X線撮影

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アルベルト・フォン・ケリカーの手のX線写真。この画像は透視によるものであるためフィルムに写した場合と白黒濃度は逆になっている。動きを見る透視画像を行うときは2008年現在もこのような白黒反転した画像を見ることはある。

X線撮影(エックスせんさつえい)は、エックス線を目的の物質に照射し、透過したエックス線を写真乾板写真フィルムイメージングプレートフラットパネルディテクターなどの検出器で可視化することで、内部の様子を知る画像検査法の一種である。

医療の他、空港の手荷物検査などの非破壊検査に利用されている。X線の発見者であるヴィルヘルム・レントゲンに因み、レントゲン撮影または単にレントゲンとも呼ぶ。医療従事者は X‐ray Photograph を略して X-P ともいう。

原理[編集]

最も一般的に知られているX線撮影では、X線照射装置とフィルムの間に体を置き、焼き付けて画像化する。X線は感光板を黒く変色させるため、体がX線を通過させた部分では黒く写り、体がX線を阻止した場合には、その部分が白く写る。通常の診療では、前者の黒く写った部分を「明るい」、後者の白い部分を「暗い」と表現するが、これはすなわち、肺炎や腫瘍などでは、X線透過度が低くなってフィルムに白い影を落とすところからきた表現である。X線の透過度が高い組織としては皮膚や空気()、筋肉軟骨などがある。逆にX線の透過度が低いものとしてはや、組織をより明瞭に描き出すために入れる造影剤がある。

感光剤を塗りつけたフィルムの代わりにIP(イメージングプレート)やFPD(フラットパネルディテクター)を使う、CR(コンピューテッドラジオグラフィー)が今は主流である。またフィルムレスのX線写真も、大病院をはじめ普及しつつある。コンピュータX線撮影の項も参照。

X線撮影装置の開発[編集]

世界で最初のX線撮影装置はドイツのシーメンス社が開発に成功し1898年、日本に輸入されている。日本でも1909年に初の国産機を第三高等学校教授で理学博士の村岡範為馳(はんいち)が島津製作所の全面協力で開発に成功している。『ダイアナ』と『ニューオーロラ』の2機種は現在でも島津創業記念資料館に保存されており、実用的な安定性を誇っていた。

医療分野での利用[編集]

レントゲンがX線を発見して以来、医療分野では、主に骨や肺の病変を描き出す画像診断として積極的に利用されてきた。主な利用法として以下のようなものがある。

骨折・骨病変の診断
レントゲンは骨病変の診断に最も有効であり、現在でも骨折の診断には最も有用な検査方法の一つである。特に頭部・頚部や四肢の骨折で有用性が高い。また骨粗鬆症骨塩定量にも用いられる。
歯科的診断
も骨と同じく硬組織であり、歯科診療の領域では頻繁に利用される。
胸部X線
Chest X-ray(CXR)と呼ばれ、肺癌肺炎結核胸水気胸をはじめとし、非常に多くの肺病変の診断に利用されている。
腹部X線
Abdominal X-ray(AXR)(臥位ではflat plate)は、腸閉塞腹水、腹腔内、胆石尿路結石の空気の様子を診断するのに利用される。
造影X線写真
X線を通さない造影剤(バリウムなど)を経口・経静脈的に投与したのちに撮影することで、普通は描出されない消化管や血管の様子をも描出できる。造影剤を使わないX線写真は、造影X線写真に対して単純X線写真と呼ぶ。
透視
X線を連続的に照射し、テレビモニタを通じて映像を観察する。被曝量は多くなるが、病変によっては診断や治療に必要となる。

X線撮影に比べMRICTのほうが画像の有用性が高い場合もあるが、X線撮影は簡便性や経済性に優れており、現在でも検診など大部分の診療施設で用いられている。救急では、CTは従来は撮影時間が長かったが、ヘリカルスキャン、MDCTの登場で撮影時間が減り、単純X線写真の割合は減ってきている。また、放射光X線を用いたCTでは非常に細かい部分まで分かるので顕微鏡的な画像が期待されている。

頭部所見[編集]

塩胡椒(salt and pepper)
頭蓋骨に細かく粒径の不ぞろいな粒々が見えること。
打ち抜き像(punched out lesion)
多発性骨髄腫参照

胸部X線写真[編集]

成人男性の胸部X線写真(413kB)

胸部X線写真では、心臓肋骨縦隔気管気管支、等が見える。

胸部単純X線写真の読影手順[編集]

