2006 RH120

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2006 RH120
2006-RH120-orbit.jpg
2006 RH120地球を周回した時の軌道。
分類 地球近傍小惑星[1]
軌道の種類 アテン群[1]
地球横断小惑星
地球の衛星(一時)[2][3]
発見
発見日 2006年9月14日[4]
発見者 カタリナ・スカイサーベイ[4][3]
発見方法 自動検出
軌道要素と性質
元期:TDB 2454114.5 (2007年1月14.0日)[1]
軌道長半径 (a) 0.99947313(4) AU[1]
近日点距離 (q) 0.978906748(6) AU[1]
遠日点距離 (Q) 1.02003951(4) AU[1]
離心率 (e) 0.020577(4)[1]
公転周期 (P) 364.96827(2) 日[1]
(1.00 年[1])
軌道傾斜角 (i) 001.5610083(7) 度[1]
近日点引数 (ω) 183.4004(3) 度[1]
昇交点黄経 (Ω) 290.59799(8) 度[1]
平均近点角 (M) 359.4017 度[1]
EMoid 381万6930 km
(0.0255146 AU[1])
前回近日点通過 JED 2454115.0990(3)[1]
(2007年1月14日[1])
物理的性質
直径 3 - 6 m[2]
自転周期 0.04583 時間[1]
2分45秒
絶対等級 (H) 29.527 ± 1.2523[1]
別名称
別名称
6R10DB9[2]
2006 RH120[1]
K06RC0H[4]
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2006 RH120とは、アテン群[1]に属する直径約3mから6m[2]の微小な地球近傍小惑星の1つである。2006年9月から2007年6月までの間、この小惑星は地球の周囲を自然衛星として周回し、一時的な「第2の月」となっていた[2]

軌道の性質[編集]

2006 RH120は、0.9995AU軌道長半径を持ち、公転周期は364.968日である。軌道傾斜角は1.56度とほとんど傾いておらず、離心率は0.021とほぼ真円である[1]。このように2006 RH120の公転軌道はきわめて地球の公転軌道と似通ったものであることから、しばしば地球に対して遅い相対速度(例えば、2028年10月9日には相対速度0.79km/s、2006年9月11日には同0.86km/s[5])で接近することとなる。接近の際の地球軌道との最小距離も381万7000km (0.0255AU) と、の平均公転半径である38万4400kmの約10倍の値であり、太陽系スケールで見た場合にはかなり近い[1]

物理的性質[編集]

2006 RH120の標準等級(小惑星の絶対等級)は29.5等級[1]ときわめて小さな値であり、直径は3mから6m[2]という微小なサイズであると推定されている。発見時の明るさ(視等級)は19.3等級[3]、最も明るくなった時でも18.7等級という暗い天体である[4]。また、2分45秒の周期で自転している[1]

周回軌道[編集]

2006 RH120は上記のとおり地球ときわめて似通った軌道を持つため、地球接近時に地球の重力に捕らわれ、一時的な地球の自然衛星になる場合がある[2]。2006 RH120は、天然の天体である事がわかっている中で初の「第2の月」であり、2013年2月時点まででの唯一の観測事例である。

このような軌道をもつ天体としては、2002年9月3日に発見されたJ002E3[6]2006年8月28日に発見された6Q0B44E[7]が前例としてあったが、J002E3はアポロ12号で使用されたサターンVロケットS-IVBであることが判明しており[6]、6Q0B44Eも未確定ながら人工物である可能性がきわめて高い[8]。そのため、2006 RH120カタリナ・スカイサーベイによる発見時には人工物であると疑われ、当初は6R10DB9と呼ばれていた[2][3]。しかし、2006 RH120の太陽輻射圧による軌道変化を計算した結果、中身が中空で軽いロケットブースターであると仮定した場合の値と比べて実際の観測値に大きなずれがあることがあきらかとなったことから、人工物ではなく天然の天体である事が判明した[2][3]。このため2006 RH120という小惑星の正式な仮符号が与えられたのは、発見から17か月後の2008年2月18日である[4]

