小唄三昧

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小唄三昧
柳原陽一郎スタジオ・アルバム
リリース
ジャンル
時間
レーベル SWEETS DELI RECORDS
プロデュース 柳原陽一郎
柳原陽一郎 アルバム 年表
  • LIVE RECORDING SERIES VOL.1〜らぶ あんど へいと
  • (2016年)
  • 小唄三昧
  • (2018年)
  • LIVE RECORDING SERIES VOL.2〜小唄 NAKED
  • (2019年)
ミュージックビデオ
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小唄三昧』(こうたざんまい)は、柳原陽一郎の9作目のスタジオ・アルバム。2018年11月15日より通販での予約受付が開始され、12月13日に通販や同日に公園通りクラシックスで開催された「『小唄三昧』お披露目ライブ〜師走のお手引き〜」にて先行発売され[1]、2019年1月30日より一般販売と音楽配信が開始された[3]

解説[編集]

前作『「ほんとうの話」』以来約5年ぶりのオリジナル・アルバム[注 1][1]

ジャケットのイラストはAPOLLOが手がけたもの[4]。タイトルの「小唄」には、「最近は偉そうなことを歌う歌や、明日を信じようと近づける歌が多いけど、そんなのではなく、あまり近づけないうえに大げさでもない、他愛もない歌だけど、こんな歌はどうですか?」という意味が込められている[5]

収録曲[編集]

#タイトル作詞・作曲時間
1.「21st Century Complex Blues」柳原陽一郎
2.「歌手はうたうだけ」柳原陽一郎
3.「やなちゃんのワカンナイ節」柳原陽一郎
4.「洗脳時代」柳原陽一郎
5.「アメリカンポーク」柳原陽一郎
6.DEPORTEE 〜 不法移民の唄英語版
  • Woody Guthrie and Martin Hoffman
  • 柳原陽一郎(訳詞)
7.「エリアマネージャー」柳原陽一郎
8.「生きなっせ」柳原陽一郎
9.「土下座節」柳原陽一郎
10.「アラビヤ小唄」柳原陽一郎
11.「おかえりビッチ」
12.「機関車ポンコツ」柳原陽一郎
13.「なさぬ人」柳原陽一郎
14.「夢見の夢太郎」(CD限定付録)柳原陽一郎
15.「21st Century Complex Blues (Reprise)」(CD限定付録)柳原陽一郎
合計時間:

曲の解説[編集]

