「メチレンジオキシメタンフェタミン」の版間の差分

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| pregnancy_category = C<ref>[http://archive.is/20120708022230/findarticles.com/p/articles/mi_m0CYD/is_11_38/ai_102839980 Stimulants, Narcotics, Hallucinogens - Drugs, Pregnancy, and Lactation.], Gerald G. Briggs, ''OB/GYN News'', 1 June 2003.</ref>
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}}
}}
'''3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン''' (3,4-methylenedioxymethamphetamine)合成[[麻薬]]の一種。略称として'''MDMA'''、ほか'''エクスシー'''(EcstasyまたはXTC)いう通称を持つ。
'''3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン''' (英:3,4-methylenedioxymethamphetamine)、あるいは'''MDMA'''[[アンフェミン]]類似した化学構造を持つ化合物である{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。愛の薬などと呼ばれ、[[幻覚剤]]に分類される


俗に'''エクスタシー'''あるいは'''モリー'''と呼ばれている{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。しかし、エクスタシーなどとして街角で売られる錠剤は、様々な純度であり、時にはMDMAはまったく含まれない{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。
心理学者の{{仮リンク|ラルフ・メッツナー|en|Ralph Metzner}}がMDMAに対してエンパソーゲン(empathogen、共感をもたらす)という言葉を作った<ref>マーティン・トーゴフ 『ドラッグ・カルチャー-アメリカ文化の光と影(1945~2000年)』 宮家あゆみ訳、清流出版2007年。ISBN 978-4860292331。436頁。</ref>。後により正確な表現としてエンタクトゲン(entactogen、内面のつながりをもたらす)という呼称が提唱され、[[精神薬理学]]の分野で採用されている<ref>Nichols DE. "Differences between the mechanism of action of MDMA, MBDB, and the classic hallucinogens. Identification of a new therapeutic class: entactogens" ''J Psychoactive Drugs'' 18(4), 1986 Oct-Dec, pp. 305-13. PMID 2880944</ref>。

心理学者の{{仮リンク|ラルフ・メッツナー|en|Ralph Metzner}}がMDMAに対してエンパソーゲン(empathogen、共感をもたらす)という言葉を作った<ref>マーティン・トーゴフ 『ドラッグ・カルチャー-アメリカ文化の光と影(1945~2000年)』 宮家あゆみ訳、清流出版2007年。ISBN 978-4860292331。436頁。</ref>。後により正確な表現としてエンタクトゲン(entactogen、内面のつながりをもたらす)という呼称が提唱され、[[精神薬理学]]の分野で採用されている<ref>Nichols DE. "Differences between the mechanism of action of MDMA, MBDB, and the classic hallucinogens. Identification of a new therapeutic class: entactogens" ''J Psychoactive Drugs'' 18(4), 1986 Oct-Dec, pp. 305-13. PMID 2880944</ref>。類似の薬物としてMDA([[3,4-メチレンジオキシアンフェタミン]])、MDEA([[3,4-メチレンジオキシ-N-エチルアンフェタミン]])なども知られ、MDMAと同様にエンパソーゲンないしエンタクトゲンへ分類される

==呼称==
MDMAを臨床現場にて初めて使った{{仮リンク|レオ・ゼフ|en|Leo Zeff}}は、患者に投与する際にMDMAを'''アダム'''と呼んだ{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。

{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。

===俗称===
MDMAは{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}、俗に'''エクスタシー'''(Ecstacy)、'''E'''とか、'''X'''、あるいは'''モリー'''(Molly)と呼ばれている{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。このような呼称で、街角で手に入る錠剤は、時にはMDMAをまったく含まんでいない{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。

日本では、丸い錠剤が多いことから'''玉'''(たま)、またXから転じて'''バツ'''、'''ペケ'''の俗称をも持つ。

==分類==
世界保健機関の1994年の薬物に関する用語集<ref>{{Cite book|author=世界保健機関|authorlink=世界保健機関|title=Lexicon of alchol and drug term|publisher=World Health Organization|date=1994|url=http://whqlibdoc.who.int/publications/9241544686.pdf|format=pdf||isbn=92-4-154468-6|ref=harv}} [http://www.who.int/substance_abuse/terminology/who_lexicon/en/ (HTML版 introductionが省略されている])</ref>、[[世界保健機関]]の『[[疾病及び関連保健問題の国際統計分類]]』第10版(ICD-10)<ref>{{Cite book|和書|author=世界保健機関|authorlink=世界保健機関|coauthor=(翻訳)融道男、小見山実、大久保善朗、中根允文、岡崎祐士|title=ICD‐10精神および行動の障害:臨床記述と診断ガイドライン|edition=新訂版 |publisher=医学書院|date=2005|isbn=978-4-260-00133-5|page=39}}</ref>、アメリカ精神医学会の『[[精神障害の診断と統計マニュアル]]』第4版(DSM-IV)において
<ref>{{Cite book|和書|author=アメリカ精神医学会|authorlink=アメリカ精神医学会|coauthor=高橋三郎・[[大野裕]]・染矢俊幸訳|title=DSM-IV-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル(新訂版)|publisher=[[医学書院]]|date=2004|isbn=978-0890420256|page=&sect;幻覚剤関連障害}}</ref>、[[幻覚剤]]に分類されている。

