メトロビアスS.A.

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メトロビアスMetrovias S.A.)はアルゼンチンの首都ブエノスアイレス市内の地下鉄スペイン語:Subte de Buenos Aires)および郊外を走る公共鉄道路線の運営会社。

2007年現在の路線図
2007年現在の路線図

目次

[編集] 概要

A線の車内(木造車)
A線の車内(木造車)

ブエノス・アイレスにおける地下鉄の歴史は、1913年のA線開業から始まる。この地下鉄は、ラテンアメリカスペインを含むスペイン語圏初の地下鉄として開通した。そのため、ブエノス・アイレスの地下鉄はスペイン語本来のMetro(メトロ)ではなくSubte(スブテ)と表記してある。ブエノス・アイレスの地下鉄は日本最古の地下鉄銀座線建設のモデルにもなっており、この開業は日本地下鉄の歴史においても重要な出来事である。

1993年、ブエノス・アイレス近郊鉄道及び地下鉄の民営化事業に伴い、ブエノス・アイレス地下鉄公社(スペイン語:Subterráneos de Buenos Aires S.E.)からメトロビアスに地下鉄の営業権が譲渡された。新線の建設及び地下鉄線の保有は、引き続きブエノス・アイレス地下鉄公社が行っており、いわゆる上下分離方式による運営となっている。

現在、メトロビアスは、現在、A線~E線、H線の地下鉄線(スブテ)の他に、プレメトロ(P線、路面電車)、ウルキサ線(U線、郊外地上鉄道路線)を営業をしている。

[編集] 路線と車両

[編集] A線(Línea A)

  • 路線
    • もっとも古い路線で、市内中心部のプラサ・デ・マヨ駅から、コングレッソ、オンセ地区を通りカバシート地区のプリメーラ・フンタ駅を結ぶ。
    • 2007年現在、終点プリメーラ・フンタ駅から、リバダビア大通りの下をナスカ大通りまで3駅の延伸工事が行われている。
  • 車両
    • 1913年の開業期に英国ユナイテッドエレクトリック社もしくはベルギーのブルジョワーズ社で製造された車両が使用される。全長15800mm、幅2600mmで木造(一部鉄板張り)である。一部、鋼製車体に交換したものもあるが、殆どは木造のままで老朽化が著しい。

[編集] B線(Línea B)

B号線の車内(旧丸ノ内線の車両)
B号線の車内(旧丸ノ内線の車両)
  • 路線
    • ブエノス・アイレス中心部から、コリエンテス大通りの下を通りパルケ・チャス地区に至る路線。フェデリコ・ラクローサ駅でウルキサ線(U線)に接続している。
    • 2007年現在、ロス・インカス駅からビジャ・ウルキサまで2駅の延伸工事が行われている。
    • なお、当路線だけが第三軌条方式集電を採用している。
  • 車両
    • 1995年に日本の東京から譲渡された車両を使用している。もと営団丸ノ内線300/500/900形である。譲渡当時、状態の良さと現代の車両とも通じる設備でありながら、30年以上使用された車両であることに驚いたという話がある。現在でも、側面にステップが設置された以外は、譲渡時の形態をほぼ留めている。
    • この投入で従来の車両は淘汰された。

[編集] C線(Línea C)

  • 路線
    • ブエノスアイレス市内中心部を南北に貫き、北方面の交通ターミナルであるレティーロ駅と、南方面の交通ターミナルであるコンスティトゥシオン駅の間を結ぶ路線。
    • H線開業までは唯一の環状方向の路線であった。
  • 車両

[編集] D線(Línea D)

  • 路線
    • ブエノスアイレス市内中心部から市内北部バリオ・ノルテ、パレルモ、ベルグラーノ地区など山手地区への路線。
  • 車両
    • 3種類の車両が使用されている。
    • (1)1980~1990年代に製造された車両。フィアット社製の車体に、ドイツAEGもしくはシーメンス社製の電装品を搭載している。
    • (2)名古屋から譲渡された車両。C線と同じである。
    • (3)2001年からアルストム社で製造された車両。ブラジルもしくはアルゼンチン国内で製造されている。

[編集] E線(Línea E)

Linea Premetro E2
Linea Premetro E2
  • 路線
    • ブエノスアイレス中心部から市内南部地区への路線。終点ビレーシェス駅でプレメトロ(P線、路面電車)に乗り継ぐことが出来る。
    • 利用客が比較的少ない路線である。
    • 中心部側の終点ボリバール駅からレティーロまで延伸し、H線と接続させる計画がある。
  • 車両
    • 1964~1966年で製造された車両が使用される。自国FM社製の車体に、G.E.スペイン社製の電装品を搭載している。

[編集] H線(Línea H)