  1. 21st Century Complex Blues
    柳原によるアコースティック・ギターの弾き語りによる軽快なブギ調の楽曲[6]。柳原の演奏以外は練馬麻雀倶楽部による手拍子英語版のみのシンプルなアレンジになっている。
    ボブ・ディランの「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」やニール・ヤングの『ラスト・ネヴァー・スリープス』を意識して制作された楽曲[7]
  2. 歌手はうたうだけ
    楽曲について柳原は「ジョン・レノンに聞かせたかった」と語っている[8]
    ハンバートハンバート佐藤良成フィドルで参加している[9]
    歌詞にミッキーマウスキティちゃんが登場する。
  3. やなちゃんのワカンナイ節
    大日本帝国海軍を下敷きとし、1906年当時の政府を皮肉った楽曲[6]
    2016年に柳原が両国で聴いた「添田唖蝉坊」に触発されて書かれた[7]
  4. 洗脳時代
    (作詞・作曲:柳原陽一郎)
    現代社会を風刺した楽曲[6]。本作で最後に出来た楽曲[7]
    歌詞にYahooLINECIAIOC電通官邸が登場する。
  5. アメリカンポーク
    第45代アメリカ合衆国大統領のドナルド・トランプを皮肉った楽曲[10]。柳原は、「侵略好きなアメリカとかグローバリズムを皮肉りたくて書いた」「大サビの歌詞に「オキナワ」を入れるかどうかで悩んだ」とコメントしている[7]
    本作発売の直後にライブ会場・通販限定で発売された『LIVE RECORDING SERIES VOL.2〜小唄 NAKED』には、2018年4月3日に公園通りクラシックスでライブ録音された音源が収録されている。
  6. DEPORTEE〜不法移民の唄
    ウディ・ガスリーの楽曲「Deportee (Plane Wreck at Los Gatos)」(邦題「ディポーティー」)のカバー[11]コーラス久松史奈が参加している[7]
  7. エリアマネージャー
    コンビニ店員から搾取するコンビニ本社のエリアマネージャーに対する怒りを歌った楽曲[10][11]
  8. 生きなっせ
    高齢化社会となった現代への応援歌[11]。タイトルは「生きましょう」という意味を持つ熊本弁。震災後に行なわれた熊本のライブの後に書かれた[7]
    本作発売の直後にライブ会場・通販限定で発売された『LIVE RECORDING SERIES VOL.2〜小唄 NAKED』には、2018年4月3日に公園通りクラシックスでライブ録音された音源が収録されている。
  9. 土下座節
    「やなちゃんのワカンナイ節」の次に出来た楽曲[7]。土下座で事を終結させようする者や、土下座をさせて憂さ晴らしをするという日本の風潮を皮肉った楽曲[6]
  10. アラビヤ小唄
    許されない恋による切ない思いを描いた楽曲[11]ギリシャの弦楽器の一種であるブズーキが使用されている[12]
    本作発売の直後にライブ会場・通販限定で発売された『LIVE RECORDING SERIES VOL.2〜小唄 NAKED』には、2018年4月3日に公園通りクラシックスでライブ録音された音源が収録されている。
    柳原によると、「レコーディングはこの曲で始まり、この曲で終わった」とのこと[13]
  11. おかえりビッチ
    ヴァン・モリソンザ・チーフタンズの楽曲「Star of the County Down」を原曲として、柳原が歌詞をあてた楽曲[11]
    柳原は「前作が下ネタ抜きのまじめな歌が多かったので、おそらくその反動で明るい曲をやってみたかったのだと思う」とコメントしている[7]
  12. 機関車ポンコツ
    レコーディングは2日間に渡り、7テイク録音された[7]。曲の途中に機関車の蒸気音を真似たコーラスが入っている。
    曲調は久保田麻琴を意識したという[14]
  13. なさぬ人
    気ままな生き方を歌った楽曲[11]。柳原は、「『何かを成し遂げろ』だとか『立派な人になれ』だとか、この手の上から目線の言葉をかけられるのはとても迷惑だという思いがあって、いざ書いてみたらあっという間にできた」とコメントしている[7]
  14. 夢見の夢太郎
    CD限定付録。河内音頭を意識して制作した楽曲[7]
  15. 21st Century Complex Blues (Reprise)
    CD限定付録。1曲目をバンド編成で演奏した音源。本作のセッションで最初に録音されたテイクだが、柳原曰く「味のある演奏」ということで最後に収録されている[7]

参加ミュージシャン・スタッフ[編集]

参加ミュージシャン[編集]

