サイモン・ウィーゼンタール・センター

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サイモン・ウィーゼンタール・センター(ロサンゼルス

サイモン・ウィーゼンタール・センター:Simon Wiesenthal Center、略称SWC)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスにある寛容博物館英語版を運営する組織。
同センターはホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の記録保存や反ユダヤ主義の監視を行い、国際的影響力を持つ。米ロサンゼルスに本部を置き、エルサレム・ニューヨーク・トロント・マイアミ・シカゴ・パリ・ブエノスアイレスなどで事務所を運営。民間の寄付で運営される非政府組織で、2012年は2億6000万ドルの寄付を受けた。

歴史[編集]

サイモン・ヴィーゼンタールは、オーストリア=ハンガリー帝国出身のユダヤ人であり、第二次世界大戦中にはナチス党政権下のドイツによってクラクフ・プワシュフ強制収容所グロース・ローゼン強制収容所ブーヘンヴァルト強制収容所マウトハウゼン強制収容所などに収容されていた。戦後まで生き延びたヴィーゼンタールは、戦後リンツウィーンに事務所を構えてドイツ敗戦後に逃亡した戦争犯罪の疑いがあるナチス党員の追及に尽力した[1]。2003年、戦犯追及の終了を宣言した。1100人以上の戦犯の起訴に貢献、引退を発表した。

1977年にアメリカのロサンゼルスにサイモン・ヴィーゼンタール・センターが開設された。創設者たちのヴィーゼンタールへの好意によってヴィーゼンタールの名が冠されたものである[2]。1982年公開のホロコースト記録映画『ジェノサイド ナチスの虐殺 ホロコーストの真実英語版』の制作に協力した。同映画はアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した[2]

1987年にはカリフォルニア州議会英語版の決議によってサイモン・ヴィーゼンタール・センターの中に「寛容博物館英語版」が建設された。同博物館ではアメリカにおける人種差別の歴史の展示、そしてホロコーストに関する展示が行われている。ワシントンD.Cにある「アメリカ合衆国ホロコースト記念博物館」とともに「アメリカの二大ホロコースト博物館」と称されている[2][3]

寛容博物館はホロコーストの展示場とアメリカの偏見・差別・暴力の歴史の展示場の2つの施設を中心としている[4]。アメリカ人の差別の体験の中にホロコーストを位置付けることで理解しやすくなっている[5]。またそれ以外の20世紀の大量虐殺についての展示もある[5]。ホロコーストに関する展示は大きく3つに分けられており、まず1932年から1933年のドイツにおける自由選挙下でのナチス党の権力獲得について、ついで1930年代終わり頃のドイツ政府と国民によるユダヤ人やその他劣等とされた人々に対する迫害の激化の様子、そして大戦中のドイツ政府と国民によるユダヤ人狩り・ゲットー・強制収容所・大量虐殺についてという順番になっている[5]

人物[編集]

活動・声明[編集]

活動として、インターネットに投稿された差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)を監視する活動も続けている。 監視対象はFacebookTwitterを含む2万のウェブサイトで、運営会社に差別的な表現を投稿させないように対応策を働きかけている[6]

  • 2013年12月26日、エーブラハム・クーパー副所長は、安倍晋三首相の靖国神社参拝に対し「倫理に反している」と非難する声明を発表した[7]。副所長は「戦没者を含め、亡くなった人を悼む権利は万人のものだが、戦争犯罪や人道に対する罪を実行するよう命じたり、行ったりした人々を一緒にしてはならない」と指摘した。
  • 2014年7月24日、エーブラハム・クーパー副所長は、日本記者クラブで記者会見し、従軍慰安婦問題について「戦争犯罪をした側も、被害者も、傍観者も、歴史の舞台から去ろうとしている。八十代、九十代がまだ少しでも残っている今がラストチャンス」と日本の対応を求めた[8]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ウォルター・ラカー著『ホロコースト大事典』(柏書房)ISBN 978-4760124138、87ページ
  2. ^ a b c サイモン・ヴィーゼンタール著『ナチ犯罪人を追う―S・ヴィーゼンタール回顧録』(時事通信社)ISBN 978-4788798090、7ページ
  3. ^ ウォルター・ラカー著『ホロコースト大事典』(柏書房)15・19ページ
  4. ^ ウォルター・ラカー著『ホロコースト大事典』(柏書房)18ページ
  5. ^ a b c ウォルター・ラカー著『ホロコースト大事典』(柏書房)19ページ
  6. ^ 2013年11月8日『朝日新聞』
  7. ^ 2013年12月27日『産経新聞』
  8. ^ 東京新聞 2014年7月25日 [1]

外部リンク[編集]