藤田紘一郎
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ふじた こういちろう 藤田 紘一郎 | |
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生誕 |
1939年8月6日(79歳)![]() ![]() |
国籍 |
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出身校 | 東京大学大学院(医学博士) |
職業 | 学者(寄生虫学) |
受賞 | 主な受賞歴を参照 |
藤田 紘一郎(ふじた こういちろう、1939年8月6日[1] - )は、日本の免疫学者(医学博士)。東京医科歯科大学名誉教授、元人間総合科学大学教授。専門は、寄生虫学、感染免疫学、熱帯医学。
人物[編集]
満洲生まれ。父親は陸軍軍医。
整形外科の医局に勤めていた26歳の時、衛生動物学者の加納六郎に同行してフィラリア調査のため奄美群島の加計呂麻島に赴いたことから、寄生虫学の道に進む[2]。 感染免疫学・寄生虫学の視点から公衆衛生についての執筆多数。特に寄生虫関連の一般書で広く知られるようになった。また、花粉症の原因を寄生虫を撲滅しすぎたためとする自説でも知られる。自らの腸内で15年間6代にわたり条虫(サナダムシ)を飼育していたという。
ティーペック社外取締役、日本寄生虫予防会評議員、浄水器協会特別顧問、NPO自然免疫健康研究会理事長[3]。
略歴[編集]
- 1959年三重県立宇治山田高等学校卒業
- 1965年東京医科歯科大学医学部卒業
- 1966年同大学医学部付属病院で実地修練修了、同年医師国家試験合格
- 1970年東京大学大学院医学系研究科を修了し「コトンラットフィラリア症における抗体産生」で医学博士、東京大学医学部助手(寄生虫学)
- 1971年テキサス大学研究員(微生物学)
- 1972年順天堂大学医学部助教授(衛生学)
- 1977年 金沢医科大学教授(医動物学)
- 1981年長崎大学医学部教授(医動物学)
- 1987年東京医科歯科大学医学部教授(医動物学、国際環境寄生虫病学)
- 2005年定年退官、名誉教授、人間総合科学大学教授(免疫・アレルギー学)
- 2014年、薬事法違反容疑で書類送検、不起訴処分(詳細は後述)、人間総合科学大学教授を退任
問題点[編集]
藤田紘一郎は日経新聞のインタビューの中で「腸内細菌は免疫を作り、自然治癒力の源泉にもなっている大事なものです。それなのに、日本人の体内では減っています。それは大地で育つ野菜や果実の摂取量が減る一方で、防腐剤や添加物入りの食べ物などをたくさん食べていることとも関係があると思います」(以上引用)と述べ、2011年1月29日日経新聞夕刊に「きれい好きの落とし穴」という記事の中で掲載された。 それに対して2011年2月23日に食品安全情報ネットワークから、1.日本人の腸内細菌が減っているという科学的根拠、2.食品添加物入りの食べ物を食べていることと、腸内細菌が減少することとの間に関係があると思われる科学的根拠について問う公開質問状が出された[4]。
また、「寄生虫が少々いるくらいの水のほうが実は健康にいい」とも発言している[5]。
薬事法違反の不起訴[編集]
プロポリスの健康食品が、薬事法に違反してガンの治療効果があるとの宣伝の下に販売された事件[6]において、藤田は効能を書いた原稿を作成した事で、2014年に薬事法違反(無許可医薬品販売) の幇助で書類送検された[7]が、不起訴処分となった[8]。
藤田は「副作用なくがん細胞が自滅」などと効能を謳っていた他、肺がんの影が薄くなった例を、プロポリスのためとする、根拠の無い感想を書いていた。書類送検の前に新聞取材に対して、自身の文によりプロポリスでガンが完治すると信じこませた事を反省している、と述べた。2009年からの4年余りで約1100万円を顧問料として受け取っていたという。この商品を販売していた会社「シャブロン」の社長とは、知人を介して知り合ったという[7]。
