧。

外部リンク[編集]