惑星連邦

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惑星連邦(わくせいれんぽう、: United Federation of Planets)は、アメリカSFテレビドラマ『スタートレック』シリーズに登場する架空の恒星間国家のひとつであり、スタートレック全シリーズの主人公が所属する国家である。劇中ではしばしば「連邦(Federation)」と略される。

概要[編集]

惑星連邦は22世紀、西暦2161年にそれまで対立していた地球アンドリアテラライトバルカンの4つの種族により設立された星間連邦国家である。24世紀後半の時点では、8000光年四方の極めて広大な領域を持ち、約150の惑星文明が加盟している。エンタープライズNX-01のジョナサン・アーチャー船長(初代連邦大統領)が最古参の4種族をとりまとめた経緯から、地球を拠点とした組織となっており、連邦評議会をサンフランシスコに、連邦評議会議長(大統領)府をパリに置いている。さらに劇中では地球のある星域を「セクター001」と呼ぶ。

連峰は主に加盟惑星間の科学技術、文化等の互助、共通の外交防衛政策を共通の目的としており、加盟各国の内政自主権は、ある程度までは尊重されている。設立経緯から、重要なポストには地球人、バルカン人、アンドリア人が多い。

惑星連邦の領域は近隣の星間国家と比較すると広大で、主にアルファ宇宙域とわずかなベータ宇宙域を領域に持つ。地球はアルファ宇宙域とベータ宇宙域の境に位置する。クリンゴン帝国ロミュラン帝国カーデシア連合ブリーン連合などと国境を接する。

惑星連邦という邦訳は第2のテレビシリーズ『新スタートレック』にて統一されたものである。『宇宙大作戦』シリーズでは吹き替えでは「地球連邦」「銀河連邦」「銀河連盟」などが混在している。また小説版では「宇宙連邦」と表記されていることが多い。

歴史[編集]

加盟惑星文明[編集]

惑星連邦は極めて広大な領域を持ち、その領域内の約150種族が加盟する。加盟条件は「ワープドライブを発明している」「その惑星内の紛争などの問題を解消している」「連邦加盟を希望する」の3つである。そのため連邦領域内に位置しはするものの、条件を満たさない文明も数多く存在する。

人種 備考
アンドリア アンドリア人 惑星連邦を設立した4つの種族の1つ。
エレージア エレージア人
カターラス カターリア人
地球 人間 惑星連邦を設立した4つの種族の1つ。
デネブ第四惑星 デネブ人
テラーまたはテラー・プライム テラライト人 惑星連邦を設立した4つの種族の1つ。
デルタ第四惑星 デルタ人
トリル トリル人
バイナス バイナー人
ヴァルカン ヴァルカン人 惑星連邦を設立した4つの種族の1つ。
ベイジョー ベイジョー人 ドミニオン戦争・終期加盟
ベータゼッド ベタゾイド
ベテルギウス第二惑星 ベテルギウス人
ベレスタス ケンタウルス人
ベンザー ベンザイト人
ボリアス第九惑星 ボリア人
ライサ ライサ人
ライジェル第五惑星 ライジェル人

機構[編集]

  • 連邦評議会(: The Federation Council
  • 連邦評議会議長(大統領)府(: The Office of the President of the Federation Council
    • 宇宙艦隊
      • 本部 (: Starfleet Headquarters)
        • 艦隊司令部 (: Starfleet Command)
        • バルカン科学大学 (: Vulcan Science Academy)
        • 連邦医科大学 (: Federation Medical Academy)
          • アポロ医師会 (: Apollo Medical Association)

宇宙艦隊[編集]

宇宙艦隊 (Starfleet) は惑星連邦の所有する、いわゆる宇宙軍である。ただし惑星連邦の設立趣旨上「軍」ではなく、あくまで外交・深宇宙探査・防衛目的の「艦隊」である。そのため戦闘目的の宇宙艦や技術を持つことは禁忌事項であり、近隣のクリンゴン帝国やロミュラン帝国に見られる火力の強い武器や遮蔽(透明化)装置といった技術は研究自体禁止となっている。ただし惑星連邦は24世紀半ばからボーグ集合体やドミニオンといった前例を見ない敵対勢力の脅威にさらされたため、戦闘目的の新技術も開発せざるを得なくなった。