なお化学構造からは、[[精神刺激薬]]のアンフェタミン類に分類される。


類似の薬物としてMDA([[3,4-メチレンジオキシアンフェタミン]])、MDEA([[3,4-メチレンジオキシ-N-エチルアンフェタミン]])なども知られ、MDMAと同様にエンパソーゲンないしエンタクトゲンへ分類される。
<!--
== 化学的性質 ==
== 化学的性質 ==
常温では白色の[[結晶]]または粉末。分子構造は[[メタンフェタミン]]に類似し、メタンフェタミンの[[ベンゼン|フェニル基]]の一部を置換したものと同一である。このためMDMAもメタンフェタミンと同じく[[光学異性体]]を持つ。
常温では白色の[[結晶]]または粉末。分子構造は[[メタンフェタミン]]に類似し、メタンフェタミンの[[ベンゼン|フェニル基]]の一部を置換したものと同一である。このためMDMAもメタンフェタミンと同じく[[光学異性体]]を持つ。


== 作用 ==
MDMAはその分子構造からしばしば[[覚醒剤]]に分類されるが、他の覚醒剤とされる薬物とは主だった作用機序が異なる。また、特有の精神作用により[[幻覚剤]]にも分類されるが、この「[[幻覚]]」は多幸感や他者との共有感などといった'''幻覚体験'''を指すもので、主作用として幻視や[[幻聴]](一般に言う幻覚)を伴うことは稀である。
-->
== 生理的作用 ==
MDMAは脳内の[[セロトニン]]等を過剰に放出させることにより、人間の精神に[[多幸感]]、他者との共有感などの変化をもたらすとされる。MDMAを[[経口]]的に摂取すると30分から1時間ほどで前述のような精神変容が起こり、それが4~6時間程度持続するとされる。
MDMAは脳内の[[セロトニン]]等を過剰に放出させることにより、人間の精神に[[多幸感]]、他者との共有感などの変化をもたらすとされる。MDMAを[[経口]]的に摂取すると30分から1時間ほどで前述のような精神変容が起こり、それが4~6時間程度持続するとされる。


MDMAを摂取すると、体温をコントロールする機能の喪失による高体温や[[不整脈]]などによって重篤な症状を引き起こす場合がある。特に暖かい換気の悪い室内、激しい運動を伴う場合、また大量の発汗を伴い水分補給が十分でない場合などに使用すると[[合併症]]を生じやすいとされる。[[低ナトリウム血症]]、[[急性腎不全]]、[[横紋筋融解症]]などで死亡することもある。また、摂取後に重度の不安([[不安障害]])、[[妄想]]、気分の障害、[[記憶障害]]、[[睡眠障害]]、衝動性の亢進、注意集中の困難などが長期間続くことがある。
MDMAを摂取すると、体温をコントロールする機能の喪失による高体温や[[不整脈]]などによって重篤な症状を引き起こす場合がある。特に暖かい換気の悪い室内、激しい運動を伴う場合、また大量の発汗を伴い水分補給が十分でない場合などに使用すると[[合併症]]を生じやすいとされる。[[低ナトリウム血症]]、[[急性腎不全]]、[[横紋筋融解症]]などで死亡することもある。また、摂取後に重度の不安([[不安障害]])、[[妄想]]、気分の障害、[[記憶障害]]、[[睡眠障害]]、衝動性の亢進、注意集中の困難などが長期間続くことがある。


==と医療用途 ==
====
臨床試験の、治療抵抗性の[[心的外傷後ストレス障害]](PTSD)における使用量は、体重1キログラムあたり、約2ミリグラム以下である{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。典型的な娯楽的な使用者は、推定であるが、同3ミリグラムである{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。

== 医療用途 ==
MDMAは1985年まで主に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]において[[心的外傷後ストレス障害]] (PTSD) の治療に用いられてきた。PTSDは患者が自身に起きた[[心的外傷|トラウマ]]体験を自己の記憶として受容できないことによる疾患だとされているが、MDMAを摂取した状態でカウンセリングを行うことにより、通常の精神状態では許容しがたいトラウマ体験を想起させ、自己に起きた事実であることを受け入れることによって疾患が軽減もしくは治癒するという理論に基づいたものである。こうしたPTSDに対する医療用途に対する報道はアメリカでは広範になされており、2010年に少なくとも138以上のメディアで取り上げられている<ref>[http://www.maps.org/media/view/138_articles_about_mdma_ptsd_therapy/ 138 articles about mdma/ptsd therapy](MAPS、2010年7月30日)</ref>。
MDMAは1985年まで主に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]において[[心的外傷後ストレス障害]] (PTSD) の治療に用いられてきた。PTSDは患者が自身に起きた[[心的外傷|トラウマ]]体験を自己の記憶として受容できないことによる疾患だとされているが、MDMAを摂取した状態でカウンセリングを行うことにより、通常の精神状態では許容しがたいトラウマ体験を想起させ、自己に起きた事実であることを受け入れることによって疾患が軽減もしくは治癒するという理論に基づいたものである。こうしたPTSDに対する医療用途に対する報道はアメリカでは広範になされており、2010年に少なくとも138以上のメディアで取り上げられている<ref>[http://www.maps.org/media/view/138_articles_about_mdma_ptsd_therapy/ 138 articles about mdma/ptsd therapy](MAPS、2010年7月30日)</ref>。


