青山南
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青山 南(あおやま みなみ、1949年2月2日[1] - )は、日本の翻訳家、エッセイスト、アメリカ文学研究者、文芸評論家、絵本作家。早稲田大学名誉教授。日本文藝家協会理事。本名、杉山茂(すぎやましげる)。兄の長田弘は詩人。
経歴[編集]
福島県福島市出身。1967年早稲田大学高等学院卒業。1971年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1972年、早稲田大学大学院在学中『早稲田文学』編集部に入る。1973年、ジョン・ドス・パソスの『さらばスペイン』を刊行し翻訳家デビュー。
1975年早稲田大学大学院文学研究科アメリカ演劇専攻修士課程修了。早稲田大学文化構想学部教授、2019年定年退任、名誉教授となる。
1979年から常盤新平、川本三郎とともに編集委員として『ハッピーエンド通信』を刊行。
フィリップ・ロスやスコット・フィッツジェラルドなどのアメリカ文学や絵本などの翻訳を手掛けているほか、現代アメリカ文学の紹介者、エッセイストとしても知られている。新聞や雑誌に書評もしばしば掲載している。
2009年、「にげろ!にげろ? インドのむかしばなし」(再話・絵/ジャン・ソーンヒル、光村教育図書)で第56回産経児童出版文化賞翻訳作品賞受賞。
著書[編集]
- 『ホテル・カリフォルニア以後 アメリカ同時代を読む』(1982年、晶文社)
- 『人生はクレイジー・サラダ』(1985年、筑摩書房)
- 『ピーターとペーターの狭間で』(1987年、本の雑誌社)(1991年4月、ちくま文庫)
- 『外人のTokyo暮らし』(1989年、朝日新聞社)(1995年4月、朝日文庫)
- 『赤んぼとしてのあたしらの人生』(1990年、ユック舎)
- 『翻訳家という楽天家たち』(1993年、本の雑誌社)(1998年4月、ちくま文庫)
- 『大事なことは、ぜーんぶ娘たちに教わった』(1994年、毎日新聞社)
- 『小説はゴシップが楽しい』(1995年、晶文社)
- 『木をみて森をみない』(1995年、同文書院)(1999年10月、ちくま文庫)
- 『英語になったニッポン小説』(1996年、集英社)
- 『アメリカ深南部』(橋本功司写真 1996年、日本放送出版協会)
- 『眺めたり触ったり』(1997年、早川書房)
- 『気になる言葉、気が散る日々』(1998年、本の雑誌社)
- 『アメリカ短編小説興亡史 とめどもなくあらわれるアメリカの短編小説をめぐる、めどもなくあられもない断片的詳説』(2000年、筑摩書房)
- 『あんなかいぶつみたことない』(阿部真理子絵 絵本、2001年、BL出版)
- 『この話、したっけ? インターネットでこんなに読めるアメリカ文学』(2001年、研究社出版)
- 『南の話』(2001年、毎日新聞社)
- 『レイトショーのしあわせな夜』(2004年、洋泉社)
- 『ネットと戦争 9.11からのアメリカ文化』(2004年、岩波新書)
- 『インターネットは貧者の味方!』(2005年、宝島社)
- 『短編小説のアメリカ52講』(2006年、平凡社)
- 『旅するアメリカ文学 名作126』(長崎訓子絵 2009年、アクセス・パブリッシング)
- 『60歳からの外国語修行 メキシコに学ぶ』(2017年、岩波新書)
共編著[編集]
- 『ヴェトナム以後のアメリカ ヘビー・ピープル123』(常盤新平 川本三郎共同編集 1979年、ニューミュージック・マガジン社)
- 『アメリカ雑誌全カタログ』(常盤新平 川本三郎共同編集 1980年、冬樹社)
- 『世界の文学のいま』(江中直紀・沼野充義・富士川義之・樋口大介共著、1991年、福武書店)
翻訳[編集]
フィクション[編集]
- ゼルダ・フィッツジェラルド『こわれる』晶文社 1974
- フィリップ・ロス『われらのギャング』集英社 1977
