房総半島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
半島 > 房総半島
房総半島
Boso Peninsula Chiba Japan SRTM.jpg
房総半島のランドサット衛星写真
座標 北緯35度25分 東経140度31分 / 北緯35.42度 東経140.52度 / 35.42; 140.52
面積 5119km2
海岸線長 364km
最高標高 408.2m
最高峰 愛宕山 (南房総市)
最大都市 千葉県千葉市
所在海域 太平洋館山湾東京湾
所属大陸・島 日本列島本州
所属国・地域 日本の旗 日本
テンプレートを表示
房総半島の位置。スペースシャトル標高データ使用。

房総半島(ぼうそうはんとう)は、関東地方の南東部、太平洋に面した半島千葉県房総丘陵を骨格とする突出部。狭義の房総半島は主に南房総を指す。

房総という地名は、明治時代初期以前、令制国上の)に由来する。半島南部の海岸線一帯と、房総丘陵の山岳群は南房総国定公園に指定されており、豊富な自然環境とともに海水浴場別荘地マリンリゾートとしての発達を見せている。一方で、東京湾岸には京葉工業地帯の造成が進み、急速に都市化工業化が進行している。

地理[編集]

外房は外海に面しており海岸線は変化を極める。黒潮が当たることから温暖で植生も豊か。

日本列島の丁度中央部に位置する。千葉県の県庁所在地である千葉市を中心にコンパスで円を書くと、日本列島は半径1000キロメートル圏内にほとんど収まる。本州が東北から西南にかけて弓なりに曲がる際の中心部に位置し、東と南を太平洋、西は東京湾館山湾浦賀水道と三方を海に囲まれた半島となっている。東西約106キロメートル、南北約130キロメートル、面積5119平方キロメートル(km2)、海岸線の長さは364キロメートルである。

地形的には南から北へ3段階に低くなり、低山性の丘陵台地平野部に区分される。南部は標高300メートル前後の房総丘陵などからなる丘陵地である。半島の中部及び北部には明治時代初期以前の地方行政区分である令制国上の上総国下総国の両台地(下総台地)が広がり、平野部は利根川の沖積平野九十九里平野東京湾岸の三角州平野などである。南部の海岸には海岸段丘海食崖が発達し、出入りに富んだ海岸線が多い。

房総半島と西側で向き合う三浦半島神奈川県)は、元々は2000万年前から1500万年前の太古の時代に太平洋の深海底で太平洋プレート上に降り積もった堆積物に由来する。太平洋プレートが海溝においてフィリピン海プレートの北上の影響で大陸プレートの下に沈み込む際に堆積物は剥離して積み上がり(このような地質構造を付加体という)、約50万年前には海面上まで隆起し、三浦半島や房総半島のもととなった。そのため、これらの半島には地層中に火山噴出物が多く含まれている。

江戸時代以前は千葉県と茨城県の間は香取海(古鬼怒湾)と呼ばれた利根川、霞ヶ浦北浦印旛沼手賀沼などの湖沼を中心に一続きの入海が存在し、北西の東京都湾岸(古東京湾)奥が現在より内陸に入り込んでおり、房総半島は赤堀川逆川が開削される微高地で繋がってはいたが、四方を河川のような水域に囲まれたに近い状態であった[1]近世の初め、江戸幕府によって行われた利根川東遷事業によって河川の堆積機能が大きくなったこともあり、陸化が進んだとされている[2]

地形一覧[編集]

房総半島の周辺地形
房総半島の周辺地形

房総半島を構成してる地形

丘陵

台地

平野

最南端

  • 野島崎南房総市
    • 房総半島の最南端は南房総市の野島崎となる。北緯34度53分17秒。元禄地震で付近が隆起し、それまで島であった野島が陸続きとなり、野島崎となる。野島崎灯台からさらに南の岩礁が最南端となる。

自然[編集]

