ブガッティ・ヴェイロン

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ブガッティ・ヴェイロン16.4
Bugatti veyron in Tokyo.jpg
W16エンジン
Volkswagen W16.jpg
販売期間 2005年2011年(標準モデルのみ)
乗車定員 2名
ボディタイプ 2ドアクーペタルガトップ GT
エンジン 8.0L W16 クワッドターボ 736kW(1001PS)/6000rpm(ドイツ馬力のpsに換算すると約1015ps)
1250N・m(127.5kg・m)/2200-5500rpm
変速機 7速セミAT(DSG)
駆動方式 4WD
全長 4466 mm
全幅 1998 mm
全高 1206mm
車両重量 1888 kg
最高速度 407 km/h(標準モデル、Grand Sport)
415km/h(Super Sport)
先代 ブガッティ・EB110
-自動車のスペック表-

ブガッティ・ヴェイロンBugatti Veyron 16.4 )は、ブガッティ・オトモビルが2005年から製造しているスーパーカーである。

1998年、フォルクスワーゲングループによって設立された新生ブガッティブランド初の市販車であり、2005年から発売され同グループのフラグシップともなっている[1]

ヴェイロンの名は初代ブガッティのエンジニア、レーシングドライバーであり、1939年ル・マン24時間レースジャン=ピエール・ウィミーユと共にブガッティ・タイプ57で制するなど活躍したピエール・ヴェイロンから来ている[2]

この自動車を開発したブガッティ・オトモビルは、ドイツフォルクスワーゲンが獲得したブガッティの商標権(ブランド)および製造販売権に基づき1998年に設立された、同社の子会社である。

目次

[編集] 解説

1999年フランクフルトモーターショーにてジウジアーロイタルデザインによるコンセプトカーEB18/3 シロンを発表。シロンの名は、かつてのブガッティのレーシングドライバーであるルイ・シロンから。その後フォルクスワーゲンが独自に手を加え、1999年の東京モーターショーでヴェイロンの名を持つコンセプトモデルが登場、この時のモデル名称はEB18/4 ヴェイロンであった。

2000年モンディアル・ド・ロトモビル(パリサロン)で搭載エンジンがW18気筒からW16気筒に変更され、現在の名称が採用されると同時に、大まかな仕様(最高出力1000馬力以上、最高速400km/h以上)が発表された。2001年には量産化にゴーサインが出ていたが、高速走行時の空力特性、スタビリティの問題や、大型エンジンの採用による排熱の問題もあり、開発は難航していた。

[編集] 仕様

正式車名の「16.4」はV8気筒×2のW16気筒+4ターボチャージャーであることを表している。ミッドシップマウントされた8.0Lの排気量を持つW型16気筒エンジンは4基のターボチャージャーにより過給され、1001馬力を発生する。厳しい冷却条件を満たすため冷却水は50リットル、エンジンオイルは23リットル必要である。製造時、このエンジンはすべて8時間のベンチテストにかけられた後、6500rpmのレッドラインで数分間回される。

4輪駆動で、発進から100km/hまで2.5で加速し、200km/hまでは7.5秒、300km/hまでは16.7秒、0-200mは6.6秒(到達速度188km/h、カーグラフィック誌計測)、0-400mは9.95秒(到達速度235km/h、同誌計測)、そして最高速度は407km/hに達するとメーカーより発表されている。ただし最高速に達するまでには11km、そこからのブレーキングに500mが必要なため、最高速を出すには最低11.5kmの直線が必要になる。また407km/hのトップスピード時の燃費は0.8km/Lであり、100リットルの燃料タンクが12分で空になり、その間の走行距離はわずか80kmである。組み合わされるトランスミッションは7段DSGである。これはクラッチペダルが無い2ペダル方式のため、日本オートマチック限定免許でも運転できる。

フルオートマチックモードとセミオートマチックモードが備わる。セミオートマチックモードのときはステアリングホイール裏側のパドルで操作する。このトランスミッションのエンジニアリングを担当したのはイギリスリカルド社である。