- ユードラ・ウェルティ『大泥棒と結婚すれば』晶文社 1979
- ピーター・マシーセン『遥かな海亀の島』小川国夫共訳 講談社 1980
- スーザン・チーヴァー『パーソナル・ニューヨーク』晶文社 1981
- フィリップ・ロス『ゴースト・ライター』集英社 1984
- 『世界は何回も消滅する 同時代のアメリカ小説傑作集』編訳 筑摩書房 1990
- アン・ビーティ『愛している』早川書房 1991
- T・コラゲッサン・ボイル『もし川がウィスキーなら』新潮社 1997
- T・コラゲッサン・ボイル『血の雨 T・コラゲッサン・ボイル傑作選』東京創元社 2000
- 『ゼルダ・フィッツジェラルド全作品』マシュー・J・ブラッコリ編 篠目清美共訳 新潮社 2001
- ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』(世界文学全集)河出書房新社 2007/河出文庫 2010
- ジャック・ケルアック『スクロール版 オン・ザ・ロード』河出書房新社 2010
- ジャック・ケルアック『トリステッサ』河出書房新社, 2013
- 『O・ヘンリー ニューヨーク小説集 1・2』戸山翻訳農場共訳 ちくま文庫 2015-2022
- バーナード・マラマッド 『テナント』みすず書房 2021
ノンフィクション・エッセイ[編集]
- ジョン・ドス・パソス『さらばスペイン』晶文社 1973
- フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ作家』集英社 1980
- ジェーン・サーノフ レイノルド・ラフィンズ挿絵『絵本英語辞典 日常英語のコトバ200語辞典』晶文社 1983
- レナード・コーレン『西海岸共和国だより』編訳 筑摩書房, 1984
- カルヴィン・トムキンズ『優雅な生活が最高の復讐である』リブロポート 1984、新潮文庫 2004、田畑書店 2022 - ジェラルド・セーラのマーフィ夫妻
- トム・ウルフ『そしてみんな軽くなった』大和書房 1985、ちくま文庫 1990
- ジーン・スタイン/ジョージ・プリンプトン『イーディ '60年代のヒロイン』堤雅久・中俣真知子・古屋美登里共訳 筑摩書房 1989 - イーディ・セジウィック
- リリアン・ロス『パパがニューヨークにやってきた』マガジンハウス 1992ーアーネスト・ヘミングウェイ
- ボー・バウマン編『人生でいちばん大事なこと 言葉集』アリアドネ企画, 1995
- ジョーン・ディディオン『ベツレヘムに向け、身を屈めて』筑摩書房 1995
- バリー・ギフォード/ローレンス・リー『ケルアック』毎日新聞社 1998
- リサ・パラス編『たくさんのありがとう もうひとつの「人生でいちばん大事なこと」』アリアドネ企画 1998
- ビル・コールマン『"シンプル"という贈りもの アーミシュの暮らしから』フレックス・ファーム 2002
- マイケル・ウェブ文 マリサ・バルトルッチ,ラウル・カブラ編『ジョージ・ネルソン コンパクト・デザイン・ポートフォリオ』フレックス・ファーム 2003
- 米国国務省国際情報プログラム局編『私たちはなぜアメリカ人なのか』ゆまに書房, 2003
- 『ジム・マーシャル「密着」』フレックス・ファーム, 2004
- マシュー・インマン『イルカをボコる5つの理由』樋口武志・桑垣孝平訳 監修 インプレスジャパン 2012
- 『作家はどうやって小説を書くのか、じっくり聞いてみよう! パリ・レヴュー・インタヴューⅠ・Ⅱ』岩波書店 2015
児童向け[編集]
- ジョン・バーニンガム『ショッピング・バスケット』ほるぷ出版 1993
- ジョン・バーニンガム『アボカド・ベイビー』ほるぷ出版 1993
- レイン・スミス『めがねなんか、かけないよ』ほるぷ出版, 1993
- マイケル・ボンド文 ジョン・ロバン絵「くまのパディントン」ほるぷ出版
- パディントン、えきにあらわれる 1993