惑星連邦宇宙艦隊の前身は、2151年からエンタープライズNX-01による本格的な深宇宙探査を行った地球連合宇宙艦隊である。2161年の地球、バルカン、アンドリア、テラライトによる惑星連邦の設立と同時に、地球の宇宙艦隊を解消発展させ惑星連邦宇宙艦隊として新たに発足した。地球連合時代から引き続き、宇宙艦隊本部と宇宙艦隊アカデミー(宇宙艦隊の士官学校にあたる)を地球サンフランシスコに置く。設立の経緯から艦隊士官は地球人が大多数を占め、次いでバルカン人が多い。しかし「宇宙艦隊は地球人のもの」というイメージは根強く、23世紀まではバルカン人をはじめ地球人以外の艦隊士官はほとんどいなかった。

スタートレック劇中でよく耳にする「連邦艦」はほぼすべて宇宙艦隊所属の艦を指す。連邦艦の船体は薄いグレー~白を基調とし、主に円盤部に円筒型のワープ推進部が接続した形状をしている。船体にはアルファベットで艦船接頭辞U.S.S.(連邦宇宙艦/United Star ship)に続く艦名と、その艦固有の識別コードである登録番号が書かれている。登録番号の接頭辞はNCCが正規の宇宙艦隊艦、NXが試作艦、NARが艦隊に所属していない民間の艦である(例:U.S.S.ENTERPRISE NCC-1701)。

「宇宙艦隊に所属する宇宙船とその乗組員は、いかなる社会に対してもその正常な発展への介入を禁止する」という「艦隊の誓い (en:Prime Directive) 」は宇宙艦隊のみならず惑星連邦の基本方針である。

艦隊規則等[編集]

一般命令第1条(艦隊の誓い)
  • ワープドライブ(超光速推進)技術が未発明の文明に対しては、正常な文明の発展を妨げるいかなる干渉をもしてはならない。
  • 自衛目的以外で武力行使をしてはならない。
  • 他文明への内政干渉・入植をしてはならない。
一般命令第7条
  • タロス4号星への接近・上陸の禁止。
同第?条
  • 永遠の守護者(時の門)への接近・上陸の禁止。
アルジェロン条約
  • 惑星連邦艦は遮蔽装置の研究、搭載を禁止[注 1]
第2キトマー条約
  • 亜空間兵器を研究、使用してはならない。
セラロン放射線の研究禁止
オメガ指令
  • オメガ分子を発見した場合、他のあらゆる任務より優先させそれを破壊しなければならない。
オメガ分子は分子ひとつでワープコア――恒星1つ分ほどのパワーを持つ、非常に強力なエネルギー源である。しかし非常に不安定で、安定するのは数兆分の1ナノ秒程度であり、その後大爆発を起こす。そしてその爆発は、爆心地から数光年に渡ってその宙域の亜空間(sub-space)を壊してしまう。亜空間の破壊によって、同じく亜空間のフィールド(ワープフィールド)を人工的に発生させることで成立する超光速推進技術「ワープドライブ」は使用不可能となり、実際に事故が起きた惑星連邦内のランタール・セクターでは100年以上ワープドライブが使用不可能になっている。
オメガ分子は、存在自体が艦長クラス以上の者のみが知ることが許される機密事項である。各宇宙艦の艦長は、自分の艦のセンサーがこの分子を感知次第、事態を艦隊司令部に報告し、オメガ分子を抹消しなければならない義務がある。これは「オメガ指令」と呼ばれ、内政干渉を厳格に禁じた「艦隊の誓い」よりも優先される。

