エスノローグ

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エスノローグEthnologue: Languages of the World, 民族語の意)はキリスト教系の少数言語の研究団体国際SILの公開しているウェブサイトおよび出版物。2005年に発表された第十五版では、世界の言語6912について話者数、分布、方言、系統、聖書の翻訳の有無などを掲載している。言語に関する目録としてはLinguasphere Observatoryに次ぐ規模であるが、一部の言語では記述が古いままである。

SILコード[編集]

エスノローグは1984年に、SILコード(SIL code)と呼ばれるアルファベット三字の言語の略号を発表した。分量は当時のISO 639-1rfc3066を大きくしのいでいた。2000年の第十四版で7148言語のコードを発表したがISO 639-2と整合しないものであった。2002年ISOはSILとの間で対応付けに関する協議を設け[1]、 SILコードの分類を反映させた ISO 639-3 を共同で開発した。この過程で、第十四版と第十五版のSILコードの間では、一部の言語に関してコードの変換が必要となった。第十五版のSILコードはISO 639-3に準拠しており、7299言語を収録している[2]

批判[編集]

学術上の論争[編集]

エスノローグでは、言語学者や一般の人の理解と異なる分類を載せることがある。例えば、エスノローグは、日本で使われている言語として日本語アイヌ語朝鮮語とともに、喜界語、北奄美語、南奄美語、徳之島語、沖永良部語、与論語、国頭語、中央沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語といった言語を多く挙げている。[3]。しかしこれらの言語は、一般的には琉球語(琉球方言)の諸方言とみなされている[4]。また多数の分類を行った国際SIL自体も、方言であるとの意見を排除しないと表明している。

研究動機や設立の経緯に対する批判[編集]

エスノローグの言語学面での功績を賞賛しつつも、活動の動機について強い批判を寄せる意見もある。上述の通り、国際SILはキリスト教系の団体であり、純粋に言語学的な活動というよりも宗教的な側面があると指摘される[5]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Peter Constable and Gary Simons, Mapping Between ISO 639 and the SIL Ethnologue: Principles Used and Lessons Learned, SIL International (2001)
  2. ^ Three-letter codes for identifying languages: Updating codes from the 14th Edition to the 15th Edition Ethnologue (2005)
  3. ^ Ethnologue report for Japan,Ethnologue (2005)
  4. ^ 亀井孝河野六郎千野栄一 編著 『言語学大辞典セレクション 日本列島の言語』 三省堂 (1997)
  5. ^ マーク・エイブリー著 『「消えゆくことば」の地を訪ねて』白水社

外部リンク[編集]