月讀宮

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月讀宮
Tukiyomi-no-miya(naiku) 07.jpg
右から2番目が月讀宮
所在地 三重県伊勢市中村町742-1[1]
位置 北緯34度28分24.6秒
東経136度43分43.8秒
座標: 北緯34度28分24.6秒 東経136度43分43.8秒
主祭神 月讀尊
社格 式内社(大)
皇大神宮別宮
創建 804年以前
本殿の様式 神明造
地図
月讀宮の位置(三重県内)
月讀宮
月讀宮
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月讀宮(つきよみのみや)は内宮(皇大神宮)別宮で、三重県伊勢市中村町にある神社である。「月宮」と略字表記される場合がある。

第62回神宮式年遷宮では、内宮の遷御の約1年後の2014年(平成26年)10月6日午後8時に遷御が行われた[2]

概要[編集]

表参道口の鳥居
内宮末社の葭原神社
手水舍と宿衛屋

月讀宮は外宮(豊受大神宮)から約3.8km、内宮から約1.8kmの五十鈴川中流域の中村町にある内宮別宮である。祭神は月讀尊(つきよみのみこと)。「つきよみさん」とも呼ばれるが、同じく「つきよみさん」と呼ばれる外宮別宮の月夜見宮の祭神「月夜見尊」は本別宮と同じ神とされている。

宮域には同じく内宮別宮の、月讀尊の魂を祭神とする月讀荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を祭神とする伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)を祭神とする伊佐奈弥宮(いざなみのみや)の3社がある。複数の社殿が並ぶ別宮は月讀宮以外では瀧原宮の2社のみで、社殿は荒祭宮以外の内宮の他の別宮と同等で、正宮に比べれば小規模であるものの、神明造社殿が4つ並ぶ様は壮観である。月讀荒御魂宮は2014年10月6日午後10時、伊佐奈岐宮・伊佐奈弥宮は10月10日に遷御を催行した[2]。2014年に解体された月讀荒御魂宮の古材は、2012年に火災で本殿を焼失した栃木県足利市緑町の八雲神社へ譲られた[3]。八雲神社は森高千里の楽曲『渡良瀬橋』に登場する[3]

向かって右(東)から月讀荒御魂宮、月讀宮、伊佐奈岐宮、伊佐奈弥宮と並んでいるが、参拝は月讀宮-月讀荒御魂宮-伊佐奈岐宮-伊佐奈弥宮の順が正しいとされる。

最高神天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟神の月讀尊が祭神であることから、内宮別宮としては天照大神の魂を祭神とする荒祭宮(あらまつりのみや)に次ぐ順位で、内宮宮域外の別宮としては最高位の別宮である。

宮域には上記別宮4社のほかに、内宮末社の葭原神社(あしはらじんじゃ)がある。ほかの境外別宮と同様に、神職が参拝時間内に常駐する宿衛屋(しゅくえいや)があり、お札・お守りの授与や、神楽や御饌の取次ぎを行なっている。

祭神[編集]

  • 別宮
  • 月讀宮:月讀尊(つきよみのみこと)
  • 月讀荒御魂宮:月讀尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)
  • 伊佐奈岐宮:伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
  • 伊佐奈弥宮:伊弉冉尊(いざなみのみこと)
  • 葭原神社:祭神はいずれも田畑を守護する五穀の神とされる。
  • 佐佐津比古命(ささつひこのみこと)
  • 宇加乃御玉御祖命(うかのみたまのみおやのみこと)
  • 伊加利比売命(いかりひめのみこと)

歴史[編集]

由緒は定かではないが、第50代桓武天皇804年(延暦23年)の大神宮儀式帳に「月讀宮一院、正殿四区」で、一囲の瑞垣内に祀られていたと記されており、別宮4社あわせて「月讀宮」と呼ばれていた。第56代清和天皇867年(貞観9年)に伊佐奈岐宮と伊佐奈弥宮の宮号が与えられた。

第60代醍醐天皇の927年(延長5年)の延喜式によれば、この時代には伊佐奈岐宮と伊佐奈弥宮に瑞垣をめぐらし一院とし、月讀宮と月讀荒御魂宮が同様に一院となっていたとされる。1873年(明治6年)より、4社とも個別の瑞垣を持つ現在の形になった。

祭事[編集]

皇大神宮に準じた祭事が行なわれ、祈年、月次、神嘗、新嘗の諸祭には皇室からの幣帛(へいはく)がある。

  • 1月
    • 歳旦祭(さいたんさい)(1月1日) 新年を祝い、皇位の無窮を祈る祭り。
    • 元始祭(げんしさい)(1月3日) 年始にあたり、天津日嗣(あまつひつぎ)の本始を祝う祭り。
  • 2月
    • 建国記念祭(けんこくきねんさい)(2月11日) 神武天皇の建国の創祀を祝う祭り。
    • 祈年祭(きねんさい)(2月18日) 年の初めに穀物の豊穣と国家の安泰を祈る祭り。
  • 5月
    • 風日祈祭(かざひのみさい)(5月14日) 外宮内宮のほか、別宮末社摂社などに幣帛を供進し、風雨の災いなく五穀豊穣であるように祈る神事。
  • 6月
    • 月次祭(つきなみさい)(6月18-19日) 6月と12月の11日に国家の平安と天皇の福寿を祈った祭り。神宮では神嘗祭と合わせて三節祭または三時祭と呼ぶ。
  • 8月
    • 風日祈祭(かざひのみさい)(8月4日) 外宮内宮のほか、別宮末社摂社などに幣帛を供進し、風雨の災いなく五穀豊穣であるように祈る神事。
  • 11月
    • 新嘗祭(にいなめさい)(11月24日) 天皇がその年に収穫された穀物を神に供えるとともに自らも食し、収穫を感謝する祭り。
  • 12月
    • 月次祭(つきなみさい)(12月18-19日)
    • 天長祭(てんちょうさい)(12月23日) 今上天皇の誕生日を祝う祭り。

社殿[編集]

伊佐奈岐宮と伊佐奈弥宮

別宮4社の社殿はほぼ同じで、祭神が男神か女神かに関係なく内宮に準じ、内削ぎの千木と、6本で偶数の鰹木を持つ萱葺の神明造で南面している。遷宮のための古殿地は通常は東西に隣接するが、月讀宮は南北であり隣接していない。月讀宮の社殿はほかの3社より若干大きく、鳥居も大きい。

境内社[編集]

葭原神社は内宮に準じ、内削ぎの千木と偶数の4本の鰹木に板葺の神明造である。

交通[編集]

JR参宮線伊勢市駅から徒歩約1時間

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『式年遷宮記念 せんぐう館|125社5』(式年遷宮記念 せんぐう館、2015年5月3日閲覧)
  2. ^ a b 「神業?」何度も台風の直撃を回避する伊勢神宮の「遷御の儀」”. 伊勢志摩経済新聞 (2014年10月13日). 2014年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年10月19日閲覧。
  3. ^ a b 八雲神社に待望の本殿 伊勢神宮が譲渡” (2015年2月21日). 2015年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月28日閲覧。

参考資料[編集]

  • 『月讀宮以下四別宮参拝のしおり』(発行:神宮司庁)
  • 『お伊勢さんを歩こう』(発行:伊勢神宮崇敬会)
  • 『お伊勢まいり』(発行:伊勢神宮崇敬会)