07th Expansion

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07th Expansion(セブンス エキスパンション[1]、ゼロセブンスエクスパンション[2])は、日本の同人サークル

活動初期はLeaf Fightのオリジナルカードを作っていた。その後サウンドノベルビジュアルノベル)『ひぐらしのなく頃に』シリーズの製作で有名となる。

『ひぐらし』の製作は竜騎士07八咫桜の兄弟が中心となって行っており、オリジナルカード時代に参入した BT を筆頭に他のサークルメンバー達が彼らのサポーティングを行っている。なお、経理等は兄弟の両親が担当。幼少時代にゲームを買い与えてもらえず疎外感を抱いていた事がきっかけでゲームの制作を創めたという。

現在までの経緯

オリジナルカード制作

都産貿の『Leaf』系イベントにて、Leaf Fightで『まじかる☆アンティーク』を制作したことに始まる[3]。『ひぐらしのなく頃に』制作中も『Leaf』作品をはじめ、『Key』作品や『月姫』のオリジナルカードを制作している。オリジナルカードの絵柄は竜騎士07の初期の日記にて、その一部を見ることができる。オリジナルカード制作時に、BTと知り合い、手伝いをするうちに正スタッフとなる[4]

『ひぐらしのなく頃に』

制作スタッフ
『07th Expansion』はオリジナルカード制作時代から、ノベルゲームをプレイしていた。オリジナルカードサークルとして一定の充足が得られたため、竜騎士07が何か新たなジャンルへの参入を思案していたところ、八咫桜がNScripterを勉強し、アドベンチャーゲームの作成を持ちかけたところから制作が始まる。『TYPE-MOON』のヒット作『月姫』がシステムにNScripterを使っていたことから、ゲームを作ってみようと制作が始まった。内輪から始まったため、シナリオライターの竜騎士07が原画も担当することになる。BTは既にメンバーにいたが、公式ホームページの担当をしていたため、ゲームの制作はほぼ竜騎士07と八咫桜が担当した。
音楽や効果音を作れる者がいなかったため、音楽を作っているサークルに頼むが、初制作ということもあり当時の『07th Expansion』は無名であり、18禁要素もなかったため(同人業界では18禁要素があった方が売れるとされていた)、4サークルを当たるがその全てのサークルに断わられた[5]。仕方なく音楽は、著作権フリー素材を使用した。
2003年以前
当初は『月姫』と同じような同人の枠を出たヒットを狙ったものではなく、コミックマーケットでは100円で売り出すなど、利益を考えないあくまでも趣味の範囲であった。販売数も第1話『鬼隠し編』50部、第2話『綿流し編』100部、第3話『祟殺し編』200部と徐々に増えていった[6]が、他の同人サークルと比べても多くはなかった。
そして第4話『暇潰し編』において、異動になったことで竜騎士07の本職である公務員業が忙しくなり、完成しなかった。そのため2003年コミックマーケット冬では『祟殺し編』の再版という形で埋め合わせたが、新作『暇潰し編』発売までの総売上でも500部に留まった[7]。『綿流し編』の段階で、雑誌に掲載されたことはあった[8]。第3話『祟殺し編』まではショップ委託もしておらず、公式ホームページでの通販かコミックマーケットに来なければ手に入れられなかったのも、知名度が低い原因となっていた。公式HPも1日に100人くれば多い方だった[9]。また第1話『鬼隠し編』の完成前にはテストプレイヤーも募集しており、応募したユーザーに無料で送付し、その感想を送れば次編も無料郵送するサービスを行っていた[10]
2004年
BTの提言により、2004年5月19日から、第1話『鬼隠し編』の公式ホームページでの無料ダウンロードを始める[11]。それによりこれまでコミックマーケットでしか触れることができなかった『ひぐらしのなく頃に』という作品が、インターネットで誰でも触れることができるようになり、インターネット掲示板や同人作品評価サイトなどで広まっていく。
2004年8月13日のコミックマーケット夏において、『暇潰し編』を販売するときには、噂が広まっており、1400枚持ち込んだ[12](『暇潰し編』発表約1ヵ月後のインタビューでは1500枚と答えている[4])にも関わらずコミックマーケット3日目の8月15日午後に完売[13]。この頃はコミックマーケット1日目から販売していた[4]。コミックマーケット分は、自らでCD-Rに書き込みしており、ホームページで告知していたため、イベントでは100円にて販売[14]
NECO青龍」代表の矢野芳典に同人ショップへの営業をしてもらい、ショップからの発注を受けた[4]。工場生産することで、2004年9月10日に第4話『暇潰し編』の同人ショップ委託販売が始まる。「07th Expansion」初のショップ委託販売であり、『暇潰し編』以降の作品はすべてショップ委託される。