撮影条件の評価
まず撮影姿勢が立位、坐位、仰臥位のいずれであるか、またポータブル撮影かどうかを把握しておく。撮影姿勢とP-A(Posterior-Anterior view、背面から撮影、集団検診など立位で通常)、A-P(Anterior-Posterior view、前面から撮影、ポータブル撮影で通常)の相違により心陰影が過剰に評価される恐れがあり、立位P-A撮影以外での心胸郭比(CTR)測定は参考値としておく。次に斜位撮影になっていないのかを調べる。これは左右の鎖骨胸骨端が椎体突起から等距離であれば斜位になっていないと判断することができる。斜位撮影のデメリットとしては、気管変位が読めない、右傍気管線が比較できない。心胸郭比(CTR)が測定できない。肺野陰影の大きさが比較できないといったことが挙げられる。
肋骨横隔膜角(CPA)の評価が可能かを調べる。これは少量の胸水の把握ができるかどうかを調べるためのものである。熟練した医師ならば打診で胸水量の測定が可能であるといわれている。打診で胸水の変化をとらえそれが重要であると判断したら、胸部X線で証拠を残すべきである。
放射線の線量が適切であるかを評価する。これは中央陰影すなわち心陰影を通じて椎間板が見える条件ならばよい。また椎間板の見え具合と肺野血管陰影の追跡しやすさはほぼ並行しているといわれている。正常ならば肺動脈陰影は胸壁から2cm以内には見えないといわれておりこれも一つの指標となる。
深吸気時に撮影されているのかを評価する。これは指標がなく、経過から予測するしかない。呼気撮影では心臓の拡大、肺門部陰影の拡大、肺野の透過性の低下が問題となる。特に下肺野の透過性の低下は病的な状態と鑑別が困難である。
軟部組織の評価
軟部組織は肺野陰影に大きな影響を与える。特に乳房の陰影は分かりづらい。乳房切除などがされていると明らかな左右差があるように見えることもある。衣服、長い毛髪も判断を狂わせやすい。また軟部組織の異所性石灰化も注意が必要である。
骨の評価
骨と骨に重なる病変の違いを鑑別する。これは所見を知っていないとできない。骨折、石灰化、骨浸潤といったものが骨の所見である。また肋軟骨の石灰化など非特異的な所見も数多くある。また肺は膨張するのでその大きさの評価も骨を用いて行う。正常では右横隔膜の高さは後方第10肋間である。またminor fissure(毛髪線)の位置は正常ならば前方第3肋間下縁である。
縦隔の評価
気管の変位はないのかを調べる。高齢者で動脈硬化があると下方気管がやや右に変位することは多いが、通常認めた場合は甲状腺腫大など縦隔疾患を疑う。右傍気管線が5mmを超えた場合は異常である。多くは傍気管リンパ節の腫大である。
心臓の評価
最も重要な所見はCTRであり、これが心不全の指標となる。それ以外の所見をとる場合は心臓、大血管の走行も想定しないとなかなか読めない。心陰影の形は正常か、心臓の辺縁は追跡可能か、心陰影を通じて下行動脈が見えるのかを調べる。特に気を付けるのは中央陰影内に透亮像がないかである。肺野異常影の見落としのほとんどは心陰影に重なるものであるからである。
横隔膜の評価
正常者の横隔膜の位置は後方第10肋間である。肝臓があるため右側横隔膜は左側横隔膜よりも高く見える。左側横隔膜より右側横隔膜が高かったり、右側横隔膜が左側横隔膜より半椎体以上高い場合は精査を必要とする。疑うのは肺疾患と横隔膜疾患である。横隔膜と胃泡の距離が1cm以上の場合も精査が必要となる。これはCTをすればスクリーニングできる。
肺門の評価
右肺門とは中心静脈(右上肺静脈)と中幹肺動脈の中点であり、左肺門とは左肺動脈上縁と左主気管支の上縁の中点である。正常では左肺門部が右肺門部より高い位置にある。肺門部の異常は鑑別が難しいので疑ったらすぐにCTをするべきである。特に肺動脈の拡張と肺門リンパ節の腫脹はよく似ている。また肺門と重なる肺野の病変ということもある。
肺野の評価
無気肺肺胞性陰影間質性陰影のパターンを理解することが大切である。
  肺胞性陰影 間質性陰影
分布 区域性、多発性 びまん性、撒布性
既存構造との関係 細葉、区域に一致 気管支、血管、リンパ管、小葉間隔壁に一致
辺縁 不明瞭 明瞭
融合性 あり なし
変化 早い 遅い
側面の評価
心臓の前面が右室であり後面が左室である。正常では心臓後縁、下大静脈の後縁を超えない。また側面像では弁の石灰化の評価も行いやすい。僧帽弁狭窄症では心臓のかなり後方に石灰化を認め、大動脈弁狭窄症ではより前方に石灰化が認められる。大動脈弁閉鎖不全症は先天的二尖弁やリウマチ熱などでも起こりえるが日本の場合は殆ど65歳~75歳頃に生じる加齢性の石灰化によるものである。僧帽弁狭窄症も加齢性石灰化または僧帽弁閉鎖不全症の末に起こることも知られている。僧帽弁閉鎖不全症は左室拡張による弁輪の拡大や乳頭筋に虚血による障害や肥大型心筋症の過収縮、僧帽弁逸脱症候群によって起こることが知られている。

重要な所見[編集]

心陰影[編集]

心陰影(しんいんえい)は、心臓のX線写真像の事である。通常はPA像(後前像)で評価する。経過を見るだけならば、臥床しかできない患者ではAP像(前後像)を用いる場合もある。