ヘカラス条約

  • 緊急時を除き、宇宙艦の航行速度の上限はワープ5(光速の214倍)とする。
新スタートレック』161話「危険なワープエネルギー」において、ワープドライブの際に宇宙艦が人工的に発生させる強力な亜空間フィールド(ワープフィールド)が時空連続体に徐々にダメージを与え、最終的に宇宙空間が突然大爆発を起こす亜空間断裂が発生してしまうことが判明する。そのため非常事態以外ではワープ速度の上限はワープ5(光速の214倍)に制限される。数年後にはこの問題をクリアしたイントレピッド級宇宙艦の可変静翼ワープナセル等の、新しいワープドライブ技術が実用化され、これらの基準を満たした新型宇宙艦にはヘカラス条約は適用されない。

その他 

  • 異星人と親密な接触をする際には、艦長の許可を得た上で、船医から医学的検査を受けなければならない。
  • 原則的には、上陸任務は副長が指揮を執り、艦長は艦に待機しなければならない。
  • シャトル任務には2人以上であたらなければならない。
  • 艦長は保安士官の護衛なしに敵と相対してはならない。
  • 艦が破滅の危機に瀕した場合、艦長はクルーを守るため、いかなる正当な手段をも用いる権限がある。
  • 2隻以上の艦が関わる戦闘において、指揮権は戦術的に優位な艦にあるものとする。
  • 医療主任は艦長が肉体的・精神的に正常な指揮能力を失った場合、指揮権を剥奪することができる。
  • 他文明の星に上陸した艦隊士官は、その文明が定めた法律に従う。

階級[編集]

宇宙艦隊の階級細則はアメリカ海軍と同一であり、スタートレックシリーズの主人公はいずれも大佐か中佐である。

階級章は時代によって異なり、22世紀では胸元のピンバッジ、23世紀では袖の縞模様、24世紀では襟元のピンバッジである。Starfleet Uniformsより、各時代の Ranks を参照。

なお22世紀の地球連合時代の宇宙艦隊には、大佐(Captain)、少佐 (Commander)、大尉 (Lieutenant)、少尉 (Ensign)の4階級のみである。また他種族では階級も異なり、宇宙艦隊で大佐に相当するものがロミュラン帝国では「司令官」である。

提督[編集]
  • 将官:どの階級でも「提督」と呼ばれる。宇宙艦隊司令官、重要基地の司令官など。
    • 元帥 (Fleet Admiral):☆☆☆☆☆
      時代によっては「宇宙艦隊司令長官たる元帥」(Fleet Admiral serving as Starfleet Commander-in-Chief) とそれ以外の元帥とで階級章などが異なる場合がある。
    • 大将 (Admiral):☆☆☆☆
    • 中将 (Vice Admiral):☆☆☆
    • 少将 (Rear Admiral):☆☆
    • 准将 (Commodore):☆
キャリア士官(宇宙艦隊アカデミーを卒業した士官)[編集]
  • 佐官:宇宙艦の艦長、宇宙基地の司令官、副長や各部門の責任者など。
    • 艦隊指揮大佐 (Freet Captain):24世紀には廃止されている佐官の最上級階級[1]クリストファー・パイク船長など。
    • 大佐 (Captain):〇〇〇〇
    • 中佐 (Commander):〇〇〇
    • 少佐 (Lieutenant Commander):〇〇●
  • 尉官:
    • 大尉 (Lieutenant):〇〇
    • 中尉 (Lieutenant Junior Grade):〇●
    • 少尉 (Ensign):〇
  • 士官候補生 (Cadet)
下士官(宇宙艦隊の訓練を受けているが、アカデミー卒業生ではない)[編集]
  • 準士官(准尉):現場叩き上げ。各部門の責任者になることもある。
    • 最先任上級兵曹長 (Master Chief Petty Officer):オブライエンの階級
    • 上級兵曹長 (Senior Chief Petty Officer)
    • 兵曹長 (Chief Petty Officer)
  • 下士官
    • 1等兵曹 (Petty Officer 1st Class)
    • 2等兵曹 (Petty Officer 2nd Class)
    • 3等兵曹 (Petty Officer 3rd Class)
  • 乗組員:何らかの理由で階級を剥奪された者もこれになる。
    • 1等乗組員 (Crewman 1st class)
    • 2等乗組員 (Crewman 2nd class)
    • 3等乗組員 (Crewman 3rd class)