房総半島の周辺地形はその自然条件や景観の変化が多岐に及ぶ特徴となっている。九十九里の浜平野である九十九里平野は北東から約60キロメートルに及んでいる。銚子市方面の屏風ヶ浦や、半島南部の洲崎から野島崎などを経て太東岬に至る外房海岸、また富津市湊川河口から大房岬に至る内房の海岸は、砂浜のみならず岩礁海食崖などが形成され美しい景観を呈している。他方、富津岬から北の東京湾北東部の海岸は、1940年(昭和15年)から始まった埋立による人工海岸が続き、京葉工業地帯をなしている[3]。北部には下総台地が広がり、半島の東側は九十九里浜が続き海岸平野が連なっている。南部の房総丘陵清澄山系の山嶺によって上総丘陵と安房丘陵に分けられる[3]

太平洋岸の太東岬いすみ市)から東京湾岸の富津岬富津市)にいたる約190キロメートルの海岸地帯及び房総丘陵の山岳群(鹿野山清澄山鋸山など)は、1958年(昭和33年)南房総国定公園に指定された。

自然条件と開発[編集]

房総半島東部と中部以南は豊かな自然が残り、観光地にもなっている。一方で、東京都区部から都市部が連続している千葉県北西部に対して、経済・人口格差が開いているという「南北問題」も指摘されている[4]。南端部では無地帯があり、花卉栽培が盛ん。房総丘陵以北、特に東京湾岸には京葉工業地帯の造成が進み、住宅工場の進出が著しく、急速に都市化工業化が進行している。そのなかに点在する近郊農業地域九十九里平野にまで及んでいる。

気候[編集]

西南日本沿岸を洗う黒潮は、房総半島の沖合いで東に流れを変え、北東からの親潮潮目をつくっている。北部は関東平野中央部の内陸性気候を呈するが、全体としては黒潮の影響で温暖な海洋性気候を示している。南端部では無地帯があり、降水量の多さも含めて南部の海洋性気候は北部とは明らかな違いがある[3]。房総半島は一般に温暖な気候のところとして知られる。高い山地はないが[5]、海岸の気候、岬の気候、河岸の気候など様々な気候が見られるところでもある[1]。年間気温16度以上で、冬でもめったに雪が降らない温暖な地域である房総半島南部の館山市では、真夏日日数も少ない避暑地でもある。東部の銚子市では周囲が海に囲まれているため海洋性気候となっている。特に銚子市の夏は関東平野部の中では最も涼しく、冬の最低気温も県内で最も高い。そのため夏は避暑地に、冬には避寒地として多くの観光客が訪れる。

館山 1981-2010年の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C (°F) 11.2
(52.2)
11.4
(52.5)
14.1
(57.4)
18.8
(65.8)
22.3
(72.1)
24.9
(76.8)
28.5
(83.3)
30.5
(86.9)
27.4
(81.3)
22.6
(72.7)
18.2
(64.8)
13.8
(56.8)
20.31
(68.55)
日平均気温 °C (°F) 6.3
(43.3)
6.6
(43.9)
9.5
(49.1)
14.2
(57.6)
18.1
(64.6)
21.2
(70.2)
24.8
(76.6)
26.4
(79.5)
23.3
(73.9)
18.1
(64.6)
13.3
(55.9)
8.7
(47.7)
15.88
(60.58)
平均最低気温 °C (°F) 1.0
(33.8)
1.4
(34.5)
4.5
(40.1)
9.3
(48.7)
14.1
(57.4)
18.0
(64.4)
21.9
(71.4)
23.2
(73.8)
19.9
(67.8)
13.9
(57)
8.4
(47.1)
3.4
(38.1)
11.58
(52.84)
降水量 mm (inch) 81.8
(3.22)
82.4
(3.244)
166.2
(6.543)
150.2
(5.913)
149.8
(5.898)
215.2
(8.472)
173.6
(6.835)
126.0
(4.961)
219.5
(8.642)
219.9
(8.657)
130.0
(5.118)
75.4
(2.969)
1,790
(70.472)
平均月間日照時間 170.4 152.5 153.8 175.3 173.3 133.6 170.8 215.3 143.6 137.7 145.1 166.1 1,937.5
出典: 気象庁[6]