成人男性の胸部X線写真
上の画像に着色した例(111kB)。緑:気管支透亮像赤:心陰影の輪郭(左第2弓と第3弓はこの例では不明瞭なため強調して描いてある)、青:肺野の血管(番号は肺区域)

心陰影の上側(頭側)は縦隔と連続していて、境界ははっきりしない。下側(尾側)は横隔膜と連続していてはっきりしない。右側は2つの膨らみからなり、上から順に右第1弓(みぎだいいっきゅう)、右第2弓(みぎだいにきゅう)という。左側は4つの膨らみからなり、上から順に左第1弓(ひだりだいいっきゅう)、左第2弓(ひだりだいにきゅう)、左第3弓(ひだりだいさんきゅう)、左第4弓(ひだりだいよんきゅう)という。

右第1弓
正常では上大静脈が写っている影である。すぐ内側を上行大動脈が走行しており、動脈硬化や高血圧の患者では右方の突出を認める。
右第2弓
正常では右心房が写っている影である。右心不全など右房が拡大する疾患では突出が認められる。右室拡大でも右房を右方に偏位させるため突出する。左房拡大が著明な僧帽弁疾患では右房の内側に左房辺縁が観察されることがある。これをdouble shadowという。
左第1弓
正常では大動脈弓が写っている影である。高齢者、動脈硬化、高血圧で拡大する。大動脈の石灰化と第1弓がずれていた場合は大動脈解離の可能性がある。大動脈の石灰化は内膜に生じるため、外壁に石灰化があるほうが真腔である。また大動脈狭窄症の場合は狭窄後拡張によって左第1弓の拡大が見られる場合もある。
左第2弓
正常では肺動脈本幹、および左肺動脈による影である。肺動脈が拡張する疾患では拡大する。具体的には左→右シャントのある心房中隔欠損症心室中隔欠損症、肺動脈狭窄症、肺高血圧が存在すると拡大する。逆に肺血流が低下する疾患、例えば完全大血管転位症(Ⅲ型)やファロー四徴症では左第2弓の消失、平坦化が認められる。
左第3弓
正常では左心耳による影である。左房の拡大で膨隆する。正常では殆ど弓として認められない。心房細動などの基礎疾患がある場合は確認できることがある。
左第4弓
正常では左室による影である。左室拡大が存在する病態では突出が認められる。左室拡大では左下方に垂れ下がるように拡大する。大動脈弁閉鎖不全症、心室瘤が認められる場合がこれに該当することが多い。右室の拡大がある場合や左室肥大が認められる場合は心尖部が挙上する。大動脈弁狭窄症肥大型心筋症ではこれに該当することが多い。右室の拡大のときは左室が後上方に挙上されることが多い。僧帽弁閉鎖不全症では著明な左室拡大によって球状を呈する。
側面像
通常はRL像(左側面像)で評価する。右房拡大は胸骨後腔の狭小化や右室流出路の拡大によって評価できる。左室拡大は左室後縁と下大静脈の交点が横隔膜下にくることで確認ができる。左房拡大は左気管支幹の右上方への圧迫や明らかな後方突出で確認できる。
斜位像
右前斜位(RAO)では左房、右室拡大、右室流出路、左前斜位(LAO)では心臓の全ての部屋を確認することができる。

胸部所見[編集]

気管支透亮像air bronchogram
気管支透亮像(きかんしとうりょうぞう)は、気管支が浮き彫りに見えること。肺胞が空気以外のもので埋まってしまう場合、肺の間質が増生する場合などに気管支の中の空気が浮かび上がって見える。鑑別としては急性呼吸窮迫症候群が挙げられる。
シルエットサイン
肺血管陰影

腹部X線写真[編集]

腹部単純X線写真の読影手順[編集]

撮影条件の評価
立位背臥位と目的に応じて使い分ける。また患者の状態により立位が困難な場合など、坐位、側臥位を用いるなどする。
主に立位での撮影はガス像(空気など)の観察に適しており、イレウスなどを疑うときに用いられる。
臥位像では腹部の実質臓器や結石、石灰化などの観察に適している。一般的にはこの2方向を腹部撮影の基本とする。
一般に側面像・斜位は用いないが、結石の位置や異物確認、大腸や小腸の確認には有用であることもある。
脊椎の評価
脊椎を正確に評価するには一般的には臥位で4方向を撮影することがあるが、自然な体位としてはむしろ立位が適している。その理由として、日常の加重状態をそのまま再現することにより、椎間板の変性の程度や関節のすべりなどが解る。
時に関節のすべりをより良く観察するために機能写(前屈・後屈)と呼ばれる撮影を行うこともある。腹部単純写真での脊椎(腰椎)での評価には限界がある。
肋骨の評価
上部肋骨(吸気で撮影)は腹部単純写真では映らないし、また下部肋骨(呼気で撮影)は接線方向を撮影を追加しないと、見落としの原因になる。
骨盤、大腿骨上部の評価
上腹部、側腹部、中腹部の臓器腫瘤と石灰化を主に調べる。
側腹部と下腹部の評価

重要な所見[編集]