兵曹や乗組員は、それぞれ細分化せず1階級だけの時期もある。

スタートレック:ヴォイジャー』で前述した元マキのメンバーは階級名の前に「臨時」(Provisional) が付く。

制服[編集]

22世紀~24世紀を舞台にするテレビシリーズや劇場版による劇中時代の変遷により、宇宙艦隊の制服は徐々に変化していく。ただしこれら各作品は、世界観を共有するため、「クルーの仕事内容により制服の色分けがされている」という基本的なデザイン指針は同じである。ただし23世紀と24世紀では黄色と赤色の制服の意味が入れ替わっている。

  • 22~23世紀:指揮部門が黄色、技術・保安部門が赤色、科学部門が青色の制服
  • 24世紀:指揮部門が赤色、技術・保安部門が黄色、科学部門が青色の制服

*指揮部門(艦長、副長、パイロット、航海士)、技術・保安部門(オペレーター、エンジニア、保安部員)、科学部門(各種科学者、医者)

また通常の制服(将官専用の制服を含む)のほかに、環境服(宇宙空間での船外任務用の宇宙服)や礼装、戦闘服などといった服装も登場する。

以下の記述では、歴代のシリーズで着用された制服の主なデザインを、時間軸の順に解説する。なお、あるシリーズのある劇中年度の話から、別のシリーズの別の劇中年度の話に行くエピソードの場合、制服のつじつまを別の劇中年度に合わせた展開も見られるが、すべてを記すのは複雑なので、ここでは特筆すべき部分(映画11作目や、設定上の矛盾が生じた組み合わせなど)以外は省略。

