バイケイソウ

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バイケイソウ
バイケイソウ、弓張山地にて(2013年6月8日)
バイケイソウ、弓張山地にて
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 単子葉植物綱 Liliopsida
: ユリ目 Liliales
: ユリ科 Liliaceae
: シュロソウ属 Veratrum
: Veratrum album
亜種 : バイケイソウ
subsp. oxysepalum
学名
Veratrum album L.
subsp. oxysepalum (Turcz.) Hultén[1]
和名
バイケイソウ
(梅蕙草)
英名
False Helleborine

バイケイソウ(梅蕙草、学名Veratrum album subsp. oxysepalum(Turcz.) Hultén[1])は、ユリ科シュロソウ属に属する多年草APG植物分類体系ではユリ目メランチウム科に分類される。

特徴[編集]

開花時期は、6-8月[2][3]。直径1.5-2 cmほどの緑白色の花を房状に多数つける(茎の上部に大形の円錐花序となる。[2][3][4]。6枚の花被片は長さ1-1.5 cm程の細卵形でその先尖り、雄しべはその半分程の長さ[4]。開花期の草丈は0.6-1.5 mとなる[4]は長さ15-30 cm、幅10-20 cmの広楕円形-長楕円形で、その先が尖る[2][4]。この和名は、花がウメ、葉がケイランに似ていることに由来する[3]

分布[編集]

種(Veratrum album)は、ヨーロッパ北アフリカシベリア東アジアアリューシャン列島アラスカ州スワード半島に分布する。その亜種のバイケイソウ(V. s. subsp. oxysepalum)は北東アジア日本に分布し、その基準標本カムチャッカ半島のもの[4]。日本では北海道本州四国九州山地から亜高山帯にかけての林内や湿った草地に分布する[4]

利用と注意[編集]

根茎にジエルビン、ベラトリン、プロトベラトミンなどのアルカロイドを含む[4]。根茎は白藜蘆根(びゃくりろこん)と呼ばれ血圧降下剤として用いられたが、催吐作用や強い毒性があるので現在では用いられない。また、東雲草(しののめそう)の名で殺虫剤としても使われた。

芽生えの姿が、山菜オオバギボウシ(ウルイ)やギョウジャニンニクとよく似ているため、毎年のように誤食して中毒する事例がある。血管拡張作用があるため血圧低下を引き起こし、重症例では意識喪失し死亡するケースもある。

分類[編集]

ミヤマバイケイソウ[編集]

ミヤマバイケイソウ(深山梅蕙草、学名:Veratrum alpestre Nakai)は、バイケイソウの高山型で北海道の中央高地と本州の中部以北の亜高山帯から高山帯下部の湿地に分布する。バイケイソウよりも小型で高さは、50-80 cm[4]シノニムが、Veratrum album subsp. oxysepalum f alpestreで、バイケイソウを区別しないとする見解もある[4]

コシジバイケイソウ[編集]

コシジバイケイソウ(越路梅蕙草、学名:Veratrum nipponicum Nakai)は、バイケイソウとコバイケイソウとの雑種とみられている[4]。シノニムが、Veratrum x nipponicumで、日本の固有種。花期は8月で結実しない[4]。花被片は白色で、基部は黄色を帯びる[4]

コバイケイソウ
Veratrum stamineum

コバイケイソウ[編集]

近縁種にコバイケイソウ(小梅蕙草、学名:Veratrum stamineum Maxim.)がある[2][3]

種の保全状況評価[編集]

日本では以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[5]

画像[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 兵庫県のAランクは、環境省の絶滅危惧I類相当。
  2. ^ 矢部川県立自然公園の指定植物。

出典[編集]

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “バイケイソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年6月18日閲覧。
  2. ^ a b c d 林弥栄 (2009)、607頁
  3. ^ a b c d 高村忠彦 (2005)、267頁
  4. ^ a b c d e f g h i j k l 豊国秀夫 (1988)、556-557頁
  5. ^ 日本のレッドデータ検索システム「バイケイソウ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2013年6月18日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典元の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  6. ^ しまねレッドデータブック・バイケイソウ”. 島根県 (2004年). 2013年6月18日閲覧。
  7. ^ 福岡県の希少野生生物 RED DATA BOOK 2011 FUKUOKA・バイケイソウ”. 福岡県 (2011年). 2013年6月18日閲覧。
  8. ^ レッドデータブックとっとり (植物) (PDF)”. 鳥取県. pp. 162 (2002年). 2013年6月18日閲覧。
  9. ^ 京都府レッドデータブック・バイケイソウ”. 京都府 (2002年). 2013年6月18日閲覧。

参考文献[編集]

  • 高村忠彦(監修) 『季節の野草・山草図鑑―色・大きさ・開花順で引ける』 日本文芸社〈実用BEST BOOKS〉、2005年5月。ISBN 4537203676
  • 豊国秀夫 『日本の高山植物』 山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月。ISBN 4-635-09019-1
  • 林弥栄 『日本の野草』 山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421

関連項目[編集]

外部リンク[編集]