根室フットパス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
根室フットパス
根室フットパスの全体略図

根室フットパス(ねむろフットパス)は北海道根室市にある厚床(あっとこ)、初田牛(はったうし)、別当賀(べっとうが・べっとが)の各地域をつなぐフットパスである。総延長約42.5km。厳密には厚床パス、初田牛パス、別当賀パスの3コースから構成される。5人の酪農家で組織されたAB-MOBITにより、2003年から構築。

各パス[編集]

厚床パス[編集]

厚床パス

富岡牧場の築拓キャンプ場、伊藤牧場の酪農喫茶などを通るフットパス。総延長約10.5km。全体的に起伏の少ない地形である。旧標津線跡、植民軌道跡などの歴史的価値のある物も存在する。厚床の語源はアイヌ語でアッ・トコ・トー・ペッ(At-toko-to-pet)「ニレの木生え出づる所」の意。2009年10月、社団法人北海道観光振興機構による観光ガイドブック「ゆとりツーリズム北海道」に掲載された。

初田牛パス[編集]

初田牛パス

村島牧場、小笠原牧場の農産加工体験施設などを通るフットパス。総延長約13.5km。丹頂鶴が観察できるスポットや、知床国後が見渡せるエリアがある。初田牛の語源はアイヌ語でハッ・タ・ウシ(Hat-ta-ushi)「葡萄を採る所」の意と、ハッタル・ウシ・イ(Hattar-us-i)「水が深くよどんでいる所」の意の2説がある。

別当賀パス[編集]

別当賀パス

お台馬場(おだいばば)、馬場牧場を通るフットパス。総延長約18.5km。海岸沿いの牧草地を中心として作られている。夏でも冷涼な気候のため、平地であるにもかかわらず高原植物が存在する。別当賀の語源はアイヌ語でペットカ(Petuka)「浅瀬」の意。

ワークショップ[編集]

「厚床、初田牛、別当賀の新たな魅力の再開拓」「様々な視点から見る」「五感を通して見る」をテーマに、AB-MOBITが散策路整備に関心のある者を集め、2003年から2005年まで毎年8月に実施。

テレビ放送[編集]

NHKニュースおはよう北海道2005年8月19日生中継により放送。

動植物[編集]

フットパス付近には以下の動植物が生息している。

動物[編集]

オジロワシエゾシカ丹頂鶴など。

植物[編集]

  1. :キタミフクジュソウ、ヒメイチゲマイヅルソウ、エンコウソウ、エゾエンゴサクギョウジャニンニクバイケイソウホザキシモツケミズバショウクロユリ、エゾネコノメソウ、ミミコウモリ、エゾカラマツ、エゾノシシウド、エゾフウロ、ヤマハハコ、チシマアザミ、ツルキジムシロ、ハマナスヤマブキショウマ、エゾクサイチゴ、ツリガネニンジン、シコタンキンポウゲ、クサフジトモエソウ、ヒメイズイ、エゾヤマハギ、スズランエゾリンドウオオバナノエンレイソウなど。
  2. 樹木ミズナラ、カシワモドキ、ダケカンバシラカバナナカマドなど。
  3. 帰化植物(原産)セイヨウタンポポ(ヨーロッパ)、フランスギク(ヨーロッパ)、ハルザキヤマガラシ(ヨーロッパ)、アメリカオニアザミ(ヨーロッパ)、オオアワダチソウ(北アメリカ)、ヘラバヒメジョオン(北アメリカ)、アラゲハンゴンソウ(北アメリカ)など。
  4. 牧草として持ち込まれた植物(原産)シロツメクサ(ヨーロッパ)、アカツメクサ(ヨーロッパ)、ムラサキウマゴヤシ(地中海地方)、セイヨウノコギリソウ(ヨーロッパ)など。

根室フットパス構築:計画段階での目的[編集]

AB-MOBITが「酪農家同士の繋がりを深める」「酪農家と他の視点を持った人々の情報の共有」「スローな視点から見る新たな発見」「酪農地の新たな価値の創造」の4つを目的とした。

交通アクセス[編集]

航空機[編集]

鉄道[編集]

バス[編集]

道路[編集]

受賞歴[編集]

  • 2005年:我が村は美しく北海道コンクール・銅賞
  • 2005年:北海道北のまちづくり賞・知事賞
  • 2006年:まちづくり月間・国土交通大臣賞表彰
  • 2006年:第2回HAL・農業酪農イメージアップチャレンジ賞
  • 2007年:立ち上がる農産漁村に選定(農林水産省
  • 2007年:第4回コープ・さっぽろ農業賞
  • 2007年:農業漁業交流賞交流の部・札幌市長賞

外部リンク[編集]