ヴェイロンで実際に407km/hを出すには、一旦停車しブレーキペダルを踏んだ状態で、専用のキーを運転席横のサイドシルに差し込まなければならない。これにより車高が最低位置まで下がり、リアウィングの水平からの角度が最低の2度まで下げられる。なお事前に、全てのタイヤ及びマグネシウムホイールを新品に交換するという条件をも満たさなくてはならない。

タイヤはヴェイロンの最高速に合わせたミシュラン特製のPAXランフラットタイヤで、価格は1セット2万5000ドルと報道されている[3]

また、高速走行する際に地上最低高とリアウィングの高さを3段階調整することができる。地上最低高はノーマルが120mmなのに対し「ハンドリングモード」に切り替えると80mmになり、さらに「トップスピードモード」に切り替えると60mmにまで低くなる。リアウィングは油圧式で、最大にするとルーフを越えるまで上昇する。ブレーキを踏むと立ち上がりエアブレーキとなる。

[編集] 発売

2005年の東京モーターショーで生産型が正式に発表され、2006年6月からデリバリーが始まった。300台を上限として限定生産される。

たとえ300台を超える受注があっても増産することはなく、受注が300台に満たない場合でも生産期間を引き伸ばすことはないという。このうち日本への割り当ては5%の15台である。ただこれはあくまで予定ということで、もし日本で15台を超える受注があった場合、世界全体の受注が300台に満たない状態であれば販売していくとのこと。

ブガッティ・オトモビルから指名された日本の正規発売代理店であるニコル・レーシング・ジャパンアルピナの輸入権を持つ会社として知られる)は車両価格1億6300万円(税込)で販売開始した。これは100台単位で生産される自動車としては世界最高額であるが、日本ではこれまで4度の価格改定を経て、2009年11月以降の定価は1億7900万円(税込)となっている。最大の市場であるアメリカ合衆国でのメーカー希望小売価格は125万ドルである。

実際に購入するに当たってブガッティおよびその車のイメージが損なわれることを避けるための審査が行われる。まず日本の代理店であるニコルレーシング・ジャパンが顧客の情報を事前に確認、問題はないと判断された上、職業、購入目的等(年収審査は存在しない)の情報をブガッティ本社に送り、審査が行われる。これらの審査を通過した時点で購入の事前確認が完了し、約5千万円の予約金を支払うと、航空券(ファーストクラス)を伴った招待状が届き、モールスハイムのブガッティ本社へ招待される。そこで車の内外装、他オプション等を決め、シートの形状、サイズ、位置などオーナーに合わせ、ブガッティの用意したテストコース(サーキットや公道など)で試乗をし、納車までの間に残りの金額を支払い最終的に納車となる。本社に行かずに日本で仕様を決めることも可能である[4]。 購入した顧客にはブガッティのオーナークラブへの入会資格があり、クラブではオーナー同士が400km/hオーバーを目指すレース等のイベントが行われる。

2007年、日本で新規登録されたブガッティは3台であった[5]

2011年8月、ブガッティは、300台限定で生産していたヴェイロン16.4の完売を発表した。但しオープン・モデルである「ヴェイロン16.4 Grand Sport」は継続販売される[6]

[編集] 販売台数

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 累計
5[7] 44[8] 81[9] 71[10] 50[10] 40[11] 9 300

[編集] 特別仕様

[編集] 標準モデルベース

[編集] Pur Sang

Pur Sang

ピュール・サン(フランス語で「純血」「サラブレッド」の意味)は、2007年9月11日フランクフルトモーターショーにて発表[12]。 5台限定で、ボディはクリア塗装でアルミニウム合金、カーボンファイバーがそのまま見える仕様となっている。専用のダイアモンドカットフィニッシュアルミホイールが装着される。発表後24時間で完売となった[13]

[編集] Fbg par Hermès

Fbg par Hermès
Fbg par Hermès 内装

2008年3月4日、ジュネーヴモーターショーにて発表されたエルメス仕様モデル[14]。Fbgとはエルメス本社の住所「rue du Faubourg Saint-Honoré」の「Faubourg」から来ている[15]

