ヨルバ語

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ヨルバ語
èdè Yorùbá
話される国 ナイジェリアの旗 ナイジェリア
ベナンの旗 ベナン
トーゴの旗 トーゴ
地域 西アフリカ
話者数 2000万人
言語系統
表記体系 ラテン文字
公的地位
公用語 ナイジェリアの旗 ナイジェリア
統制機関 unknown
言語コード
ISO 639-1 yo
ISO 639-2 yor
ISO 639-3 yor
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ヨルバ語èdè Yorùbá: Yoruba language)はニジェール・コンゴ語族に属する言語である。話者は西アフリカナイジェリアベナントーゴに居住するヨルバ人の人々である。話者数は約2000万人である。言語学的分類としてイツェキリ語Itsekiri language)とは近い関係にある。

音韻[編集]

母音[編集]

  口母音 鼻母音
前舌 後舌 前舌 後舌
i [i] u [u] in [ĩ] un [ũ]
半狭 e [e] o [o]    
半広 [ɛ] [ɔ] ẹn [ɛ̃] an,ọn [ɑ̃~ɔ̃]
a [a]  

[ɑ̃][ɔ̃]は音韻的には区別されないが原則的に唇音の後ではọn、それ以外ではanと書かれる。鼻子音m、nの後の鼻音化は表記されない。

子音[編集]

  両唇音 歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音 両唇軟口蓋音 声門音
鼻音 m [m]     n [ŋ]    
破裂音 b [b] t [t] d [d] j [ɟ] k [k] g [ɡ] p [k͡p] gb [ɡ͡b]  
摩擦音 f [f] s [s] [ʃ]     h [h]
接近音   l,n [l~n] y [j]   w [w]  
はじき音   r [ɾ]        

[ŋ]は単独で音節をなす。[n]は、[i]及び鼻母音の前での[l]の異音である。

声調[編集]

ヨルバ語には高位トーン、低位トーン、中位トーンの3種類が存在するが、その組み合わせによって、上昇トーン、下降トーン、中位ダウンステップが現れる。

文法[編集]

語順はSVO型で、形態的変化に乏しい分析的な言語である。や名詞クラスなどの範疇による一致もない。

人称代名詞[編集]

独立人称代名詞 単数 複数
1人称 èmi àwa
2人称 ìwọ ẹ̀yin
3人称 òun àwọn

独立人称代名詞は名詞として扱われる。

主語人称代名詞 単数 複数
1人称 mo a
2人称 o
3人称 ó wọ́n
主語人称代名詞(否定) 単数 複数
1人称 n/mi a
2人称 o
3人称 なし wọn

否定辞kòの前で使われる。

目的語人称代名詞 単数 複数
1人称 mi wa
2人称 ọ/ẹ yín
3人称 V wọn

2人称複数以外の目的語代名詞の声調は動詞の語末の声調によって決まる。語末が高声調ならば中声調、それ以外ならば高声調となる。3人称単数目的語代名詞は動詞の末母音と同じ母音である。

所有人称代名詞 単数 複数
1人称 mi wa
2人称 rẹ/ẹ yín
3人称 rẹ̀/ẹ̀ wọn

名詞の語末の母音が延長され、さらに接語が後置される。母音延長は一般には表記されないが、1人称単数と2人称単数では低声調でそれ以外は中声調である。

前置詞[編集]

狭義の前置詞は位置を表すníと方向を表すsíの2つだけである。細かい位置や方向を表すには場所を表す名詞(多くは身体名称でもある)を組み合わせて表現する。 母音で始まる名詞が後続する際は融合し、n-はi以外の前でl-となる。

  • nínú (中で) sínú (中へ) (inú (中、腹))
  • lórí (上で) sórí (上へ) (orí (上、頭))

動詞[編集]

授与動詞[編集]

『AがBにCを与える』のような授与動詞では受益者Bが直接目的語として表示され、対象Cがníによって導かれる間接目的語として表示される。これは日本語とは逆である。

  • Mo fún un lẹ́ja. (私は彼に魚を与えた。)
私 与える 彼 (前置詞) 魚
  • O kọ́ mi ní Yorùbá. (あなたは私にヨルバ語を教えた。)
彼 教える 私 (前置詞) ヨルバ語

関連項目[編集]

脚注[編集]

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参考文献[編集]

  • 塩田勝彦 著、 大阪大学世界言語研究センター 監修『ヨルバ語入門』大阪大学出版会、2011年、ISBN 9784872593860

外部リンク[編集]