Symbol (仮想通貨)

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シンボル
Symbol from nem.png
作者

Jaguar

Gimre

Bloody Rookie
開発元

Jaguar

Gimre

Hatchet
初版 2021年3月17日 (7か月前) (2021-03-17)
リポジトリ https://github.com/symbol
プログラミング
言語
C++
種別 ブロックチェーン
公式サイト nem.io
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Symbol(シンボル)とは、2021年3月17日に開始[1]されたブロックチェーンであり、プログラミング言語としてC++が使われている[2]NEMの大型アップデートとして開発され[3][4]、コンセンサスアルゴリズムにはProof-of-Stake(PoS)を改良したProof-of-Stake Plus(PoS+)を採用する[5]。内部通貨はXYM(ジム)である[3][6]

Symbolの代表的な機能として、モザイク、マルチシグ、アグリゲートトランザクション等が組み込まれ[7]、同時にパブリックチェーンとプライベートチェーンとの間でクロスチェーンスワップを用いて第三者機関なしにトークンの交換を可能にしている[8][9]

また、容易に利用できるエンタープライズ分野向けブロックチェーンプラットフォームと位置付けられ[8][10]APISDKを利用してWebサービスやアプリケーションに対して容易に接続することが可能とされている[11]

歴史[編集]

  • 2014年1月19日 - BitcointalkフォーラムにてUtopianFutureというBitcoin Talkフォーラムユーザーによって開発が呼びかけられ、コア開発者のJaguarとの開発が始まる。目標として金銭的な自由、分散化、平等、および連帯感の原則に基づいた、新しい経済圏の創出とした[12][13]
  • 2014年6月25日 - オープンアルファテストを開始する[14]
  • 2014年10月20日 - オープンベータテストを開始する[14]
  • 2015年3月31日 - Symbolの前身であるNEMが公開される[12][15]。またNEMのジェネシスブロックは2日前の3月29日に生成されている[16]
  • 2016年5月20日 - テックビューロ株式会社は、パブリック型ブロックチェーンNEMとテックビューロの開発するプライベート型ブロックチェーンMijinの両方がCatapult(カタパルト)というコードネームの技術を共有することを発表し、NEMとの提携を正式化した[17]
  • 2016年11月15日 - テックビューロがブロックチェーンコア「Catapult」のホワイトペーパーを公開[18]
  • 2018年3月25日 - Catapultのベータ版がリリースされる[19]
  • 2018年5月14日 - Catapultがプライベートブロックチェーンであるmijin v2の機能およびオープンソースプログラムとして公開される[20]
  • 2019年1月21日 - カタパルトサーバーの第2マイルストーン「Bison」を発表[21]
  • 2019年2月13日 - カタパルトサーバーの第3マイルストーン「Cow」を発表[22]
  • 2019年6月6日 - カタパルトサーバーの第4マイルストーン「Dragon」を発表[23]
  • 2019年7月1日 - カタパルトサーバーの第5マイルストーン「Elephant」を発表[24]
  • 2019年10月14日 - カタパルトサーバーの第6マイルストーン「Fushicho」を発表[25]
  • 2019年11月2日 - カタパルトはNEMとは異なる、新たなブロックチェーンとして公開されることが確認される[26][27]
  • 2019年12月20日 - ブロックチェーン「カタパルト」について、名称を「Symbol(シンボル)」にすることが提案される[28]
  • 2020年1月4日 - コミュニティ投票により名称を「Symbol(シンボル)」にすることが決定する[29]
  • 2020年1月10日 - 「カタパルト」のパブリックテストネットが公開される[30]
  • 2020年2月1日 - Symbolのティッカーシンボルが「XYM」に決定する[31]
  • 2020年8月17日 - ブロックチェーン「Symbol」のメインネットの公開が2020年12月17日予定と発表される[32]
  • 2020年8月25日 - ブロックチェーン「Symbol」で利用されるトークン「XYM」を受け取る意思表明(オプトイン)が9月15日からになることが発表される[33]。9月15日にオプトインが予定通り開始された[34]
  • 2020年9月26日 - カタパルトサーバーの第8マイルストーン「Hippopotamus」を発表し、「Symbol(シンボル)」のパブリックテストネットを公開する[35]
  • 2020年11月19日 - Symbolのメインネット公開日が2021年1月14日に延期されることが発表される[36]
  • 2020年12月30日 - Symbolのメインネット公開日が2021年2月に再延期されることが発表される[37]
  • 2021年1月28日 - NEM技術普及推進会NEMTUS(ネムタス)が、ブロックチェーン「Symbol」に対して負荷テストを行う[38]。翌月2日にその結果を報告する[39]
  • 2021年2月18日 - Symbolの最終ストレステストを開始し[40]、23日にテストの合格が発表される[41]。同時に、スナップショットをしてXYMを保有する枚数を確定させる日が3月12日、Symbolのメインネットの公開日が3月15日に決定する[42]
  • 2021年3月12日 - スナップショットが完了する[43]
  • 2021年3月17日 - Symbolのメインネットが公開される[44]
  • 2021年4月30日 - 日本国内取引所ZaifにてXYMの取扱が発表される[45]。5月10日にはXYMの付与を開始し、17日に取引を開始した[46]