  • 路線
    • 2007年10月18日、オンセ駅からパルケ・パトリシオス地区カセーロス駅の区間が開業。1944年のE線開業以来63年ぶりの新路線となる。
    • 2007年10月現在、カセーロス駅‐パルケ・パトリシオス駅‐ホスピタルス駅間、及びオンセ駅‐コリエンテス駅間が工事中である。将来は南側はヌエバ・ポメーシャ、北側はレコレータ地区を通りレティーロ駅までの延伸が計画されている。
  • 車両
    • 新車両導入が困難であることから、開業に当たって C線の予備車両を用いることになった。

[編集] F線、G線、I線

計画中の路線。H線完成後の着工が見込まれている。


[編集] ウルキサ線(Urquiza Railroad)

    • 1973年の電化開業当時から使用されている車両は全て日本製である。1960~1980年代当時、日本からの新車輸出が盛んだった頃に作られたもので主に日本車輌近畿車輛川崎重工日立製作所といったお馴染みのメーカーが総力を挙げて製造した。これが決起となり、後のロカ線電化用向け電車車両も日本メーカーで製造されることとなった。

[編集] 料金と乗車券

[編集] 地下鉄線

乗車券は、紙製磁気カードの SubtePass(スブテパス)と、リチャージ可能なICカード乗車券 MONEDERO(モネデーロ)の2種類である。全ての駅に自動改札が導入されており、乗車の際には、スブテパスを挿入、または、モネデーロをタッチして通過する。

料金は全路線90センターボ均一(2008年1月1日改定)である。回数タイプのスブテパス、及び、モネデーロの利用による割引はない。

スブテパスは、2000年に導入され、1回券、2回券、5回券、10回券、30回券があり、各駅の窓口で購入できる。使用日時、残回数はカード裏面に印字される。

ICカード乗車券は、2003年に SubteCard(スブテカード)という名称で導入され、2007年に電子マネー展開を目指し、名称がモネデーロに変更された。地下鉄以外に、一部のキオスコ、薬局、書店等で代金の支払いにも利用できる。

モネデーロは一部の地下鉄駅、及び、ウルキサ線ターミナルのフェデリコ・ラクローサ駅などにある発行センターで入手できる。モネデーロカード自体は一人2枚までは無料で発行されるが、初期チャージ25ペソが必要である。また、発行を受けるには、DNI、パスポートなどの身分証明書が必要である(短期滞在の外国人でも発行可能)。

リチャージは、全ての地下鉄駅の券売窓口で行える。

[編集] 車両・線路・関連設備などのメンテナンス

ブエノスアイレス地下鉄B線で運行している営団500形電車
ブエノスアイレス地下鉄B線で運行している営団500形電車

1913年開業以来、車両・線路・変電所などの関連設備はほとんど更新されず、定期的なメンテナンスも行っていなかった。1994年の丸ノ内線車両を譲渡の際、当時の営団職員と関連会社のメトロ車両職員が実際に現地を訪れた際は車両、設備とも想像を絶するほどの状態の悪さには愕然としたという。

これを受けた営団、メトロ車両職員は早速現地の車両工場で技術指導を実施。更にメトロビアス職員一同が日本訪問時に営団地下鉄を見学し、営団車両工場の業務実態を見学したうえ、故障が発生してからその都度直す事後保守から、故障の有無に関わらず定期的な保守を通じて一定の稼働率を確保する予防保守へと転換した。現在でもメトロ車両職員が技術指導のため、度々当地を訪れる。

今後は車齢の極めて高い木造車が使用され、車両故障の多いA線や老朽化したフィアット製と独シーメンス製のオリジナル車の代替にC/D線をアルストム・ブラジル社またはアルストム・アルゼンチン製の新型車に切り替える事を初め、既存路線の線路交換工事などの関連設備を更新する事を向こう数年をかけて行うことを発表した。

線路工事を行う際に必要なマルチプルタイタンパー車(マルタイ車)を数台、オーストリアプラッサー&トイラー社およびプラッサーアメリカン社などから導入し線路工事にてフル稼働中である。

駅構内でも改修工事が行われており、階段やエレベータなどの更新工事もおこなわれている。

エスカレーター設置工事も行っており、特にバリアフリー対策には積極的である。


[編集] その他

1960年代から1980年代にかけて日本国は、アジア、アフリカ、中南米向けの鉄道車両輸出が最も栄えた時代だった。しかし、1990年代以降は欧州や韓国、中国、自国メーカーの製造が盛んとなった今は日本からの輸出はB線やC線などで前述した中古車において若干の伸びがあるものの、新車としての輸出は全体的に減少している。

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 園田淳「ブエノス・アイレスにスブテ(地下鉄)をみる」鉄道ピクトリアル791号、99-107,136頁、東京・電気車研究会 2007年7月 (雑誌 06411-7)

[編集] 外部リンク