腸管ガス
小腸ガス、大腸ガスの区別は解剖学的な考察のほか、ヒダの形状によっても行うことができる。小腸ならばKerckringヒダが密に腸を横切るが大腸はハウストラのヒダが横走しない(臨床ではしばしば横行している)。しかしこれは造影した場合の所見であり、単純写真では推定でしかない。一般に歩行できる健康な成人で食事のすぐ後でなければ通常は小腸ガスは認められない。これに対して正常な小児および、臥床中の成人では腹部にまったく異常がなくてもしばしば相当量の小腸ガスが認められる。大腸ガスは非特異的な所見として捉えられているが、一般に腸管の多くの部分は液体、食物あるいは糞便を含んでいるか、あるいは虚脱しているために通常は見えない。ただし、時には気泡の混じった半固形の糞便を含んでいるがゆえに結腸の輪郭が部分的に認められることがある。腹部の写真では実質臓器と大血管が融合し一つの灰色の陰影となっており、臓器の境界や輪郭が消失する。臓器が見えるときはその臓器とは密度の異なる何らかの構造が隣接しているときに限られる。これらの所見を用いて大腸および、小腸の機械的イレウスと麻痺性イレウスとの鑑別ができる。
キライディティ症候群(Chilaiditi's syndrome)は所見としては見られるものの、臨床上問題とならない。
鏡面形成像(ニボー、niveau)
患者が立位を取ると、腸管内容物のうち液性成分は下に、気体成分は上に移動し、水平に液面像を形成する。これを鏡面像(ニボーfr:niveau)、air-fluid levelと呼ぶ。
胆石、尿路結石
カルシウムを多く含む結石であればレントゲン写真に写ることがある。混合石やコレステロール結石などX線透過性の結石では写らないことがある。
大腸、小腸の機械的イレウスと麻痺性イレウスの鑑別
原則として機械的閉塞ならば閉塞を代償するため腸蠕動が亢進し閉塞部より遠位に伝達され、遠位の腸管からは空気がなくなってしまう。そして機械的閉塞のほとんどはCTによって原因を突き止めることができる。小腸閉塞であまりに空気の貯留が多いと小腸と結腸の区別が困難になる。その場合は腸管を辿ってみることで大抵は同定することができる。
結腸あるいは小腸の一方に過剰な空気が認められるが他方に認められないのならば、結腸が空虚になるほどの長時間存在した小腸閉塞、あるいは完全な(空気漏れのない)回盲弁を有する大腸閉塞のいずれかである。
結腸と小腸の両方に過剰な空気が認められるのなら次の3つのいずれかである。一つは麻痺性イレウス。二つ目は不完全な回盲部弁を有する大腸閉塞で拡張した結腸が小腸へ逆流して減圧したもの。もう一つは小腸閉塞で空腸が空虚になるだけの時間が無かった早期のものや間欠性小腸閉塞である。間欠性小腸閉塞とは小腸ループが時折ヘルニアあるいは癒着部に捉えられるものである。
腰椎所見
ラガージャージ(rugger jersey
腰椎がラグビー選手が着るジャージの様な横縞模様に見えること。
骨軟部所見
多胞状骨融解像soap-bubble appearance
多胞状骨融解像(たほうじょうこつゆうかいぞう)は、骨が石鹸の泡のように見えること。

脊椎のX線撮影[編集]

頚椎X線撮影[編集]

配列、骨の状態(骨折、骨粗鬆症、骨萎縮、骨破壊、骨硬化、骨透亮、溶骨変化など)、脊柱管の狭窄、椎間板の狭小化、靭帯付着の変化、軟部組織の腫脹に注意する。正面像では脊柱配列とルシュカ関節の形状に注意する。脊柱配列では側湾変形や頚椎の傾きに関して評価する。正常では椎体外側に斜方向の関節裂隙がみえる。変形するとルシュカ関節辺縁から横方向へ伸びる骨棘が出現する。側面像では脊柱配列、椎体終板の骨硬化、椎体前縁または後縁の骨棘、脊柱管の前後径、椎間板腔の高さ、前縦靭帯や後縦靱帯の骨化、後咽頭腔幅や気管後腔幅の変化の有無を確認する。脊柱配列としては頚椎は生理的に前に湾曲しているため、生理的前湾の消失がないかS字型変形がないきあ、すべりがないかを確認する。脊柱管前後径は脊柱管の広さの指標であり正常は14mm以上である。後咽頭腔幅や気管後腔幅の変化は頚椎前方の膿瘍形成や外傷による血腫、浮腫によって拡大する。前後屈側面像では主に頚椎の安定を評価する。環軸歯突起間距離は関節リウマチや外傷で環軸椎亜脱臼を生じた場合に前屈位で開大する。正常は3mm以下である。また不安定性がある場合は前後屈時の上位椎体後下縁と下位椎弓前上縁を測定する。測定値が12mm以下ならば動的狭窄となる。両斜位像では椎間孔の狭小化を確認する。開口位正面像では歯突起骨折や環軸椎回旋位固定の時に撮影する。

腰椎X線撮影[編集]

