小人症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
Dwarfism
分類及び外部参照情報
ICD-10 E23.0, E34.2, E45.0, Q77.4
ICD-9 253.3, 259.4
DiseasesDB 80
MedlinePlus 001176
MeSH D004392
プロジェクト:病気Portal:医学と医療
テンプレートを表示

小人症(こびとしょう、dwarfism)とは、著明な低身長を示す病態のこと。侏儒症(しゅじゅしょう)とも。

定義[編集]

症状として低身長をきたす様々な疾患がいわゆる小人症と呼称される。 身長が著しい低身長(通常、標準身長-2SD以下)であり、なおかつ本人(場合によっては家族)の希望があるか、もしくは重大な疾患を合併しているなど、治療対象となる場合に、初めて小人症という病名がつき、治療が必要な低身長として扱われる。

原因[編集]

特発性低身長[編集]

特発性低身長 (ISS:idiopathic short stature) と呼ばれる。特発性低身長と診断するには、内分泌性低身長のほか、奇形、骨系統疾患(軟骨無形成症なども含む)、慢性疾患、ステロイド治療など医原性の低身長や、情緒障害、心身症、また虐待・低栄養のような劣悪な発育環境による低身長など、また現在低身長をきたす染色体による疾患(ターナー症候群など)や遺伝子による疾患など各種要因を除外し、現在医学的に解明されていない原因によるものを示す。除外診断により診断される。

胎内発育不全性低身長[編集]

在胎週数別の出生時身長、出生時体重が標準値のどちらかが-2SD以下である場合において、2~3歳時の身長が-2SD以下である場合に診断される。成長ホルモン分泌不全性低身長症、ターナー症候群、骨系統疾患など既知の成長障害をきたす疾患でないことを確認する必要がある。 また、胎内発育不全によって生まれた児は、3歳までに他の児に成長が追いつくことが多い。成長が十分追いつかなかった例では、思春期が低身長の状態でくるなどの理由により、成人身長が非常に低くなるとされる。現在SGA性低身長症と呼ばれ、成長ホルモン治療が認められているが、日本では、公費助成(小児慢性特定疾患)の対象外である。

成長ホルモン分泌不全性低身長症[編集]

下垂体前葉ホルモンである成長ホルモンは、小児期の成長(発達にも関与するという説あり)に関与しており、成長ホルモンの欠乏により低身長を引き起こすことがある。 成長ホルモン分泌刺激試験により成長ホルモン分泌低下を認めた場合に診断される。 原因としては、骨盤位分娩や交通外傷による下垂体茎の断裂によるもの、頭蓋咽頭腫、ジャーミノーマなどの腫瘍による障害による場合が多く、Pit-1遺伝子異常など遺伝性の成長ホルモン分泌欠損症はごくまれな疾患である。国内で上記疾患と診断され治療を受けている児の多くは、成長ホルモン分泌刺激試験により1種類以上で成長ホルモンが6ng/ml以上分泌を認める、特発性低身長症の児を多く含んでいる。この場合、成長ホルモンの薬理作用による成長促進作用により低身長の改善を目的に治療されることが多い。 成長ホルモン補充療法により、身長改善のほかにも精神症状・血管合併症の改善など各種のメリットがある。通常、-2.0SDに達するまで成長ホルモン療法が行われる。

染色体異常による低身長[編集]

近年の米国の研究において、男性の精子のDNAの損傷と染色体異常は男性の年齢と共に増加し、遺伝子突然変異による小人症(軟骨形成不全症)の発症率は、男性が1年歳をとるごとに2%ずつ増加することが報告されている[1]

ラロン型低身長症[編集]

イスラエルズヴィ・ラロン医師が発見した遺伝子異常による成長ホルモン分泌欠乏症。成長ホルモンは正常に分泌されるが肝臓内の機能が結びつかないために、身長が伸びなくなる。体細胞内にある23対46の染色体の5番の染色体に変異が生じたために起こる症状。

エクアドルピーニャス市には、ラロン型低身長症の人が多くいる。

小人症の著名人[編集]

太字は存命

幼少の頃低身長と診断され、治療をしている。
「大樹寺に収められている歴代将軍の位牌は、将軍の身長にあわせて作られている」という説があり、綱吉はその高さが124cmしかないため、小人症の疑いをもたれている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 2006年米国国立ローレンス・リヴァモア研究所の研究発表

外部リンク[編集]