ギョウジャニンニク
| ギョウジャニンニク(APG植物分類体系) | ||||||||||||||||||||||||
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ギョウジャニンニク(北海道穂別)
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||
| Allium victorialis L. subsp. platyphyllum Hultén |
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| 和名 | ||||||||||||||||||||||||
| ギョウジャニンニク(行者葫) | ||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||
| victory onion alpine leek |
ギョウジャニンニク(行者葫、学名:Allium victorialis subsp. platyphyllum)は、ネギ科(APG植物分類体系より前の分類法ではユリ科)ネギ属の多年草。原種のA. victorialis L.はヨーロッパの高山に分布する[1]。 北海道や近畿以北の亜高山地帯の針葉樹林、混合樹林帯の水湿地に群生しており、そのほとんどの繁殖地は国立公園などの自然保護区である。キトピロなどとも呼ばれる(後述)。
目次 |
[編集] 概要
長さ20~30cm、幅3~10cmの葉で強いニンニク臭を放ち、地下にラッキョウに似た鱗茎を持つ、葉は根生、扁平で下部は狭いさやとなる。初夏、花茎の頂端に、白色または淡紫色の小花を多数つける。種子のほかにも不定芽でも増殖する。生育速度が遅く播種から収穫までの生育期間が5年から7年と非常に長いことから、希少な山菜とされ、市場に出回っているものは少量にも関わらず高値で取引される傾向にある。
[編集] 名称
ギョウジャニンニクという名前の由来は、山にこもる修験道の行者が食べたことからとも、逆にこれを食べると滋養がつきすぎて修行にならないため、食べることを禁じられた[1]からとも言われている。
キトビロ、ヤマビル(山蒜)またはヤマニンニクなどの別名がある。 キトビロ(もしくはキトビル、キトピロ)がさらになまって、ヒトビロ、ヒトビルというような発音になることもある。 また、北海道では、この植物を俗に「アイヌネギ」と呼ぶことがある。
アイヌ語における呼び名はキト(kito)、またはプクサ(pukusa)である。 「キトピロ」をアイヌ語として紹介している文献・サイトもあるが、信頼できる文献で、キトピロを正式なアイヌ語として紹介している文献はない。 (たとえば知里真志保『分類アイヌ語辞典植物編』などを参照。) キトビロのキトはアイヌ語起源と思われるが、ビロは、日本語の「ひる(蒜=ネギ・ニラ類を指す古語)」がなまったものと思われる。
古く「あららぎ」と呼ばれたとされるが、この言葉は一般的にはノビルを指すと解釈される。本種は本州では山深くにしか育たないため、往時の日本人にとっては、里に生えるノビルのほうがずっと親しみのある食材であったであろう。
[編集] 食利用
おおよそ、5月上旬から中旬頃の山菜として知られており、葉茎を主に食用として用いるが、しょうゆ漬けにして保存したり、生のままやおひたし、ギョウザ、卵焼きに混ぜるなどして食べる。茎の太さが 1cm程度でまだ葉の開かない状態のものが、味、香り共に濃く珍重される。特に軟白栽培した物が人気がある。
ニンニクよりもアリシンを豊富に含んでおり、抗菌作用やビタミンB1活性を持続させる効果があり、血小板凝集阻害活性のあるチオエーテル類も含むため、血圧の安定、視力の衰えを抑制する効果がある。成分を利用した健康食品も販売されている。ニンニクの成分に近いためか、食べたときの風味もニンニクに近く独特の臭いを持ち、極めて強い口臭を生じることがある。
アイヌ民族は春先に大量に採集し、乾燥保存して一年間利用していた。オハウ(汁物)の具としたり、ラタシケプ(和え物)に調理して食べる。さらにその独特の臭気は魔物を祓う力があるとされ、天然痘などの伝染病が流行した際は、村の入り口に掲げ、病魔の退散を願った。西洋の吸血鬼がニンニクを忌み嫌う逸話と相通じるものがあり、興味深い。
西洋でもラムソン(ワイルドガーリック又はベアラウフ・熊ネギ)と呼ばれる野生種の植物を食べる習慣があり、形や香りがよく似ていることから、これらをギョウジャニンニクとして紹介する場合がある。しかし、ラムソンズの学名は Allium ursinum で、ギョウジャニンニクと同じくネギ科ネギ属の植物だが別種である。
[編集] 類似毒草の注意
バイケイソウ、コバイケイソウ、イヌサフラン、スズランで中毒例が報告されている[2]。特にスズランとの区別に注意する必要がある。特有の臭いの有無で判別可能である。
[編集] 栽培
1990年頃から北海道や日本海側の雪の多い地域で園芸栽培されている。ギョウジャニンニク栽培圃場に発生する病害[3]も報告されている。播種から収穫までは4年程度必要。
[編集] 品種改良
宇都宮大学農学部藤重宣昭助教授(当時)のグループにより、ギョウジャニンニクとニラを交配した「行者菜(ぎょうじゃな)」が開発された[4]。外観はニラに近いが、ギョウジャニンニクから受け継いだ形質として、茎が太いのが特徴で、ニラ同様一年で収穫が可能。2008年から山形県長井市で販売が開始されている[5]。
[編集] 参考画像
[編集] 関連書籍
- 新特産シリーズ ギョウジャニンニク-軟白栽培の実際、栄養価値と売り方:井芹靖彦著、農文協、2001年、ISBN 4540002848
[編集] 脚注
- ^ 禁葷食を参照。
- ^ ギョウジャニンニクとイヌサフラン(有毒)東京都健康安全研究センター
- ^ ギョウジャニンニクに発生した新病害、白色疫病とすすかび病(新称)農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波事務所
- ^ 行者菜・ギョウジャナ
- ^ 新しい野菜「行者菜」がデビュー! - やまがたアグリネット