===法律上の困難===
しかしMDMAは嗜好品 (recreational drug) としての側面も持ち、濫用が社会問題化したことを受け米国司法省[[麻取締局]]はMDMAを[[規制物質法]]におけるスケジュールI、すなわち濫用性が高く医療用途の見込みのない違法薬物に指定した。現在ではほとんどの国でMDMAは違法薬物とされている。以降MDMAは嗜好品として違法に用され続け今日に至るが、依然としてPTSDへの有用性を主張する声も根強く、[[2001年]]には[[アメリカ食品医薬品局]] (FDA) が、[[2004年]]にはDEAがPTSD患者へのMDMAの治験を認める措置が取られることとなり、2008年にはフェイズII治験が終了。続いてイスラエル、スイス、カナダでも臨床試験が行われる。しかし依然としてMDMAが用性の高い薬物であることには変わりなく、安全性や依存性の検証、用防止などクリアしなければならない問題点は多い。
MDMAは娯楽薬として違法に用され続け今日に至るが、依然としてPTSDへの有用性を主張する声も根強く、[[2001年]]には[[アメリカ食品医薬品局]] (FDA) が、[[2004年]]にはDEAがPTSD患者へのMDMAの治験を認める措置が取られることとなり、2008年にはフェイズII治験が終了。続いてイスラエル、スイス、カナダでも臨床試験が行われる。しかし依然としてMDMAが用性の高い薬物であることには変わりなく、安全性や依存性の検証、用防止などクリアしなければならない問題点は多い。
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== 錠剤型麻薬 ==
== 乱用 ==
MDMAは、娯楽薬としての側面も持ち、乱用が社会問題化したことをもって、各国では規制されている。
[[画像:Ecstasy monogram.jpg|thumb|200px|right|錠剤型のMDMA。禁制薬物なので、医薬品なら当然存在する識別用コード番号が打たれていない]]

「エクスタシー」は本来MDMAを指す隠語である。しかしMDMAは錠剤の形を取って流通する場合が多いため、単に(MDMAを含むと期待される)錠剤型麻薬を総じてエクスタシーと呼ぶことも多い。錠剤型麻薬としては他にも「X」、「E」、「アダム」など多数の俗称を持ち、また日本では、丸い錠剤が多いことから「玉(たま)」、また「X」から転じて「バツ」、「ペケ」の俗称をも持つ。
アメリカでの2011年の全国調査から、12歳以上の約1450万人が、生涯においてMDMAを一度は使用していると推定される{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。

== エクスタシー錠剤 ==
[[画像:Ecstasy monogram.jpg|thumb|200px|right|エクスタシー錠剤。こうした街角で入手されるエクスタシー錠剤はMDMAがまったく含まれない場合がある{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。]]

エクスタシーとして路上で売られる錠剤は、様々な純度であり、時にはMDMAはほとんど含まれないか、まったく含まれない{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。

EcstasyData.org<ref>[http://www.ecstasydata.org/ EcstasyData.org] {{en icon}}</ref>のデータから、推定可能であり、2012年12月から、2013年4月の間の65種類の錠剤およびカプセルからは、およそ半分は67%以上のMDMAを含み、半分はそれ以下で多くの場合はまったく含んでいない{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。

世界の多くの地域で、2010年代にエクスタシーとして販売された多くの錠剤には、MDMA以外の物質が含まれている<ref name="UN_GSDA_14">{{Cite report |author=国連薬物犯罪事務所|authorlink=国際連合薬物犯罪事務所|title=2014 Global Synthetic Drugs Assessment |publishe=United Nations |date=2014 |url=http://www.unodc.org/documents/scientific/2014_Global_Synthetic_Drugs_Assessment_web.pdf |accessdate=2014-10-01|page=23}}</ref>。それは既存の違法な薬物や、[[脱法ドラッグ|新規向精神薬]](NPS)、またカフェインである。

2014年の国連の報告書では、MDMAのような作用ある薬物だけでなく、アジア、アメリカ、欧州とで、[[メタンフェタミン]]や[[ケタミン]]、アメリカでは[[2C-B]]、アジアでは{{仮リンク|JWH-018|en|JWH-018}}などが検出されている<ref name="UN_GSDA_14"/>。