『ひぐらしのなく頃に解』

2004年
体験版を公開したことで、それをプレイした作曲家daiから連絡があり、『ひぐらしのなく頃に解』の第5話『目明し編』以降は新規音楽は独自のものとなる(従来の著作権フリー音楽も使用)。解答編第1作となる第5作『目明し編』を発表する。『目明し編』のショップ販売の不手際で、ショップ営業・広報を担当していた矢野芳典を解任。理由は、同人ショップに同日に搬入をしなかったため、ショップによって販売日の早い遅いができてしまったためとされた。
2005年
第6作『罪滅し編』は、それまでの『ひぐらしのなく頃に』の世界観を根本から覆すものであり、ファンからの批判が巻き起こる。竜騎士07は批判の凄まじさに、続編を書く気力を無くし[15]、サークル最大の危機を迎える。制作スタッフやファンからの励ましにより、竜騎士07は考え直し、制作を再開する[16]
2006年
『ひぐらしのなく頃に』は、書籍化・ドラマCD化・アニメ化などメディアミックスがされ、同人界における『月姫』『東方Project』以来のヒットに繋がる。『ひぐらしのなく頃に解』を製作中に『07th Expansion』の活動のみで生活できると考えた竜騎士07は公務員を退職し、専業になる。

『うみねこのなく頃に』

2007年
『07th Expansion』は『ひぐらしのなく頃に』の成功以降も商業化せず、ノベルゲーム第2弾『うみねこのなく頃に』を発表。夏のコミックマーケット72にて、第一話『Legend of the golden witch』を頒布。

『うみねこのなく頃に散』

2009年
『ひぐらし』と同様に、夏のコミックマーケット76にて頒布した第五話『End of the golden witch』からは『うみねこのなく頃に散』と改題。
2010年
第八話『Twilight of the golden witch』を冬のコミックマーケット79にて頒布し、完結した。

『彼岸花の咲く夜に』

2011年発表
07th Expansionによる完全新作。以前から漫画が月刊ドラゴンエイジにて連載されており、それを正式にゲーム化すると発表した。
これまでの『ひぐらし』や『うみねこ』と違い、「1話をこれまでに比べ5〜6分の1くらいの長さにし、それを夏と冬にそれぞれ、5〜6話分まとめて収録するという形にしたい」とのこと。

逸話

  • 体験版を公開したことで、知名度が広がり、『ひぐらしのなく頃に』は多くの評価を受けることになる。ゲーム評価サイト『無料ゲーム総合サイト』で、公式掲示板の発言を無断転用されたとして『07th Expansion』名義で削除を求めた。[1]
  • 2005年NHK総合にっぽんの現場に出演。ただし家族制作ということが前面に押し出されたため、BTがほとんど映らず、それに対して竜騎士07は2005年12月29日の日記にて苦言を呈した。[2](リンク先にて「315」で検索し、日記No.315「家族だけじゃないんです。」を参照)
  • 『ひぐらしのなく頃に』制作場所は八咫桜の家である。

ゲーム作品

販売本数は、初回販売時のものであり、おおよその数字。

メンバー

  • 竜騎士07(脚本・グラフィック)
  • 八咫桜(演出・スクリプト・背景) - 竜騎士07の実弟
  • dai(音楽総監・音楽・効果音・デバッグ
  • 時火(スクリプト・画像・テキスト加工) - 八咫桜同様、竜騎士07の実弟
  • なるせ椿(彩色・雑務)

またゲーム制作の主要メンバーは上記の5人だが、この他にも竜騎士07の両親や数名の背景作成のスタッフ、それに多数の音楽家達も07th Expansionのゲーム作りに協力している。更にdaiは個人サークル「M.Graveyard」のメンバーであり07th Expansionへの協力という形を取っているが、ゲーム制作には毎回多大な貢献をしている。

元メンバー
BT(ひぐらしシリーズにおける音楽室のシステム・おまけゲーム・スクリプト・ホームページ管理運営) - 2009年7月10日に病気のため亡くなっていたことが同年10月22日の製作日記で明らかにされた[17]

注釈

  1. ^ 「ひぐらしのなく頃に」「ひぐらしのなく頃に解」「ひぐらしのなく頃に礼」の付属文書「Readみー☆.txt」および「うみねこのなく頃に」「うみねこのなく頃に散」の付属文書「Read_me.txt」参照。
  2. ^ 商標第5214771号
  3. ^ 竜騎士07の日記 No.194 (2004年8月12日)
  4. ^ a b c d ひぐらしのなかせ方1
  5. ^ 竜騎士07の日記 No.204(2004年9月7日)
  6. ^ ビジネス★ヒーローインタビュー(竜騎士07へのインタビュー)
  7. ^ 竜騎士07の日記 No.180(2004年6月30日)
  8. ^ 竜騎士07の日記 No.113(2003年3月26日)
  9. ^ 竜騎士07の日記 No.189(2004年7月25日)
  10. ^ 竜騎士07の日記 No.39(2002年6月25日)
  11. ^ 竜騎士07の日記 No.173(2004年5月19日)
  12. ^ シネマピアによる竜騎士07へのインタビュー
  13. ^ 竜騎士07の日記 No.195(2004年8月16日)
  14. ^ 竜騎士07の日記 No.193(2004年8月8日)
  15. ^ 「罪滅し編直後の発言」を参照
  16. ^ 竜騎士07の日記 No.286(2005年8月22日)
  17. ^ 竜騎士07の日記 No.512(2009年10月22日)

参考文献の竜騎士07の日記は[3]にて、日記Noを入れると検索が楽。

外部リンク