銚子 1981-2010年の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C (°F) 9.9
(49.8)
9.8
(49.6)
12.2
(54)
16.4
(61.5)
19.9
(67.8)
22.3
(72.1)
25.9
(78.6)
28.1
(82.6)
25.4
(77.7)
21.1
(70)
16.9
(62.4)
12.5
(54.5)
18.37
(65.05)
日平均気温 °C (°F) 6.4
(43.5)
6.6
(43.9)
9.1
(48.4)
13.3
(55.9)
16.9
(62.4)
19.5
(67.1)
22.9
(73.2)
25.2
(77.4)
23.0
(73.4)
18.7
(65.7)
14.0
(57.2)
9.2
(48.6)
15.4
(59.73)
平均最低気温 °C (°F) 2.7
(36.9)
3.0
(37.4)
5.9
(42.6)
10.3
(50.5)
14.2
(57.6)
17.2
(63)
20.7
(69.3)
23.0
(73.4)
21.0
(69.8)
16.3
(61.3)
10.7
(51.3)
5.4
(41.7)
12.53
(54.57)
降水量 mm (inch) 91.6
(3.606)
88.9
(3.5)
158.0
(6.22)
126.7
(4.988)
132.8
(5.228)
168.7
(6.642)
118.9
(4.681)
109.6
(4.315)
220.7
(8.689)
234.6
(9.236)
129.6
(5.102)
79.9
(3.146)
1,660
(65.353)
平均月間日照時間 173.5 154.4 161.2 176.9 178.6 135.8 165.0 220.6 150.3 140.5 138.3 165.0 1,960.1
出典 1: 気象庁[7]
出典 2: 気象庁[8]

交通[編集]

千葉市など房総半島北部では、東京都区部や千葉県北西部と結ぶ多数の鉄道・路線バスが運行されている。

房総半島南部の主要交通はバスとなっており、地域内の路線バスの他、東京湾アクアラインや館山自動車道を経由して、東京都心と南房総の各都市を結ぶ高速バスが運行されており、都市圏を結ぶ重要な交通機関となっている。

以下では、公共交通機関について、主に房総半島中南部を列挙する。

鉄道ではJR東日本千葉都市モノレール千葉駅」以南(外房線内房線など)、高速・有料道路ではNEXCO東日本千葉東JCT」以南とする。

鉄道[編集]

高速道路・有料道路[編集]

路線バス[編集]

港湾[編集]

船舶[編集]

国道[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b 『角川日本地名大辞典(千葉県)』19頁
  2. ^ 『千葉県の歴史』6頁
  3. ^ a b c 『千葉県の地名(日本歴史地名大系 12)』27頁
  4. ^ 『千葉県の将来⼈⼝と変化を踏まえた今後の地⽅創⽣のあり⽅〜⼈⼝変動を⾒据えたブロック毎のあるべき地⽅創⽣の姿〜』千葉銀行(2017年9月)2019年2月13日閲覧。
  5. ^ 千葉県最高峰の愛宕山 (南房総市)標高408.2mで、全都道府県中で最も低い。
  6. ^ 館山 平年値(年・月ごとの値) 主な要素”. 気象庁. 2016年4月12日閲覧。
  7. ^ 銚子 平年値(年・月ごとの値) 主な要素”. 気象庁. 2016年4月12日閲覧。
  8. ^ 銚子(千葉県) 主な要素”. 気象庁. 2016年4月12日閲覧。

参考文献[編集]

  • 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典(千葉県)』 角川書店、1984年、ISBN 4-04-001120-1
  • 石井進 他『千葉県の歴史』 山川出版社、2000年、ISBN 4-634-32120-3
  • 小笠原長和・監 『千葉県の地名(日本歴史地名大系 12)』 平凡社、1996年、ISBN 4-582-49012-3

関連項目[編集]