{{仮リンク|ダンスセーフ|en|DanceSafe}}という団体は、薬物の使用が避けられないという前提の上で悪影響を最小化するための{{仮リンク|ハーム・リダクション|en|Harm reduction}}や、教育を重視しており、サイト上で薬物を検査したり、ナイトスポットで活動している<ref>{{cite news |author=Nick Wing |title=This Music Festival Knows It Can't Stop People From Doing Drugs, So It's Trying To Keep Them Safe Instead |url=http://www.huffingtonpost.com/2015/05/20/lightning-in-a-bottle-festival-drugs_n_7336290.html |date=2015-05-20 |newspaper=Huffington Post |accessdate=2015-10-01}}</ref>。音楽フェスティバルにおける、そうした取り組み関するドキュメンタリーも作成されており、売人から買った薬物にはメフェドロン、カフェインなど何が混ぜられているかは不明であり、モリーとして買った薬物から合成[[カチノン]]類が検出された<ref>{{cite news |author=Ryan Bassil |title=What's in My Baggie? Well, the MDMA You've Been Taking at Festivals This Summeri s Probably Bath Salts |url=https://noisey.vice.com/blog/whats-in-my-baggie-well-the-mdma-youve-been-taking-at-festivals-this-summer-is-probably-bath-salts-interview-documentary-2014 |date=Sep 17 2014 |newspaper=Noisey by VICE |accessdate=2015-10-01}}</ref>。

定期的なエクスタシーの使用者に関する報告が否定的な影響を示唆しているが、エクスタシー錠剤にはMDMA以外の薬物が含まれ、またそうした使用者はエクスタシー以外の多剤を乱用しているため、MDMAが特異的な原因となっているのかは不明確である{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。エクスタシーの使用者は多くの場合、違法合法を問わず、[[アルコール]]やタバコ、[[大麻]]や[[メタンフェタミン]]、[[幻覚剤]]など、多剤の使用者である{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。

==副作用==
MDMAは記憶系統の混乱を発生させる要因を作り出す。その作用として神経細胞の破壊及び永続的な(数ヶ月~数年とも言われている)後遺症をもたらす。特に混合成分(合成麻薬と言われる由縁)の内、覚醒剤や亜覚醒剤と併用された場合には複雑な精神面・身体面における害反応があり、前述の多様な記憶障害を引き起こす。

==死亡==
{{See also|向精神薬#死亡}}
海外で行われた[[レイブ (音楽)|レイヴパーティー]]等ではときどき死亡者がでているが、全体としては少数である。(しかし、こうした報道はエクスタシー錠剤がMDMAを含有していたかが不明である)

日本では、2010年に東京23区内で死亡した死因不明の異常死が司法解剖された、5年間で計13,499名の調査がある<ref name="監察医務院">{{Cite journal |和書|author=福永龍繁|date=2012-01|title=監察医務院から見えてくる多剤併用|url=|journal=精神科治療学|volume=27|issue=1|pages=149-154}} [http://www.seiwa-pb.co.jp/search/bo01/bo0102/bn/27/02.html 抄録]</ref>。2006年から2010年の5年間でMDMA6件、比較のために挙げると、多いものは、医薬品3,337件で睡眠薬や精神科の薬が多く、アルコールは3,018件である<ref name="監察医務院"/>。


一般に錠剤型麻薬は違法に製造されるため、MDMA以外の薬物である可能性、また他の成分が混入されている可能性、有害な不純物が残留している可能性などが非常に高く、MDMAの効用を高めるために意図的にパラメトキシアンフェタミンなど、他の薬物を混入することも少なくない。したがって単体としてのMDMAの安全性と錠剤型麻薬の安全性は別個のものとして考えなければならない。錠剤型麻薬の押収量が増加し、世界中で深刻な社会問題となっている。
{{-}}
== 歴史 ==
== 歴史 ==
*[[1912年]]、[[ドイツ]]の化学メーカー[[メルク (ドイツ)|メルク]]社が、食欲抑制剤とし合成製法[[特許]]取得した(製品化はされなかった)。
1912年、[[ドイツ]]の化学メーカー[[メルク (ドイツ)|メルク]]社によっ、[[抗凝固薬]]を特定するたのプロジェクトの際に合成され、[[特許]]取得された{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。後に、合成した化学者による、特性の試験が行われたが、会社の関心を引かず、それ以上のことはなかった{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。(製品化はされなかった)。食欲抑制剤としてという説もある

*[[1967年]]、アメリカ軍による機密扱いが解けたことから化学文献への記載が始まり、1970年代から1980年代初頭までは[[精神科医]]の間で、[[心的外傷後ストレス障害|PTSD]]の治療などに頻用された。
動物における毒性研究は、1950年代に米軍の支援によってミシガン大学でが行われ、後に機密解除が解け、1973年にハードマンが出版する{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。1967年にアメリカ軍による機密扱いが解けた<!--出典なし-->。
*[[1978年]]、[[ダウ・ケミカル]]社の化学者だった[[アレクサンダー・シュルギン]]らによる著作『幻覚剤の薬学』が出版され、嗜好品として爆発的な拡大が始まった。

