ドス (バンド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドス
Dååth
2007年、ニューヨークでのライヴ
基本情報
別名 ダートナップ (Dirtnap) (2000 - 2003)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ジョージア州 アトランタ
ジャンル デスメタル
プログレッシブデスメタル[1]
メロディックデスメタル[1]
エクスペリメンタルデスメタル[1]
活動期間 2000年 -
レーベル ロードランナー・レコード
センチュリー・メディア・レコード
メタル・ブレイド・レコーズ
アヴァロン・レーベル
メンバー ショーン・Z (ボーカル)
イアル・レヴィ (ギター)
ジェシー・ズレッティ (オーケストレーションシンセサイザー、ギター)
ケリム・"クリム"・レヒナー (ドラムス)
ラファエル・トルヒーリョ (ギター)
旧メンバー ショーン・フェイバー (ボーカル)
サム・クアドラ (ギター)
エミル・ウェスラー (ギター)
クリス・デール (ベース)
ジェレミー・クレーマー (ベース)
マイク・キャメロン (シンセサイザー、キーボードバック・ボーカル)
エリック・サンダース (ドラムス)
コーリー・ブリューワ (ドラムス)
マット・エリス (ドラムス)
ケヴィン・タリー (ドラムス)

ドス (Dååth)は、アメリカ合衆国デスメタルバンド。バンド名のDååthは、旧約聖書中の生命の樹におけるセフィラの内、隠されたセフィラであるダアト (Da'at, 「知識」の意)に由来し、本来はヘブライ語でדעתと綴られる[2]。バンド名は、それをラテン文字に転写したものである[2]

略歴[編集]

1990年代初めごろに、バンド・リーダーとなるイアル・レヴィ (G)とマイク・キャメロン (Syn)が出会い、セッションを行ったり、曲作りを行うようになる[2]。ただし、バンドを結成した訳ではなかった[2]。この頃は、スラッシュメタルデスメタルブラックメタルから影響を受けていた[2]

その後、イアルとマイクはバークリー音楽大学へと進学[2]。在学中に、ダートナップ (Dirtnap)というスラッシュメタルバンドを結成。3年間程、大学生活と並行しながらバンド活動を行う。このバンドには、ショーン・フェイバー (Vo)が加入している。バンド活動に専念するために、イアル、マイク、ショーン共々バークリー音楽大学を中途退学[3]。バークリー音楽大学のあるマサチューセッツ州ボストンから、ジョージア州アトランタに拠点を移してバンド活動を本格化[2]。この時期にバンド名を、ドス (Dååth)に改めている。クリス・デール (B)、エリック・サンダース (Ds)を加えて、2004年に自主制作で1stアルバム『Futility』をリリースする。クリスとエリックはリリース前後に脱退しているが[3]、元々セッション参加だったのかは判然としない[2]。同年に、エミル・ウェスラー (G)とジェレミー・クレーマー (B)が加入[2][3]。この録音の時期に、後に正式ドラマーとなるケヴィン・タリー (Ds)と出会っている。出会った当初から、エリックの後任として加入を要請していたが、なかなか実現できず[2]、エリック脱退後のドラマーは、コーリー・ブリューワ (Ds)やマット・エリス (Ds)らが参加するなど流動的な状態が続いた。

2005年頃から、レコード会社との契約を得るためにアルバム制作に取り掛かる[2]。契約目的で制作されたアルバムは、『The Hinderers』と題され、全10曲であった[2]。このプロモーション・アルバムによって大手レコード会社のロードランナー・レコードと契約するに至る[2]。契約後、この『The Hinderers』を1stアルバムとしてリリースすることが決定し、リミックスと新曲3曲のレコーディングが行われた[2]。このレコーディングの頃に、正式ドラマーのケヴィン・タリーが加入している。2007年に2ndアルバム『The Hinderers』をリリースし、メジャーデビュー。ドラマーが流動的だったことから、同アルバムでは曲によってにドラマーが異なり、エリック、マット、ケヴィンの3人がドラムを叩いている。このアルバムは、ビルボードのヒートシーカーズ・チャートで49位にランクインし、オズフェストやサマー・スローター・ツアーにも参加した[2]。同年秋には、EXTREME THE DOJO Vol.18で初来日も果たしている。

日本から帰国後、フロントマンのショーンが解雇される[2]。この解雇自体は、来日前に決定していた[2]。セッションメンバーを経て、ショーン・Z (Vo)が2008年初めに加入[2]。更にこの頃に、マイクも脱退した[2]。キーボーディストの補充はなかった。その後、センチュリー・メディア・レコードへ移籍。2009年に3rdアルバム『The Concealers』、2010年に4thアルバム『Dååth』をリリースした。2013年現在は、センチュリー・メディア・レコードを離脱している模様[4]