A(22世紀・ENTタイプ)
スタートレック:エンタープライズ(ENT)』での制服。紺色の上下一体型(ジャンプスーツタイプ)で、制服というよりは機能性重視の作業服に近い。ファスナー付きのポケットが多く、通信機やスキャナーなどの機器を収納する。階級章は胸元の四角いピンバッジの数で表すが、この時代の階級は大佐、少佐、大尉、少尉の4階級のみである。所属部門色は両肩の部分に入っているラインの色で分けられている。矢じり型のおなじみの宇宙艦隊マークはなく、代わりに左上腕部にその船固有のワッペンがついている。デザインは現代の技術者などが使用するものや、スペースシャトルの乗組員(宇宙飛行士)が宇宙滞在中に船内で着用するユニフォームなどとあまり変わらない。
B(23世紀・TOSパイロット版タイプ)
記念すべき第1号の制服。TOSタイプと似ているが、首元のデザインが異なる他、部門色は黄色(指揮部門)と青色(科学部門)の2種類のみ。
TOSパイロット版「歪んだ楽園」で着用後、TOS「タロス星の幻怪人(前)(後)」の「TOSより10年前」と言及された映像で使用。
B'(23世紀・DISタイプ)
Bと同時期に着用されているがデザインは全く異なり、ENTタイプに似ている。連邦のシンボルカラーである青色を基調とし、部門色は指揮部門=ゴールド、技術・科学部門=シルバー、その他部門=カッパーの3色で、それまでのシリーズとは分類が微妙に異なる。医療部員のみ同形状で白基調・シルバーライン。肩に走る細いラインは階級によって異なる。
「歪んだ楽園」の2年後、2256年を起点とする『スタートレック:ディスカバリー』で着用。Bと異なる制服が着用される理由については、小説「Desperate Hours」においてBはエンタープライズをはじめとするコンスティテューション級のクルーのみが着用するものであると説明されている。第2シーズン予告編では、Bに準じたデザインの制服を着るパイク船長の姿が確認できる。
C(23世紀・TOSセカンドパイロットタイプ)
Bに似ているが、所属部門色が青と黄のみ。2本目のパイロット版、すなわちTOS第1話となった「光るめだま」で着用。この際、「画面に色が足りない」という指摘から、部門色は赤色を加えた3色となる。
D(23世紀・TOSタイプ)
TOSでおなじみの制服。上半身はラグランスリーブのシャツで、全体が所属部門色をしている。首まわりと男性のズボンは黒、女性はミニスカートに黒タイツ。所属部門は左胸の記章でも区別できる。左胸の記章はその船固有のものであり、矢じり型の宇宙艦隊マークはこの当時はエンタープライズ固有のマークであった(後に宇宙艦隊のシンボルマークとして再設定される)。
TOS『宇宙大作戦』およびTOSに忠実なアニメ版『まんが宇宙大作戦』で着用。極度に装飾を排したシンプルなデザインは当時としても画期的で、それがゆえに時代を経てもまったく色あせることがない。若い時代のカーク船長を描く2009年の映画11作目『スター・トレック』ではデザインはそのままに、布地が宇宙艦隊のマークで埋め尽くされているなど、細部がより凝ったデザインとなっている。
なおTOSには船長の護衛の保安部員が死亡するシーンがそれなりに多いため、「赤シャツは死ぬ」、「血染め」などの不名誉な言葉が生まれた。そのためか、TNG以降は黄色と赤色の部門が入れ替わっている。
E(23世紀・TMPタイプ)
TOSから10年後の世界を描く映画1作目『スタートレック』で着用。所属部門色は水色や白で、肩の階級章やベルトのバックルなど、Dよりアクセントが多い。よく見るとひとりひとりバリエーションが異なる。Dはパジャマのようなデザインで、映画1作目ではそれを払拭するデザインを目指したが「もっとパジャマみたいになった」とも言われた。
F(23世紀・TOS劇場版タイプ)
部門色シャツが廃止され、全員が赤色のジャケットに黒ズボンの制服となる。服の合わせが左右非対称で、所属部門色はインナーシャツの襟と合わせに使われているが、それまでとはまったく異なり、青色がない。映画7作目では若干仕様変更され、24世紀と同様のコムバッジ(通信記章)がつけられる。24世紀中期にはインナーシャツが廃止され、コムバッジも24世紀型となる。なお、機関部員が機関室にいる時着用するつなぎはまったくデザインが異なる。
映画1作目から5年後の世界を描く映画2作目『スタートレックII カーンの逆襲』で登場し、作品の成功もあって、映画7作目『スタートレック ジェネレーションズ』のエンタープライズB登場シーンまで使用。またTNGでもピカード艦長の少尉時代、22年前からタイムスリップしてきたU.S.S.エンタープライズCのクルーらもこの制服を着用。劇中では映画2作目(2285年)とエンタープライズCの時代(2344年)の間は59年もの年代差があり、この制服は相当長期間運用されたと言える。
G(24世紀・TNG初期タイプ)
ぴったりと身体にフィットするデザインの制服。襟はなく、黒をベースに上半身に、肩幅を強調するように所属部門色の非対称の変則5角形が配する。また肩に部門色のラインがはいっているのも特徴。このタイプから、所属部門色の赤色と黄色が逆になっている。また階級章として首元に金色の○と金ぶちの●が配置された。TOSタイプではワッペンであった宇宙艦隊マークは、通信・翻訳機を兼ねたバッジ型(コミュニケーター/コムバッジ)となる。Gのデザインポリシーは、のちのシリーズやデザインでも長く保たれている。
新スタートレック』の第1、2シーズンにて着用。また礼服将官服も登場する。なおこの制服にはTOSに見られたミニスカートタイプの制服もあるが、これを着ている男性もおり、女性専用というわけではない。当初はカウンセラーのディアナ・トロイが着用していたが、評判があまりよくなかったのか、メインキャラクターは早々に着なくなった。
