「名鉄西尾線」の版間の差分

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西尾線直通の特急には[[名鉄1000系電車|パノラマスーパー]]及び[[名鉄1600系電車|1600系]]特急電車が使用され、前者は西尾駅、後者は吉良吉田駅(一部西尾駅)をそれぞれ始発・終着とする特急に就いている。なお、1600系の定期検査時など車両の都合で[[名鉄2000系電車|2000系]]特急電車が代走することがあった。1999年5月のダイヤ改正までは[[名鉄7000系電車|7000系]]白帯車(特急仕様車)が、2005年1月のダイヤ改正までは[[名鉄8800系電車|8800系「パノラマDX」]]がそれぞれ乗り入れていたが、前者は特急運用からの撤退、後者は車両自体の引退により、乗り入れなくなった。
西尾線直通の特急には[[名鉄1000系電車|パノラマスーパー]]及び[[名鉄1600系電車|1600系]]特急電車が使用され、前者は西尾駅、後者は吉良吉田駅(一部西尾駅)をそれぞれ始発・終着とする特急に就いている。なお、1600系の定期検査時など車両の都合で[[名鉄2000系電車|2000系]]特急電車が代走することがあった。1999年5月のダイヤ改正までは[[名鉄7000系電車|7000系]]白帯車(特急仕様車)が、2005年1月のダイヤ改正までは[[名鉄8800系電車|8800系「パノラマDX」]]がそれぞれ乗り入れていたが、前者は特急運用からの撤退、後者は車両自体の引退により、乗り入れなくなった。


快速急行・急行・普通はほとんど[[名鉄6000系電車|6000系とその系列]]車両による4両編成または2両編成で運転されており、現行ダイヤでは、2005年1月ダイヤ改正以前に見られた[[名鉄5300系電車|5300系]]や、[[名鉄3500系電車 (2代)|3500系とその系列]]車両などは、代走などの例を除いて通常の運用では西尾線には入線していない。
快速急行・急行・普通はほとんど[[名鉄6000系電車|6000系とその系列]]車両による4両編成または2両編成で運転されており、現行ダイヤでは、2005年1月ダイヤ改正以前に見られた[[名鉄5700系電車|5300系・5700系]]や、[[名鉄3500系電車 (2代)|3500系とその系列]]車両などは、代走などの例を除いて通常の運用では西尾線には入線していない。


== 歴史 ==
== 歴史 ==

2008年2月28日 (木) 19:49時点における版

西尾線(にしおせん)は、愛知県安城市新安城駅から愛知県幡豆郡吉良町吉良吉田駅までを結ぶ名古屋鉄道(名鉄)の鉄道路線

なお、現在の西尾線は西尾鉄道と碧海電気鉄道によって開通させた路線から成り立っているが、1944年以前は西尾鉄道が開通させた愛知県岡崎市の岡崎新駅から西尾駅を経て三河吉田(現在の吉良吉田)駅までの区間を西尾線と称していた。本項ではその旧・西尾線を含めて記述する。

運賃計算区分はB(運賃計算に用いる距離は営業キロの1.15倍)。トランパスは、2008年2月末現在、福地駅~吉良吉田駅間を除く各駅で利用可能であり、2008年7月までには西尾線全線がシステムに対応する予定。

路線データ

  • 路線距離(営業キロ):24.7km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:13駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線)(新安城~西尾間ではかなりの部分で複線化対応用の用地が確保されている)
  • 交換可能駅:新安城・南安城・碧海桜井・米津・西尾・福地・上横須賀・吉良吉田
  • 電化区間:全線(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 最高速度:100km/h

概要

碧海台地に位置する安城市西尾市吉良町を結んでいる。また、名古屋本線蒲郡線を結ぶ路線でもある。

なお、途中駅は碧海桜井駅(時間帯により無人)・西尾駅を除き無人駅である。また各駅のホームは南安城駅と西尾駅が6両分、その他の駅(新安城駅2番ホームを含む)は4両分である。