著作[編集]
20世紀[編集]
- 『笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記』講談社 1994 のち文庫
- 『SOS 虫がおこす病気』ルック、1996
- 『癒す水・蝕む水―世界の水と病気』日本放送出版協会、1996 「からだに良い水悪い水」小学館文庫、「万病を防ぐ「水」の飲み方・選び方」講談社+α文庫
- 『ボンボン・マルコスのイヌ―ペット病のすべて』ルック、1996
- 『空飛ぶ寄生虫』講談社、1996 のち文庫
- 『体にいい寄生虫―ダイエットから花粉症まで』ワニブックス、1997 のち講談社文庫
- 『新訂臨床検査講座 8 医動物学』医歯薬出版、1997
- 『原始人健康学―家畜化した日本人への提言』新潮選書、1997
- 『共生の意味論 バイキンを駆逐してヒトは生きられるか?』講談社ブルーバックス 1997
- 『寄生虫博士のサナダから愛をこめて 信じられない「海外病」のエトセトラ』現代書林 1998 のち講談社文庫
- 『恋する寄生虫 ヒトの怠けた性、ムシたちの可愛い性』講談社 1998 のち+α文庫
- 『寄生虫学はおもしろい』羊土社 1999
- 『獅子身中のサナダ虫』講談社 1999 「踊る腹のムシ グルメブームの落とし穴」文庫
- 『清潔はビョーキだ』朝日新聞社 1999 のち文庫
- 『誰も知らなかったヒトとイヌと寄生虫の愉快な関係 ヒトのしあわせ、イヌのしあわせ 寄生虫博士の医学エッセイ』成美堂出版 1999
- 『バイキンが子どもを強くする キレイずきおかあさんへの100の警告』婦人生活社 1999
- 『フシギな寄生虫』日本実業出版社 入門ビジュアルサイエンス 1999
- 『イヌからネコから伝染るんです』講談社 2000 のち文庫
- 『日本人の清潔がアブナイ!』小学館 2000 のち文庫
21世紀[編集]
- 『いい女には虫がつく。 カイチュウ博士の健康美女講座』主婦と生活社 2001
- 『寄生虫博士のプーラン・プーラン モノの豊かさに心を蝕まれたニッポン人への処方箋』青春出版社 2001 「パラサイトの教え」新潮文庫
- 『きれい社会の落とし穴』NHK出版、2001 「バイ菌だって役に立つ 清潔好き日本人の勘違い」講談社+α文庫
- 『謎の感染症が人類を襲う』PHP新書 2001
- 『寄生虫はつらいよ 右も左も抗菌グッズ 清潔病で世界一ひ弱になった日本人へ』PHP研究所 2002
- 『コレラが街にやってくる 本当はコワーイ地球温暖化』朝日新聞社 2002
- 『ウッふん』講談社 2003 のち文庫
- 『奇精虫博士のがんばれ!精子』宝島社 2003
- 『キタナイはキレイキレイはキタナイ 微生物と地球の関係を知ろう』(「生きる」ってなんだろう)マツオミホ絵 実業之日本社 2003
- 『ニッポン「亜熱帯」化宣言 そしてグローバル・ウイルスが逆襲する』中公新書ラクレ 2003
- 『うんちのえほん』上野直大絵 岩崎書店 いのちのえほん 2004
- 『ゼロ歳からの免疫力』集英社be文庫 2004
- 『水の健康学』新潮選書 2004
- 『えっヘン』講談社 2005
- 『寄生虫博士のおさらい生物学』講談社 2005 のち+α文庫
- 『「きれい好き」が免疫力を落とす』講談社+α文庫、2005 「免疫力を高める快腸生活」中経の文庫
- 『藤田式ウォーターレシピ 水だけで健康になる!美しくなる!』主婦の友社 2005
- 『「万病」虫くだし 病気・バイ菌・寄生虫たちとの上手なつきあい方』廣済堂出版 2005
- 『子どもの「免疫力」を高める方法 アレルギー・ウイルスに負けない丈夫な体をつくる!』PHP研究所 2006
- 『知られざる水の「超」能力 新しい「科学的」水の飲み方入門』講談社+α新書 2006
- 『パラサイト式血液型診断』新潮選書 2006