特徴[編集]

XYM[編集]

XYM
使用
国・地域
世界の旗 世界
総発行量8,999,999,999 XYM
補助単位
 10−6μXYM (microXYM)
 10−3mXYM (milliXYM)
通貨記号XYM

Symbolには内部通貨として「XYM」が規定され、トークンを取引する際の手数料や取引承認作業をした人への報酬として使われている。最大発行量は約90億(8,999,999,999)XYMに設定されている[3]

XYMはスナップショット時にアカウントが保有していた暗号通貨NEMの内部通貨であるXEMの量に応じて発行され、その一部はインフレ報酬として100年以上かけて発行されている[3]

ハーベスト[編集]

SymbolではコンセンサスアルゴリズムとしてProof-of-Stake Plus(PoS+)を採用し、ブロック生成するプロセスをハーベスト(ハーベスティング)という。ブロック生成はおよそ30秒で行われ、その間にブロックに入る手数料(fee)と予めプロトコルで用意されているインフレ報酬量の合計が、ハーベストを行うアカウントの報酬としてXYMが配分される[47]

またハーベストを行うアカウントは、XYMの残高が1万XYM以上にアカウントに対して、重要度(インポータンススコア)と言われる値によってランダムに決定する。そのインポータンススコアは以下のスコアを基にして算出される。

  • ステークスコア:自分のアカウントのXYMの保有量から1万XYMを持っているアカウントのXYMの総額を割ったもの
  • トランザクションスコア:取引によるトランザクション手数料の総額
  • ノードスコア:アカウントがノードによってハーベスティングされた手数料の受取人になった回数

ここでトランザクションスコアとノードスコアをアクティビティスコアと言う[5]

モザイク[編集]

モザイクはSymbol上で発行するトークンであり、投票、株式、会員証、証明書、認定証、ポイント、ゲームアイテム等をモザイクとして発行した暗号資産として取り扱うことができるようになる[48]

またモザイクの発行者は、どのアカウントがモザイクを取引できるかを決定できる機能であるモザイク制限を使う事ができる[49]。そのため、規制を守ることを要求するセキュリティトークン(証券をトークン化したもの)の発行に適しているプラットフォームと考えられている[3]

ネームスペース[編集]

ネームスペースとは、ブロックチェーン上のドメインのようなものであり、テキスト形式でアドレスやモザイクに好きな名前を付ける事ができる[50][51]。それにより、アドレスに名前を付けて覚えやすくして取引をし易くしたり、モザイクに名前を付けて暗号資産の名前にすることができるようになる[52]

アグリゲートトランザクション[編集]

アグリゲートトランザクション(複合トランザクション)とは、複数の処理を一つのまとめ、トラストレス(第三者機関が不要)な取引ができるものである。それにより、高度な取引が効率的に行われると考えられている[3][53]

マルチシグ[編集]

マルチシグとは、トランザクションを実行する時に複数の秘密鍵での署名を要する機能である。マルチシグを必要とするトランザクションを使うと、一つの秘密鍵が漏洩してウォレットアカウントへの不正ログインが行われた時、他の秘密鍵が安全である限り、トランザクションを送信する時に他のウォレットの署名が必要になるので、トークンの送信ができない。Symbolでは、これまでのマルチシグ機能に加え、複数レイヤー(グループ)のマルチシグ機能も利用になっている。この機能により、署名者をレイヤーに分け各レイヤーから代表者だけが署名をするなど、NEMよりも複雑な署名方法を選択する事ができる[3][54]

アカウント制限[編集]

