2023年山梨県知事選挙
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2023年山梨県知事選挙(2023ねんやまなしけんちじせんきょ)は、2023年(令和5年)1月22日に執行された山梨県知事を選出するための選挙である。
概要
現職の長崎幸太郎の任期満了(期日:2023年2月16日)に伴い執行。
主な争点
- 保守分裂選挙
- 前回の選挙では長崎が自由民主党の推薦を受け当選したが、今回の選挙では自由民主党の県議会議員である志村直毅が県議会最大会派である「自民党誠心会」の支持を受けていることから保守分裂選挙になることが確実になった[1]。保守分裂状態になるのは2007年山梨県知事選挙以来となる。
- 4年間の長崎県政への評価
→「長崎幸太郎 § 知事としての政策」も参照
- 2019年に就任した長崎知事はこれまで中部横断自動車道の県負担減免[2]や新型コロナウイルス対応[3]などで評価を受ける一方、衆議院議員時代に山梨2区で議席を争った堀内詔子の夫が社長を務める富士急行と県有地訴訟およびジェットコースター問題で対立[4]したことで保守分裂状態を招き、山梨県総合球技場構想の計画見直し[5]や存続が決まっていた山梨県立八ヶ岳スケートセンターの廃止表明[6]など就任前の計画・公約を転換することが相次いでいる。
選挙日程
- 告示日 - 2023年1月5日
- 投開票日 - 2023年1月22日
同日選挙
立候補者
(立候補届け出順)
氏名 | 年齢 | 党派 | 現元新 | 職業・肩書 |
---|---|---|---|---|
長崎幸太郎 (ながさき こうたろう) |
54 | 無所属[注 1] | 現 | 山梨県知事(現職) 元衆議院議員 元財務省主計官補佐 |
倉嶋清次 (くらしま せいじ) |
74 | 無所属[注 2] | 新 | 元笛吹市長 元農林水産省情報化対策室長 市民連合やまなし共同代表 |
志村直毅 (しむら なおき) |
53 | 無所属 | 新 | 元山梨県議会議員 元笛吹市議会議員 農家 |
立候補が取り沙汰された人物
タイムライン
- 2022年
- 9月21日 - 現職の長崎が県議会本会議で再選を目指し立候補を表明[12]。
- 11月2日 - 山梨県選挙管理委員会は告示日2023年1月5日、投票日を22日とした[13]。
- 11月9日 - 志村が立候補を表明[14]。
- 11月15日 - 倉嶋が立候補を表明[15]。
- 12月6日 - 自由民主党が長崎の推薦を決定[16]。
- 12月17日 - 志村が自由民主党を離党[17]。
- 12月28日 - 志村が山梨県議会に辞職願を提出し受理(辞職は同月31日付)[18]。
政党の対応
- 自由民主党
- 県議会会派「自民党誠心会」は長崎知事の富士急行に関する県有地問題などの姿勢を考慮し志村を擁立した[1]。
- 山梨県連は11月12日、保守分裂が確実な状況を踏まえ、推薦の取り扱いについて協議を開始した。11月19日に県議団と国会議員の合同会議を開催し、県連としての決定を行うとしていた[19]。自民党に籍を置く候補予定者は長崎と志村の2人がいたが、12月6日に長崎の推薦を決定した[16]。
- 公明党
- 公明党はは12月15日に長崎の支持を決定した[20]。
- 立憲民主党
- 立憲民主党は11月18日、出馬を表明した長崎幸太郎知事に対し意見書を提出し、反応を踏まえ対応を決定するとしている[21]。その後、第49回衆議院議員総選挙・第26回参議院議員通常選挙での敗北を踏まえ候補者擁立見送りを決定。自民党籍を保持したまま立候補予定の長崎・志村について支援せず、倉嶋に対しても推薦を見送った[9]。但し、志村についてはその後自民党を離党したことから、先述の通り中島が個人的に支持を表明している[11]。
- 日本共産党
- 日本共産党は48年ぶりに知事選への独自候補擁立を見送り、12月5日に倉嶋の支持を決定した[22]。
- れいわ新選組
- れいわ新選組は12月23日に倉嶋の支持を決定した[23]。
- 社会民主党
- 社会民主党は12月15日までに倉嶋の支持を決定した[24]。
選挙結果
投開票の結果、現職の長崎が再選を果たした[25]。
※当日有権者数:679,320人 最終投票率:52.29[26]%(前回比:-5.64pts)
候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 | 得票率 | 推薦・支持 |
---|---|---|---|---|---|---|
長崎幸太郎 | 54 | 無所属 | 現 | 215,517票 | 61.33% | (推薦)自由民主党・公明党 |