- 『カラダから出るモノの楽しい話 心スッキリ!』講談社 2007 「「出るモノ」健康学 あなたを救う69の「ハイセツ」話」講談社+α文庫
- 『寄生虫博士のおさらい生物学』講談社 2007
- 『「ばっちいもの」健康学 体から出てくる、きたなくてエラいやつら!』広済堂出版 2007
- 『病気に強い人、弱い人 腸内細菌叢が寿命を決める』幻冬舎 2007
- 『寄生虫博士の「不老」の免疫学 125歳まで元気で生きる!』講談社 2008
- 『血液型の暗号 血液型にまつわるいろんな話題が満載』日東書院本社 2008
- 『医療大崩壊』講談社文庫 2009
- 『寄生虫のひみつ ムズムズするけど見てみたい「はらのむし」たちの世界』ソフトバンククリエイティブ・サイエンス・アイ新書 2009
- 『腸を整えれば心も体も必ず元気になる! 大豆・根菜類・発酵食品で病気にならない体と心をつくる』日本文芸社 2009
- 『カイチュウ博士のオトコ強化論 日本人の精子が危ない!』双葉新書 2010
- 『血液型の科学 かかる病気、かからない病気』祥伝社新書 2010
- 『水と体の健康学 なぜ熱中症には真水が危険?肉食系は超硬水でダイエット?』ソフトバンククリエイティブ・サイエンス・アイ新書 2010
- 『B型はなぜか、お腹が痛い… 免疫学で回答する血液型講座』三五館 2011
- 『アレルギーの9割は腸で治る! クスリに頼らない免疫力のつくり方』だいわ文庫 2011
- 『こころの免疫学』新潮選書 2011
- 『腸内革命 腸は、第二の脳である』海竜社 2011
- 『美水の法則 潤い美人になる!ミネラルウォーター案内』毎日コミュニケーションズ 2011
- 『免疫力をアップする科学 腸内細菌で病気知らず!いますぐできる科学的健康法』ソフトバンククリエイティブ・サイエンス・アイ新書 2011
- 『アレルギーに負けない体は「腸」がつくる 毎日の食べ方・暮らし方をどう変えるか』実務教育出版 2012
- 『子どもをアレルギーから守る本』だいわ文庫 2012
- 『50歳からは炭水化物をやめなさい 病まない・ボケない・老いない腸健康法』大和書房 2012
- 『正しい水の飲み方・選び方 決定版 100歳まで元気に美しく生きる鍵』海竜社 2012
- 『毒になる生食、薬になる生食』講談社+α新書 2012
- 『脳はバカ、腸はかしこい 腸を鍛えたら、脳がよくなった』三五館 2012
- 『バカな研究を嗤うな 寄生虫博士の90%おかしな人生力』技術評論社 tanQブックス 2012
- 『一生太らない体をつくる腸健康法 我慢しないでムリなく痩せる81の方法』大和書房 2013
- 『遺伝子も腸の言いなり 持って生まれた定めなどアリマセン!』三五館 2013
- 『考える腸ダマされる脳 ボケない脳は腸がつくる!』日本文芸社 2013
- 『50歳からの腸にやさしい食べかた すぐにはじめる!』日東書院本社 2013
- 『50歳から始める炭水化物ぬきレシピ 老いないボケない病まない』ワニブックス 2013
- 『絶好腸!! ストレス、こころの不調を解消する腸の鍛え方』清流出版 2013
- 『腸をダメにする習慣、鍛える習慣 腸内細菌を育てて免疫力を上げる30の方法』ワニブックス|PLUS|新書 2013
- 『「腸スッキリ!」健康法 腸内環境を整えて、体も心も万事快調!』PHP文庫 2013
- 『できる男はウンコがデカい』宝島社新書 2013
- 『乳酸菌生活は医者いらず かしこい腸に育てる、最新・腸内細菌の話』三五館 2013
- 『人の命は腸が9割 大切な腸を病気から守る30の方法』ワニブックス|PLUS|新書 2013
- 『病気の9割を防ぐ腸の健康レシピ 免疫力の70%は腸内細菌が作る。』マガジンハウス 2013
- 『マンガでわかる若返りの科学 なぜ糖質ダイエットが必要なのか?寝たきりにならずボケない生活習慣とは?』SBクリエイティブ・サイエンス・アイ新書 2013