配列、骨の状態(骨折、骨粗鬆症、骨萎縮、骨破壊、骨硬化、骨透亮、溶骨変化など)、脊柱管の狭窄、椎間板の狭小化、靭帯付着の変化、軟部組織の腫脹に注意する。正面像では側湾の有無、椎弓根の消失、椎弓根の骨硬化、横突起骨折、仙腸関節硬化像、腸腰筋の陰影増大などがある。椎弓根の消失は転移性腫瘍で認められ、椎弓根の骨硬化は転移性腫瘍、分離症、類骨腫などでみられる。横突起骨折は外傷時で仙腸関節硬化像は仙腸関節炎でみられる。腸腰筋の陰影増大は腸腰筋膿瘍、血腫などで認められる。側面像では脊柱配列、椎体圧迫骨折、骨梁像、椎間板腔の狭小化、椎体骨棘を評価する、脊柱配列では前弯増大、直線化、後弯変形、椎体すべりを評価する、椎体圧迫骨折や骨梁像は骨粗鬆症を示唆する。椎間板腔狭小化や椎体骨棘は椎間板変性所見である。前後屈側面像では椎間すべり、前屈時後方開大など腰椎不安定性の評価ができる。両斜位像では脊椎分離や椎間関節の変形が評価できる。その他重要な腰椎X線の所見としてはbamboo spineという強直性脊椎炎に特徴的な所見がある。これは靭帯の骨棘形成から二次的に隣接椎体が癒合し竹筒のようにみえることである。

外傷のX線写真[編集]

怪我をして病院に行くと外傷評価のためのX線撮影をされることがある。原則として骨折を疑った場合は2方向の撮影をする。多発外傷でルーチンで撮るべき頸部3方向(正面、側面、開口位)、胸部正面(立位)、骨盤正面(臥位)である。頸椎損傷を疑った場合は仰臥位のまま側面をとる。このとき両手を引っ張り肩を下げ、下位頚椎が撮影されるように工夫する。頭部を撮る場合(最近はCTscanで即時に脳と頭部の骨の骨折が診断できるので、頭部のX線写真は診療放射線技師の労力と時間の無駄であると思われる。)は正面、側面、タウンの3方向の撮影をする。タウンを取らないと後頭部骨折を見落とす恐れがある。頭部側面は通常は腹臥位で首を横に捻じって撮影するものだが、頸椎損傷を疑った場合は仰臥位で横から撮らないと致命的となる。

胸部X線CT[編集]

肺のCT解剖学[編集]

気管支肺動脈は原則として隣接し平行に走行する。肺区域、亜区域、小葉の中心を走行する。これに対して肺静脈はこれらの境界を走行する。CTでは気管支に隣接する血管が肺動脈であり、肺動脈と肺動脈の間にある血管が肺静脈である。正常なヒトでは気管支は亜区域までしか追うことはできないのでそこまでは有効な方法である。肺の機能動脈は肺動脈だが、それ以外に栄養血管として気管支動脈が存在する。気管支動脈は下行大動脈から直接分枝するが正常では細いため造影CTでその近位部が確認されるにすぎない。肺はリンパが豊富な組織である。気管支周囲、肺血管周囲、小葉間隔壁、胸膜の間質に分布している。特によく発達しているのが、気管支周囲と肺動脈周囲である。基本的には肺末梢から肺門部に向かって流れている。リンパ管そのものはCTでは確認できないが、癌性リンパ管炎やうっ血性心不全のようにリンパ浮腫を起こすと、気管支壁が肥厚し、血管陰影が拡大し小葉間隔壁が確認できるようになる。

肺の構造を理解する上で欠かせない概念が二次小葉といわれるものである。最も有名なものはMillerによる定義である。二次小葉の中央を気管支と肺動脈が小葉間隔壁の中を肺静脈が走っている。肉眼的にも確認ができる小葉間隔壁に囲まれた多面体である。この概念は間質性病変を理解するのに役に立つ。二次小葉は30個ほどの細葉が集まってできているとされている細葉はCTでは確認ができない。

肺の亜区域を同定するには気管支を辿っていくのが分かりやすい。原則として区域気管支の番号と肺区域の番号は一致し、大体気管支が肺区域の中央を通過することを念頭におくと手術後や偏位のある肺でも亜区域を同定できる。