志村直毅 | 53 | 無所属 | 新 | 106,783票 | 30.38% | |
倉嶋清次 | 74 | 無所属 | 新 | 29,195票 | 8.31% | (支持)日本共産党・社会民主党・れいわ新選組 |
市町村 | 長崎幸太郎 | 志村直毅 | 倉嶋清次 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
得票 | % | 得票 | % | 得票 | % | |
合計 | 215,517 | 61.33% | 106,783 | 30.38% | 29,195 | 8.31% |
甲府市 | 39,758 | 56.59% | 23,633 | 33.64% | 6,865 | 9.77% |
富士吉田市 | 12,957 | 60.80% | 7,433 | 34.88% | 920 | 4.32% |
都留市 | 9,056 | 69.39% | 3,215 | 24.64% | 779 | 5.97% |
山梨市 | 9,878 | 62.50% | 4,594 | 29.07% | 1,333 | 8.43% |
大月市 | 8,901 | 74.60% | 2,247 | 18.83% | 784 | 6.57% |
韮崎市 | 7,505 | 60.54% | 3,915 | 31.58% | 977 | 7.88% |
南アルプス市 | 18,495 | 64.45% | 7,657 | 26.68% | 2,545 | 8.87% |
北杜市 | 12,869 | 57.97% | 5,635 | 25.38% | 3,695 | 16.64% |
甲斐市 | 16,647 | 59.57% | 8,883 | 31.79% | 2,415 | 8.64% |
笛吹市 | 14,251 | 48.99% | 12,507 | 43.00% | 2,330 | 8.01% |
上野原市 | 9,376 | 71.51% | 2,949 | 22.49% | 787 | 6.00% |
甲州市 | 9,152 | 62.38% | 4,402 | 30.00% | 1,117 | 7.61% |
中央市 | 9,356 | 63.84% | 4,260 | 29.07% | 1,039 | 7.09% |
市川三郷町 | 5,054 | 67.77% | 1,796 | 24.08% | 608 | 8.15% |
早川町 | 388 | 66.10% | 176 | 29.98% | 23 | 3.92% |
身延町 | 4,261 | 73.68% | 1,164 | 20.13% | 358 | 6.19% |
南部町 | 3,051 | 73.57% | 904 | 21.80% | 192 | 4.63% |
富士川町 | 4,327 | 63.99% | 1,893 | 27.99% | 542 | 8.02% |
昭和町 | 4,535 | 59.81% | 2,450 | 32.31% | 597 | 7.87% |
道志村 | 652 | 65.53% | 281 | 28.24% | 62 | 6.23% |
西桂町 | 1,507 | 71.66% | 515 | 24.49% | 81 | 3.85% |
忍野村 | 2,344 | 58.72% | 1,452 | 36.37% | 196 | 4.91% |
山中湖村 | 1,727 | 61.94% | 905 | 32.46% | 156 | 5.60% |
鳴沢村 | 978 | 62.89% | 500 | 32.15% | 77 | 4.95% |
富士河口湖町 | 7,820 | 66.48% | 3,258 | 27.70% | 685 | 5.82% |
小菅村 | 372 | 75.46% | 100 | 20.28% | 21 | 4.26% |
丹波山村 | 300 | 81.08% | 59 | 15.95% | 11 | 2.97% |
脚注
注釈
出典
- ^ a b “山梨 自民分裂の見通し 誠心会・志村氏出馬意向”. 毎日新聞. (2022年11月10日). オリジナルの2022年11月10日時点におけるアーカイブ。 2022年11月10日閲覧。
- ^ “県負担減164億→1億円 知事見通し、交付税新算定方式で”. 読売新聞. (2019年7月3日). オリジナルの2019年7月3日時点におけるアーカイブ。 2019年7月3日閲覧。
- ^ “首都圏直結の山梨県がなぜコロナ封じ込みに成功したのか”. 日経ビジネス. (2021年3月25日). オリジナルの2021年4月2日時点におけるアーカイブ。 2021年4月2日閲覧。