H(TNGタイプ)
多くのファンが「スタートレック」と聞いて真っ先に思い浮かべるであろう、一番有名な制服。
Gのマイナーチェンジ版で、立襟のジャケット+ズボンの2ピース型となり、肩の部門色ラインがなくなり上半身のファスナーも背面となった。その他、生地もやや硬めのものに変更され、肩幅をより強調するデザインとなる。ただし下級士官役のエキストラが着用するものはGと同じく前ファスナーのツナギ型である。TNG第3~7シーズンで着用されたが、この制服の採用期間中もエキストラがGを着用している場面が見られる。
将官専用の制服も、TNGの第3シーズンにおいて立襟型に変更されたが、第6シーズンにおいては、さらなるマイナーチェンジ版の立襟型の将官専用の制服が登場する。これは劇場版では『スタートレック ファーストコンタクト』まで、テレビシリーズ版では『DS9』の第6シーズンの序盤まで着用される。
また、第5シーズンの102話「謎のタマリアン星人」からは、艦長専用ジャケットが登場する。基本的なデザインは似ているが、上着には襟がなく、襟から肩までが黒で、下半身は灰色のタートルネックのインナーウェアを上着の下に着用するタイプとなっている。階級章はインナーウェアの右襟に付けられる。
I(DS9・VOYタイプ)
Hにぱっと見似ているが、薄いパープルグレーのタートルネックインナーシャツに、黒をベースに両肩にのみ部門色が載せられたジャケットを着るタイプ。ジャケットはコンシールファスナーによる前開きとなり、襟元がV字に開く。コムバッジの形状もマイナーチェンジされ、艦隊マークの台座が楕円形から台形となる。階級章の形状に変更はないが、U.S.S.ヴォイジャーの元マキのクルーは、暫定士官という区別からその形状が異なる。
初登場となったDS9『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』では第1シーズンから第5シーズンの中盤(107話「あの頂を目指せ」)まで着用。TNGのキャラクターは映画7作目『スタートレック ジェネレーションズ』で、HからIへ徐々に着替えていく展開になっている(ただしウォーフ等、同映画のラストシーンまでHを着用するキャラクターもいる。またピカード艦長は途中でHからIに着替えるものの、ラストシーンではふたたびHを着用している)。
TNGの後番組であるVOY『スタートレック:ヴォイジャー』ではこのタイプの制服を第1話から最終話まで着用し変更はない。VOYは53話「レディQ」あたりが次項のJタイプの制服への変更時期となるのだが、地球圏から75000光年彼方を旅するVOYのストーリー上、U.S.S.ヴォイジャーがJへの変更を知るはずもない。ただしU.S.S.ヴォイジャーは82話「プロメテウスの灯を求めて」で地球と連絡をとることに成功し、それ以後数回の通信により制服の変更を知ったはずなのであるが、それでも旧来のものを着用し続ける。これはヴォイジャーがエネルギー節約のために制服の作成に必要なレプリケーターを極力使わないようにしているという、それまでの描写との矛盾回避のためと、地球のシーンとの対比が視覚的に分かりやすい演出上のためによるものである。
製作面では原則としてIをVOYで、Jを映画8 - 10作目とDS9で使い分けたため、Iを着用した映画は7作目のみである。また、VOY98話「偽装された地球」に登場した、生命体8472が変身した偽の宇宙艦隊士官たち、ならびに、同じくVOY121、122話「異空生命体を呼ぶ者達」に登場するヴォイジャーよりも前にデルタ宇宙域に飛ばされていたU.S.S.イクワノックスのクルーなども、このタイプの制服を着用している。
J(ファーストコンタクトタイプ)
全体的なデザインはHの肩と襟元の色が入れ替わったものとなっている。黒をベースにし、肩は縦線の入った灰色となる。所属部門色は、袖に入っているラインと上着の下に着用するインナーシャツの色で区別する。
劇場版シリーズでは、8作目『スタートレック ファーストコンタクト』から10作目『ネメシス/S.T.X』まで着用し、『スタートレック』に限らずテレビシリーズの映画化作品によくある「劇場での鑑賞にも耐えうる、暗めにしたデザイン」となっている。劇場版『ファーストコンタクト』公開時に第5シーズンを放送していたテレビシリーズのDS9では、『ファーストコンタクト』公開直後に放送された第5シーズン中盤の第108話「預言者シスコ」においてこのタイプの制服に変更となり、以降、最終シーズンの第7シーズンまで着用する。VOYでも第4シーズン以降において登場する地球圏のシーンで、レジナルド・バークレー大尉やディアナ・トロイ中佐などカメオ出演キャラクターがこれを着用。なお、将官専用の制服は、DS9の第6シーズンの「レジスタンスの苦悩」(第128話)において、新型のものに変更されている。
また映画9作目『スタートレック 叛乱』以降では、礼装も白を基調とした新型のデザインのものに変更されている。DS9でも最終シーズンである第7シーズンのエピソード「闇からの指令」(第166話)においてこの新型の礼装が登場する。
K(可能性の未来タイプ)
TNGタイプを元にした可能性の未来の宇宙艦隊制服。TOSタイプのようにシャツ全体が所属部門色をしており、胸の部分は黒い波線が横長に入っている。コムバッジのデザインは艦隊マークの台座が変則六角形になっている。
TNG最終話、DS9「父と子」、VOY最終話で登場。ただしこれらのエピソードはいずれもタイムパラドックスによる「可能性の未来」の一つであり、作品の正史に添った時間軸ではない。