右上葉
右主気管支はまず、上方に右上葉気管支を分枝する、右上葉気管支は上方(外側)にB1、後方にB2、前方にB3の分枝をする。反時計回りに番号が振られていることに注意が必要である。B1はS1(肺尖区)の区域気管支であり、B2はS2(後上葉区)、B3はS3(前上葉区)の区域気管支である。右主気管支は右上葉気管支を分枝した後、中間気管支管(左には存在しない)という。
右中葉
中間気管支管は前方に右中葉枝を分枝する。右中葉枝は外側(前方)のB4と内側(後方)のB5に分枝する。B4はS4(外側中葉区)、B5はS5(内側中葉区)の区域気管支である。
右下葉
右中葉枝を分枝した直後、後方にB6が分枝される。次いで、B7が前下内方へ、B8が前下外方へB9+10が下後方に分枝する。B6はS6(上下葉区)、B7はS7(内側肺底区)、B8はS8(前肺底区)、B9+10はS9(外側肺底区)、S10(後肺底区)の区域気管支である。
左上葉
左主気管支から左上葉気管支が上方に分枝する。左上葉気管支は上行する上区枝と前下方の舌区枝に分枝する。上区枝は上後方のB1+2と前方のB3に分枝する。舌区枝は前方のB4と下外方のB5に分かれる。B1+2はS1+2(肺尖後区)、B3はS3(前上葉区)、B4はS4(上舌区)、B5はS5(下舌区)の区域気管支である。
左下葉
左上葉気管支を分枝した直後、B6を後方に分枝する。左側にはS7(内側肺底区)は存在しないことが多く、前下方のB8、後方のB9+10を分枝する。B9+10は外側のB9と内側のB10に分枝する。B6はS6(上下葉区)、B8はS8(前肺底区)、B9はS9(外側肺底区)、B10はS10(後肺底区)の区域気管支である。

肺のびまん性病変[編集]

気腔性陰影
気腔性陰影、肺胞性陰影、細葉性陰影、浸潤陰影といわれる。肺胞腔をほぼ完全に液体やその他の物質が占拠した状態である。気管支内の空気による透亮像(air bronchogram)を伴うことが多い。辺縁不明瞭な癒合しやすい陰影が基本である。肺胞腔の占拠が不十分であり、空気がある程度残っていると透過度が増してすりガラス陰影に近くなる。
すりガラス陰影ground glass opacity (GGO)
淡い濃度上昇で既存の肺血管が透見される陰影をすりガラス陰影という。具体的には、不完全な肺胞腔占拠あるいは肺胞壁の肥厚によって起こる。不完全な肺胞腔占拠の場合、気腔の空気が減少し、それ以外のものが増加したため、平均濃度は増加するが空気も混ざっているため気腔性陰影ほどは濃度は高くならないというメカニズムで発生する。肺胞蛋白症、腺癌の周辺部、細気管支肺胞上皮癌、早期あるいは治癒期の肺水腫、肺出血や肺炎で見られる。肺胞壁の肥厚は肺胞間隔壁の肥厚によって起こる。びまん性肥厚と結節性肥厚と分布によって分類があり、びまん性肥厚は間質性肺炎で見られ、結節性肥厚はサルコイドーシス、ヒスタチオサイトーシスX、過敏性肺炎結核といった肉芽腫性疾患で見られる。
細気管支壁、細血管壁肥厚
細気管支壁が肥厚するために点状あるいは分枝した明瞭な像が小葉中心性に認められるものでびまん性汎細気管支炎に典型例を見る。癌性リンパ管症でもこれらの所見はあるが肺胞壁の肥厚なども見られるため区別される。
小葉中心性陰影
小葉間隔壁肥厚像
胸膜に直交する異常線状陰影。間質性病変に付随する。
気管支壁肥厚像
蜂窩肺 (honeycomb lung)
線維化した肺の終末象である。
肺気腫
終末細気管支より末梢の気腔の異常な拡張である。

肺の腫瘤性病変[編集]

腫瘤性病変は癌か良性疾患かの区別が非常に重要となる。前回の画像と比較して増大傾向があるのか?あるのならどのくらいの増大速度かといったところが非常に重要となる。所見を指摘する上、発生部位はどこで大きさはどれくらい、増大速度を前回比較で導き、結節の輪郭、内部の性状、周辺の状態をから複合的に診断を行う。

結節の輪郭
輪郭が明瞭か不明瞭か、陥凹と分葉化があるのか、棘形成(spiculation)があるのかを述べる。結節と肺組織の間に滲出液が存在するとすりガラス陰影が発生し境界は不明瞭となる。炎症性変化や肺胞隔壁を破壊しない悪性腫瘍の場合によく見られる。
内部の性状
濃度が均一か、石灰化、脂肪、空洞(空気)があるのか造影効果はどうなのかによって内部構造を予想することができる。
周辺の状態
胸膜陥入像、娘結節、気管支肥厚像、無気肺、閉塞性肺炎、気管支粘液栓、リンパ節腫大の有無で腫瘤の性質を予想することができる。

腫瘤性病変のCT所見としては、2年以上にわたって増大が認められなかったり、腫瘤のほぼ全体が濃く石灰化していたり、腫瘤内に脂肪を認めた場合は良性である。肺癌に多いが決め手とならない所見としては、表面の陥凹、分葉化、棘形成、不均一な内部濃度、胸膜陥入像、低いCT値、リンパ節腫大が挙げられる。良性腫瘍に多いが決め手にならない所見として、辺縁が明瞭で円滑であること、均一な内部濃度をもつことが挙げられる。辺縁が不明瞭、腫瘤内に空洞、泡沫状空気、air bromchogramがあるといった所見は肺がんでも炎症でも認められる。娘結節、気管支肥厚像、小さい石灰化は炎症に多いが肺癌にも認められる。CTのみで診断を行うのは難しく、気管支鏡や生検、細胞診を組み合わせることが診断では重要である。