高架・複線化

西尾駅西尾口駅間と南安城駅をそれぞれ中心とした一部区間は高架線となっているが、2008年7月には、高架化された碧海桜井駅も供用開始となる。

また、碧海桜井駅~米津駅間のアイシンAW本社近く(安城市小川町)に新駅設置、碧海桜井駅~新駅間と西尾駅~西尾口駅手前までの部分複線化もされる予定である。

駅集中管理並びにストアードフェアシステム

名鉄では、駅集中管理システム及びストアードフェアシステムトランパス)導入のための駅施設整備費用の軽減を考慮し、1日当たりの乗降客数が300人以下の駅を廃止対象とするため、2006年7月5日鎌谷駅(西尾市)と三河荻原駅(吉良町)の同年12月16日廃止を中部運輸局に申請、10月3日に認可されて予定通り廃止された。しかし、同じ乗降客数が300人以下である西尾口駅(西尾市)は市街地に位置するという事で除外されたほか、当初廃止対象だった碧海堀内駅(安城市)は自動改札機などの営業用施設費と維持費を除く鉄道施設費用と関連事務費を安城市が負担すること、今後の具体的な駅の利用促進策を示す事などで名鉄側と合意し、廃止が回避されている。

上記の駅廃止後、まず2007年10月4日西尾駅でシステムの供用を開始、11月14日には北安城駅~西尾口駅間の各駅に拡大された。そして、2008年7月までには西尾線全線で利用可能となる予定である。

運行形態

新安城~西尾間と西尾~吉良吉田間で異なり、西尾駅からは特急(すべて全車特別車)・快速急行・急行は名古屋本線直通(快速急行はすべての列車が、特急は朝夕に限り津島線にも乗り入れ。急行は朝夕のみ運転で、一部のみ名古屋本線直通)が基本で、新安城駅から特急と快速急行・急行は西尾駅まで運転されている(平日朝1本のみ吉良吉田行きの急行がある)。朝夕の特急は吉良吉田駅まで運転される列車がある。普通列車は新安城~西尾間の列車と蒲郡線直通の西尾~蒲郡間の列車が運転され、朝の通勤時間帯以降は全区間通しの運行はない。西尾以南では一部列車を除きワンマン運転を行っている。特急に関しては名鉄特急も参照。

昼間時間帯では新安城~西尾間は全車特別車特急と快速急行が毎時1本ずつ(両者の運行間隔は約30分。西尾駅で蒲郡発着ワンマン列車に連絡)と普通が毎時2本(約30分間隔。新安城で本線特急・豊川稲荷発着の(快速)急行に連絡)、西尾~吉良吉田(蒲郡)間は6000系2両編成のワンマン運転による普通のみ毎時2本(30分間隔。西尾で新安城方面の特急・快速急行に連絡)となっている。

車両

西尾線直通の特急にはパノラマスーパー及び1600系特急電車が使用され、前者は西尾駅、後者は吉良吉田駅(一部西尾駅)をそれぞれ始発・終着とする特急に就いている。なお、1600系の定期検査時など車両の都合で2000系特急電車が代走することがあった。1999年5月のダイヤ改正までは7000系白帯車(特急仕様車)が、2005年1月のダイヤ改正までは8800系「パノラマDX」がそれぞれ乗り入れていたが、前者は特急運用からの撤退、後者は車両自体の引退により、乗り入れなくなった。

快速急行・急行・普通はほとんど6000系とその系列車両による4両編成または2両編成で運転されており、現行ダイヤでは、2005年1月ダイヤ改正以前に見られた5300系・5700系や、3500系とその系列車両などは、代走などの例を除いて通常の運用では西尾線には入線していない。

歴史

先述した通り、現在の西尾線は新安城~西尾間は碧海電気鉄道、西尾~吉良吉田間は西尾鉄道がそれぞれ敷設した路線から成り立っている。

西尾鉄道は、岡崎新~西尾~港前間と西尾~吉田港間の路線を開通させた軌間762mmの軽便鉄道であった。東海道本線岡崎駅と西三河南部の西尾、平坂、吉田といった街を結ぶべく、1916年までにこれらの路線を全通させた。一方、碧海電気鉄道は名古屋鉄道の前身である愛知電気鉄道(愛電)の傍系会社として発足し、親会社の愛電と同様1500V電化で直線区間の多い高速運転可能な線形で開業した。