Symbolには特定のアカウントからのトランザクションを制限する機能があり、特定のアドレスからの受信のみ取引を実行したり、許可したトークンを保有したアドレスのみ取引を実行したり、受信されたトランザクションの操作タイプによって受信を制限することができる[3][55]

メタデータ[編集]

メタデータとは、アカウント、モザイク、ネームスペースに付ける情報であり、トークンに所有者の情報を付ける事で所有権の記録の発行や、ある従業員の情報が付けられたトークンの交換による人の施設への入室や退室の管理などを行うことができることが考えられている[3][56]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Symbol has launched”. Symbol Blockchain (2021年3月17日). 2021年4月2日閲覧。
  2. ^ nemtech/catapult-server”. nemtech (2021年3月31日). 2021年4月2日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 仮想通貨シンボル(XYM)とは|初心者でもわかる重要ポイントと将来性”. CoinPost (2020年12月30日). 2021年4月3日閲覧。
  4. ^ ネム(NEM)のシンボルとは?オプトインについてや今後の動きを解説!”. Coincheck (2021年3月30日). 2021年4月3日閲覧。
  5. ^ a b コンセンサス”. Symbol Documentation. 2021年4月3日閲覧。
  6. ^ ネム、次世代ブロックチェーンのシンボルをローンチ”. コインテレグラフジャパン (2021年3月17日). 2021年4月3日閲覧。
  7. ^ ガイド”. Symbol Documentation. 2021年4月2日閲覧。
  8. ^ a b NEMが次世代エンタープライズブロックチェーン「Symbol」をローンチ”. Biz/Zine. 2021年4月7日閲覧。
  9. ^ パブリックとプライベート間のアトミッククロスチェイン交換 — Symbol Documentation”. docs.symbolplatform.com. 2021年4月7日閲覧。
  10. ^ NEM財団、新ブロックチェーンSymbolのローンチに向けて日本チームを強化へ”. HEDGE GUIDE. ハーチ (2020年3月11日). 2021年4月3日閲覧。
  11. ^ Symbolとは?”. Symbol Documentation. 2021年4月3日閲覧。
  12. ^ a b 仮想通貨 ネム(XEM)とは|今後の将来性とおすすめ取引所” (日本語). CoinPost|仮想通貨ビットコインニュース・投資情報. 2021年4月5日閲覧。
  13. ^ SeanM. “How I Got $1500 for Commenting On an Article” (英語). Let's Talk Bitcoin. 2021年4月4日閲覧。
  14. ^ a b 中国のCERT報告書:NEM(XEM)が最も安全なプロジェクト” (日本語). CoinPost|仮想通貨ビットコインニュース・投資情報. 2021年4月9日閲覧。
  15. ^ NEM Launches, Targets Old Economy with Proof-of-Importance” (英語). Cointelegraph. 2021年4月4日閲覧。
  16. ^ NEM - BlockChain Explorer”. explorer.nemtool.com. 2021年4月4日閲覧。
  17. ^ ブロックチェーン技術のテックビューロとオープンソースプロジェクトNEMが提携しMijinの新型コアエンジン『Catapult』を共通採用”. PR TIMES. 2021年4月4日閲覧。
  18. ^ テックビューロが次世代の超高性能ブロックチェーンコア『Catapult』のホワイトペーパーを公開”. PR TIMES. 2021年4月4日閲覧。
  19. ^ ネム(NEM/XEM)のカタパルトベータ版がリリース” (日本語). 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ. 2021年4月29日閲覧。
  20. ^ テックビューロ社が独自ブロックチェーンのミジン(mijin v..2)にカタパルト(Catapult)をリリース|仮想通貨ニュースと速報-コイン東京(cointokyo)”. cointyo.jp. 2021年4月29日閲覧。
  21. ^ 西内達也 (2019年1月21日). “ネム(NEM) カタパルトのBisonアップデートと3つの主要機能とは?” (日本語). CoinChoice. 2021年4月4日閲覧。
  22. ^ 西内達也 (2019年2月13日). “ネム(NEM)カタパルトのCowアップデート、その内容と機能とは?” (日本語). CoinChoice. 2021年4月4日閲覧。
  23. ^ NEM財団、カタパルトサーバーの第4マイルストーン「ドラゴン」の詳細発表 〜ハーベスト報酬の分配やモザイクトークンの発行方式を追加” (日本語). 仮想通貨 Watch (2019年6月6日). 2021年4月4日閲覧。
  24. ^ NEM(XEM)の報酬システムがさらに平等に|カタパルトアップデートで「PoS+」実装” (日本語). 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ. 2021年4月4日閲覧。
  25. ^ 西内達也 (2019年10月16日). “ネム(NEM)カタパルト間近?Fusichoアップデートリリースが財団技術部門より報告” (日本語). CoinChoice. 2021年4月4日閲覧。