- 『50歳からは肉を食べ始めなさい 元気で老いない長寿のための食事法』フォレスト出版 2014
- 『腸が寿命を決めている 若さを保ち、老化を防ぐ、食べ方・食べもの54のポイント』海竜社 2014
- 『糖尿病を治したければ、腸内細菌を変えなさい』主婦の友インフォス情報社 2014
- 『長生きのスイッチはオンに変えなさい』創英社/三省堂書店 2014
- 『腸を鍛えればストレスは消える! 私たちの心とカラダは腸に支配されている!』竹書房 2014
- 『体をつくる水、壊す水 10年後に差がつく「水飲み"腸"健康法」30の秘訣』ワニブックス「Plus」新書 2014
- 『「大人のアレルギー」は腸で治す クスリいらずの体に体質改善!』大和書房 2014
- 『腸内細菌と共に生きる 免疫力を高める腸の中の居候』技術評論社 2015
- 『病気を防ぐ「腸」の時間割 老化は夜つくられる』SB新書 2015
- 『女はバカ、男はもっとバカ われら人類、絶滅の途上にて』三五館 2015
- 『ボケる、ボケないは「腸」と「水」で決まる』朝日新書 2015
- 『腸内フローラ 医者いらずの驚異の力』宝島社 2015
- 『「いい人」をやめるだけで免疫力が上がる!』青春新書intelligence, 2015
- 『「腸にいいこと」だけをやりなさい!』毎日新聞出版 2015
共編著[編集]
- 『食品寄生虫ハンドブック』村田以和夫共編 サイエンスフォーラム 1997
- 『ウンココロ しあわせウンコ生活のススメ』寄藤文平共著 実業之日本社 2005 のち文庫
- 『富士丸のモフモフ健康相談室 犬とボクらのしあわせ探し』穴澤賢共著 実業之日本社 2008
- 『臨床検査学講座 医動物学』第2版 平山謙二共著 医歯薬出版 2010
- 『カイチュウ博士と発酵仮面の「腸」健康法』小泉武夫共著 中経出版 2010
- 『自然の恵みで免疫力アップ ドクター周東とカイチュウ博士が教えるプロポリスの最新情報』周東寛共著 現代書林 2011
- 『腸スッキリ菌活レシピ』食で元気! 検見﨑聡美料理 成美堂出版 2014
翻訳[編集]
- シルビア・ブランゼイ文 ジャック・キーリー絵『きみのからだのきたないもの学』講談社 1998
- シルビア・ブランゼイ文 ジャック・キーリー絵『どうぶつのきたないもの学』劉優貴子共訳 講談社 1999
- シルビア・ブランゼイ文 ジャック・キーリー絵『きみのからだのきたないもの学 キモチわる~い編』劉優貴子共訳 講談社 2006
テレビ出演[編集]
- 日本のよふけ(フジテレビ 1999年)
- 宇宙一せまい授業!(あっ!とおどろく放送局 2007年)
- ラボマイスター(フジテレビ 2009年8月19日)
- 又吉直樹のヘウレーカ!(NHK Eテレ 2018年5月9日)
主な受賞歴[編集]
- 大山健康財団学術賞(1980年)[9]
- 日本寄生虫学会賞(小泉賞)(1982年)
- 講談社出版科学文化賞(「笑うカイチュウ」(1995年))
- 日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞(2000年)
脚注[編集]
- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.428
- ^ 日外アソシエーツ現代人物情報
- ^ 朝日新聞人物データベース
- ^ 「1月29日夕刊《「きれい好き」の落とし穴》への公開質問状」食品安全情報ネットワーク
- ^ 朝日新聞. (2001年9月3日)
- ^ “がん治療うたいプロポリス商品販売 薬事法違反容疑で女性社長逮捕 神奈川県警”. 産経ニュース. (2014年2月19日)
- ^ a b “「カイチュウ先生」書類送検 /「がんに効く」と紹介容疑 / プロポリス”. 朝日新聞. (2014年3月11日)
- ^ “薬事法違反容疑の「寄生虫博士」不起訴に”. YOMOURI ONLINE. (2014年4月1日)
- ^ 読売人物データベース