- パディントン、おふろにはいる 1993
- パディントン、デパートにでかける 1993
- パディントン、へやをもらう 1993
- レイン・スミス『たのしいホッキーファミリー!』ほるぷ出版 1995
- ジョン・シェスカ文 レイン・スミス絵『くさいくさいチーズぼうや&たくさんのおとぼけ話』ほるぷ出版 1995
- フランセスカ・サイモン文 ケレン・ラドロー絵『アベコベさん』文化出版局 1997
- エリザベス・スパー文 デヴィッド・キャトロウ絵『ながーいながーい手紙』偕成社 1997
- J・パトリック・ルイス文 デビー・ティリー絵『なぞなぞぞくぞく』文化出版局, 1998
- ローラ・ジョフィ・ニューメロフ文 フェリシア・ボンド絵「もしも」シリーズ 岩崎書店
- 『もしもねずみにクッキーをあげると』 1999
- 『もしもこぶたにホットケーキをあげると』1999
- もしもねずみをえいがにつれていくと 2000
- もしもムースにマフィンをあげると 2000
- アン&ポール・ランド『ぼくはいろいろしってるよ』福音館書店 1999
- ジョン・シェスカ文 レイン・スミス絵『イカはいかようにしてもイカだ イソップが生きていたら話していたにちがいない、いやらしいたとえ話(みずみずしい教訓つき)』ほるぷ出版 1999
- ジョン・シェスカ文 レイン・スミス絵『算数の呪い』小峰書店 1999
- シーモン・リア『おまめくんビリーのゆめ』岩崎書店, 2001
- ハルーンとお話の海 サルマン・ラシュディ 国書刊行会, 2002.1
- マイケル・ローレンス文 アリスン・バートレット絵『もしもぼくがライオンだったら』小学館 2002
- ジェニー・タイアーズ『夜です昼です』パロル舎, 2002
- デーヴィッド・ミルグリム『すきすきラッキー』小学館 2002
- ローレンス・デイヴィッド文 デルフィーン・デュラーンド絵『ぼく、ムシになっちゃった』小峰書店 2002
- ダン・ヤッカリーノ『ハロー!オズワルド あたらしいともだち』小峰書店, 2003
- ジョージ・ソウンダース文 レイン・スミス(Lane Smith)絵『フリップ村のとてもしつこいガッパーども』いそっぷ社 2003
- ジュディ・バレット文 ロン・バレット絵『くもりときどきミートボール』ほるぷ出版, 2004
- レイモンド・ブリッグズ『水たまりおじさん』BL出版, 2005
- ジェイ・オットー・シーボルド,ヴィヴィアン・ウォルシュ文 ジェイ・オットー・シーボルド絵「ミスター・ランチ」シリーズ ソニー・マガジンズ
- ミスター・ランチひこうきにのる 2005
- ミスター・ランチカヌーのたび 2005
- ミスター・ランチをすくえ! 2005
- ポール・ガルドン『やぎのブッキラボー3きょうだい』小峰書店, 2005
- レイン・スミス『たのしいホッキーファミリー、いなかへいく!』ほるぷ出版 2005
- ジェフ・ニューマン『カバ!じゃない、サイ!』ほるぷ出版 2006
- トム・マックレイ文 エレナ・オドリオゾーラ絵『ハンタイおばけ』光村教育図書 2006
- ベネディクト・ブラスウェイト『あおだすすめすすめ』BL出版 2007
- でっかいしごとだいくぞいくぞ 2007
- きゅうこうだいそげいそげ 2007
- おいかけるぞおいかけるぞ 2007
- だいじょうぶどんどんいこう 2008
- きょうそうだまけるもんか 2008
- いそがしいぞはしれはしれ 2010
- ステファニー・ローゼンハイム文 エレナ・オドリオゾーラ絵『超じいちゃん』光村教育図書, 2007
- パトリック・ロア『マカンバー・マギーがたべたソーセージ』光村教育図書 2007
- ダン・ヤッカリーノ『きんようびはいつも』ほるぷ出版, 2007
- パトリシア・マクラクラン,エミリー・マクラクラン文 ダン・ヤッカリーノ絵『ちーちゃいチーチャ』小峰書店, 2007