  26. ^ 仮想通貨ネム(XEM)、カタパルト移行の最新情報を発表|一般ユーザーから意見も募集へ” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  27. ^ Migration Committee Community Update #3 - Revised Recommendation” (英語). NEM Forum (2019年11月1日). 2021年4月4日閲覧。
  28. ^ 仮想通貨NEMのカタパルト、新ブランド戦略を発表 名称やロゴの変更も” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  29. ^ 仮想通貨NEMのカタパルト、新ブランドは「Symbol」に|コミュニティ投票で可決” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  30. ^ 仮想通貨ネムのカタパルト、パブリックテストを開始 メインネット公開日程にも言及” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  31. ^ 仮想通貨ネムの「Symbol」、新ティッカーを「XYM」に決定” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  32. ^ ネム、新チェーンSymbol稼働を12月17日に仮設定” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  33. ^ ネム(XEM)保有者の新通貨受取り表明、来月15日から開始へ Symbolロードマップも更新” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  34. ^ Opt-in opens with the NEM desktop wallet” (英語). NEM Forum (2020年9月15日). 2021年4月4日閲覧。
  35. ^ ネムグループ、「Symbol(シンボル)」のテストネットをリリース” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  36. ^ 仮想通貨ネムの新チェーン「Symbol」ローンチ日は21年1月に” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  37. ^ 仮想通貨ネムの新チェーンSymbol、ローンチ予定日が21年2月に再延期” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  38. ^ 仮想通貨ネムの新チェーンSymbol、日本コミュニティ主導で負荷テストを実施” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  39. ^ 仮想通貨ネムの新チェーンSymbol、負荷テスト結果をNEMTUSが報告” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  40. ^ 仮想通貨ネムの新チェーンSymbol、ローンチに向けた最終テスト段階へ” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  41. ^ 本日20時に重大発表へ|仮想通貨ネムの新チェーンSymbolテスト合格、XEM70円台まで高騰” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  42. ^ 仮想通貨ネムの新チェーンSymbol、ローンチ日と権利確定日時を発表” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  43. ^ ネム、新通貨Symbolに向けたスナップショットとファイナライズ完了” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  44. ^ ネムの新通貨Symbol(XYM)が誕生” (日本語). CoinPost. 2021年4月4日閲覧。
  45. ^ 国内大手取引所Zaif、仮想通貨ネムの新通貨Symbol(XYM)付与が決定” (日本語). CoinPost|仮想通貨ビットコインニュース・投資情報. 2021年4月30日閲覧。
  46. ^ 仮想通貨取引所Zaif、国内初となるネムの新通貨シンボル(XYM)の板取引を開始” (日本語). CoinPost|仮想通貨ビットコインニュース・投資情報. 2021年5月17日閲覧。
  47. ^ ハーベスティング”. Symbol Documentation. 2021年4月3日閲覧。
  48. ^ モザイク”. Symbol Documentation. 2021年4月4日閲覧。
  49. ^ モザイク制限 — Symbol Documentation”. docs.symbolplatform.com. 2021年4月6日閲覧。
  50. ^ 仮想通貨ネム、独自トークン発行機能におけるカタパルトでの新たなアップデートを発表” (日本語). CoinPost|仮想通貨ビットコインニュース・投資情報. 2021年4月5日閲覧。
  51. ^ ネームスペース — Symbol Documentation”. docs.symbolplatform.com. 2021年4月5日閲覧。
  52. ^ ブロックチェーン・アプリケーションの開発方法|イーサリアムとNEM(ネム)の違い” (日本語). CoinPost|仮想通貨ビットコインニュース・投資情報. 2021年4月5日閲覧。
  53. ^ アグリゲートトランザクション”. Symbol Documentation. 2021年4月4日閲覧。
  54. ^ マルチシグアカウント — Symbol Documentation”. docs.symbolplatform.com. 2021年4月5日閲覧。
  55. ^ アカウント制限”. Symbol Documentation. 2021年4月4日閲覧。
  56. ^ メタデータ — Symbol Documentation”. docs.symbolplatform.com. 2021年4月5日閲覧。

外部リンク[編集]