ORCHESTRATION BOØWY

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ORCHESTRATION BOØWY0
BOØWYカバー・アルバム
リリース
録音
ジャンル
時間
レーベル 東芝EMI/イーストワールド
プロデュース クマ原田
チャート最高順位
BOØWY アルバム 年表
“SINGLES”
(1988年)
ORCHESTRATION BOØWY
(1989年)
BOØWY COMPLETE LIMITED EDITION
(1991年)
EANコード
BOØWY関連のアルバム 年表
ORCHESTRATION BOØWY
(1989年)
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ORCHESTRATION BOØWY』(オーケストレーション・ボウイ)は、日本ロックバンドであるBOØWYの楽曲を収録したカバー・アルバム

1989年8月8日に東芝EMIのイーストワールドレーベルからリリースされた。BOØWYがリリースした楽曲の中から10曲が選曲され、ロビン・ミスティー・スミスによって全編オーケストラによるインストゥルメンタルとしてアレンジされている。演奏はアスターテ・オーケストラ・オブ・ロンドンが行い、ボーカルは一切入っていない。アートワークは立花ハジメが担当しており、ライナーノーツには布袋寅泰のコメントが掲載されている。オリコンチャートでは最高位17位となった。

背景、制作[編集]

1988年4月4日および4月5日の2日間連続で行われた東京ドーム公演「LAST GIGS」においてBOØWYはバンド活動に終止符を打った[1]。公演からおよそ半年後の10月5日に布袋寅泰はアルバム『GUITARHYTHM』(1988年)をリリースしソロ・デビューを果たすことになった[2]。同年7月19日、ロンドンセント・ジョンズ・ウッド駅近くにあるアビー・ロード・スタジオにおいて布袋は、『GUITARHYTHM』収録曲である「LEGEND OF FUTURE」および「A DAY IN AUTUMN」のレコーディングを行っており、布袋にとって初めてのオーケストラ演奏家との創作活動となった[3]。オーケストラ演奏に感動した布袋は、「オーケストラの奏でる音楽は耳で聴くのではなく、その音の中に身を委ねるものだ」と受け止め、日本への帰国後にレコード棚の隅に追いやられていたクラシック音楽のレコードを片っ端から聴き込んだ結果、「その完成された和声や重厚な響きに再度ショックを受けました」と述べクラシック音楽に対する興味を払拭できないまま次作への創作活動を続けることとなった[3]

その後、イギリスの音楽プロデューサーであるロビン・ミスティー・スミスが知人を通じて布袋の存在を知り、布袋の楽曲のメロディーをオーケストラ化したいとの要望が出され、布袋はBOØWY時代の楽曲のアレンジを許可することとなった[3]。しかしすでに解散したバンドであったため、布袋は制作には一切関与しないという条件を出した[3]。布袋はスミスによる編曲に関して期待を遥かに上回る完成度であると称賛している[3]。また、布袋は本作に関して以下のコメントを残している。

このアルバムは様々な気持ちで聴かれることでしょう。僕にとっては過去へのレクイエムであり、メロディーが昇天する喜びでもあり…。個人的な気持ちはこのアルバムを味わうためのものとして心の奥にとっておく事にします。ここに並んだ忘れえぬメロディー達はすでに棺の中で眠っています。その上にたくさんの花を飾ってくれたのは多くのファンの人達だという事は言うまでもありません。
布袋寅泰,
ライナーノーツより[3]

リリース、他メディアでの使用[編集]

1989年8月8日に東芝EMIのイーストワールドレーベルからCDおよびCTの2形態でリリースされた。

解散宣言から20年となる2007年12月24日には期間限定生産品として紙ジャケットにて再リリース[4]。また、デビュー35周年を記念して2017年6月28日に2007年リリースの紙ジャケット盤が限定復刻された[5]

本作収録曲の内、「WELCOME TO THE TWILIGHT」がボックス・セット『“GIGS” BOX』(2007年)のDISC 8「Artform? or Burnout!-EMI room 102-」においてエンディングに収録されているほか、「MEMORY」がライブ・ビデオ『"LAST GIGS"』(2001年)のエンディングおよび『“GIGS” BOX』のDISC 8「Artform? or Burnout!-EMI room 102-」においてオープニングに収録されている。

収録曲[編集]

全作曲: 布袋寅泰(特記除く)、全編曲: ロビン・ミスティー・スミス。

SIDE A
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.LONGER THAN FOREVER  
2.RAIN IN MY HEART  
3.JUST A HERO  
4.WELCOME TO THE TWILIGHT  
5.KISETSU GA KIMIDAKE O KAERU  
合計時間:
SIDE B
#タイトル作詞作曲・編曲時間
6.B・E・L・I・E・V・E  
7.MEMORY  
8.CLOUDY HEART(作曲: 氷室京介)  
9.ONLY YOU  
10.BLUE VACATION  
合計時間:

スタッフ・クレジット[編集]

参加ミュージシャン[編集]

スタッフ[編集]

  • ロビン・ミスティー・スミス - 全編曲、オーケストレーション
  • ギャバン・ライト - ディレクター
  • マイク・ジャラット - レコーディング・エンジニア
  • ジェフ・カルヴァー - レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニア
  • アシュリー・アレクサンダー - アシスタント・エンジニア
  • ポール・モーティマー(ウエストサイドスタジオ) - アシスタント・エンジニア
  • 立花ハジメ - アートワーク
  • 村上光延 - デザイン
  • 光洋カラー - サンクス

リリース履歴[編集]

No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1989年8月8日 東芝EMI/イーストワールド CD
CT
CT32-5522
ZT28-5522
17位
2 2007年12月24日 EMIミュージック・ジャパン/イーストワールド CD TOCT-26498 紙ジャケットでのリリース
3 2017年6月28日 ユニバーサルミュージック CD UPCY-9687 2007年盤の再リリース

脚注[編集]

  1. ^ ARENA37℃ 2001, p. 59- 星野京子「1988年6月号 BOØWY“LAST GIGS” 1988.4.4&5東京ドーム」より
  2. ^ 布袋寅泰 2006, p. 192- 「第四楽章 ギター主義」より
  3. ^ a b c d e f 布袋寅泰 2007, p. 2- ライナーノーツより
  4. ^ BOΦWY、12月24日の「解散宣言」日に貴重なアイテム発売”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2007年10月12日). 2021年5月5日閲覧。
  5. ^ BOOWYデビュー35周年記念し過去7作品を紙ジャケ復刻”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2017年4月10日). 2021年5月8日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]