グローリー (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
グローリー
Glory
監督 エドワード・ズウィック
脚本 ケヴィン・ジャール
原作 リンカーン・カースティン
ピーター・バーチャード
ロバート・グールド・ショー
製作 フレディ・フィールズ
出演者 マシュー・ブロデリック
デンゼル・ワシントン
ケイリー・エルウィス
モーガン・フリーマン
音楽 ジェームズ・ホーナー
撮影 フレディ・フランシス
編集 スティーヴン・ローゼンブラム
配給 アメリカ合衆国の旗 トライスター映画
日本の旗 COLTRI
公開 アメリカ合衆国の旗 1989年12月15日
日本の旗 1990年4月14日
上映時間 122分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $18,000,000
興行収入 $26,828,365[1] アメリカ合衆国の旗カナダの旗
テンプレートを表示

グローリー』(Glory)は、1989年公開のアメリカ映画。アメリカ南北戦争において実在したアメリカ合衆国初の黒人部隊を描く戦争映画

この映画で黒人兵士を演じたデンゼル・ワシントン第62回アカデミー賞および第42回ゴールデングローブ賞の助演男優賞を受賞した。

ストーリー[編集]

南北戦争のときに、北軍内に創設された初の本格的黒人部隊のマサチューセッツ第54連隊英語版。根深い人種差別に苦しむ黒人たちと、差別を憎む白人ショー大佐が、黒人の自由と平等のため、参戦して戦うことを決意する。

正義のために立ち上がったのに、なかなか戦場に回されず、ずっと後方での雑用係であることに不満が爆発した黒人兵士達は、みんなでショー大佐に嘆願する。

大佐が上官に上奏すると、黒人兵は仲間の足手まといになるという理由で却下されそうになる、だが、そんなことは無いと大佐は全力で否定する。ならばと上官は、ワグナー要塞攻略作戦英語版を提案してきた。それは、隊が全滅するかもしれない危険な任務だった。大佐は苦悩しながらも、その作戦に参加する決断をする。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
ソフト版 テレビ版
ロバート・グールド・ショー大佐 マシュー・ブロデリック 神谷明 江原正士
トリップ デンゼル・ワシントン 大塚明夫 菅生隆之
キャボット・フォーブス少佐 ケイリー・エルウィス 金尾哲夫 若本規夫
ジョン・ローリンズ曹長 モーガン・フリーマン 池田勝 渡部猛
シャーツ ジミー・ケネディ 麦人 荒川太朗
トーマス・シアーレス アンドレ・ブラウアー 谷口節 田原アルノ
マルケイ曹長 ジョン・フィン 内海賢二 飯塚昭三
モールス ドノヴァン・リーチ
ラッセル デヴィッド・カラム
アンドリュー知事 アラン・ノース 加藤正之 池田勝
フランシス・ショー ピーター・マイケル・ゴーツ 藤本譲
ミセス・ショー ジェーン・アレクサンダー
ハーカー将軍 ボブ・ガントン 大宮悌二 藤本譲
モントゴメリー大佐 クリフ・デ・ヤング 若本規夫 仲木隆司
ピアース クリスチャン・バスコウス 小島敏彦 梅津秀行
ストロング将軍 ジェイ・O・サンダース

史実との比較[編集]

  • 映画のモデルとなったマサチューセッツ第54連隊英語版は(士官を除いて)完全な黒人部隊としてはアメリカ陸軍最初の正式な部隊の一つだった。(最初の黒人部隊はサウスカロライナ第1義勇軍。)
  • 映画では連隊に参加した黒人たちの多くは南部の州から逃亡してきた元奴隷であったように示唆されているが、奴隷制度から逃げて来た者も一部いたものの、実際には大部分が北部の生まれだった。
  • 映画に登場する第54連隊のメンバーはロバート・グールド・ショー大佐を除いて実名ではない。ショー大佐の副官(カボート・フォーブズ少佐)の名前は本当のショー大佐の別々の友人の姓と名前を組み合わせたもの。
  • 映画ではショーは第54連隊の指揮を執るように言われたその日に受諾しているが、実際には一度断った上で数日後に受諾した。また第54連隊に配属が決まってすぐに大佐に昇進したように描かれているが、記録によれば数ヶ月間少佐のままであった。
  • ワグナー要塞攻略戦の直前、ショー大佐が旗手を指さして「この男が撃たれたら、次に誰が旗を持つのか?」と尋ねるエピソードは事実に基づく出来事だが、実際にこの質問をしたのはジョージ・クロケット・ストロング将軍(General George Crockett Strong)だった。また倒れた旗手に変わって旗を運んだのは黒人のウィリアム・ハーヴェイ・カーニー軍曹(Sergeant William Harvey Carney)だった。彼はワグナー要塞まで旗を運び、第54連隊が撤退するまで敵の砲火の下そこに留まり、傷を負いながらも苦労して自陣まで旗を持ち帰った。この功績により彼は黒人初の名誉勲章の受章者となった。
  • ショー大佐は結婚していたが、映画では触れられていない。
  • ショー大佐の最期は事実に基づいている。彼の最後の言葉は「第54連隊前進!」"Forward Fifty-fourth" であった。
  • 映画では第54連隊の「半分以上」をワグナー要塞の戦闘で失ったと言っているが、公式記録では272人が死傷したとされている。これは第54連隊の約40%に当たる。そのうち戦死者は116人で、これは戦闘参加者の1/5未満の人数。死傷者と敵の捕虜にされた156人を合計すれば「半分以上」になる。
  • 映画ではワグナー要塞を攻撃する連隊の左側に海があるが、これは撮影時の太陽光線の角度を考慮したためで、実際には右側が海であった。
  • 本当の第54連隊の副連隊長はエドウィン・ハロウェル中佐(Lt. Colonel Edwin Hallowell)だった。劇中ケイリー・エルウィスによって演じられたカボート・フォーブズ少佐は彼をモデルにしている。ハロウェル中佐は重傷を負いながらもワグナー要塞の戦いを乗り切り、1865年に解散するまで連隊を率いた。彼の退役時の階級は准将であった。
  • 映画では黒人兵士たちが不当に抑えられた賃金の受け取りを拒否するシーンがあるが、実際にはこの受け取り拒否は黒人兵の自発的意志によるものでなく、その事実を知ったショー大佐が黒人兵たちに示唆したものであった。また、黒人兵の間では「マサチューセッツと週7ドルに万歳だ」と給与の区別を揶揄する俗謡が流行った。
  • ラストで、ショーの亡骸が他の戦死者といっしょに穴に放り込まれるという、南軍によってショーを侮辱したシーンがある。実際にもこれはその目的の行為であり、後に北軍士官の遺体が返還された時においても、ショーの遺体だけは黒人兵と一緒に埋葬されたままであった。しかし後にショーの父親は「息子がそのような方法で埋葬された事を誇りに思っている。」と語っている。


受賞歴[編集]

助演男優賞:デンゼル・ワシントン
撮影賞:フレディ・フランシス
録音賞:ドナルド・O・ミッチャム、グレッグ・C・ルドロフ、エリオット・タイスン、ラッセル・ウィリアムズ二世
視覚効果賞編集賞にもノミネート。)
助演男優賞:デンゼル・ワシントン

出典[編集]

  1. ^ Glory (1989)” (英語). Box Office Mojo. 2010年6月30日閲覧。

外部リンク[編集]