CLIP STUDIO PAINT

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CLIP STUDIO PAINT
開発元 セルシス
最新版
1.9.11 / 2020年4月28日
対応OS Windows, macOS, iOS, iPadOS
プラットフォーム x64, ARMv8
種別 ペイントソフト
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト clipstudio.net
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CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)は、ComicStudioIllustStudioなどで知られるセルシスによって開発されたプロプライエタリペイントソフト漫画原稿制作ソフト。CLIP STUDIOファミリーの一つ。略称は公式は最初"CSP"と呼んでいたが途中から"クリスタ"と呼ぶようになった。しかしCLIP STUDIOおよびACTION、COORDINATE、MODELERと区別するためユーザー間では"クリペ"と呼ばれる場合もある。

概要

2011年5月19日に実験的なペイントソフトであるCLIP PAINT Labが無償公開されそれを元に、2012年5月31日よりCLIP STUDIO PAINT PROとして発売された。上位バージョンとして、漫画向けの機能を強化したCLIP STUDIO PAINT EXは2013年2月1日に発売した。ダウンロード版とパッケージ版、月額500円/1,000円のバリュー版が販売されている。ComicStudioIllustStudioの事実上の後継ソフト。

北米およびヨーロッパでは2016年3月吉日までCLIP STUDIO PAINT PROをManga Studio 5.0の名で発売していた。以降はCLIP STUDIO PAINTにすべて製品名を統一した。

2017年11月8日にCLIP STUDIO PAINT EX for iPadをリリースした。[1]

2018年4月26日にCLIP STUDIO PAINT PRO for iPadをリリースした。[2]

2019年12月5日にCLIP STUDIO PAINT for iPhoneをリリースした。[3]

特徴

新開発の描画エンジン[注釈 1]を搭載しておりペンタブレットでの滑らかな描き心地を実現している。Windowsに加え、macOSiPadiPad Proにも対応している。また、2019年12月5日にはiPhone版がリリースされた。3DCGのキャラクターや背景を配置し作画の参考にすることができる。ComicStudioやIllustStudioは32ビットだったためメモリに2GBの制限があり、高解像度画像や多レイヤー画像などの作業に難があったが、CLIP STUDIO PAINTは64ビットOSにネイティブ対応したため、メモリ制限を気にせず作業ができる[5]。またマルチコアCPUにも対応している。

iOSAndroidアプリのアイビスペイントとの連帯機能を搭載している。 アイビスペイントで作成したイラストをCLIP STUDIO PAINTで開くことが出来る[6]

製品の種類

CLIP STUDIO PAINT EX
PROに搭載した機能を含む全ての機能を使えるモデル。PROと比べ複数ページ管理機能やレイヤーのLT変換(3DLT・2DLT)、複数人での作業時に使用できる連携機能が使用できる。
またVer.1.3.4よりストーリーエディターが搭載され、より漫画原稿制作が快適になった。
iPad版は月額980円または年額7,800円。iPhone版は月額300円で未契約でも毎日1時間無料で使用することが出来る。
CLIP STUDIO PAINT PRO
イラスト向けのモデル。しかし漫画向けの機能も搭載しており、単ページ漫画なら製作可能である。
Wacomペンタブレットに2年間のダウンロード版ライセンスが同梱されるケースが多い。
2015年9月にcomicoとのコラボレーションパッケージである『CLIP STUDIO PAINT comico[7]』が発売される。
iPad版は月額480円または年額2,800円。iPhone版は月額100円で未契約でも毎日1時間無料で使用することが出来る。
CLIP STUDIO PAINT DEBUT
これ単体では販売されないモデル。Pixivのプレミアム会員に無料で提供されている[8]
また、イベント・キャンペーンなどで中高生に無料配布されたり[9]、ペンタブレット付属版の使用期限が切れるとこちらのエディションに変更して継続使用することになる。2014年7月から発売された新Tab-Mate Controllerにも付属している。なお旧モデルのTab-Mate Controllerには付属していないので購入時には注意が必要である。

対応ファイル形式

入出力対応形式

  • CLIP STUDIO FORMAT形式 (.clip)
  • CLIP STUDIO PAINT形式(.lip) Ver.1.4.3までの標準ファイル形式。Ver.1.5.0以降は入力のみ対応。
  • Adobe Photoshop形式(.psd)
  • Adobe Photoshopビックドキュメント形式(.psb)
  • Windows bitmap形式(.bmp)
  • JPEG形式(.jpg)
  • TIFF形式(.tif)
  • TGA形式(.tga)
  • PNG形式(.png)
  • PDF形式(.pdf) 別売のプラグインを導入することで利用可能になる。EX版のみの対応。
  • AVI形式(.avi)
  • MP4形式(.mp4)
  • MOV形式(.mov)

