中流階級

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中産階級から転送)
20世紀ごろの中産階級アメリカ人には「25年ローンで郊外の家に住む」「2台のを持つ」「子供たちは大学を卒業するまで両親から手当を受け取る」といったステレオタイプがあった。

中流階級(ちゅうりゅうかいきゅう、Middle class)とは、社会学などで定義される階級上流階級労働者階級の間の階級で、幅広い社会階層を含む。

概要[編集]

メルセデス・ベンツ・Cクラスは、人気の中流階級車と考えられている。

第三次産業従事者から公務員、中小産業資本家まで幅広い人々が含まれ、先進工業国では人口のほとんどがこの階級に含まれるとされる。

生活のために労働する必要があるという点で上流階級と異なるが、単純労働肉体労働ではなく知的労働を行う点で労働者階級とも区別される。

構成の多様さから複数形で「中流諸階級 (middle classes)」と呼ばれる事もある。一般的には中産階級(ブルジョワジー)の意で使われることが多い。厳密にはマルクス生産手段という観点から中産階級を規定したのに対し、「中流階級」には教員自由業者管理職法律家など生産手段や階級闘争に関連しない職業が含まれる点で異なる。

経済との関係[編集]

アメリカバラク・オバマ大統領は、「中間層が経済成長の恩恵を受けるために政府が大きな役割を果たさねばならない」とする[1]

第2期オバマ政権では、インフラストラクチャー製造業への投資増や就労スキル向上のための教育投資により、中間層の雇用改善を目指すことが計画された。

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • アンソニー・ギデンズ『社会学 第四版』松尾精文他訳、而立書房、2006年
  • Scott,John. Marshall,Gordon.ed. Dictionary of Sociology(Third Edition). Oxford UP:Oxford. 2005

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • 龍瀟「<論説>資本に依存する中産階級 : 西洋型社会における中産階級の現状を視点に」『社会システム研究』第18巻、京都大学大学院人間・環境学研究科 社会システム研究刊行会、2015年3月、115-138頁、CRID 1390853649769413760doi:10.14989/197756hdl:2433/197756ISSN 1343-4497