イーヴァル・ヒュイトフェルト級フリゲート

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アイヴァー・ヒュイトフェルト級
フリゲート
基本情報
艦種 フリゲート
建造所 オーデンセ造船所
運用者  デンマーク海軍
建造期間 2008年 - 2010年
就役期間 2012年 - 現在
建造数 3隻
前級 ニールス・ユール級コルベット
要目
満載排水量 6,645 t
全長 138.7 m
最大幅 19.75 m
吃水 5.3 m
機関方式 CODAD方式
主機 MTU 8000-20V-M70ディーゼルエンジン (8 MW)×4基
推進器 可変ピッチ・プロペラ×軸
最大速力 28ノット (52 km/h)
航続距離 9,000海里/15ノット (28 km/h)
乗員 165人
兵装
搭載機 AW101汎用ヘリコプター×1機
C4ISR 海軍戦術情報システム
(C-flex+リンク 11/16
レーダー
ソナー ASO-94 船首装備
電子戦
対抗手段
  • ES-3701 ESM装置
  • DL-12T 130mm チャフフレア12連装発射機×4基
  • DL-6T 130mm チャフ・フレア6連装発射機×2基
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アイヴァー・ヒュイトフェルト級フリゲートデンマーク語: Fregatter af Iver Huitfeldt-klassen, : Iver Huitfeldt class frigate)はデンマーク海軍フリゲートの艦級。

船体・機関

本級は、ニールス・ユール級コルベットの直接の後継艦として開発された。ただしマルチハザード化に伴う任務の多様化から、防空艦任務を想定したこともあり、艦型は大幅に増大しており、デンマーク海軍史上最大の戦闘艦となっている。

船体設計は、アブサロン級多目的支援艦と同様にスタンフレックス・シリーズSF-3500と呼ばれる設計を採用しており、その名の通り、原形艦および前任者と同様にスタンダード・フレックス・コンセプトを適用されている。これは各種の装備をモジュール化して搭載することによってその柔軟性を高めようというものであり、これを適用されたものとしてはフリーヴェフィスケン級哨戒艇が有名である。ただし同級においてはコンテナを積み替えることで容易に任務の切り替えを実現することを目的としていたのに対し、本級ではニールス・ユール級と同様、より保守的に、近代化改修を容易として技術進歩に柔軟に追随できるようにするための適用である。また、原型艦であるアブサロン級では、多用途性を重視し、車両・物資の搭載も可能な多目的甲板を装備していたが、戦闘艦である本級では省かれている。本級の船体は、7層の甲板と15個の水密区画によって構成されている。

本級のディーゼルエンジンコモンレール式の噴射ポンプを採用するなどの排出ガス低減策を講じており、これにより、海洋汚染防止条約 附属書VIを満たすものとなっている。なお本級を含む軍艦は、本来、この規定を満たす必要はない。

装備

本級は、NAAWSを主たる武器システムとするシステム艦として構築されている。

NAAWSタレス・ネーデルラント社によって開発された防空武器システムで、既にドイツ海軍ザクセン級)およびオランダ海軍デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級)において運用されている。NAAWSでは、XバンドのAPAR多機能レーダーを中核的なサブシステムとして、長距離の対空捜索にはLバンドのSMART-L 3次元レーダーを併用する。ただし、ドイツとオランダのNAAWS搭載艦が、いずれもSEWACOシリーズの戦術情報処理装置を搭載しているのに対して、本級では国産のC-flexを採用した。これは商用オフザシェルフ化された分散システムである。

また砲熕兵器としては、同国海軍が従来より使用してきたオート・メラーラ スーパー・ラピッドM/85 76mm単装速射砲主砲として搭載するのに加え、35mmリヴォルヴァーカノンによるエリコン・ミレニアムCIWSを搭載する。

同型艦

艦番号 艦名 造船所 起工 進水 就役
F361 アイヴァー・ヒュイトフェルト
KDM Iver Huitfeldt
オーデンセ造船所 2008年
6月2日
2010年
3月11日
2011年
1月21日
F362 ペートー・ヴィルモエス
KDM Peter Willemoes
2009年
3月12日
2010年
12月21日
2011年
6月22日
F363 ニールス・ユール
KDM Niels Juel
2009年
12月22日
2010年
12月21日
2011年
11月7日

参考文献

関連項目