*[[1985年]]6月、米国司法省[[麻薬取締局]] (DEA) がエクスタシーを非合法とした。現在では[[コカイン]]、[[ヘロイン]]、[[大麻]]と同様に、アメリカで広く用いられる麻薬の一つとされる。
元[[ダウ・ケミカル]]社の化学者であった[[アレクサンダー・シュルギン]]によって、MDMAが「再発見」されることになる{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。1978年には、[[ダウ・ケミカル]]社の化学者だった[[アレクサンダー・シュルギン]]ら『幻覚剤の精神薬学』の中で(''The Psychopharmacology of Hallucinogens'')にて、ヒトにおける主観的な作用に関する、初の報告が行われた{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。

シュルギンは先に1967年に[[MDA]]が深層にある感情への接近を容易にするため、心理療法に有益である可能性を報告していたが、この点でMDMAはMDAより優れていたため、心理学者の{{仮リンク|レオ・ゼフ|en|Leo Zeff}}に紹介し、臨床現場での使用が始まった{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。[[心的外傷後ストレス障害|PTSD]]の治療などに用いられた<!--出典なし-->。

1980年代初期には、アメリカでの{{仮リンク|娯楽薬|en|Recreational drug}}としての使用が広まる{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。1985年(5月<!--出典なし-->)に、アメリカ[[麻薬取締局]] (DEA) が、MDMAを([[物質規制法]]の)スケジュールIに分類し、1987年から1988年の短期間を除き、アメリカではこの分類が継続されている{{sfn|MDMA current perspectives|2013}}。


そのダンス音楽との親近性により、1980年代後半からイギリスなどを中心に起こった[[セカンド・サマー・オブ・ラブ]]ブームや[[レイブ (音楽)|レイヴ]]の代名詞として普及する<!--し、それ以降現在に至るまでクラブイベントの常連の中でもっともポピュラーなドラッグである-->。欧州では近年では価格の低下により若年層への普及が懸念されている。
そのダンス音楽との親近性により、1980年代後半からイギリスなどを中心に起こった[[セカンド・サマー・オブ・ラブ]]ブームや[[レイブ (音楽)|レイヴ]]の代名詞として普及する<!--し、それ以降現在に至るまでクラブイベントの常連の中でもっともポピュラーなドラッグである-->。欧州では近年では価格の低下により若年層への普及が懸念されている。
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== 日本での規制 ==
== 日本での規制 ==
日本では、[[麻薬及び向精神薬取締法]]によって規制されている。
日本では、[[麻薬及び向精神薬取締法]]によって規制されている。
:MDMAの輸入、輸出、製造は1年以上10年以下の懲役。譲受け、譲渡し、所持は7年以下の懲役。施用(しよう、経口摂取など、身体に用いること)は7年以下の懲役となる。
MDMAの輸入、輸出、製造は1年以上10年以下の懲役。譲受け、譲渡し、所持は7年以下の懲役。施用(しよう、経口摂取など、身体に用いること)は7年以下の懲役となる。
:錠剤型麻薬が覚せい剤(アンフェタミンなど)を含んでいた場合、[[覚せい剤取締法]]により、譲受け、譲渡し、所持、使用は10年以下の懲役となる。


== 出典 ==
合成麻薬MDMAは記憶系統の混乱を発生させる要因を作り出す。その作用として神経細胞の破壊及び永続的な(数ヶ月~数年とも言われている)後遺症をもたらす。特に混合成分(合成麻薬と言われる由縁)の内、覚醒剤や亜覚醒剤と併用された場合には複雑な精神面・身体面における害反応があり、前述の多様な記憶障害を引き起こす。
{{Reflist}}