縦隔CT[編集]

胸部CTには必ず、肺野条件と縦隔条件の2種類がある。実際のCT値で画像を構成すると人間の目では認知できなくなるためCT画像は画像の加工を行っている。具体的にはCT値に従って十数段階のグレイスケールの濃淡を表す。グレイスケールで表す範囲をウインドウ幅(WW)といい、その中心のCT値をウインドウレベル(WL)という。例えばWW/WL=300HU/10HUとすると、10HUを中心に300HUがグレイになる。即ち、160HU以上なら真白であり、-140HU以下なら真黒な画像が出来上がる。WW/WLの設定で肺野の病変を抽出しやすくしたのが肺野条件であり、縦隔の病変を抽出しやすくしたのが縦隔条件である。縦隔条件は腹部の条件に比較的近いことが多い。

縦隔は成書によって様々な区分がされている。区分にはっきりとした解剖学上の構造物がないため、これらの区分はあくまで便宜上のものである。

前縦隔
心血管の腹側で上部の大血管の腹側と下部の心横隔膜角が主な部位である。前者は胸腺由来の病変(胸腺腫など)、異所性甲状腺由来の病変や胚細胞性腫瘍、神経内分泌腫瘍が好発する。嚢胞性疾患としては胸腺嚢胞、心膜嚢胞、奇形腫、リンパ管腫が多い。
中縦隔
下行大動脈以外の大血管、心臓、気管、気管支を含み、心前面から食道より腹側の部分である。これらの臓器およびリンパ節由来の病変が多い。嚢胞性疾患としては前腸嚢胞が多い。
後縦隔
食道を含んでこれより背側の部分で習慣として本来は縦隔に区分されない傍脊椎溝を含む。傍脊椎溝には神経性腫瘍、髄膜瘤が好発する。神経腸嚢胞を伴うことが多い。

縦隔の嚢胞は単胞性、多胞性で分類することが多い。単胞性では前腸嚢胞(気管支嚢胞、食道重複嚢胞、神経腸嚢胞)、心膜嚢胞、心膜憩室、胸腺嚢胞、膵偽嚢胞があり、多胞性ではリンパ管腫や奇形腫が挙げられる。

体腔の連続性[編集]

ヒトの身体において独立した腔は腹膜腔胸膜腔心膜腔の3つだけである。この3つは正常では他からの交通は存在しない。例外としては女性の腹膜腔は卵管を通じて外界に交通している。これ以外の後腹膜腔縦隔、胸膜外腔、腹膜外腔、皮下組織は互いに連続している。気腔や腸管内圧が亢進状態やステロイドを使用した場合はエアーリークが生じやすいことが知られている。具体的には、間質性肺気腫、気胸縦隔気腫、心嚢気腫、腹膜気腫、後腹膜気腫、腸管壁気腫、皮下気腫、全身空気塞栓は互いに移行しやすいことが知られている。

リンパ節の評価[編集]

リンパ節の評価は肺癌結核の鑑別のために非常に重要である。胸部X線CTでは頚部リンパ節、縦隔リンパ節、肺門リンパ節の評価を行うことができる。造影剤を使用しない場合はリンパ節と血管が同濃度となってしまうため区別できないことがあることに注意が必要である。原則として最小径が10mm以上である場合はリンパ節の病的な腫大となり、転移性リンパ節である可能性が高くなる。リンパ節の病的腫大を見つけ、それが肺がんによるものだとしたら、肺癌取り扱い規約に基づいて病期分類をする必要がある。TNM分類のNを決定することになるのだが、N0はリンパ節転移なし、N1は肺癌と同側の気管支周囲および肺門リンパ節の転移陽性、N2は同側の縦隔リンパ節転移陽性、N3は対側の縦隔リンパ節または鎖骨上リンパ節または斜角筋リンパ節転移陽性である。重要なこととして、同側、対側は気管正中線、食道正中線にて決定される。そして、鎖骨上リンパ節転移、斜角筋リンパ節転移は同側、対側関係なくN3となり、反対側肺門リンパ節転移はM1となる。

次に腫大リンパ節の部位を同定する。縦隔において左腕頭動脈が正中を横切るレベルを含んでこれより頭側にあるリンパ節は上縦隔上部リンパ節である。それより下位においては上大静脈と上行大動脈の前縁より前方はすべて前縦隔リンパ節である。

リンパ節転移を見つけたら、それが郭清可能かどうかを判定する。大きな血管や気管支に浸潤している場合、多数のリンパ節が癒合している場合、不整形の場合は郭清困難な場合が多い。

血管のCT評価[編集]

頚部、胸部での重要な動脈静脈に関して述べる。まず左心室から上行大動脈、大動脈弓といった大動脈がある。大動脈は腕頭動脈(やがて右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分枝する)、左総頸動脈、左鎖骨下動脈の順に分枝している。その腹側を左右の腕頭静脈が合流し上大静脈となり右心房に繋がる。右心房と繋がる前に背側から奇静脈弓が上大静脈に繋がる。これらの位置関係から頚部リンパ節を同定していく。大動脈の石灰化や僧帽弁の石灰化は高血圧など動脈硬化性疾患がある場合はよく見られる所見である。動脈の石灰化を見たら大動脈瘤大動脈解離の有無を確認する。大動脈の石灰化は内膜に生じるため、外壁に石灰化がある方が真腔である。

