コンテンツにスキップ

紀州鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
紀州鉄道株式会社
Kishu Railway Co.,Ltd.
会社外観
紀州鉄道本社
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 紀鉄(きてつ)
本社所在地 日本の旗 日本
103-0015
東京都中央区日本橋箱崎町1番7号
千歳ビル6F
設立 1928年12月24日
業種 陸運業
法人番号 3010001014573 ウィキデータを編集
事業内容 不動産事業、リゾート施設運営業、鉄道事業他
代表者 代表取締役社長 中川源行
資本金 9500万円
(2022年3月31日現在[1]
売上高 4億4911万5000円
(2022年3月期[1]
営業利益 △7074万5000円
(2022年3月期[1]
純利益 △3億8218万5000円
(2022年3月期[1]
純資産 △23億9251万6000円
(2022年3月31日現在[1]
総資産 31億5462万2000円
(2022年3月31日現在[1]
決算期 3月31日
主要株主 ポリキング 100%
(2024年3月31日現在[2]
外部リンク https://kitetsu.jp/
特記事項:鉄道事業部事務所は和歌山県御坊市薗275(紀伊御坊駅、当社支店)に所在
テンプレートを表示

紀州鉄道株式会社(きしゅうてつどう、: Kishu Railway)は、東京都中央区に本社を置く日本の不動産開発業者であり、鉄道路線として和歌山県御坊市紀州鉄道線を運営している鉄道事業者である。

歴史

[編集]

1928年御坊臨港鉄道として、国鉄紀勢西線から離れた御坊市街地との連絡を目的に設立され、鉄道を1931年に開業した。当初から経営は厳しく、戦後も風水害などの被災やモータリゼーションの進展によって、1960年代には廃止の危機に追い込まれていた。

1972年磐梯急行電鉄(1968年倒産、1969年鉄道廃止)の旧経営陣が設立していた磐梯電鉄不動産が「鉄道会社」の肩書きを求め[3]御坊臨港鉄道を約1億円で買収した。翌年1月には、紀州鉄道と社名を変更した。

1975年、紀州鉄道不動産株式会社を設立する。1978年に本社を大阪府大阪市に移転する。1979年には不動産・リゾート開発を営む鶴屋産業の傘下に入り、紀鉄ホテル株式会社を設立し、翌1980年には本社を東京都千代田区に移転する。

現在に至るまでリゾート開発を軸とする不動産業を主力部門としており、鉄道事業収益の割合は微少かつ慢性的な赤字となっている。しかし、不動産業などを営む際に、鉄道会社ということが信頼に繋がるという利点があり、また社名と鉄道への愛情をもたらすことから、赤字に関わらず営業を続けている[4][5][6]

2021年以降は、華僑の金岩が代表を務め、主に旅館の運営を手掛けるポリキングの完全子会社となり、金が会長を務めている。

ホテル・リゾート事業

[編集]

那須高原北軽井沢嬬恋村)・房総白浜(南房総市)・熱海箱根・伊豆一碧湖伊東市)・名古屋市大阪市など、日本各地にホテルを展開しており、関連会社の紀鉄ホテルが運営している。

また、群馬県において嬬恋村との共同出資で第三セクター会社のパルコール嬬恋を設立し、「パルコール嬬恋ゴルフコース」やスキー場「パルコール嬬恋スキーリゾート」を運営していたが、同社は2014年3月に民事再生法の適用を申請し、2014年4月からは紀州鉄道グループから離脱してブリーズベイホテル傘下となっている。

そのほか、長野県軽井沢軽井沢町御代田町)と塩嶺高原(岡谷市)で別荘の分譲・管理事業や、関連会社の紀州鉄道不動産による会員制リゾート事業、紀鉄航空サービスによる旅行事業東京都知事認可第2種旅行業)を行っている。

鉄道事業

[編集]

和歌山県御坊市内を走る紀州鉄道線御坊駅 - 西御坊駅間、2.7 km)を保有・運営している。1989年4月1日に末端区間の西御坊駅 - 日高川駅の0.7 kmが廃止され[7]、全列車のワンマン化が実施されている。営業係数は2010年度367.8、2011年度417.9であり、現存する日本国内の鉄道では阿佐海岸鉄道に次いで悪い数値である[8][9][注釈 1]。また、「学門駅入場券」など記念切符・記念グッズの販売も行っている。

かつては日本一保有する路線が短い鉄道事業者であったことから「日本一のミニ鉄道」と称していたが、2002年10月にその座を千葉県芝山鉄道に明け渡した[注釈 2]。ただし、芝山鉄道は全列車が京成電鉄との相互直通運転を行っているなどの背景があるため、定義によっては、紀州鉄道線がなお日本一短いとみなす余地もある。御坊市の公式サイト内では「日本一短いローカル私鉄[11]」と紹介されている。

運輸政策研究機構(現・運輸総合研究所)の資料によると、2012年度の輸送密度は1日242人で、阿佐海岸鉄道の1日88人に次いで2番目に少ない数値となっている[12](各年度の輸送密度は「紀州鉄道線#利用状況」を参照)。