艦隊に類似した制服[編集]

TNGのウェスリーの服
当初は私服だったが、第二シーズンからはG・Hに類似した灰色一色の服を着ている。同じコムバッジも使用しているが、個人的に模倣したのか、艦隊アカデミー受験生用なのかは不明。第三シーズン末期からは、アカデミーに入学もしていないのにもかかわらずHを着ている。
宇宙艦隊アカデミーの制服
TNG「悲しみのアカデミー卒業式」で初登場。G・Hに似ているが、胸から上が灰色で下が赤。DS9ではノーグもアカデミーに入学したため、比較的長期間これを着ているが、ドミニオン戦争の激化で繰り上げ卒業し、Jの黄服となる。また、レッド・スクワッドという特待生部隊が登場し、階級章の位置に赤い特殊なバッジを着用している。
ベイジョー艦隊
キラなどはベイジョー艦隊の士官服を着用している(オドーも使用しているが、体の表面を変形させてそう見せているだけ)。宇宙艦隊のG-Iに近いデザインだが、おもな違いは以下の通り。
  • デザインモチーフが宇宙艦隊は横分割だが、ベイジョー艦隊は縦分割。
  • 所属部門色の事務系統は青でなく灰色。
  • 黒い部分がない。
  • コムバッジはベイジョーの紋章をしており、右胸に付ける。また呼ぶために押したときの音も異なる。

宇宙艦隊アカデミー[編集]

宇宙艦隊アカデミー (: Starfleet Academy) は、宇宙艦隊の士官学校に相当する4年制の教育機関。卒業生はエリートである宇宙艦隊士官となる。

設立は2161年、地球のサンフランシスコ・プレシディオにある。モットーラテン語で「星々から、知識を (: Ex astris, scientia.) 」である。これはアポロ13号アメリカ海軍のモットーからきている。

惑星連邦市民であれば入試資格を持つが、その難易度は高い。宇宙艦隊アカデミーへ入学するためには、まず予備校とも言える宇宙艦隊アカデミー進学予備課程 (: Starfleet Academy Preparatory Program) を6週間受講する必要がある。この講習自体にも入試があり、受験生はストレス反応テスト、宇宙生活への適性テスト、演繹的思考テストに合格しなければならない。この「入試の入試」と呼べるものだけで、4日間を必要とする。