腹部X線CT[編集]

肝臓のCT解剖学[編集]

肝臓の部位診断においては区域解剖が非常に重要となる。これは部位によって手術法が異なるからである。肝臓外科の手術としては亜区域切除、区域切除、葉切除、拡大右葉切除が知られている。肝臓の区域診断をするに当たっては肝臓の構造物を手掛かりとすることが多い。肝門とは左葉内側区(S4)と尾状葉(S1)の間隙であり、門脈肝動脈胆管の出入り口である。肝円索裂は肝円索(胎生期の臍静脈)の付く場であり外側区(S2,S3)と内側区(S4)を境界する。静脈索裂は胎生期の静脈管の走っていた間隙で尾状葉(S1)と外側区(S2,S3)を境界する。下大静脈溝と胆嚢窩を結ぶ線をカントリー線といい、外科的左葉と右葉を境界する。これらはCTにて常に確認できるわけではないが後述する脈管系が確認しにくい時は非常に役に立つ。肝区域、肝亜区域を診断するには脈管系が一番分かりやすい。肝臓の血管の基本構造は各亜区域の中央を門脈が各亜区域の境界を肝静脈が走行することである。門脈には肝動脈と胆管が並走し、この構造は肝小葉レベルまで存続する。肝静脈は大きく左、中、右の3本を基本とする。左肝静脈本幹は左葉外側区(S2,S3)の中央を走り、外側後亜区(S2)と外側前亜区(S3)を境界する。中肝静脈本幹は内側区(S4)と右葉前区(S5,S8)を境界する。これはカントリー線にほぼ一致する境界となる。右肝静脈本幹は右葉の中央を貫き右葉前区(S5,S8)と後区(S6,S7)を境界する。不思議なことに右葉の上下亜区を境界する構造は存在しない。門脈本幹は左葉主枝と右葉主枝に分かれる。左葉枝は肝円索裂に入り、まず外側後亜区域枝を分枝し、さらに腹側に延びて左右に外側前亜区域枝と内側区域枝に分かれる。この部分はかつて臍静脈が交通していたためU点という。右葉枝は前区域枝と後区域枝に分かれる。前区域枝は前上亜区域枝、前下亜区域枝に分かれる。後区域枝分枝部はP点といわれる。後区域枝は後上亜区域枝と後下亜区域枝に分かれる。門脈は支配する区域に合わせてPxと表現することもある。たとえば、前上亜区域(S7)の中央を走る門脈はP7である。

クイノー分類は肝亜区域の表現でよく用いられる、これは肝臓の内臓面からみて反時計回りに番号を振ったものである。内臓面から確認できない右葉前上亜区をS8としている。

クイノー分類 亜区域名 従来の呼称
S1 尾状葉 尾状葉
S2 外側後亜区 外側区
S3 外側前亜区 外側区
S4 内側区(方形葉) 内側区
S5 前下亜区 前区
S6 後下亜区 後区
S7 前上亜区 前区
S8 後上亜区 後区

腹部血管のCT解剖学[編集]

上腸間動脈(SMA)はL1のレベルの腹大動脈から前方に分枝し、左腎静脈や十二指腸水平部の前を下降する。中結腸動脈、回腸動脈、右結腸動脈が分枝する。上腸間膜静脈(SMV)はSMAの右方を上行し、膵体部背側を通って脾静脈に合流する。下腸間膜動脈(IMA)はL3レベルで腹大動脈から前方に分枝し左下方に向かう。左結腸動脈、S状結腸動脈が分枝する。下腸間膜静脈はIMAの左側を上行し、L3レベルで脾静脈に合流する。左卵(精)巣静脈は左腎静脈に合流するため頭側に追跡ができないことから区別する。

X線撮影による医原病[編集]

ジョンズ・ホプキンス大学医学部の研究によって、レントゲン検査で医療被曝を経験した女性は、レントゲン未経験者の同年齢の女性に比べると、ダウン症児が生まれる確率が7倍も高いことが明らかになっている。この報告の正確さは、他の研究によっても裏付けられている[1]という。

高齢出産で障害児などが生まれた場合、その原因の一つは、出産するまでに母親が何度も不用意に浴びてきた(医師や医療従事者らによって浴びせられてきた)必要もないX線にあったのだ[2]、とロバート・メンデルソンによって指摘されている。 (→医原病も参照可)

医療分野以外での利用[編集]

空港などでの手荷物検査(飛行機に乗る前にバッグノートパソコンなどの手荷物を機械にくぐらせる)や、建築物や配管など構造物内部の非破壊検査に利用されている。また、ボディチェックを行う際に、後方散乱X線検査装置などが利用されることもある。

出典[編集]

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  1. ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』 p.236
  2. ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』 p.237

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]