21st Century Complex Blues

歌手はうたうだけ

やなちゃんのワカンナイ節

洗脳時代

アメリカンポーク

  • 柳原陽一郎:歌、ギター
  • 佐藤良成:ヴァイオリン、コーラス
  • 井上太郎:マンドリン、コーラス
  • 田嶋真佐雄:ベース、コーラス

DEPORTEE〜不法移民の唄

  • 柳原陽一郎:歌、ギター、アコーディオン
  • 久松史奈:コーラス
  • 佐藤良成:ヴァイオリン
  • 井上太郎:マンドリン
  • 田嶋真佐雄:ベース

エリアマネージャー

生きなっせ

土下座節

  • 柳原陽一郎:歌、ギター
  • 椎谷求:エレキギター
  • 田嶋真佐雄:ベース
  • 外山明:ドラム、パーカッション
  • 望月太左衛:拍子木

アラビヤ小唄

おかえりビッチ

  • 柳原陽一郎:歌、ギター、リコーダー
  • 佐藤良成:ヴァイオリン、コーラス
  • 井上太郎:マンドリン、コーラス
  • 田嶋真佐雄:ベース、コーラス

機関車ポンコツ

  • 柳原陽一郎:歌、ピアノ
  • 椎谷求:エレキギター、コーラス
  • 田嶋真佐雄:ベース、コーラス
  • 外山明:ドラム、コーラス

なさぬ人

  • 柳原陽一郎:歌、ギター
  • 佐藤良成:ヴァイオリン
  • 井上太郎:マンドリン
  • 田嶋真佐雄:ベース

夢見の夢太郎

21st Century Complex Blues (Reprise)

  • 柳原陽一郎:歌、ハーモニカ
  • 椎谷求:エレキギター
  • 田嶋真佐雄:ベース
  • 外山明:ドラム

スタッフ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2016年に発売されたライブ・アルバム『LIVE RECORDING SERIES VOL.1〜らぶ あんど へいと』以来2年ぶりのリリース。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 柳原陽一郎 5年振りのオリジナルアルバム『小唄三昧』来年1月30日発売決定”. LMusic-音楽ニュース-. LMusic (2018年12月7日). 2018年12月13日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 小倉エージ (2019年2月1日). “元たま・柳原陽一郎が歌う自虐的な小唄が面白い!”. AERA dot.. 朝日新聞出版. p. 1. 2021年5月4日閲覧。
  3. ^ KOUTAZANMAI”. SWEETS DELI RECORDS. 2019年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月3日閲覧。
  4. ^ 柳原陽一郎 "小唄三昧"”. nirnor. 2022年4月15日閲覧。
  5. ^ (インタビュー)「柳原陽一郎 『小唄三昧』は自分に正直な「柳原陽一郎」として統一されたアルバム/インタビュー前編」『エキサイトニュース』、エキサイト株式会社、2019年2月18日https://www.excite.co.jp/news/article/E1550420446424/2019年3月22日閲覧 
  6. ^ a b c d 小倉エージ (2019年2月1日). “元たま・柳原陽一郎が歌う自虐的な小唄が面白い!”. AERA dot.. 朝日新聞出版. p. 2. 2019年2月2日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l KOUTAZANMAI”. SWEETS DELI RECORDS. 2019年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月3日閲覧。
  8. ^ 柳原陽一郎の後悔日誌”. SWEETS DELI RECORDS (2016年12月3日). 2018年11月3日閲覧。
  9. ^ a b ハンバートハンバートの2018年11月19日 午後11:03のツイート2022年4月15日閲覧。
  10. ^ a b 小粋で耳なじみのいい楽曲に鋭い歌詞 柳原陽一郎が歌わずにはいられなかった唄が満載の新作『小唄三昧』”. OVO. 株式会社共同通信社 (2019年1月29日). 2019年2月2日閲覧。
  11. ^ a b c d e f 小倉エージ (2019年2月1日). “元たま・柳原陽一郎が歌う自虐的な小唄が面白い!”. AERA dot.. 朝日新聞出版. p. 3. 2019年2月2日閲覧。
  12. ^ 望月太左衛の2018年4月18日 午前11:32のツイート2022年4月15日閲覧。
  13. ^ 柳原陽一郎の後悔日誌”. SWEETS DELI RECORDS (2018年12月18日). 2018年12月28日閲覧。
  14. ^ 柳原陽一郎 『小唄三昧』は自分に正直な「柳原陽一郎」として統一されたアルバム/インタビュー後編”. エキサイトニュース. エキサイト株式会社 (2019年2月18日). 2019年3月22日閲覧。
  15. ^ a b 藤田倫子の2018年11月19日のツイート2022年4月15日閲覧。

外部リンク[編集]