オリンピック野球競技

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野球

夏季オリンピックにおける野球競技は、1904年のセントルイスオリンピック公開競技として初めて実施された。1936年のベルリンオリンピックで再び公開競技として実施され、1952年のヘルシンキオリンピックではフィンランド式野球のペサパッロが公開競技として実施されたが正式種目になることはなかった。以後、1956年メルボルンオリンピック、1964年東京オリンピック、1984年ロサンゼルスオリンピック、1988年ソウルオリンピックの4大会で野球は公開競技として行われ、1992年バルセロナオリンピックよりようやく正式種目となったが、2012年ロンドンオリンピックの正式種目から外されたため、2016年以降のオリンピックで再び実施されるかどうかは未定となっていたが、2016年リオデジャネイロオリンピックでは実施されない事が決定された。

概要[編集]

1996年アトランタ大会まではアマチュア選手の参加しか認められていなかったが、2000年シドニー大会からプロ野球選手の参加が可能となった。野球を国技と位置づけるアメリカ合衆国キューバの活躍が目覚しい。ただし、メジャーリーグベースボール(MLB)の各球団契約選手40人(40-manロースター)のうち、公式戦に出場できる25人(アクティブ・ロースター)は参加することはできなかった。

MLB選手不参加問題[編集]

上記にあるようにオリンピックにはMLB選手(アクティブ・ロースター)は参加できなかった。出場しない理由として、開催時期が基本的にレギュラーシーズンの終盤に差し掛かり、プレーオフ進出チームの決定を左右する大事な時期であるために、試合の質を落とすことができないなどの問題がある。そのため、マイナーリーグ(40-manロースター含む)や独立リーグ所属選手、MLB入りが期待される大学生などがアメリカ代表として出場していた。なお、2020年に野球がオリンピックに復帰した場合には、準決勝および決勝に限りMLB選手(アクティブ・ロースター)が参加できることが決まっている[1]

対戦方式[編集]

オリンピックでの野球は8カ国の総当たり戦から始まる。延長戦の上限は無いが、2008年の北京五輪では、IBAF国際大会ルールにより延長11回からのタイブレークが導入された。上位4カ国が決勝トーナメントに進出して予選1位と予選4位、予選2位と予選3位がそれぞれ対戦。勝者が決勝へ。敗者は3位決定戦に進む。尚、予選で敗退した4カ国はその順位が最終順位となる。

正式種目除外[編集]

夏季オリンピックの肥大化という現状にIOCは危機感を募らせ、2002年にオリンピックプログラム委員会が、近代五種競技とあわせ、環太平洋地域の特定地域以外では盛んに行われていない競技であるという理由で野球ソフトボールに対して正式競技種目からの除外を勧告、その動きを受けた日本野球機構はIOCのジャック・ロゲ会長宛てに嘆願書をIOCに送付した[2]。同年、メキシコで行われたIOCの総会では五輪競技としての存続を決める投票を実施したが、当時の28競技で除外された競技はひとつもなかった。

しかし、2005年7月8日にシンガポールで行われたIOCの総会で、現行の28競技を対象にジャック・ロゲ会長と欠席した理事3人を除く116人のIOC理事の投票で再び五輪競技としての存続を決める投票を実施、過半数の賛成票を集められなかった野球ソフトボール2012年ロンドン五輪からの除外が決定した。

その後、2006年2月のIOC総会でソフトボールと共にロンドン五輪での正式種目復帰を求め再投票を実施するよう緊急動議が出されたが、「再投票を実施するか否か」という投票で過半数を獲得できずに、この時点でロンドン五輪での除外が最終決定した。

ただ、日本ではプロとアマで構成されている全日本野球会議が「2016年の野球競技復活」を目標に掲げ、早稲田大学野球部(当時)の斎藤佑樹東北楽天ゴールデンイーグルス田中将大を起用したプロモーションビデオを製作して球場で流すなどの活動を行っていた[3]

しかし、2009年8月13日のIOC理事会では、理事15人の無記名投票の結果[4]、ソフトボールとともに落選が決定した。

落選の理由はIOCから明らかにされてはいないが、世界最高峰のプロリーグであるメジャーリーグベースボール(MLB)がシーズンを中断して五輪に選手を派遣することに否定的である[要出典]こと、北中米と東アジア以外での普及度が低い(IOCではヨーロッパの委員の力が強い)[要出典] こと、ドーピング(禁止薬物使用)問題が未解決[要出典]であること、専用の野球場を必要とするため、野球の普及度が低い国では野球場の建設に費用がかかり、大会終了後の使い道が見込めない(扇形であるため他競技への転用が難しい)[要出典] ことなどが挙げられている。