西尾鉄道は1926年に愛知電気鉄道に合併し、岡崎新~西尾~吉田港間を西尾線とした後、碧海電気鉄道と直通させるために、1067mm軌間への改軌と600V電化を行い、同社も高速運転の方針を捨てて600Vへの降圧を行った。その同社も後に名古屋鉄道に合併され、今村(現在の新安城)~西尾~吉良吉田間が碧西線となり、1948年に再び西尾線へと改称した。なお、碧海電気鉄道への合併を前に旧・西尾線の岡崎新~西尾間が休止されたが、このうち岡崎駅前~福岡町間が福岡線として再開したものの、直通運転していた岡崎市内線とともに1962年に廃止された。

年表

  • 1911年明治44年)10月30日 - 西三軌道が岡崎新~西尾間を開業。13.3kmを約50分かけて1日2往復運転する。
  • 1912年(明治45年)1月25日 - 西三軌道が西尾鉄道に社名変更。
  • 1914年大正3年)7月15日 - 中島(後の三河中島)~三和川間に三江島駅開業。
  • 1915年(大正4年) - 土呂~中島間の占部駅、三江島~八ツ面間の三和川駅廃止。
  • 1915年(大正4年)2月13日 - 西尾鉄道が西尾~一色口(現在の福地)間を開業。
  • 1915年(大正4年)3月14日 - 西尾鉄道 一色口~横須賀口(後に廃止)間が開業。
  • 1915年(大正4年)8月5日 - 西尾鉄道 横須賀口~吉良吉田間が開業。横須賀口駅廃止。
  • 1916年(大正5年)2月12日 - 西尾鉄道 吉良吉田~吉田港間が開業し全通。
  • 1926年(大正15年)7月1日 - 碧海電気鉄道が1067mm軌間・1500V電化で今村(現在の新安城)~米津間を開業。
  • 1926年(大正15年)12月1日 - 愛知電気鉄道が西尾鉄道を合併。岡崎新~西尾~吉田港間を西尾線とする。
  • 1928年昭和3年)8月5日 - 碧海電気鉄道 米津~碧電西尾口間が開業。
  • 1928年(昭和3年)10月1日 - 碧海電気鉄道 碧電西尾口~西尾間が開業。愛知電気鉄道西尾線 西尾~吉良吉田間の軌間を762mmから1067mmに改軌、600V電化。西尾駅を移転し碧海電気鉄道と接続。吉良吉田~吉田港間を廃止。鎌谷駅開業。碧海電気鉄道は600Vに降圧。
  • 1929年(昭和4年)4月1日 - 愛知電気鉄道西尾線 岡崎新~西尾間の軌間を762mmから1067mmに改軌、600V電化。西尾線三江島~久麻久間の八ツ面駅、碧海電気鉄道中学校前(現在の桜町前)~西尾間の碧電西尾口駅廃止。
  • 1930年(昭和5年)4月3日 - 愛知電気鉄道西尾線久麻久~西尾間に西尾口駅、碧海電気鉄道中学校前(現在の桜町前)~西尾間に碧海西尾口駅開業。
  • 1935年(昭和10年)8月1日 - 愛知電気鉄道と名岐鉄道が合併し、名古屋鉄道となる。
  • 1942年(昭和17年)12月28日 - 西尾線 吉良吉田~三河線三河吉田(現在の吉良吉田)間が開業。
  • 1943年(昭和18年)2月1日 - 西尾線の吉良吉田駅を三河吉田駅に統合し廃止。
  • 1943年(昭和18年)11月1日 - 西尾線 中島駅を三河中島駅に改称。
  • 1943年(昭和18年)12月16日 - 西尾線 岡崎新~西尾間が休止。
  • 1944年(昭和19年) - 西尾線 碧海古井駅・鎌谷駅休止。
  • 1944年(昭和19年)3月1日 - 名古屋鉄道が碧海電気鉄道を合併。今村~西尾~三河吉田間を碧西線とする。碧海西尾口駅を西尾口駅に統合。
  • 1948年(昭和23年)5月16日 - 碧西線を西尾線と改称。
  • 1949年(昭和24年)3月1日 - 一色口駅を福地駅に改称。
  • 1949年(昭和24年)12月1日 - 中学校前駅を桜町前駅に改称。
  • 1951年(昭和26年)12月1日 - 旧・西尾線の一部、岡崎駅前~福岡町間2.5kmが福岡線として営業再開。
  • 1952年(昭和27年)10月1日 - 碧海古井駅・鎌谷駅営業再開。
  • 1959年(昭和34年)7月12日 - 蒲郡線の昇圧に伴い同線との直通運転を中止。
  • 1959年(昭和34年)11月25日 - 旧・西尾線 福岡町~西尾間10.3kmが廃止。
  • 1960年(昭和35年)3月27日 - 全線の架線電圧を1500Vに昇圧。蒲郡線との直通運転再開。
  • 1960年(昭和35年)11月1日 - 三河吉田駅を吉良吉田駅に改称。
  • 1962年(昭和37年)6月17日 - 福岡線 岡崎駅前~福岡町間が廃止。
  • 1964年(昭和39年)9月14日 - 特急三河湾号運転開始(5500系使用)。
  • 1967年(昭和42年)4月10日 - パノラマカー乗り入れ開始。
  • 1969年(昭和44年)4月5日 - 上横須賀~三河荻原間の東富田駅廃止。
  • 1970年(昭和45年)5月1日 - 今村駅を新安城駅に改称。
  • 1989年平成元年)7月2日 - 西尾駅と西尾口駅が高架化。
  • 1989年(平成元年)7月15日 - パノラマスーパーが乗り入れる。
  • 1992年(平成4年)11月24日 - パノラマDXを特急に投入。
  • 1998年(平成10年)6月1日 - 西尾~吉良吉田間でワンマン運転開始。
  • 1999年(平成11年)5月10日 - パノラマカーとパノラマスーパーの運行終了。それに伴い1600系が運行開始。
  • 2005年(平成17年)1月29日 - パノラマDXの運行終了。それに伴いパノラマスーパーの運行を再開。
  • 2005年(平成17年)3月 - 1600系が定期検査のため、代走で初めて2000系が営業運転を行った。
  • 2006年(平成18年)12月16日 - 福地~上横須賀間の鎌谷駅と上横須賀~吉良吉田間の三河荻原駅が廃止。
  • 2007年(平成19年)3月1日 - 福地~蒲郡線蒲郡競艇場前の各駅(こどもの国駅除く)でサイクルトレイン5月31日まで試験運用。
  • 2007年(平成19年)10月4日 - 西尾駅にトランパスを導入。
  • 2007年(平成19年)11月14日 - 北安城駅~西尾口駅にトランパスを導入。
  • 2008年(平成20年)度 - 碧海桜井駅~米津駅間に新駅を開業予定。
  • 2008年(平成20年)度以降 - 福地駅~吉良吉田駅にトランパス導入予定。