デザインはエルメスのガブリエーレ・ペッツィーニが手掛けた。ボディカラーは専用色「チョコレート」でホイールには中央にHマークが付けられる。内装はエルメスレザーで内側ドアハンドルはエルメスのトランクのハンドルを連想させるデザインとなっている。フロントグリルはHマークのモノグラムデザインとなっている。給油ドアには車名が刻まれている。

[編集] Sang Noir

サン・ノアー(フランス語で「黒い血」の意味)は15台限定[16]。オールブラックのエクステリアと明るいオレンジのインテリアが特徴のクーペ。

[編集] Bleu Centenaire

ブルー・サントネールは、2009年ジュネーヴモーターショーで発表されたブガッティブランド100周年記念モデル[17]。ボディ色はブガッティブルーでマットと光沢のコンビネーションとなっている。ホイールも専用で、ブレーキキャリパーはレッドにペイントされている。

[編集] Grand Sport

グランスポーツは、タルガトップ仕様である。2008年8月、ペブルビーチ・コンクールデレガンスにて発表された[18]。2009年4月から製造を開始した。タルガトップを採用しているため、剛性の低下を防ぐ大幅なボディ強化が行われた。フロントガラスや走行用ライトにも小変更が加えられた。取り外し可能なポリカーボネート製ハードトップのほかトランクに収納できる緊急用のソフトトップがある。最高速度はハードトップを装着した場合は標準のクーペモデルと変わらないが、ソフトトップ装着の場合は130km/hとなる。 最初の1台目はオークションにかけられ販売価格を上回った分は全額チャリティーに寄付された[19]

[編集] Grand Sportベース

[編集] Grand Sport Sang Bleu

グランスポーツ・サン・ブルー(サン・ブルーはフランス語で「青い血」の意味)は2009年8月ペブルビーチ・コンクールデレガンスで発表[20]。タルガトップのボディはブルーカーボンファイバーとポリッシュ加工アルミニウムとなっており、リアエアスコープもブルーに着色されている。ホイールはミッドナイトブルーハイライトとダイヤモンドカット加工のツートン仕様となっている。

[編集] Grand Sport Grey Carbon

グランスポーツ・グレーカーボンは、2010年ジュネーブモーターショーで公開された[21]。タルガトップのボディにクリアカーボンファイバーとメタリックグレーアルミニウム塗装となっており、下部ラインはポリッシュ加工アルミニウムとなっている。内装はライトグレー。

[編集] Grand Sport L'or Blanc

グランスポーツ・ロル・ブランは、2011年6月に発表され、フランクフルトモーターショーで公開された。ベルリン王立磁器製陶所(KPM)とのコラボレーションモデルであり、内外装に陶磁器の要素が取り入れられている。

[編集] Super Sport

スーパースポーツは、エアロパーツの改良や足回りの強化が図られ、エンジンは最高出力は199psアップの1200ps、最大トルクは25.5kgf・mアップの153kgf・mを発生するモデル。ボディタイプはクーペ。

2010年7月、ブガッティの開発ドライバーであるピエール=アンリ・ラファネルによって最高速チャレンジが行われた。フォルクスワーゲン社所有の、9kmの直線を持つエーラ・レシエン・オーバルテストコースを両方向に走り、1回目427.988km/h,2回目434.211km/h,平均で431.072km/hを記録し、2007年9月にSSC・アルティメットエアロTTが記録した世界最高速記録(412.28km/h)を更新した[22][23][24]

2010年8月、ペブルビーチ・コンクールデレガンスにて公式発表され、30台程度が限定生産された。日本国内での販売価格は2億8900万円。最初の5台は「ワールドレコードエディション」と呼ばれ、ギネス記録挑戦に使用したものと同様にボディカラーはマットブラックとオレンジの組み合わせとなっている。市販仕様では、タイヤ保護のためリミッターが415.07㎞/hで掛かるようになっている。