==参考文献==
海外で行われた[[レイブ (音楽)|レイヴパーティー]]等ではときどき死亡者がでているが、全体としては少数である。
*{{cite journal|last1=Meyer|first1=Jerry|title=3,4-methylenedioxymethamphetamine (MDMA): current perspectives|journal=Substance Abuse and Rehabilitation|pages=83|year=2013|pmid=24648791|pmc=3931692|doi=10.2147/SAR.S37258|url=http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3931692/|ref={{sfnRef|MDMA current perspectives|2013}} }}
*{{cite journal|last1=Bauernfeind|first1=Amy L|last2=Dietrich|first2=Mary S|last3=Blackford|first3=Jennifer U|last4=Charboneau|first4=Evonne J|last5=Lillevig|first5=James G|last6=Cannistraci|first6=Christopher J|last7=Woodward|first7=Neil D|last8=Cao|first8=Aize|last9=Watkins|first9=Tristan|last10=Di Iorio|first10=Christina R|last11=Cascio|first11=Carissa|last12=Salomon|first12=Ronald M|last13=Cowan|first13=Ronald L|title=Human Ecstasy Use is Associated with Increased Cortical Excitability: An fMRI Study|journal=Neuropsychopharmacology|volume=36|issue=6|pages=1127–1141|year=2011|pmid=21326196|pmc=3079831|doi=10.1038/npp.2010.244|url=http://www.nature.com/npp/journal/v36/n6/full/npp2010244a.html|ref={{sfnRef|An fMRI Study|2011}} }}
*{{cite journal|last1=Danforth|first1=Alicia L.|last2=Struble|first2=Christopher M.|last3=Yazar-Klosinski|first3=Berra|last4=Grob|first4=Charles S.|title=MDMA-assisted therapy: A new treatment model for social anxiety in autistic adults|journal=Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatry|volume=64|pages=237–249|year=2016|pmid=25818246|doi=10.1016/j.pnpbp.2015.03.011|url=http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0278584615000603|ref=harv}}


== 脚注 ==
==外部リンク==
;成分データ
{{reflist}}
*[http://www.ecstasydata.org/ EcstasyData.org] {{en icon}} ダンスセーフとエロウィドによる実際の薬物と含有成分のデータベース
*[http://www.pillreports.net/ Pill Reports - Ecstasy Test Results Database by Enlighten] {{en icon}}


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2015年10月4日 (日) 10:03時点における版

MDMA
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
法的規制
投与経路 経口, 舌下腺, 吹き入れ, 吸入蒸気), 注射,[2] 直腸
薬物動態データ
代謝肝臓、シトクロムP450オキシダーゼ
半減期6–10 時間(実際の効果は3–5時間)
排泄尿
識別
CAS番号
69610-10-2
ATCコード none
PubChem CID: 1615
ChemSpider 1556
別名 (±)-1,3-benzodioxolyl-N-methyl-2-propanamine;
(±)-3,4-methylenedioxy-N-methyl-α-methyl-2-phenethylamine;
DL-3,4-methylenedioxy-N-methylamphetamine;
methylenedioxymethamphetamine
化学的データ
化学式C11H15NO2
分子量193.25 g/mol
テンプレートを表示

3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン (英:3,4-methylenedioxymethamphetamine)、あるいはMDMAは、アンフェタミンと類似した化学構造を持つ化合物である[3]。愛の薬などと呼ばれ、幻覚剤に分類される。

俗にエクスタシーあるいはモリーと呼ばれている[3]。しかし、エクスタシーなどとして街角で売られる錠剤は、様々な純度であり、時にはMDMAはまったく含まれない[3]

心理学者のラルフ・メッツナー英語版がMDMAに対してエンパソーゲン(empathogen、共感をもたらす)という言葉を作った[4]。後により正確な表現としてエンタクトゲン(entactogen、内面のつながりをもたらす)という呼称が提唱され、精神薬理学の分野で採用されている[5]。類似の薬物としてMDA(3,4-メチレンジオキシアンフェタミン)、MDEA(3,4-メチレンジオキシ-N-エチルアンフェタミン)なども知られ、MDMAと同様にエンパソーゲンないしエンタクトゲンへ分類される。

呼称

MDMAを臨床現場にて初めて使ったレオ・ゼフ英語版は、患者に投与する際にMDMAをアダムと呼んだ[3]

[3]

俗称

MDMAは[3]、俗にエクスタシー(Ecstacy)、Eとか、X、あるいはモリー(Molly)と呼ばれている[3]。このような呼称で、街角で手に入る錠剤は、時にはMDMAをまったく含まんでいない[3]

日本では、丸い錠剤が多いことから(たま)、またXから転じてバツペケの俗称をも持つ。

分類

世界保健機関の1994年の薬物に関する用語集[6]世界保健機関の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』第10版(ICD-10)[7]、アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』第4版(DSM-IV)において [8]幻覚剤に分類されている。

なお化学構造からは、精神刺激薬のアンフェタミン類に分類される。

化学的性質

常温では白色の結晶または粉末。分子構造はメタンフェタミンに類似し、メタンフェタミンのフェニル基の一部を置換したものと同一である。このためMDMAもメタンフェタミンと同じく光学異性体を持つ。

作用

MDMAは脳内のセロトニン等を過剰に放出させることにより、人間の精神に多幸感、他者との共有感などの変化をもたらすとされる。MDMAを経口的に摂取すると30分から1時間ほどで前述のような精神変容が起こり、それが4~6時間程度持続するとされる。

MDMAを摂取すると、体温をコントロールする機能の喪失による高体温や不整脈などによって重篤な症状を引き起こす場合がある。特に暖かい換気の悪い室内、激しい運動を伴う場合、また大量の発汗を伴い水分補給が十分でない場合などに使用すると合併症を生じやすいとされる。低ナトリウム血症急性腎不全横紋筋融解症などで死亡することもある。また、摂取後に重度の不安(不安障害)、妄想、気分の障害、記憶障害睡眠障害、衝動性の亢進、注意集中の困難などが長期間続くことがある。

