エケプローン

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エケプローン古希: Ἐχέφρων, Echephrōn)は、ギリシア神話の人物である。長音を省略してエケプロンとも表記される。主に、

が知られている。以下に説明する。

ネストールの子[編集]

このエケプローンは、ピュロスの王ネストールエウリュディケー[1]あるいはアナクシビアーの子で[2]アンティロコス[2][3]トラシュメーデース[2][4]ペイシストラトス[2][5]ストラティオスペルセウス、アレートス[2][6]ペイシディケー[2]ポリュカステーと兄弟[2][7]ホメーロス叙事詩オデュッセイアー』によると、オデュッセウスの情報を求めてピュロスを訪れたテーレマコスと会った[6]

プリアモスの子[編集]

このエケプローンは、トロイアーの王プリアモスの50人の子供の1人である。庶子であり、母親の名前は伝えられていない[8]

ヘーラクレースの子[編集]

このエケプローンは、ヘーラクレースとシケリア島シカニア地方の王エリュクスの娘[9]プソーピスの子で、プロマコスと兄弟[9][10]。エケプローンとプロマコスはアルカディア地方の都市ペーギアーで育ち、後に都市の名前を母親にちなんでプソーピスと改めた[9]。同地には兄弟のために2つの英雄廟が建てられていたが、パウサニアースが訪れたときにはすっかり寂れていたという[10]

脚注[編集]

  1. ^ 『オデュッセイアー』3巻452行。
  2. ^ a b c d e f g アポロドーロス、1巻9・9。
  3. ^ 『オデュッセイアー』3巻112行。
  4. ^ 『オデュッセイアー』3巻39行。
  5. ^ 『オデュッセイアー』3巻36行。
  6. ^ a b 『オデュッセイアー』3巻414行。
  7. ^ 『オデュッセイアー』3巻464行。
  8. ^ アポロドーロス、3巻12・5。
  9. ^ a b c パウサニアース、8巻24・2。
  10. ^ a b パウサニアース、8巻24・7。

参考文献[編集]