ジェームズ・T・カーク

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宇宙大作戦のジェームズ・T・カーク(演:ウィリアム・シャトナー)

ジェームズ・タイベリアス・カーク(James Tiberius Kirk)はSFドラマ『スタートレック』シリーズに登場する架空の人物である。『宇宙大作戦』(TOS)及び映画シリーズの主人公であり、小説やコミック、ゲームにも多数登場している。

概要[編集]

長い歴史を持つスタートレックシリーズの最初の主人公。惑星連邦宇宙艦隊に所属するコンスティテューション級宇宙艦U.S.S.エンタープライズNCC-1701の3代目の船長である。『スタートレック(邦題:宇宙大作戦)』における彼の数々の冒険は、後のシリーズにおいても知らぬ者はいない伝説となっている。

性格[編集]

明るく楽天的で、行動力があり、直感的に物事を判断するリーダー。基本的には落ち着きがあり倫理的な行動規範を持つものの、しばしば激昂したりルールを無視する場面が見られる。

常に氷のように冷静なスポック副長、皮肉屋の旧友レナード・マッコイ船医との掛け合いはドラマの見どころのひとつとなっている。後のシリーズと異なり、率先して危険な惑星上陸任務に赴き、これを指揮する船長(宇宙艦隊の規約などの設定が固まっていなかったという点もある)。

「女性関係が多い」というイメージもあるが、これはシーズン3におけるプロデューサーからの「ロマンスシーンを多く入れろ」という要請からそうなってしまった経緯がある。そのためシーズン2までは別人のようにロマンスシーンがない。

経歴[編集]

2233年地球のアイオワ州リバーサイド出身。アイオワ州以外は正史では言及されていないが、公式ウェブサイトではそのように紹介されている。シリーズの生みの親ジーン・ロッデンベリーも「リバーサイドで生まれた」とする説をモチーフにしたとされる[1]。先祖はアメリカ西部開拓者である(宇宙大作戦「危機一髪!OK牧場の決闘」)。

少年時代は本の虫でおとなしい性格であったが、なんらかのきっかけで奔放な青年へ成長する。この「きっかけ」のくだりは『スター・トレック (2009年の映画)』のDVD特典のカットされたシーンで描かれている。奔放な発想によって2254年には宇宙艦隊アカデミーに在籍中、決してクリアすることができない"コバヤシマル"テストをクリアした唯一の候補生となる。

2263年に30歳の若さで大佐に昇進、オーバーホールを終えたU.S.S.エンタープライズの船長として、5年間の深宇宙探査に赴く。(『スタートレック(邦題:宇宙大作戦)』)

2268年には提督(少将)に昇進し、宇宙艦隊司令部に所属するが、2272年に地球に襲来した謎の物体「ヴィジャー」を迎え撃つため、再びエンタープライズの指揮を執る。2285年に惑星ジェネシス~クジラ探査船の地球襲来事件により命令違反を問われて大佐に降格となり、U.S.S.エンタープライズAの船長に就任。2293年に惑星連邦とクリンゴン帝国との同盟の礎を築く。同年、U.S.S.エンタープライズBの処女航海に招待されるも、謎のエネルギーリボンに遭遇、エルオーリアの難民船を救助するも殉職する。(劇場版スタートレック1~6)

ケルヴィン・タイムライン[編集]

劇場版第11作『スター・トレック (2009年の映画)』の舞台となる平行宇宙での時間軸。2233年4月に父であるジョージ・カーク大尉が勤務するU.S.S.ケルヴィンの脱出ポッドの中で生まれる。その後アイオワにある叔父の農場で幼年期を過ごす。「天才的頭脳を持つ問題児」な青年に成長した彼は、宇宙艦隊のクリストファー・パイク船長にスカウトされ、宇宙艦隊アカデミーに進学する。その後パイク船長の後任としてU.S.S.エンタープライズの船長となる。

シャトナーバース[編集]