2006 RH120は、月への小惑星の衝突により飛び散った破片がその起源である可能性がある[9]。なおシミュレーションによれば、2006 RH120のような「一時的な地球の衛星」が常時50個ほど地球の周囲を周回している計算となるが、それらは直径が50cmと2006 RH120のさらに10分の1程度の微小なサイズと想定されているため、実際の観測は難しく2013年2月時点でそのような天体は未発見である[10]

2006 RH120が地球の周回軌道に乗っていることが観測されたのは2006年9月から2007年6月までの間で、この期間に地球の周囲を3回公転した。軌道は約9万kmから約20万kmの軌道長半径と約0.41から約0.75の離心率を持ち、軌道傾斜角は最初のみ約40度、それ以降はほぼ直角の軌道を持っていた[2]。この期間は地球や月に頻繁に接近しており、ジェット推進研究所のデータベースにおける2006 RH120に関するデータのほとんどがこの期間のものであることがわかる[1]

2006 RH120の地球周回軌道の軌道要素[2]
元期 軌道長半径
(km)
離心率 公転周期
(日)
軌道傾斜角
(度)
近地点引数
(度)
昇交点黄経
(度)
近地点通過日時
2006年9月2日 1589136 0.475 230.7 41.4 180.3 159.1 2006年9月12.3日
2006年9月12日 1936139 0.567 310.3 41.3 175.7 159.5 2006年9月11.2日
2006年9月19日 1857264 0.559 291.5 41.8 167.2 159.7 2006年9月9.7日
2006年12月18日 1132535 0.519 138.8 90.9 125.2 105.4 2007年1月1.7日
2006年12月21日 1070442 0.486 127.6 91.6 126.7 105.9 2007年1月2.2日
2006年12月31日 0905792 0.410 099.3 91.7 137.4 105.4 2007年1月3.7日
2007年1月10日 1087484 0.512 130.6 91.2 138.4 105.2 2007年1月3.8日
2007年1月19日 1040366 0.517 122.2 89.9 132.0 104.2 2007年1月3.4日
2007年3月11日 0938816 0.637 104.8 87.9 94.5 102.5 2007年3月25.6日
2007年3月21日 1008880 0.646 116.7 85.7 90.8 102.8 2007年3月25.4日
2007年3月31日 1060707 0.664 125.8 85.3 94.3 102.9 2007年3月25.6日
2007年4月9日 0970339 0.624 110.1 84.3 93.0 102.6 2007年3月25.1日
2007年5月31日 0867738 0.702 093.1 89.2 78.1 124.9 2007年6月14.4日
2007年6月9日 0959197 0.712 108.2 89.6 73.1 124.2 2007年6月14.2日
2007年6月19日 0997522 0.720 114.8 89.7 74.8 124.3 2007年6月14.3日
2007年6月28日 1119652 0.748 136.4 90.5 77.3 124.5 2007年6月14.6日
2006 RH120の地球に対する接近距離[1]
日時
(TDB)
最接近距離
(km)
月軌道
との比
2006年9月11日07:39 839344 2.18
2007年1月3日18:02 533436 1.39
2007年3月25日12:31 353455 0.92
2007年6月14日05:30 276839 0.72

今後[編集]

2006 RH120が次回地球に最接近するのは2028年10月9日で、地球から383万7000km (0.02565AU) まで接近すると推定されている[1]。この時にも太陽周回軌道から地球の一時的な衛星に軌道を変更する可能性があるが、詳細は不明である。またこの後の接近も、測定された軌道の値の不正確さと、微小な天体にかかるヤルコフスキー効果(当該天体からの熱放射の不均衡が当該天体の軌道に影響を与える効果)の影響がよくわかっていないため不明である[1]

2017年には、地球から見て太陽方向に約3億km (2AU) 離れた位置、すなわち地球の太陽公転軌道のちょうど反対側の位置付近に移動していると考えられている。

脚注[編集]

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関連項目[編集]