2025年11月、紀州鉄道が鉄道事業の廃止および事業譲渡を検討していることが報じられた。新たに親会社となった中国系の企業ポリキングは、不採算部門の鉄道事業を早ければ2026年中に廃止したい意向を示している一方で、事業譲渡先が見つかるまでの間、廃止の時期を猶予する考えも示している[13][14][15]

路線

[編集]

車両

[編集]

2021年4月時点で、気動車3両が在籍する[16]。いずれも他社からの譲渡車両である。

  • キテツ2 - 休車中
  • KR301
  • KR205

その他

[編集]

2003年7月まで西御坊駅で使われていた「回転式乗車券箱」が、埼玉県さいたま市鉄道博物館の収蔵資料となっている[17]

関連会社

[編集]
  • 鶴屋商事
  • 紀州鉄道不動産
  • 紀鉄航空サービス
  • 紀鉄ホテル

注釈

[編集]
  1. ^ 阿佐海岸鉄道の営業係数は2010年度699.4、2011年度916.1、路線単位ではさらに悪い路線もあるが、会社単位でみた場合ワースト2となる。
  2. ^ ただし普通(粘着式)鉄道のみの第一種鉄道事業者に限った場合。線路を全く保有しない第二種鉄道事業者を除き、自身で運送を行わず線路保有のみを行う第三種鉄道事業者を含めれば、南海和歌山港線のうち久保町駅 - 水軒駅間4.6 kmを保有していた和歌山県が、 この年5月に和歌山港駅 - 水軒駅間2.6 kmが廃止されたことによって、保有区間が久保町駅(現・県社分界点) - 和歌山港駅間2.0 kmだけとなり、保有路線日本最短になっている[10]
    また、普通鉄道以外の鉄道事業法に基づく事業者を含めた場合は鞍馬山鋼索鉄道ケーブルカー。路線距離191 m)を保有する宗教法人鞍馬寺が最も路線距離が短い鉄道事業者となる。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f 鉄道統計年報令和3年度版 - 国土交通省
  2. ^ 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』令和6年度(電気車研究会)
  3. ^ 寺田裕一『データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2002年、140頁。 
  4. ^ 赤字鉄道部門 紀州鉄道なぜ存続させるか?ホテルリゾートで知られる企業 社長に聞いた”. 乗りものニュース. 2020年4月21日閲覧。
  5. ^ 日本一短いローカル鉄道「紀州鉄道」が赤字なのに走り続ける"意外すぎる"ワケ - YouTube2020年4月1日閲覧。
  6. ^ 意外な子会社 紀州鉄道|不動産業の「逆転の発想」”. M&A ONLINE. 2020年4月21日閲覧。
  7. ^ 「私鉄年表」『私鉄車両編成表 89年版』ジェー・アール・アール、1989年9月10日、165頁。ISBN 4-88283-210-0 
  8. ^ 紀州鉄道 運営難で5往復減便」『日高新報』2010年9月5日。オリジナルの2013年6月7日時点におけるアーカイブ。2025年11月16日閲覧。
  9. ^ 梅原淳 (2014年9月6日). “100円稼ぐのに、916円かかる鉄道会社は? 営業係数で見た「ワースト20鉄道」ランキング”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. 2014年10月19日閲覧。
  10. ^ 意外? 日本一短い鉄道は「和歌山県」だった 南海和歌山港線の不思議 - 乗りものニュース、2018年3月5日
  11. ^ 紀州鉄道/御坊市ホームページ
  12. ^ 「数字でみる鉄道2012」正誤表 (PDF) - 運輸政策研究機構、2013年1月22日
  13. ^ 渡辺雅史 (2025年11月10日). “大ピンチ「紀州鉄道」2026年中に廃線の可能性も 中国系企業に買収され方針変更、値上げもできず”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. 2025年11月10日閲覧。
  14. ^ “紀州鉄道が鉄道事業廃止検討・事業譲渡先探しが急務”. WBS和歌山放送ニュース (和歌山放送). (2025年11月10日). https://news.wbs.co.jp/211932 2025年11月11日閲覧。 
  15. ^ 日本一短いローカル私鉄 紀州鉄道が廃線の危機”. 日髙新報 (2025年11月11日). 2025年11月12日閲覧。
  16. ^ “レトロな赤に塗り替え 紀州鉄道が車両1台一新”. 読売新聞 (読売新聞社). (2021年4月1日). https://www.yomiuri.co.jp/local/wakayama/news/20210401-OYTNT50029/ 2021年8月12日閲覧。 
  17. ^ 鉄道博物館 展示資料紹介 [紀州鉄道で使用されていた回転式の乗車券箱]”. 鉄道博物館. 2007年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月21日閲覧。

参考文献

[編集]
  • キテツ1型:月刊「鉄道ファン」2004年11月号(通巻 523号)92・93ページ

外部リンク

[編集]