- ^ “山梨県と富士急行の対立鮮明化 県有地訴訟とジェットコースター問題”. 産経新聞. (2022年1月16日). オリジナルの2022年1月16日時点におけるアーカイブ。 2022年1月16日閲覧。
- ^ “財政負担の軽減目指す 総合球技場 知事が計画見直し”. NHK. (2019年11月26日). オリジナルの2018年11月27日時点におけるアーカイブ。
- ^ “スケートセンター存続へ、県と北杜市が基本協定締結”. 朝日新聞. (2021年3月30日) 2021年5月3日閲覧。
- ^ “甲府市長選 知事選と同じ1月22日に投開票”. NHK. (2022年11月8日). オリジナルの2022年11月8日時点におけるアーカイブ。 2022年11月8日閲覧。
- ^ “「中島克仁衆院議員に立候補を要請すべき」という意見も 山梨県知事選の対応を立憲民主党の一部県議が緊急協議”. TBS NEWS DIG. (2022年11月11日) 2022年12月12日閲覧。
- ^ a b “来年の知事選挙 立憲民主党は候補者擁立を断念、自主投票”. TBS NEWS DIG. (2022年12月11日). オリジナルの2022年12月12日時点におけるアーカイブ。 2022年12月11日閲覧。
- ^ “知事選に向け自民党を離党した志村氏が立憲民主党・中島氏に支援を要請”. 山梨放送. (2022年12月22日). オリジナルの2022年12月24日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “年明けの知事選に向け立憲民主党・中島氏が県議・志村氏の支援を表明”. 山梨放送. (2022年12月23日). オリジナルの2022年12月24日時点におけるアーカイブ。
- ^ “現職長崎氏、再選出馬表明 山梨知事選”. 時事ドットコム. (2022年9月21日) 2022年10月7日閲覧。
- ^ “山梨県知事選挙の期日決定について”. 山梨県選挙管理委員会. (2022年11月2日) 2022年11月12日閲覧。
- ^ “知事選 自民党の志村直毅県議が立候補の意思表明 自民は分裂選挙の見通し 山梨県”. TBS NEWS DIG. (2022年11月9日) 2022年11月9日閲覧。
- ^ “山梨県の知事選 倉嶋元笛吹市長が立候補の意向表明 一方で野党候補が出れば調整検討”. UTY News. (2022年11月15日) 2022年11月15日閲覧。
- ^ a b “山梨県知事選挙”. 自由民主党本部. 2022年12月12日閲覧。
- ^ “志村氏が自民を離党 知事選で”. 朝日新聞. 2022年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月18日閲覧。
- ^ “知事選に向け 自民離党の志村氏が県議を辞職 山梨県”. Yahoo!ニュース. (2022年12月28日). オリジナルの2023年1月2日時点におけるアーカイブ。 2023年1月5日閲覧。
- ^ “来年の山梨県知事選に向け 「推薦」の取り扱い協議 自民党県連”. テレビ山梨. (2022年11月11日). オリジナルの2022年11月13日時点におけるアーカイブ。 2022年11月11日閲覧。
- ^ “山梨知事選で現職推薦 公明”. 時事通信. (2022年12月15日). オリジナルの2022年12月19日時点におけるアーカイブ。 2022年12月15日閲覧。
- ^ “立憲民主党県連が知事に意見書を提出 反応踏まえ山梨県の知事選対応を検討へ”. テレビ山梨. (2022年11月18日). オリジナルの2022年11月19日時点におけるアーカイブ。 2022年11月18日閲覧。
- ^ “山梨県の知事選 共産党県委員会は倉嶋元笛吹市長を支持へ 共産党県委が独自候補擁立の見送りは48年ぶり”. UTY News. (2022年12月5日). オリジナルの2022年12月5日時点におけるアーカイブ。 2022年12月5日閲覧。
- ^ “山梨県知事選挙における、れいわ新選組支持候補予定者決定について”. れいわ新選組公式サイト (2022年12月24日). 2022年12月30日閲覧。
- ^ “来月投票の県知事選挙 県内各党の対応”. NHK NEWS. (2022年12月15日) 2023年1月5日閲覧。
- ^ “山梨県知事選 長崎幸太郎氏が再選”. NHK. 2023年6月16日閲覧。
- ^ “山梨県知事選挙投票速報”. 山梨県選挙管理委員会. 2023年1月23日閲覧。
- ^ 山梨県知事選挙 得票表