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アルギニン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
L-アルギニン
識別情報
CAS登録番号 74-79-3 チェック
PubChem 6322
ChemSpider 227 チェック
UNII 94ZLA3W45F チェック
KEGG C00062 チェック
ChEMBL CHEMBL179653 チェック
721
特性
化学式 C6H14N4O2
モル質量 174.2 g mol−1
示性式 H2NC(=NH)NH(CH2)3CH(NH2)COOH
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アルギニン (arginine) は天然に存在するアミノ酸のひとつ。2-アミノ-5-グアニジノペンタン酸(2-アミノ-5-グアニジノ吉草酸)のこと。略号は R あるいは Arg。英語発音に基づき、アージニンともいう。非必須アミノ酸。

性質

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荷電極性側鎖アミノ酸。塩基性アミノ酸の一種で、蛋白質を構成するアミノ酸としては最も塩基性が高い[1]

非必須アミノ酸ではあるが、成長期には摂取が必要。糖原性を持つ。

尿素回路の中間体であり[1]、投与によりアンモニアの生体内解毒を助ける。尿素回路内で、アルギナーゼ (EC 3.5.3.1) によりオルニチン尿素に分解される。アルギナーゼの欠損により高アルギニン血症になる。

条件付必須アミノ酸の1つ。外傷褥瘡感染などの侵襲下においては、充分な補給が望ましいとされる。免疫反応の活性化、細胞増殖を促進し、コラーゲン生成促進などにより、創傷や褥瘡の治癒を促す。

存在

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ヒストンやプロタミンといった、核蛋白質での含量が高く、魚類プロタミンでは全体の3分の2がアルギニンになっている。食物では、類、ナッツ大豆玄米レーズンエビ牛乳などに多く含まれる。

生合成

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クエン酸回路ケトグルタル酸からアルギニンの生合成が始まる。ケトグルタル酸からグルタミン酸が合成され、N-アセチルグルタメートに変換され、この物質がN-アセチルグルタメートキナーゼによりN-アセチルグルタメートリン酸へと変換される。次に、N-アセチルグルタメートリン酸はオルニチンに変換され、オルニチントランスカルバミラーゼによりシトルリンに変換された後、アルギニンとなる。 アルギニンは体内での代謝過程で一酸化窒素(NO)を産生する。NOが産生されると血管は拡張し、血液循環を促進する。NO産生による血流改善により、動脈硬化の予防・改善、神経系・免疫系への作用が示唆されている。

安全性

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比較的安全な物質と考えられる。

NOAEL
動物 経口 3,131 mg/kg bw/day[2]
OSL (Observed Safety Level)
ヒト 経口 20g/day [3]

出典

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  1. ^ a b アルギニン - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所) 閲覧日2013-11-4
  2. ^ “Opinion of the Scientific Panel on Additives and Products or Substances used in Animal Feed on the safety and efficacy of the product containing L-arginine produced by fermentation from Corynebacterium glutamicum (ATCC-13870) for all animal species”. The EFSA Journal 473. (2007). doi:10.2903/j.efsa.2007.473. http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/473. 
  3. ^ “Risk assessment for the amino acids taurine, L-glutamine and L-arginine”. Regulatory Toxicology and Pharmacology 50 (3). (2008). doi:10.1016/j.yrtph.2008.01.004. PMID 18325648. 

関連項目

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外部リンク

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