ムラサキツメクサ

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ムラサキツメクサ
Rotklee Trifolium pratense.jpg
ムラサキツメクサ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
: シャジクソウ属 Trifolium
: ムラサキツメクサ T. pratense
学名
Trifolium pratense L.
英名
Red clover

ムラサキツメクサ(紫詰草)Trifolium pratense はクローバー(ツメクサ)の一種である。和名ではアカツメクサとも、あるいは一般に赤クローバーとも呼ばれる。

分布[編集]

ヨーロッパ西アジア及び北西アフリカ原産であるが、世界中に移入されている。以下の7変種が知られており、変種毎に分布も変わる。日本にはシロツメクサと共に牧草として明治以降移入されたようである。

Trifolium pratense var. pratense
汎存種
Trifolium pratense var. americanum
種小名はアメリカという意味だが、主産地はヨーロッパ南東部である。
Trifolium pratense var. frigidum
中欧および南欧の山岳地帯(ピレネーアルプスバルカン)に産する。
Trifolium pratense var. maritimum
バルト海南岸に産する。
Trifolium pratense var. parviflorum
ヨーロッパ産種。
Trifolium pratense var. sativum
地中海沿岸域産種。葉にはほとんど、あるいは全く毛がない。成長力が旺盛である。
Trifolium pratense var. villosum
アルプス産種。葉が非常に毛深い。

形態[編集]

多年生草本で、大きさは株により 20-80cm とまちまちであり個体変異が大きい。互生する葉は3枚の葉片から構成されるいわゆる三つ葉で、葉片3枚をあわせた径は 15-30 mm であり、葉片1枚の幅は 8-15mm である。各葉片には葉の中ほどに特徴的な三日月型の白い模様が入る。葉柄は長さ 1-4cm で2本の托葉を備える。

花は鞠状の集合花序をなし、その径は 2-3cm である。花色は黒みがかったピンクで、基部ほど色が薄くなる。稀に白花を咲かせる株もあり、この変異が固定された園芸種をセッカツメクサ(雪華詰草)又はシロバナアカツメクサ(白花赤詰草) Trifolium pratense f. albiflorum とも呼ぶ。

シロバナアカツメクサ 

人間との関係[編集]

農業[編集]

牧草家畜飼料として広く栽培されている。土壌を肥沃にする空中窒素固定作用も評価されており、それゆえ緑肥としても利用される。こうした農業用途に用いられる品種には幾つかあるが、その多くが成長力の旺盛な sativum 種を原種としている。アメリカやオーストラリアなど、多くの温帯域では栽培地から逸出して野生化している。

薬用[編集]

ハーブとして多用される。とくに本種に含まれるイソフラボン(ゲニスタインダイドゼン)とエストロゲンは、女性の更年期症状を抑えるのに使用されてきた。ただし、本種を多食した不妊化したといった報告が古くからあるため、妊婦もしくは授乳中の女性は本種の摂取を避けるべきである。

また、咳止めや口内炎の痛み止めに効き、服用すると気管支炎湿疹、外傷、るいれきに対する治療効果があるとされる。実用的なうがい薬としても使用できるとされている。

嗜好品[編集]

本種は8種のハーブを用いたエジアック茶にも、成分の一つとして含まれている。パイプ用ブレンドタバコにも風味付け成分として混入されている。

その他[編集]

本種はリンネにより 1753 年に Trifolium pratense の学名が付与された。種小名の pratense は「牧場に見られる」の意のラテン語である。デンマーク国花に指定されており、またバーモント州州花にも指定されている。

関連項目[編集]

参照[編集]

本稿は英語版 Trifolium pratense 15:28, 11 October 2007 を元にその他資料等を考慮し作成された。以下は英語版に記されていた参考文献。

外部リンク[編集]