TGV001

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TGV 001 (Train à Grande Vitesse 001)はフランス国鉄 (SNCF) ・TGVの最初の試験車である。

1972年アルストムで落成し、同年から1978年まで走行試験が実施された。編成は両端2両の電気式ガスタービン動力車ターボトレイン、T 001/T 002号)と中間3両の付随車で構成され、250km/hから318km/hの速度記録を樹立した。

本形式はSNCFが実施していた高速鉄道計画に伴う膨大な研究計画の一環として試作された。この計画は駆動、挙動、減速、空力等全ての技術領域を網羅していた。当初は試作車2本が製造される予定だったが、実際には1本のみ製造された。未成に終わった2本目は振り子式車両として計画されていたが、技術的困難のために製造が中止された。

詳細[編集]

本形式はすでに1967年試作のTGSを経て1970年よりETG・RTGとターボトレインを営業運転に投入していたSNCFにとっても、これまでの車両とは根本的に異なるものであった。軽量車体で高出力の動力を搭載する設計コンセプトは後のTGV量産車にも受け継がれている。中間付随車は連接車として設計され、各車両間は台車心皿上の連結器で接続されていた。この構造は曲線通過の時、傾きを減らすことが可能である。

機関部には出力3,760kWのTURMO IIIGと4,400kWのTURMO Xがそれぞれ搭載されて試験を実施されており、前者では最高280km/h、後者では最高300km/hでの運転を計画していた。いずれも航空機メーカーであるシュド・アビアシオンが自社製軍用ヘリコプターであるシュペルフルロン用として開発したガスタービンエンジンを転用したものである。このエンジンの出力回転軸を発電機に接続し、発電した電力で台車部に装着された主電動機を駆動させる。

内外装のデザインは、イギリス出身のインダストリアルデザイナーであるジャック・クーパー (Jacques Cooper) が手がけている。車体塗装はオレンジ地に、窓周りにダークグレーの帯を配したもので、のちにLGV南東線開業時に営業運転を開始するTGV Sud-Estにも採用された。

歴史[編集]

走行距離50万kmに及ぶ5227回の試験運転を実施し、175回目の試験運転で300km/hの壁を突破した。1972年12月8日には非電化車両として世界最高速度となる318km/hを記録した。

1973年オイルショックによって原油価格が高騰、沈静化した後も石油を大量消費するガスタービン式は現実的ではないと考えられ、計画は架線集電による電気式(架空電車線方式)に転換された。

計画は1978年6月19日に完了した。

保存[編集]

ビシェムに保存されているT 001号動力車(2009年8月)


参考[編集]

外部リンク[編集]