ウィリアム・シャトナー自身による続編小説シリーズにおいて『ジェネレーションズ』での死亡後、ロミュランとボーグによって復活、TNG、DS9、VOYのキャラを巻き込みながら活躍する事になる。このシリーズは通称シャトナーバースと呼ばれている。
オデッセイ
  • STAR TREK: The Ashes of Eden(未訳)
  • 新宇宙大作戦 カーク艦長の帰還 (The Return)
  • 新宇宙大作戦 サレックへの挽歌 (Avenger)
ミラー・ユニバース・トリロジー
  • 新宇宙大作戦 鏡像世界からの侵略 (Spectre)
  • 新宇宙大作戦 暗黒皇帝カーク (Dark Victory)
  • 新宇宙大作戦 栄光のカーク艦長 (Preserver)
トータリティ
  • Captain's Peril
  • Captain's Blood
  • Captain's Glory

ネーミング[編集]

ジェイムズJamesの愛称がジムJimであることから、スポックマッコイら親友からはジムと呼ばれる。このため、キャラクター紹介でもジム・カークとされることがある。

初登場となるパイロットフィルム"Where No Man Has Gone Before"(「光るめだま」)では、ミドルネームのイニシャルは「R」とされていた。

本放送では「ジェームズ・T・カーク」とされ、ミドルネームについては言及はされていなかったが、1974年アニメシリーズ第16話"Bem"(「分解宇宙人ベム」)で初めて「T」が「タイベリアス」の略とされた。これが映画第1作の小説版でも踏襲された[2]ため、事実上の標準的設定[3]とされ、追随する多くの小説やファン・フィクションなどでもそのように扱われていった(小説版での表記は「ティベリウス」)。しかし、「正史」とされる実写作品[4]での「タイベリアス」の登場は意外にも遅く、1991年の「未知の世界」が初めてである。「タイベリアス」が正統な設定となったのは、「ジェームズ・T・カーク」の初登場から25年も経ってからのことであった。

映画11作目では出産直後、母により祖父の名を受け継ぎ「Tiberius/タベリアス」と命名されるシーンがあるが、この作品内では度々自ら「Tiberius」を名乗っている。

小説や以降のテレビシリーズではCaptainを「艦長」と訳しているが、日本でテレビ放送した宇宙大作戦ではCaptainを「船長」と訳したため、日本ではカークのみ「船長」と呼び区別するのが慣例となっている。宇宙大作戦以前の時代を描いた『スタートレック エンタープライズ』のジョナサン・アーチャーも「船長」と呼ばれることとなった。

演じた俳優と声優[編集]

俳優[編集]

ウィリアム・シャトナーが演じた。TOS#79"Turnabout Intruder"(「変身! カーク船長の危機」)では、女性に変身してしまったカークをサンドラ・スミスが演じている。2009年に公開された『映画11作目』ではクリス・パインが青年時代、ジミー・ベネットが少年時代を演じている。

日本語版吹き替え[編集]

TOSとDS9、ENTでは矢島正明、TOS第79話「変身! カーク船長の危機」の女性に変身してしまったカークは野沢雅子。劇場版では矢島正明 (TMP-ST3テレビ版、TMP-ST6再録版、GEN)、大塚明夫 (ST4テレビ版、ST6ビデオ版)、筈見純 (ST5機内上映版)、阪口周平 (STXI-STID)。『まんが宇宙大作戦』では佐々木功。なお大塚はTNGでウィリアム・T・ライカー役、阪口はST3再録版で青年期のスポックも演じている。

ディープ・スペース・ナイン(DS9)』第104話「伝説の時空へ」にも再登場するが、これはシスコらが『宇宙大作戦』43話「新種クアドロトリティケール」の過去に行ったという設定で、当時の映像の編集・合成。声は原語版では俳優本人が声を演て、吹き替えではカーク役の矢島とウフーラ役の松島みのりはオリジナルと同じで、スコット役はシーズン1で同役を演じた小林修が起用されている。

脚注[編集]

  1. ^ スター・トレック、カーク船長の「未来の生まれ故郷」で町おこし、米アイオワ州 - AFP BB News 2009年5月4日
  2. ^ 作品中では「カークの祖父サミュエルがローマ皇帝ティベリウスにちなんで名づけたが、カーク本人はこれを良しとせず、自ら略すことが多い」としている。
  3. ^ 映画作品の小説版やマイケル・オクダによる設定資料などでは公式設定に準ずる扱いを受けることがあるが、あくまでも正統な設定の扱いはされない。
  4. ^ スタッフの間では、スタートレックの「正史」とされるのは実写映像化された作品のみであり、アニメシリーズや小説版は正統な設定とはされない。