作用量

臨床試験の、治療抵抗性の心的外傷後ストレス障害(PTSD)における使用量は、体重1キログラムあたり、約2ミリグラム以下である[3]。典型的な娯楽的な使用者は、推定であるが、同3ミリグラムである[3]

医療用途

MDMAは1985年まで主にアメリカにおいて心的外傷後ストレス障害 (PTSD) の治療に用いられてきた。PTSDは患者が自身に起きたトラウマ体験を自己の記憶として受容できないことによる疾患だとされているが、MDMAを摂取した状態でカウンセリングを行うことにより、通常の精神状態では許容しがたいトラウマ体験を想起させ、自己に起きた事実であることを受け入れることによって疾患が軽減もしくは治癒するという理論に基づいたものである。こうしたPTSDに対する医療用途に対する報道はアメリカでは広範になされており、2010年に少なくとも138以上のメディアで取り上げられている[9]

法律上の困難

MDMAは娯楽薬として違法に乱用され続け今日に至るが、依然としてPTSDへの有用性を主張する声も根強く、2001年にはアメリカ食品医薬品局 (FDA) が、2004年にはDEAがPTSD患者へのMDMAの治験を認める措置が取られることとなり、2008年にはフェイズII治験が終了。続いてイスラエル、スイス、カナダでも臨床試験が行われる。しかし依然としてMDMAが乱用性の高い薬物であることには変わりなく、安全性や依存性の検証、乱用防止などクリアしなければならない問題点は多い。

乱用

MDMAは、娯楽薬としての側面も持ち、乱用が社会問題化したことをもって、各国では規制されている。

アメリカでの2011年の全国調査から、12歳以上の約1450万人が、生涯においてMDMAを一度は使用していると推定される[3]

エクスタシー錠剤

エクスタシー錠剤。こうした街角で入手されるエクスタシー錠剤はMDMAがまったく含まれない場合がある[3]

エクスタシーとして路上で売られる錠剤は、様々な純度であり、時にはMDMAはほとんど含まれないか、まったく含まれない[3]

EcstasyData.org[10]のデータから、推定可能であり、2012年12月から、2013年4月の間の65種類の錠剤およびカプセルからは、およそ半分は67%以上のMDMAを含み、半分はそれ以下で多くの場合はまったく含んでいない[3]

世界の多くの地域で、2010年代にエクスタシーとして販売された多くの錠剤には、MDMA以外の物質が含まれている[11]。それは既存の違法な薬物や、新規向精神薬(NPS)、またカフェインである。

2014年の国連の報告書では、MDMAのような作用ある薬物だけでなく、アジア、アメリカ、欧州とで、メタンフェタミンケタミン、アメリカでは2C-B、アジアではJWH-018英語版などが検出されている[11]

ダンスセーフ英語版という団体は、薬物の使用が避けられないという前提の上で悪影響を最小化するためのハーム・リダクションや、教育を重視しており、サイト上で薬物を検査したり、ナイトスポットで活動している[12]。音楽フェスティバルにおける、そうした取り組み関するドキュメンタリーも作成されており、売人から買った薬物にはメフェドロン、カフェインなど何が混ぜられているかは不明であり、モリーとして買った薬物から合成カチノン類が検出された[13]

定期的なエクスタシーの使用者に関する報告が否定的な影響を示唆しているが、エクスタシー錠剤にはMDMA以外の薬物が含まれ、またそうした使用者はエクスタシー以外の多剤を乱用しているため、MDMAが特異的な原因となっているのかは不明確である[3]。エクスタシーの使用者は多くの場合、違法合法を問わず、アルコールやタバコ、大麻メタンフェタミン幻覚剤など、多剤の使用者である[3]

副作用

MDMAは記憶系統の混乱を発生させる要因を作り出す。その作用として神経細胞の破壊及び永続的な(数ヶ月~数年とも言われている)後遺症をもたらす。特に混合成分(合成麻薬と言われる由縁)の内、覚醒剤や亜覚醒剤と併用された場合には複雑な精神面・身体面における害反応があり、前述の多様な記憶障害を引き起こす。

死亡

海外で行われたレイヴパーティー等では、ときどき死亡者がでているが、全体としては少数である。(しかし、こうした報道はエクスタシー錠剤がMDMAを含有していたかが不明である)

日本では、2010年に東京23区内で死亡した死因不明の異常死が司法解剖された、5年間で計13,499名の調査がある[14]。2006年から2010年の5年間でMDMA6件、比較のために挙げると、多いものは、医薬品3,337件で睡眠薬や精神科の薬が多く、アルコールは3,018件である[14]