- ジャン・ソーンヒル『にげろ!にげろ? インドのむかしばなし』光村教育図書 2008 - 産経児童出版文化賞翻訳作品賞受賞
- ジェイムズ・サーバー著 マイケル・J・ローゼン編『サーバーおじさんの犬がいっぱい』筑摩書房 2009.3
- J・パトリック・ルイス文 ロベルト・インノチェンティ絵『ラストリゾート』BL出版, 2009
- モー・ウィレムズ『エドウィーナ』光村教育図書, 2009
- レイチェル・ロドリゲス文 ジュリー・パシュキス絵『ひらめきの建築家ガウディ』光村教育図書 2010
- フィリップ・C・ステッド文 エリン・E・ステッド絵『エイモスさんがかぜをひくと』光村教育図書 2010
- レイン・スミス『これは本』BL出版, 2011
- デブ・ラッキ『ハックションあれッ??』BL出版 2011
- ミーナ・ジャバアービン文 ブルース・ホワットリー絵『商人とオウム ペルシャのおはなし』光村教育図書 2012
- キャシー・ウォラード『身のまわりの疑問、まるわかり大辞典』増子久美共訳 池田八惠子絵 飛鳥新社 2012
- ライアン・アン・ハンター文 エドワード・ミラー絵『トンネルをほる』ほるぷ出版, 2012
- はしをつくる 2013
- レイン・スミス『グランパ・グリーンの庭』BL出版, 2012
- フィリップ・C・ステッド文 エリン・E・ステッド絵『ねむるまえにクマは』光村教育図書, 2012
- ジョン・エイジー『ぼくのサイ』光村教育図書, 2013
- レイン・スミス『これはちいさな本』BL出版, 2013
- エマ・ドッド『「ニャオ」とウシがなきました』光村教育図書 2013
- スーザン・ステゴール『ショベルカーがやってきた!』ほるぷ出版 2013
- オリヴァー・ジェファーズ『あっ、ひっかかった』徳間書店, 2014
- エミリー・アーノルド・マッカリー『ラスコーの洞窟』小峰書店 2014
- ピーター・ブラウン『トラさん、あばれる』光村教育図書 2014
- マイケル・イアン・ブラック文 デビー・リドパス・オーイ絵『はだかんぼ!』ひさかたチャイルド 2015
- ジャーヴィス『アランの歯はでっかいぞ こわーいぞ』BL出版, 2016
- レイン・スミス『ほんとさいこうの日』BL出版, 2017
- ジーン・ウィリス 文, ジャーヴィス 絵『ホッキョクグマと南極のペンギン』BL出版, 2017.8
- ジェニファー・K・マン 『ベンソン先生にあたしはきっと☆はもらえない』光村教育図書, 2018
- ジャーヴィス『もぐらのモリスさんおうちにかえりたい!』BL出版, 2018
- サリー・ポム・クレイトン 文, ライアノン・サンダーソン 絵『王さまとよごれた足』光村教育図書, 2018
- ジュリー・フォリアーノ 文, レイン・スミス 絵『このいえもむかしは』BL出版, 2018
- アイナ・ベスタルド『こんにちは!あたらしいいのち 透かしてみる生きものたちのひみつ』河出書房新社, 2019
- サンディ・ファッセル 文, タル・スワナキット 絵『いぬのサビシー』光村教育図書, 2019
- サム・ボウトン 絵と文『ふつうじゃない庭をつくった男の子』青山南となかまたち 訳. カクイチ研究所, 2019
- アヴィ『ぼくがいちばんききたいことは』ほるぷ出版, 2019
- デイヴ・エガーズ 文, レイン・スミス 絵『あしたはきっと』BL出版, 2019
- ジャーヴィス『トロピカルテリー』BL出版, 2019
- ショーン・テイラー さく, クレア・アレクザンダー え『ゾウのともだちフンパーディンク』マイクロマガジン社, 2019
- アーサー・ヨーリンクス 文, モーリス・センダック 文/絵『プレストとゼスト リンボランドをいく』岩波書店, 2020
- アンナ・ミルボーン 文, ダニエル・リエリー 絵『くらいのなんか〈そんなに〉こわくない』すばる舎, 2020.
脚注[編集]
- ^ 『文藝年鑑』2008
関連項目[編集]
- 英語ものしり倶楽部 - ほぼ毎週ゲストとして出演していた。