PSD形式の入力と出力に対応しているためAdobe Photoshopとの連携も可能。

入力のみ対応形式

出力のみ対応形式

3D入力対応形式

リリース履歴

2012年5月31日 Ver.1.0シリーズ[10]
リリース日時 バージョン番号 主な更新内容
2012年6月14日 Ver.1.0.1
2012年7月26日 Ver.1.0.3
2012年9月28日 Ver.1.1.0
2012年10月12日 Ver.1.1.1
2012年12月20日 Ver.1.2.0
2013年4月13日 Ver.1.2.3
2013年8月7日 Ver.1.2.7 3Dレイヤーに漫画的なパースを簡単に表現できる「マンガパース」機能搭載。
2013年10月17日 Ver.1.2.8
2013年12月4日 Ver.1.3.0 レイヤーのLT変換搭載。
2013年12月20日 Ver.1.3.1
2014年2月27日 Ver.1.3.2 グラデーションマップ搭載。
2014年4月10日 Ver.1.3.3
2014年6月19日 Ver.1.3.4 ストーリーエディタ搭載。
2014年6月26日 Ver.1.3.5
2014年7月30日 Ver.1.3.6
2014年9月11日 Ver.1.3.9 Kindleフォーマット出力機能の搭載。
2014年11月20日 Ver.1.4.0 電子書籍用フォーマット、EPUB形式での出力対応。

「CLIP STUDIO PAINT用PDF入出力プラグイン」によるPDFの読み込み、書き出しに対応。

2015年2月26日 Ver.1.4.1 コンビニプリント対応
2015年6月30日 Ver.1.4.2 3DLT変換のレンダリング品質向上。

テキスト描画品質の向上。 クラウドバックアップ搭載。

2015年10月27日 Ver.1.5.0 アニメーション制作が可能となった。
2015年11月12日 Ver.1.5.1
2015年12月16日 Ver.1.5.2
2016年1月20日 Ver.1.5.3
2016年2月17日 Ver.1.5.4
2016年4月20日 Ver.1.5.5 合成モードが従来の17種から29種へ増加。

Windows XP、Vista、Mac OS X 10.6、10.7、10.8の動作保証が終了。[11]

2016年5月25日 Ver.1.5.6 Retinaディスプレイ対応(Mac OS X版)
2016年7月28日 Ver.1.6.0 3Dレイヤーの改善。
2016年7月29日 Ver.1.6.1 Mac版のみのリリース
2016年8月18日 Ver.1.6.2
2016年10月27日 Ver.1.6.3 ページファイル名の自動付け直し機能搭載【EX】

「アニメーション書き出し」でAPNG形式の出力対応

2017年2月28日 Ver.1.6.4 アニメーション書き出しにOpenToonzシーンファイルを追加【EX】

ダイアログやパレットから、色を設定する方法を改善した。

macOS Sierraに正式対応した。

2017年6月15日 Ver.1.6.6 Surfaceペン、Surface Dialに対応。

ワークスペースを素材として登録可能に。

四面図パレットの追加【EX】

2017年9月7日 Ver.1.6.7 アプリケーションが全言語共通化された。

製本3Dプレビューが新しくなった。

2017年10月12日 Ver.1.6.8 Win版のみリリース
2017年12月13日 Ver.1.7.1 2017年12月末に販売開始予定のCLIP STUDIO TABMATEに対応。
2017年12月15日 Ver.1.7.2
2018年1月25日 Ver.1.7.3
2018年4月26日 Ver.1.7.4 パレットドックの表示方法を選択できるように

3Dデッサン人形の機能が一新された

初期設定のツールを追加できるように。

2018年7月5日 Ver.1.7.8 CLIP STUDIO TABMATEの[ツールの変更]が、ツールの一時切り替え(ツールシフト)に対応

iPad版ではじめてペンを使用するときに、指でキャンバスを操作しながら、ペンで描画できるように

2018年8月30日 Ver.1.8.0 手のポーズだけを登録できるように

3Dレイヤーの操作性が向上

2018年9月20日 Ver.1.8.2
2018年11月29日 Ver.1.8.4 アニメーション機能が大幅にアップデート

キャンバスに作成できるレイヤーの枚数が10,000まで増加

先行プレビュー機能として、自動彩色機能やトーン消去.分離が追加

2018年12月13日 Ver.1.8.5
2019年2月28日 Ver.1.8.6 初期収録されている描画系ツールに新しく12点のブラシが追加

先行プレビュー機能として、ポーズスキャナー機能が追加

起動時に筆圧調整を行うダイアログが表示されるように

2019年3月2日 Ver.1.8.7
2019年3月5日 Ver.1.8.8
2019年4月10日 Ver.1.9.0
2019年7月17日 Ver.1.9.1 テキストの変形機能を追加/変形機能の操作性が向上/講談社への入稿に使用できる公認プリセットを追加

起動時にイントロダクションを表示等の機能改善,向上

2019年7月17日 Ver.1.9.2
2019年7月24日 Ver.1.9.3
2019年9月26日 Ver.1.9.4 フィルター効果に[イラスト調]を追加

mac版がSidecarに対応

2019年12月5日 Ver.1.9.5 ユーザーインタフェースを大幅にリニューアル

iPad版はファイル Appからの読み込み、保存、サムネイル等の表示に対応

2019年12月19日 Ver.1.9.7
2020年4月9日 Ver.1.9.9 クリップボードにコピーした内容を[キャンバス]ウィンドウの中心へ貼り付け可能に

ベジェ曲線などの編集がしやすく改善

2020年4月16日 Ver.1.9.10
2020年4月28日 Ver.1.9.11

脚注

注釈

  1. ^ 開発中はTRIGLAV(トリグラフ)エンジンと呼ばれていた[4]

出典

関連項目

外部リンク