リンガラ語

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リンガラ語
Lingála
話される国 コンゴ民主共和国, コンゴ共和国
地域 アフリカ中部
話者数 母語話者200万人 第二言語話者1000万人
言語系統
表記体系 African reference alphabet (ラテン文字), Mandombe
公的地位
公用語 コンゴ共和国
統制機関 統制なし
言語コード
ISO 639-1 ln
ISO 639-2 lin
ISO 639-3 lin
SIL LIN
  リンガラ語を母語とする地域
  リンガラ語が話される地域
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リンガラ語(Lingála)は、コンゴで用いられるバントゥー語族の言語である。コンゴ民主共和国コンゴ共和国アンゴラ中央アフリカ共和国に分布し、話者の人口は1000万強である。19世紀後半にヨーロッパ列強がこの地方に進出し、交易が盛んになるとともにリングワ・フランカとして誕生し、ベルギー領コンゴ時代に布教や交易、軍隊用語として定着した。クレオール言語であり、ヨーロッパ諸語からの借用語も多い。特に両コンゴにおいて、共通語として広く使われ、リンガラ語によるテレビやラジオ、新聞が多く発行されている。またリンガラ音楽と呼ばれるリンガラ語によるポップミュージックがキンシャサを中心に1970年代以降さかんになり、アフリカ各国に影響を与えた。

方言[編集]

カトリック教会が布教のために用いた文語が標準語となっている。また両コンゴの首都では他のバントゥー語に大きく影響されたキンシャサ方言ブラザヴィル方言が存在する。

文字と発音[編集]

1976年に Société Zaïroise des Linguistes が制定した正書法では広いエ,オを表すのにIPAにあるɛとɔの字を用いるとされるが、印刷やキーボードの都合でɛ,ɔも狭いエ、オと同じくe,oと書くのが主流になっている。

母音[編集]

[i] [u]
半狭 [e] [o]
半広 [ɛ] [ɔ]
[a]
  • 表のような七母音の体系をなす。キンシャサ方言ではɛ,ɔがe,oと区別されない傾向がある。
  • ɛ,ɔとe,oは同じ単語に並存しない
  • á,é,í,ó,úのように'́'のついている字は高く発音する
  • â,ê,î,ô,ûのように'^'のついている字は高から低へ下がる
  • ǎ,ě,ǐ,ǒ,ŭのように'ˇ'のついている字は低から高へ上がる
  • a,e,i,o,uのようにアクセント記号のつかない字は低く発音する


子音[編集]

  • b[b]
  • cまたはsh[ʃ]
  • d[d]
  • f[f]
  • g[g]
  • h[h]
  • k[k]
  • l[l]
  • m[m]
  • n[n]
  • ny[ɲ]
  • p[p]
  • r[r]
  • s[s]
  • t[t]
  • v[v]
  • w[w]
  • y[j]
  • z[z] ※方言によっては[ʒ]とも発音される

文法[編集]

名詞のクラス[編集]

他のバントゥー語と同様に語頭の音節が名詞の種類(クラス)を表す(下表)。名詞の語頭は形容詞、動詞と形を呼応する。またクラスが語義の分類を表している(1,2番は人、9,10番は動物、ただし例外も多い)。

番号 語頭 語例
1 mo mopési 奴隷
2 ba bapési 奴隷(複数)
3 mo mukíla
4 mi mikíla (複数)
5 li liloba 言葉
6 ma maloba 言葉(複数)
7 e elokó
8 bi bilokó (複数)
9 N ntaba
10 N ntaba (複数)
9a Ø sánzá
10a Ø sánzá (複数)
11 lo lolemo
14 bo bosoto 汚れ
15 ko kotála 見る、会う
  • 番号は15あるが単数/複数が組になるので種類は7個である
  • 9,10番は後続する音がt,dのときn、p,bのときmになる
  • 9番のクラスで器具を表す名詞は複数でba-をとる

例:lutu(匙)- balutu,mesa(卓) - bamesa,sani(皿)-basani

  • 9a,10aは語頭がないが文脈によって単複を判断する
  • 14番のクラスは対応する複数形がない

参考書籍[編集]

  • Edama, Atibakwa Baboya (1994) Dictionnaire bangála - français - lingála. Agence de Coopération Culturelle et Technique SÉPIA.
  • Etsio, Edouard (2003) Parlons lingala / Tobola lingala. Paris: L'Harmattan. ISBN 2747539318
  • Bokamba, Eyamba George et Bokamba, Molingo Virginie. Tósolola Na Lingála: Let's Speak Lingala (Let's Speak Series). National African Language Resource Center (May 30, 2005) ISBN 096795875X
  • Guthrie, Malcolm & Carrington, John F. (1988) Lingala: grammar and dictionary: English-Lingala, Lingala-English. London: Baptist Missionary Society.
  • Meeuwis, Michael (1998) Lingala. (Languages of the world vol. 261). München: LINCOM Europa. ISBN 3895865958
  • Samarin, William J. (1990) 'The origins of Kituba and Lingala', Journal of African Languages and Linguistics, 12, 47-77.
  • Bwantsa-Kafungu, J'apprends le lingala tout seul en trois mois'. Centre de recherche pédagogique, Centre Linguistique Théorique et Appliquée, Kinshasa 1982.


関連項目[編集]

外部リンク[編集]