ムクワジュ・アンサンブル

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ムクワジュ・アンサンブル(Mkwaju Ensemble)は、日本パーカッションアンサンブル

概要[編集]

久石譲が、音大在学中から取り組んできた自身のミニマル・ミュージックの活動のために、1979年に結成したアンサンブルグループ。久石が卒業後に作曲科の後輩らと結成した「プラーナ・アンサンブル」を発展的解消し組成された「久石譲グループ」[1]から打楽器奏者のみを独立させて発足した[2]

現代音楽としてのミニマルを追求していたが、ブライアン・イーノによるアンビエント・ミュージックの登場などにより久石がアンサンブルの活動に疑問を感じ始め、メンバーの中からフュージョンの分野とコラボレーションを行いたいと意見が出るなど、グループ内の方向性で次第にズレが生じるようになる。1981年に久石のプロデュースという形で日本コロムビアのBETTER DAYSレーベルからファーストアルバム『MKWAJU』をリリース。久石は本作を10年間悩み続けた成果として、この1枚で手を引きグループから去った。残りのメンバーは独自に活動を続けたが、同年にセカンドアルバム『樹・モーション』をリリースした後すぐに解散した[3]

メンバーは高田みどり、定成庸司、荒瀬順子[4][5]。バンド名のMkwaju(ムクワジュ)はスワヒリ語で「タマリンドの樹」を意味する[6]。『MKWAJU』にはゲストミュージシャンとしてシンセサイザープログラマー松武秀樹ラテンパーカッショニストペッカーが参加している[7]

ディスコグラフィー[編集]

  発売日 タイトル 規格 規格品番 レーベル 備考
1st 1981年6月25日 ムクワジュ/MKWAJU LP YF-7019-ND BETTER DAYS 久石譲の初プロデュース作[5]。久石がプロデュース・作曲を行い、みずからキーボードで参加している[4]
1991年8月21日 CD COCO-7764 デンオン
2005年4月20日 CD COCB-53340 J-room
2018年1月31日 UHQCD COCB-54240 日本コロムビア
2018年11月15日 LP
CD
WRWTFWW025
WRWTFWW025CD
WRWTFWW records
2nd 1981年12月1日 樹・モーション/Ki-Motion LP YF7035ND BETTER DAYS 千野秀一プロデュースのもと、村上“ポンタ”秀一なども参加した作品[5]。高田みどり作曲作品も2曲収録されている[4]
1991年8月21日 CD COCO7765 デンオン
2018年1月31日 UHQCD COCB-54241 日本コロムビア
2018年7月5日 LP
CD
WRWTFWW026
WRWTFWW026CD
WRWTFWW records

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ「Castle in the Sky」ライナーノーツ、2018年。
  2. ^ 久石譲『I am』1992年、186-198p、メディアファクトリー
  3. ^ 久石譲『I am』1992年、195-203p、メディアファクトリー
  4. ^ a b c ムクワジュ・アンサンブル『ムクワジュ・ファースト』『樹・モーション』 BETTER DAYSレーベル設立40周年記念、高音質UHQCDで再発!”. Mikiki. TOWER RECORDS ONLINE (2018年3月2日). 2019年6月7日閲覧。
  5. ^ a b c ムクワジュ・アンサンブル1981年のアルバムが英レーベルより初のLPリイシュー”. ARBAN. 株式会社ヴィジュアルノーツ (2018年4月18日). 2019年6月7日閲覧。
  6. ^ インタビュー:高田みどり”. Red Bull Music Academy Japan. レッドブル (2018年7月20日). 2019年6月7日閲覧。
  7. ^ 「MKWAJU」ライナーノーツ、日本コロムビア、2005年