「TRAPPIST-1d」の版間の差分

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'''TRAPPIST-1d'''は[[地球]]から見て[[みずがめ座]]の方向に39.4[[光年]]離れた位置にある[[赤色矮星]][[TRAPPIST-1]]を[[公転]]している[[太陽系外惑星]]である。[[2016年]]に{{仮リンク|TRAPPIST望遠鏡|en|TRAPPIST}}によって[[トランジット法]]で発見された<ref name=astroarts>[http://www.astroarts.co.jp/news/2016/05/09trappist1/index-j.shtml 超低温の矮星の周りに、生命が存在しうる地球サイズの惑星3つを発見 ''AstroArts'']</ref>。
'''TRAPPIST-1d'''は[[地球]]から見て[[みずがめ座]]の方向に39.4[[光年]]離れた位置にある[[赤色矮星]][[TRAPPIST-1]]の[[ハビタブルゾーン]]の外側を[[公転]]している[[岩石惑星|岩石様]]の[[太陽系外惑星]]である。
[[2016年]]に{{仮リンク|TRAPPIST望遠鏡|en|TRAPPIST}}によって[[トランジット法]]で発見された<ref name="astroarts">[http://www.astroarts.co.jp/news/2016/05/09trappist1/index-j.shtml 超低温の矮星の周りに、生命が存在しうる地球サイズの惑星3つを発見 ''AstroArts'']</ref>。


== 特徴 ==
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TRAPPIST-1dは地球の1.168倍の[[半径]]を持つ小さな[[地球型惑星]]である。[[質量]]は地球の1.7倍と推測されている。
TRAPPIST-1dは地球の1.168倍[[半径]]を持つ小さな[[惑星]]ある。[[質量]]は地球の1.6倍と推測されている。軌道要素については詳細が分かっておらず、主星から0.022[[天文単位|au]]から0.146au4.551日、5.2日、8.09日、9.101日、10.401日、12.135日、14.561日、18.202日、24.27日、36.408日、72.82日のいずれかの公転周期で公転しているとされているが<ref name=arxiv_1605.07211/>、最適値は18.202日とされている。しかし、この軌道はTRAPPIST-1の[[ハビタブルゾーン]]内に位置している可能性がある<ref name=astroarts/>。表面の温度はアルベドによって変化し、仮にアルベドが地球の2倍にあたる0.75と仮定した場合は75[[ケルビン|K]]から200Kの間になる。

=== 軌道 ===
トラピスト-1dは約4.05日周期で、主星から0.0214au軌道半径で主星を公転している。しかし、この軌道はTRAPPIST-1の[[ハビタブルゾーン]]内に位置している可能性がある<ref name="astroarts" />。表面の温度はアルベドによって変化し、仮にアルベドが地球の2倍にあたる0.75と仮定した場合は75[[ケルビン|K]]から200Kの間になる。

=== 発見 ===
[[ベルギー]]の[[リエージュ大学]]の天文物理地質研究所の Michaël Gillon を始めとする天文学者チームは[[チリ]]の[[アタカマ砂漠]]の[[ラ・シヤ天文台]]にあるトラピスト望遠鏡 (Transiting Planets and Planetesimals Small Telescope) <ref name="Guardian">{{cite web|url=https://www.theguardian.com/science/2016/may/02/could-these-newly-discovered-planets-orbiting-an-ultracool-dwarf-host-life|title=Could these newly-discovered planets orbiting an ultracool dwarf host life?|date=2 May 2016|work=[[The Guardian]]}}</ref> を用いて恒星TRAPPIST-1を観測し、周回する惑星を探した。[[トランジット法|トランジット測光法]]を用いることにより、3つの地球型惑星を発見した。 チームは2015年12月から観測を初め、''[[ネイチャー|ネイチャー誌]]2016年5月号に、その調査結果を発表した <ref name="Guardian" /><ref>{{cite journal|last=Gillon|first=Michaël|year=2016|title=Temperate Earth-sized planets transiting a nearby ultracool dwarf star|journal=[[Nature (journal)|Nature]]|volume=533|issue=7602|pages=221–224|first2=Emmanuël|last2=Jehin|last3=et al.|doi=10.1038/nature17448}}</ref>''


== 出典 ==
== 出典 ==

2017年2月23日 (木) 04:26時点における版

TRAPPIST-1d
TRAPPIST-1dの想像図
TRAPPIST-1dの想像図
星座 みずがめ座
分類 太陽系外惑星
岩石惑星
軌道の種類 周回軌道
発見
発見年 2016年[1]
発見者 TRAPPIST望遠鏡
発見方法 トランジット法
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 0.022 - 0.146 au[2]
離心率 (e) 0 (flxed)[2]
公転周期 (P) 18.202 (最適値)[2]
4.551 - 72.82 日[2]
軌道傾斜角 (i) 89.87 ± 0.10°[2]
TRAPPIST-1の惑星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  23h 06m 29.283s[3]
赤緯 (Dec, δ) −05° 02′ 28.59″[3]
赤方偏移 -0.000188 ± 0.000010[3]
視線速度 (Rv) -56.3 ± 3 km/s[3]
固有運動 (μ) 赤経: 922.1 ± 1.8 ミリ秒/[3]
赤緯: -471.9 ± 1.8 ミリ秒/年[3]
年周視差 (π) 82.58 ± 2.58 ミリ秒/年[3]
距離 39.4 ± 1.3 光年
(12.1 ± 0.4 パーセク[1])
物理的性質
直径 1万 4900km
半径 1.168 ± 0.068 RE[2]
表面積 6.958×108 km2
体積 1.0726×1012 km3
質量 1.60 ME (推測)[4]
表面温度 110 - 280 K(アルベドが0.00の場合)[2]
75 - 200 K(アルベドが0.75の場合)[2]
年齢 >5億年[2]
他のカタログでの名称
2MASS J23062928-0502285 d
Template (ノート 解説) ■Project

TRAPPIST-1d地球から見てみずがめ座の方向に39.4光年離れた位置にある赤色矮星TRAPPIST-1ハビタブルゾーンの外側を公転している岩石様太陽系外惑星である。

2016年TRAPPIST望遠鏡によってトランジット法で発見された[5]

特徴

TRAPPIST-1dの地表の想像図。
大きさの比較
地球 TRAPPIST-1d
地球 Exoplanet

TRAPPIST-1dは地球の1.168倍の半径を持つ小さな地球型惑星である。質量は地球の1.7倍と推測されている。

軌道

トラピスト-1dは約4.05日の周期で、主星から約0.0214auの軌道半径で主星を公転している。しかし、この軌道はTRAPPIST-1のハビタブルゾーン内に位置している可能性がある[5]。表面の温度はアルベドによって変化し、仮にアルベドが地球の2倍にあたる0.75と仮定した場合は75Kから200Kの間になる。

発見

ベルギーリエージュ大学の天文物理地質研究所の Michaël Gillon を始めとする天文学者チームはチリアタカマ砂漠ラ・シヤ天文台にあるトラピスト望遠鏡 (Transiting Planets and Planetesimals Small Telescope) [6] を用いて恒星TRAPPIST-1を観測し、周回する惑星を探した。トランジット測光法を用いることにより、3つの地球型惑星を発見した。 チームは2015年12月から観測を初め、ネイチャー誌2016年5月号に、その調査結果を発表した [6][7]

出典

関連項目