2005年のIOCのレポートでは、国際野球連盟は野球が普及していない地域の人々に対して多くのアピールができたはずのなのに努力を怠っていたこと、組織としてこれからの具体的なプランを欠いていたこと、オリンピックの収入に高く依存している(56.9%)こと、過去のオリンピックや世界大会ではテレビ中継やテレビ報道する国が少なく、放映権も売れていないこと、役員に女性がいないこと、ドーピングの問題、MLB選手参加の問題、そして開催地の負担が大きくなりえること、以上のことが指摘されている[5]

復帰活動[編集]

野球の五輪復帰を目指す国際野球連盟は、以下の改善やアピールを行っている。

  • 野球とソフトボールを五輪競技においては「ダイヤモンドスポーツ」として男女1種の競技として扱う
  • 野球とソフトボールの統合組織、世界野球ソフトボール連盟の創設[6]
  • 野球とソフトボールの会場共用
  • 開催期間を5日間もしくは6日間に短縮[7]
  • 準決勝以降のMLB選手の参加[1]
  • 7回制導入の検討[8]
  • WBCおよびWBC予選、IOC関連のイベントでの国際的アピール

国際野球連盟の収支の健全化も課題であるが、しかし、失った五輪収入分を現在は期限付きではあるもののMLBが補っており、またWBCの収入の一部を受け取っていたりと、今度は近年グローバル展開を推し進めるMLBからの援助や収入に依存するという形になりつつある。

競技結果[編集]

大会名
1992 バルセロナ キューバの旗 キューバ チャイニーズタイペイの旗 チャイニーズタイペイ 日本の旗 日本
1996 アトランタ キューバの旗 キューバ 日本の旗 日本 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
2000 シドニー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 キューバの旗 キューバ 韓国の旗 韓国
2004 アテネ キューバの旗 キューバ オーストラリアの旗 オーストラリア 日本の旗 日本
2008 北京 韓国の旗 韓国 キューバの旗 キューバ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

メダル獲得数の国別一覧[編集]

国・地域
1 キューバの旗 キューバ 3 2 0 5
2 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1 0 2 3
3 韓国の旗 韓国 1 0 1 2
4 日本の旗 日本 0 1 2 3
5 チャイニーズタイペイの旗 チャイニーズタイペイ 0 1 0 1
オーストラリアの旗 オーストラリア 0 1 0 1
5 5 5 15

参加国と順位[編集]

国・地域 1992 1996 2000 2004 2008 出場回数
オーストラリアの旗 オーストラリア - 7 6 2 - 3
カナダの旗 カナダ - - - 4 6 2
中華人民共和国の旗 中国 - - - - 8 1
チャイニーズタイペイの旗 チャイニーズタイペイ 2 - - 5 5 3
キューバの旗 キューバ 1 1 2 1 2 5
ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国 6 - - - - 1
ギリシャの旗 ギリシャ - - - 7 - 1
イタリアの旗 イタリア 7 6 7 8 - 4
日本の旗 日本 3 2 4 3 4 5
韓国の旗 韓国 - 8 3 - 1 3
オランダの旗 オランダ - 5 5 6 7 4
ニカラグアの旗 ニカラグア - 4 - - - 1
プエルトリコの旗 プエルトリコ 5 - - - - 1
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国 - - 8 - - 1
スペインの旗 スペイン 8 - - - - 1
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 4 3 1 - 3 4
参加国数 8 8 8 8 8

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 五輪野球に大リーガー出場案 IBAF、準決勝以降限定 朝日新聞デジタル - ウェブ魚拓
  2. ^ 「野球機構、嘆願書を送付 3競技削減する提案で」共同通信
  3. ^ 「復活へマー君と佑ちゃんが初の競演 熱く語ります」毎日新聞 2009年3月18日
  4. ^ ソフトは最終投票で落選=IOC理事会 時事ドットコム(時事通信社) 2009年8月14日
  5. ^ OLYMPIC PROGRAMME COMMISSION REPORT TO THE 117TH IOC SESSION
  6. ^ 五輪復帰への統合団体 名称は「世界野球ソフトボール連盟」 スポニチ Sponichi Annex - ウェブ魚拓
  7. ^ 野球・ソフト:組織統合で五輪復帰へのチャンス 毎日jp(毎日新聞) - ウェブ魚拓
  8. ^ 7回制を検討 2020年五輪復帰へ試合時間短縮 MSN産経ニュース - ウェブ魚拓

外部リンク[編集]