歴史

1912年、ドイツの化学メーカーメルク社によって、抗凝固薬を特定するためのプロジェクトの際に合成され、特許が取得された[3]。後に、合成した化学者による、特性の試験が行われたが、会社の関心を引かず、それ以上のことはなかった[3]。(製品化はされなかった)。食欲抑制剤としてという説もある。

動物における毒性研究は、1950年代に米軍の支援によってミシガン大学でが行われ、後に機密解除が解け、1973年にハードマンが出版する[3]。1967年にアメリカ軍による機密扱いが解けた。

ダウ・ケミカル社の化学者であったアレクサンダー・シュルギンによって、MDMAが「再発見」されることになる[3]。1978年には、ダウ・ケミカル社の化学者だったアレクサンダー・シュルギンら『幻覚剤の精神薬学』の中で(The Psychopharmacology of Hallucinogens)にて、ヒトにおける主観的な作用に関する、初の報告が行われた[3]

シュルギンは先に1967年にMDAが深層にある感情への接近を容易にするため、心理療法に有益である可能性を報告していたが、この点でMDMAはMDAより優れていたため、心理学者のレオ・ゼフ英語版に紹介し、臨床現場での使用が始まった[3]PTSDの治療などに用いられた。

1980年代初期には、アメリカでの娯楽薬英語版としての使用が広まる[3]。1985年(5月)に、アメリカ麻薬取締局 (DEA) が、MDMAを(物質規制法の)スケジュールIに分類し、1987年から1988年の短期間を除き、アメリカではこの分類が継続されている[3]

そのダンス音楽との親近性により、1980年代後半からイギリスなどを中心に起こったセカンド・サマー・オブ・ラブブームやレイヴの代名詞として普及する。欧州では近年では価格の低下により若年層への普及が懸念されている。

日本での規制

日本では、麻薬及び向精神薬取締法によって規制されている。 MDMAの輸入、輸出、製造は1年以上10年以下の懲役。譲受け、譲渡し、所持は7年以下の懲役。施用(しよう、経口摂取など、身体に用いること)は7年以下の懲役となる。

出典

  1. ^ Stimulants, Narcotics, Hallucinogens - Drugs, Pregnancy, and Lactation., Gerald G. Briggs, OB/GYN News, 1 June 2003.
  2. ^ Methylenedioxymethamphetamine (MDMA, ecstasy)”. Drugs and Human Performance Fact Sheets. National Highway Traffic Safety Administration. 2009年4月16日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x MDMA current perspectives 2013.
  4. ^ マーティン・トーゴフ 『ドラッグ・カルチャー-アメリカ文化の光と影(1945~2000年)』 宮家あゆみ訳、清流出版2007年。ISBN 978-4860292331。436頁。
  5. ^ Nichols DE. "Differences between the mechanism of action of MDMA, MBDB, and the classic hallucinogens. Identification of a new therapeutic class: entactogens" J Psychoactive Drugs 18(4), 1986 Oct-Dec, pp. 305-13. PMID 2880944
  6. ^ 世界保健機関 (1994) (pdf). Lexicon of alchol and drug term. World Health Organization. ISBN 92-4-154468-6. http://whqlibdoc.who.int/publications/9241544686.pdf  (HTML版 introductionが省略されている
  7. ^ 世界保健機関『ICD‐10精神および行動の障害:臨床記述と診断ガイドライン』(新訂版)医学書院、2005年、39頁。ISBN 978-4-260-00133-5 
  8. ^ アメリカ精神医学会『DSM-IV-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル(新訂版)』医学書院、2004年、§幻覚剤関連障害頁。ISBN 978-0890420256 
  9. ^ 138 articles about mdma/ptsd therapy(MAPS、2010年7月30日)
  10. ^ EcstasyData.org (英語)
  11. ^ a b 国連薬物犯罪事務所 (2014). 2014 Global Synthetic Drugs Assessment (PDF) (Report). p. 23. 2014年10月1日閲覧 {{cite report}}: 不明な引数|publishe=は無視されます。 (説明)
  12. ^ Nick Wing (2015年5月20日). “This Music Festival Knows It Can't Stop People From Doing Drugs, So It's Trying To Keep Them Safe Instead”. Huffington Post. http://www.huffingtonpost.com/2015/05/20/lightning-in-a-bottle-festival-drugs_n_7336290.html 2015年10月1日閲覧。 
  13. ^ Ryan Bassil (2014年9月17日). “What's in My Baggie? Well, the MDMA You've Been Taking at Festivals This Summeri s Probably Bath Salts”. Noisey by VICE. https://noisey.vice.com/blog/whats-in-my-baggie-well-the-mdma-youve-been-taking-at-festivals-this-summer-is-probably-bath-salts-interview-documentary-2014 2015年10月1日閲覧。 
  14. ^ a b 福永龍繁「監察医務院から見えてくる多剤併用」『精神科治療学』第27巻第1号、2012年1月、149-154頁。  抄録

参考文献

外部リンク

成分データ