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Summer (久石譲の曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Summer
久石譲楽曲
収録アルバム菊次郎の夏 サウンドトラック
リリース1999年5月26日
規格CD
ジャンルサウンドトラック
レーベルポリドール/ポリグラム
作曲者久石譲
プロデュース久石譲
その他収録アルバム
  • オリジナル
    • 『joe hisaishi meets kitano films』
  • アレンジバージョン
    • 『Shoot The Violist〜ヴィオリストを撃て〜』(久石譲アンサンブル名義)
    • ENCORE
    • CURVED MUSIC II 〜CM Tracks of JOE HISAISHI〜
    • 『a Wish to the Moon -Joe Hisaishi & 9 cellos 2003 ETUDE&ENCORE TOUR-』
    • 『空想美術館』
    • 『Melodyphony 〜Best of Joe Hisaishi〜』
    • 『THE BEST OF CINEMA MUSIC』
    • 『Dream Songs: The Essential Joe Hisaishi』
菊次郎の夏 サウンドトラック収録順
Summer
(1)
Going Out
(2)

Summer』(サマー)は、日本作曲家久石譲の楽曲。1999年公開の映画『菊次郎の夏』(監督・北野武)のメインテーマ。後にトヨタカローラ』のCMやキリンビバレッジの企業CMなどにも使用された[1]

解説

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幅広い音楽性が盛り込まれた久石譲の集大成ともいえる楽曲[2]。映画『菊次郎の夏』では、劇中において様々なアレンジでリフレインされており、サウンドトラック盤ではそれぞれタイトルが異なっている。サウンドトラックの場合、「Summer」は映画のオープニングで使用されている音源のことを指す。『キーボードマガジン』1999年8月号に本曲のスコアが掲載された。編成はピアノ弦五部キーボードハープパーカッション[3]

「Summer」は前半の主題(映画のメインタイトルおよびCMで流れる旋律はここに当たる)と、後半の副題と、主題の変奏から構成されている。サウンドトラックでは、「Going Out」「Mad Summer」「River Side」が主題の旋律。また、「The Rain」「Summer Road」の終結部も主題の旋律となる。「Kindness」「Angel Bell」「Two Hearts」「Summer Road」では副題の旋律が使われている。

監督の北野武からメインテーマには「絶対にピアノでリリカル(叙情的)なものを」と依頼されていたため、久石はその意向に沿った主題(第1テーマ)と、軽くて爽やかな副題(第2テーマ)を作曲した。ところが北野が後者を気に入ったため、主題と副題が逆転し、久石は映画で使用するために押さえていた箇所を全て差し替えることになったという。久石は北野について「しかし、そのときに監督が出した方向性というのは、実は圧倒的に正しいんですよ。僕なんかでは太刀打ちできない『時代を見つめる目』があるんです」と述べている[4]

セルフカバー

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久石譲のコンサートやソロアルバムでは、副題は使用せず主題を中心とした独自の構成がなされており、アンサンブル、ピアノソロ、オーケストラ等、様々な編成で演奏されている。

イギリス弦楽四重奏団バラネスク・カルテットと共演したアンサンブルコンサートツアー「PIANO STORIES'99 Ensemble Night with Balanescu Quartet」(公演期間1999年10〜11月)で初演。また、この公演と同編成でレコーディングされたアルバム『Shoot The Violist〜ヴィオリストを撃て〜』(2000年)に初収録された。

2001 JOE HISAISHI SUPER ORCHESTRA NIGHT」(公演期間2001年10〜12月)のアンコールでピアノソロ初演。ピアノソロアルバム『ENCORE』(2002年)にも同アレンジで収録された。

シンフォニックスペシャル2003〜子供たちとかつて子供であった人たちへ〜」(公演期間2003年7〜8月)のアンコールでオーケストラ初演。この模様はライブベスト盤『空想美術館』に収録された。

テレビCM

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2000年より、カローラセダンのCM(「変われるって、ドキドキ。(セダン)」篇・2000 - 2001年)およびカローラフィールダーのCM(「変われるって、ドキドキ。(フィールダー)」篇・2000 - 2002年)に、サウンドトラックの「Summer」が使用された。

つんく♂出演のカローラランクスのCM(「先いくって、ドキドキ。」篇・2001年)では、サウンドトラックより「Mad Summer」が使用された。

森高千里出演のカローラスパシオのCM(「広がるって、ドキドキ。」篇・2001 - 2002年)では、CM用に制作されたギター・バージョンが使用された。ギター・バージョンは久石譲のCMトラックを集めたアルバム『CURVED MUSIC II CM Tracks of Joe Hisaishi』(2003年)に収録されている。

2023年より、キリンビバレッジの機能性飲料CM、および企業CMにおいて使用されている。

収録作品

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オリジナル

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収録作品 発売日 規格 規格品番 備考
菊次郎の夏 サウンドトラック 1999年5月26日 CD POCH-1788 映画のオリジナル・サウンドトラック。
joe hisaishi meets kitano films 2001年6月21日 CD UPCH-1086 北野武監督作品のオリジナル・サウンドトラックからのベストセレクション。
菊次郎の夏』からは「Summer」と「The Rain」を収録。

アレンジバージョン

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収録作品 発売日 規格 規格品番 備考
Shoot The Violist〜ヴィオリストを撃て〜 2000年5月17日 CD POCH-1928 久石譲アンサンブル」名義によるソロアルバム。
アンサンブル・バージョンを収録。
ENCORE 2002年3月6日 CD UPCH-1142 久石譲単身でのピアノ演奏によるソロアルバム。
ピアノソロ・バージョンを収録。
CURVED MUSIC II 〜CM Tracks of JOE HISAISHI〜 2003年1月29日 CD UPCH-1216 CM音楽集。
ギター・バージョンを収録、後半を一部カットしたオリジナル・サウンドトラックも収録されている。
a Wish to the Moon -Joe Hisaishi & 9 cellos 2003 ETUDE&ENCORE TOUR- 2003年6月25日 DVD UPBH-1094 ライブDVD。
ピアノソロによる演奏を収録。
空想美術館 2003年10月22日 CD UPCH-1299 ライブベスト盤。
オーケストラ・バージョンを収録。
Melodyphony 〜Best of Joe Hisaishi〜 2010年10月27日 CD+DVD
(初回盤A)
UMCK-9386 ロンドン交響楽団によるベスト盤。
オーケストラ・バージョンを収録。
CD+DVD
(初回盤B)
UMCK-9387
CD
(通常盤)
UMCK-1369
THE BEST OF CINEMA MUSIC 2011年9月27日 CD UPCH-1299 ライブ盤。
オーケストラ・バージョンを収録。
Dream Songs: The Essential Joe Hisaishi 2020年2月21日 CD UMCK-1638/9 ベスト盤。
『Melodyphony 〜Best of Joe Hisaishi〜』収録のロンドン交響楽団によるオーケストラ・バージョンを収録。

脚注

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  1. ^ トヨタ「カローラ」CM曲/久石譲「SUMMER」”. CDジャーナル. 音楽出版社 (2001年10月9日). 2021年9月19日閲覧。
  2. ^ 『keyboard magazine 1999年8月号』リットーミュージック、1999年、50p。
  3. ^ 『keyboard magazine 1999年8月号』リットーミュージック、1999年、50-66p。
  4. ^ 『プレミア 2001年10月号』ハースト婦人画報社、2001年、70p。