駅一覧

営業中の区間

駅名 営業キロ 普通 急行 快速急行 特急 接続路線 所在地
新安城駅 0.0 名古屋鉄道:名古屋本線名鉄名古屋方面直通あり) 愛知県 安城市
北安城駅 2.6  
南安城駅 4.0  
碧海古井駅 5.7  
碧海堀内駅 6.7  
碧海桜井駅 7.9  
米津駅 11.6   西尾市
桜町前駅 13.0  
西尾口駅 14.2  
西尾駅 15.0  
福地駅 17.4    
上横須賀駅 20.5     幡豆郡吉良町
吉良吉田駅 24.7   名古屋鉄道:蒲郡線(直通)

●:すべての列車が停車 ◆:一部の列車が通過 ▲:一部の列車が停車 |:通過

廃止駅

  • 鎌谷駅 - 福地駅~上横須賀駅間。2006年12月16日廃止。
  • 三河荻原駅 - 上横須賀駅~吉良吉田駅間。2006年12月16日廃止。

廃止区間

駅一覧
岡崎新駅(岡崎駅前駅) - 土呂駅(福岡町駅) - 三河中島駅 - 三江島駅 - 久麻久駅 - 西尾口駅 - 西尾駅
接続路線

※いずれも1943年営業休止時点のもの。駅一覧の括弧内は福岡線として営業再開した時の駅名。

関連項目

外部リンク