例外的に惑星連邦市民以外の受験も可能だが、宇宙艦隊指揮官レベルの推薦が必要となる(例:ノーグなど)。

セクション31[編集]

惑星連邦設立当時からあるとされている、異質な秘密スパイ組織。その存在も宇宙艦隊の提督クラスのさらに一部しか知らない。宇宙艦隊情報部の下部組織だとも言われているが、組織図に載っているわけでもなく、惑星連邦と直接的な繋がりがあるわけではない。同様の組織にロミュラン帝国にはタル・シアーカーデシア連合にはオブシディアン・オーダーがあるが、これらの2組織が諜報機関として公式に設置されその存在が一般に知られている。しかしセクション31の名称はもちろん、この惑星連邦の諜報機関は存在はほぼ知られていない。

組織の呼称とその行動原理は地球連合宇宙艦隊憲章第14条31項 (: Article 14, Section 31) の、「非常事態においてはいかなる規則を曲げることも許される」という条項を都合良く解釈し、常設組織としたものである。組織の名称は31項 (Section 31) にもとづいているが、もちろん非公式な呼び名である。惑星連邦・宇宙艦隊のあらゆる規則に規制されることなく、本来なら違法とされる活動も躊躇なくおこなう。

組織の建物や本部のようなものも存在せず、情報は全て構成員の頭の中にだけ存在する。構成員は危機的状況に陥った場合、インプラントにより自らの意志で死を選択でき、同時に記憶も遮断することができる。高い能力と正義感を持つ者をスカウトすることで構成員を増やす。『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』ではルーサー・スローンがジュリアン・ベシアをしつこく勧誘する。のちにロミュラン帝国諜報機関「タル・シアー」もその存在を知ることになり独自に調査を開始するが、スローンは処刑され、セクション31なる組織は彼の妄想だったというかたちで調査は終了する。だがセクション31は消えておらず、引き続き活動は行われる。

連邦データベースの記録を自在に改竄したり、みずからの存在の痕跡を完全に消すことも可能である。基本的に独自の活動を行うが、存在を知る連邦高官と取り引きをすることもある。活動内容のほとんどが連邦の規則や倫理を破るもので、連邦の利益となることなら手段を選ばない。

『ディープ・スペース・ナイン』では、地球を訪れたオドーを秘密裏にウイルスの保菌者にし、将来連邦にとって危険となるであろう存在である創設者一族を抹殺しようと計画する。『スタートレック:エンタープライズ』にも登場している。放送順では『ディープ・スペース・ナイン』よりもあとだが、シリーズ内の歴史としてはこちらの方が早い。

また、従来とは異なる時間軸の『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(設定は2259年)にも登場するが、ここでは通常の部隊を装ってセクション31の名称が使用されているが、施設は秘匿され、建物に入るには厳重なセキュリティチェックを受ける必要があり、活動内容は極秘任務である。

映像作品以外では、オンラインゲーム版『Star Trek Online』(設定は25世紀)や小説版『Star Trek: Section 31』シリーズなどにも登場する。

構成員[編集]

※特記のないかぎり、映像作品。

22世紀

23世紀

23世紀(『スター・トレック』以降の新時間軸)

  • アレクサンダー・マーカス提督(『スター・トレック イントゥ・ダークネス』)
  • トーマス・ヘアウッド(『スター・トレック イントゥ・ダークネス』)

24世紀

25世紀

  • フランクリン・ドレイク(オンラインゲーム『Star Trek Online』)

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ 惑星連邦と同盟関係にあるクリンゴンの船には遮蔽装置が搭載されている。なお、例外として、DS9宇宙ステーションに配備されたディファイアント級U.S.S.ディファイアント:NX-74205のみは、遮蔽装置を搭載している。

出典[編集]

関連項目[編集]