2011年9月に標準モデルとともに生産を終了した。

[編集] Merveilleux

スーパースポーツ・メルヴィーユは、スーパースポーツをベースに製作されたワンオフモデル。中国に住む大富豪の男性が自身の40歳の誕生日を記念してオーダーしたもので、ブガッティのCEOやドライバーのラファネル氏など幹部からはメッセージ動画がYouTubeを介して贈られた。

[編集] 関連項目

[編集] 参考

  1. ^ フォルクスワーゲングループ2005年度年間報告書
  2. ^ bugatti.com - Pierre Veyron”. 2010年9月14日閲覧。
  3. ^ Phillips, John (2008年12月). “Bugatti Veyron 16.4 - Road Test: Molsheim Moonshine: It achieves 60 mph in 119 feet. It costs $1.7 million.”. Car and Driver. 2008年11月14日閲覧。
  4. ^ ブガッティ・ブランド・アンバサダー“こもだ きよし”
  5. ^ 2007年度外国メーカー車登録台数 日本自動車輸入組合
  6. ^ ブガッティ、ヴェイロン16.4が完売、オープンモデルは継続販売 - 2011年8月18日 Car View
  7. ^ Automobil Revue, catalogue edition 2006, p. 46
  8. ^ Automobil Revue, catalogue edition 2008, p. 47
  9. ^ Volkswagen AG Annual Report 2008
  10. ^ a b http://www.volkswagenag.com/vwag/vwcorp/info_center/en/publications/2010/03/Annual_Report_2009.-bin.acq/qual-BinaryStorageItem.Single.File/Y_2009_e.pdf
  11. ^ http://www.volkswagenag.com/vwag/vwcorp/info_center/en/publications/2011/03/Volkswagen_AG_Geschaeftsbericht_2010.-bin.acq/qual-BinaryStorageItem.Single.File/GB_2010_e.pdf
  12. ^ The Bugatti EB 16.4 Veyron "Pur Sang"”. Bugatti.com (2007年10月11日). 2009年8月29日閲覧。
  13. ^ Bugatti Veyron Pur Sang: pure blooded exclusivity”. MotorAuthority.com (2007年9月12日). 2009年8月29日閲覧。
  14. ^ Bugatti Veyron Fbg par Hermes”. 2010年9月14日閲覧。
  15. ^ エルメスデザインの「ブガッティ・ヴェイロン」は2億7800万円【ジュネーブショー08】”. 2010年9月14日閲覧。
  16. ^ Update: Bugatti Veyron Sang Noir limited to just 15 cars”. MotorAuthority.com (2008年6月29日). 2009年8月29日閲覧。
  17. ^ Geneva 2009: Bleu Centenaire is every bit as special as any other Bugatti Veyron
  18. ^ Bugatti Veyron Grand Sport debuts at Pebble Beach Concours d'Elegance”. LeftLaneNews.com (2008年8月18日). 2009年8月29日閲覧。
  19. ^ Monterey 2008: First Bugatti Veyron 16.4 Grand Sport auctioned for $3.19 million”. AutoBlog.com (2008年8月16日). 2009年8月29日閲覧。
  20. ^ Bugatti Veyron Grand Sport "Sang Bleu" unveiled in Monterey — Autoblog”. 2010年9月14日閲覧。
  21. ^ Bugatti VeyronGrand Sport Grey Carbon”. Sybarites.org (2010年3月7日). 2010年6月29日閲覧。
  22. ^ Bugatti Veyron 16.4 Super Sport sets land speed record at 267.81 mph!”. Autoblog (2010年7月5日). 2010年7月5日閲覧。
  23. ^ Bugatti Veyron 16.4 Super Sport breaks landspeed worldrecord!”. Used Cars Centre (2010年7月5日). 2010年7月5日閲覧。
  24. ^ Bugatti Veyron 16.4 Super Sport Pictures”. DieselStation (2010年7月5日). 2010年7月6日閲覧。

[編集] 外部リンク

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