4thアルバムリリース後から活動が停滞するようになり、2010年代中盤以降は事実上の活動休止状態が続いた。2021年の年末ごろより、活動再開を仄めかす投稿が公式Facebookページに投稿されるようになった[5]2022年5月には、活動再開の報道がなされた[6]。インタビューに応じた、ショーン・Zは、自身とイヤル・レヴィは活動再開後も参加するものの、活動休止前のドラマー、ケヴィン・タリーが不参加となったこと、残るエミル・ウェスラーとジェレミー・クレーマーの参加は不透明とされた[6]。不在のドラマーには、セプティックフレッシュのドラマーであり、デヴィン・タウンゼンドなどでライヴドラマーを務めるクリム (Ds)が参加したものの[7]、結局、同年8月にウェスラーは活動再開に参加しないことになった旨が発表された[8]。同年中に新曲のレコーディングが行われ、12月にはイアル、ショーンに加えてジェシーとクリムの4名の連名で本格的に活動を再開する声明が発表された[9]2023年2月、復活策となるシングル「No Rest, No End」がメタル・ブレイド・レコーズから発表され、ラインナップが、ショーン・Z (Vo)、イアル・レヴィ (G)、ジェシー・ズレッティ (Orchestration, Syn, G)、クリム (Ds)の4名となっていることも発表された[10][1]。なお、個別に脱退の発表はなかったが、ベーシストのクレーマーも再結成には参加しておらず、セッションメンバーとしてデイヴ・マルヴリオ (B)が参加している[1]

日本では、『The Hinderers』がロードランナー・ジャパン、『The Concealers』以降がアヴァロン・レーベルからリリースされている。

2010年には、ギタリストのイアル・レヴィとエミル・ウェスラーの2人が中心となり、インストゥルメンタルプログレッシブ・メタルバンド、レヴィ/ウェスラー(Levi/Werstler)を結成。アルバムをリリースしている。

メンバー[編集]

現メンバー[編集]

シンセイナム[注釈 1]キマイラなどでも活動。
  • イアル・レヴィ (Eyal Levi) - ギター
父はクラシック音楽指揮者として著名なヨエル・レヴィ。ヨエルは、イングヴェイ・マルムスティーンと共演している。ヨエルはチェコ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮し、「エレクトリック・ギターとオーケストラのための協奏組曲 変ホ短調『新世紀』」という楽曲をイングヴェイと発表している。ヨエルがヘヴィメタルミュージシャンと共演することになったのは、イアルからの影響もあるという[2]
バイナリー・コードでも活動。
オーストリア出身。セプティックフレッシュディキャピテイテッド、アクト・オヴ・デナイアル、エボンクラウン、ソーンズ・オヴ・アイヴィーなどのバンドの他、ソロ名義などでも活動。ライヴセッションで、デヴィン・タウンゼンド、ハラキリ・フォー・ザ・スカイ、ベヒーモス、レデンプター、ヴェサニアなどにも参加経験がある。
  • ラファエル・トルヒーリョ (Rafael Trujillo) - ギター

旧メンバー[編集]

  • ショーン・フェイバー (Sean Farber) - ボーカル
  • サム・クアドラ (Sam Cuadra) - ギター
  • エミル・ウェスラー (Emil Werstler) - ギター
キマイラでも活動。アンアースのライヴにギタリストとして参加したことがある。
  • クリス・デール (Kris Dale) - ベース
  • ジェレミー・クレーマー (Jeremy Creamer) - ベース
キマイラでも活動。
  • マイク・キャメロン (Mike Kameron) - シンセサイザー、キーボードバック・ボーカル
  • エリック・サンダース (Eric Sanders) - ドラムス
  • コーリー・ブリューワ (Corey Brewer) - ドラムス
  • マット・エリス (Matt Ellis) - ドラムス
  • ケヴィン・タリー (Kevin Talley) - ドラムス
キマイラダイイング・フィータスヘイト・エターナルミザリー・インデックスサフォケイションなどでも活動。

セッションメンバー[編集]

  • デイヴ・マルヴリオ (Dave Marvuglio) - ベース
2021年の活動再開後より参加。レッサー・グロウなどで活動。

ディスコグラフィ[編集]

スタジオアルバム[編集]

EP[編集]

  • 2007 Dead on the Dance Floor (EP)

シングル[編集]

  • 2003 Child Says / Filter (Single)
  • 2005 Ovum (Single)
  • 2008 Sharpen the Blades (Single)
  • 2008 Fecal Finger (Single)
  • 2009 The Worthless (Single)

注釈[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e DÅÅTH|The Philosopher”. Metal Blade Records. 2023年4月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 渡辺清之『ザ・コンシーラーズ』(CDライナー)ドス、アヴァロン・レーベル、東京都、2009。MICP-10853。 
  3. ^ a b c Jumbo『ザ・ヒンダラーズ』(CDライナー)ドス、ロードランナー・ジャパン、2007。RRCY-21291。 
  4. ^ Former Artists”. センチュリー・メディア・レコード. 2013年4月9日閲覧。
  5. ^ ????????”. Daath Official Facebook (2021年12月17日). 2023年4月30日閲覧。
  6. ^ a b Greg Kennelty (2022年5月17日). “DAATH Is Recording New Music With One Of The "Top Drummers In Metal Right Now"”. Metal Injection. 2023年4月30日閲覧。
  7. ^ Eyal here with our 2nd studio update. Drums for...”. Daath Official Facebook (2022年8月2日). 2023年4月30日閲覧。
  8. ^ Hello everyone, we just wanted to confirm that...”. Daath Official Facebook (2022年8月6日). 2023年4月30日閲覧。
  9. ^ Announcement coming soon. Stay tuned!...”. Daath Official Facebook (2022年12月6日). 2023年4月30日閲覧。
  10. ^ Greg Kennelty (2023年2月22日). “DÅÅTH Returns After 13 Years With Massive New Single "No Rest, No End"”. Metal Injection. 2023年4月30日閲覧。

外部リンク[編集]