タウ粒子

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タウ粒子(タウオン)
組成 素粒子
粒子統計 フェルミ粒子
グループ レプトン
世代 第三世代
相互作用 弱い相互作用
電磁相互作用
重力相互作用
反粒子 反タウ粒子(τ+
 
)
理論化
発見 マーチン・パール (1975)[1][2]
記号 τ
 
質量 1,776.82±0.16 MeV/c2[3]
平均寿命 2.906(10)×10−13 s[3]
電荷 e
色荷 持たない
スピン 12

タウ粒子 (tauon, τ) とは、素粒子標準模型の第三世代の荷電レプトンである。英語名でタウオンと表記することもある。

性質[編集]

タウ粒子は、電気素量に等しい負の電荷と1/2のスピンを持ち、その反粒子である反タウ粒子は電気素量に等しい正の電荷と1/2のスピンを持つ。静止したタウ粒子の質量は1776.99MeV/C2陽子の約1.89倍の重さ)、平均寿命は2.90×10-13秒である。タウ粒子は、弱い相互作用によってハドロンに崩壊しうる唯一のレプトンである。17.84%のタウ粒子はタウニュートリノ電子電子ニュートリノに、17.36%のタウ粒子は、タウニュートリノ、ミュー粒子ミューニュートリノに崩壊する。

τという記号は、ギリシア語のτριτον (triton, "third", "三番目") を意味する。これはタウ粒子が三番目に発見された荷電レプトンであったことに由来する[4]

歴史[編集]

タウ粒子は、その大きな質量のために電子や陽電子、ミュー粒子に比べるとかなり発見が遅かった。1975年にスタンフォード線形加速器センターマーチン・パールらによって、電子・陽電子衝突実験の際に発見された。パールはこの業績によって、フレデリック・ライネスとともに1995年にノーベル物理学賞を受賞している。

脚注[編集]

  1. ^ L.B. Okun (1980). Quarks and Leptons. V.I. Kisin (trans.). North-Holland Publishing. p. 103. ISBN 0-444-86294-7. 
  2. ^ M. L. Perl et al. (1975). “Evidence for Anomalous Lepton Production in pe
     
    Annihilation”
    . Physical Review Letters 35 (22): 1489. doi:10.1103/PhysRevLett.35.1489. http://prola.aps.org/pdf/PRL/v35/i22/p1489_1.
     
  3. ^ a b J. Beringer et al. (Particle Data Group) (2012). Leptons. “Review of Particle Physics”. Physical Review D 86 (1): 010001. Bibcode 2012PhRvD..86a0001B. doi:10.1103/PhysRevD.86.010001. http://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevD.86.010001. 
  4. ^ M.L. Perl (1977). “Evidence for, and properties of, the new charged heavy lepton”. In T. Thanh Van (ed.). Proceedings of the XII Rencontre de Moriond. SLAC-PUB-1923. http://slac.stanford.edu/pubs/slacpubs/1750/slac-pub-1923.pdf 

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • M. L. Perl et al, "Evidence for Anomalous Lepton Production in e+-e- Annihilation" Phys. Rev. Lett., 35, 1489 (1975)